もんむす・くえすと! 勇者ルカと仲間たち   作:J・チェプナクル

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第60話 再起の呪い

__これは昔、ジョージとマモルの過去の話。

彼らが、まだ小さい少年の頃、生まれ、亡き友ショウトとの出会い、そして現在に至るまでの人生譚である。

 

ジョージはある農村の、一般的な村人の生まれ、

マモルは代々、結界術に携わる家系で生まれた。

そして彼らの友人、ショウトは、呪具を管理する家系の次期当主として生まれた。

誕生してから彼らはそれぞれ、思い思いに過ごしてきた。

ジョージは田んぼに集まる虫を追いかけ遊び、マモルとショウトは幼少期から互いに家業に関わり、面識を持ち、親交を深めた。

 

しかし、生活というのは時に異変が生じる。

時に変化が起きたのは、今から12年前。

村で流行り病が流行したのだ。

 

マモルとショウトは、いわゆる貴族のような家柄だった。

流行り病に対する特効薬がどれほど高い値段になっていようと、それを払えるほどの資産を持っていた。

 

しかしジョージは違った。

ジョージは、ごく普通の村人として生まれた。

特効薬は急速に高まる需要によって供給が間に合わなくなり、それに比例するように価値も高まる。

結果、早い段階で手に入れられなかった村人にとっては、正真正銘、高根の花になってしまった。

運悪くジョージは親共々、流行り病に身を蝕まれてしまった。

そして残念なことに、ジョージの家は、その特効薬を最も低い値段の間に手に入れることが出来なかった。

間に合わなかった。

その状況がどういうモノなのかは、当時、ジョージは子どもながらも理解できていた。

…それでも、ジョージの親は、自分の子どもに生きて欲しかったのだろうか。

ジョージの親は、家財道具を売り払った。

そしてやっとの思いで、たった一人分だけの量しかない薬を手にすることができた。

全ては、子どものために。愛する我が子のために。

親はその薬を、ジョージに使おうとした。

ジョージは拒んだ。

「嫌だ。」

「自分だけ生きて、愛する親がいなくなるのは嫌だ。」

「一人にしないで。」

「一人ぼっちにしないで。」

「死ぬのなら、自分も一緒に死ぬ。」

そんな願いも虚しく、有無を言わさず薬を飲まされた。

そして…ジョージの病は治ったものの、ジョージの親は流行り病で亡くなった。

 

こうして、ジョージは天涯孤独の身となった。

ジョージの親は家財道具を全て売り払ってしまっていた。それは自分たちの家すらも。

帰る家も無くしたジョージは、それからを孤児として過ごした。

しかし、愛してくれた親はもういない。

愛情を注いでくれる存在も、受け止めてくれる存在もいない。

どこの子かも知らない孤児を、流行り病が流行していたことも相まって、引き取る者は現れなかった。

誰からも愛されなくなったジョージは、次第に心は荒んでいった。

もはやその身には、病ではなく、心に鬼が住み着いてしまった。

誰も受け入れないのなら、自ら拒絶してやると__

 

ジョージはその後を、村の路地、森林や山の中をあてもなくさまよい、時は過ぎた。

その頃には、薬の供給が間に合うようになり、生き残った村人の手にも行き届くようになった。

しかし、村が泰平になったところで、病に倒れ、亡くなった人は戻ってこない。その痛みに狂う者も数知れなかった。

まだ幼かったジョージも、その一人だった。

同情の、善意を持った手を差し伸べられても、彼は自ら振り払って拒絶した。

孤独となった自分を、解かしてくれる人間は現れやしない。

意識こそしていなかったものの、無意識にそう思うようになった。

 

 

__しかし、その孤独で凍てついた心は、二人の少年と出会うことで解かされることになる。

 

 

流行り病も鳴りを潜めた頃、幼かったマモルとショウトは森で虫取りに興じていた。

そして互いに気分が盛り上がっていた時に、一人の少年を見つけた。

地面に倒れ込んでいた少年の身体は痩せ細り、衣服もひどく汚れ、今にも死んでしまうそうにも見えた。

しかしその目は、鬼が睨んでいるかのような目つきだった。

恨み、辛み、憎しみといった、憎悪という負の感情を体現したような目。

来るな、近寄るなと叫ぶかのように、こちらを睨んでいた。

その少年は、人を拒絶するようになったジョージだった。

 

それが、ジョージ、ショウト、マモルの三人の出会いである。

 

さっきまでの楽しさはどこへいったのやらと、マモルとショウトはしばらく、その飢餓に苦しむ少年を見つめていた。

少ししたころに、マモルは「_どうする?」と呟いた。

ショウトはすぐさま答えた。

「…家に連れて帰ろう。」

マモルは困惑した。

「_連れてどうする?」

「…まず風呂。あとは食べ物。」

そう言いながら、倒れていたジョージに手を差し伸べた。

しかしジョージはその手を振り払った。

「そんな身体なのに、強情な奴だなぁ。ますます放ってはおけないぞ。」

しかしショウトは、振り払われた手を再び差し出した。

ジョージはギョッとした。今まで出会った人間は、一度、振り払えば突っぱねたからだ。

「…怖くない。俺たちは敵じゃない。」

ジョージは恐る恐る手を出し、差し伸べられた手を握った。

柔く暖かい手。久しぶりに感じた、優しさだった。

 

 

そしてジョージは、ショウトの家で保護してもらった。

しかし、ジョージの心はまだ開いてはいなかった。

ジョージからしてみれば、見ず知らずの自分と同じくらいの年頃の少年2人に連れられて、しかも家は屋敷と呼べるほど広い家だ。

相手は身分が高い者なのかは分かる。が、この2人は何者なのか。

そして、自分はこれからどうなるのか。どうするのか。

それらの要素から来る不安と警戒によって、完全には安心できていなかった。

「…ある程度は、俺たちに対する敵対心は解けたみたいだけど……随分と頑固者だな。」

3人畳のある広い部屋にいた。ジョージは用意してもらった流動食で飢えた腹を満たしていた。

「_あぁ、まったく喋らないしな。なんで連れて来ようと思ったんだ?」

「…なんでもいいだろ?理由なんて。」

「_でたよ、お前の気まぐれ。」

2人は軽く笑談して、再びジョージに向き直る。

「…少ししたら、君の家に送るよ。場所はどこだ?」

君の家……ジョージはその言葉に反応した。

そして、咄嗟に呟いた。

「帰る場所はもうない。」

その言葉で、ショウトは何かを察した。

ショウトは少し考え込むと、再び顔を上げた。

「…なら、ここに住めばいい。」

「_何言ってんだぁショウト!?」

「…問題ないさ。金くらいはある。だが条件がある。」

ショウトはジョージの近くに寄った。そして言い聞かせるように、ジョージの眼を見た。

「…俺の使用人として働くんだ。それなら、金は出せる。それに、ここに住める理由にもなる。」

そう聞いて、ジョージは再び敵対する反抗の眼となった。

あまり知識を身につけていないジョージでも、ある程度は理解できた。

そして、ショウトの言っている意味を、「この家の奴隷になれ」と解釈した。

「…勘違いさせてしまったな。なにも下人になれとは言っていない。」

「…ここで働いて金が貯まれば、自分の帰る場所を買えばいいのさ。」

「…雑用はさせるけどな。あとは俺と同じような教養も受けれるように説得してみる。部屋は俺と相部屋にしよう。」

…何を言っているのかわからない。奴隷じゃない?教養?相部屋?

いきなり、次々と言われてジョージは困惑した。

ショウトはジョージの反応を見て、自分は分かりにくいことを相手に言っていると自覚した。

なので今度は、伝わるように言葉を選んだ。

「…自分の帰る場所を、自分の手で掴むまで、ここにいて良いって言ってるのさ。俺は。」

その言葉を聞いて、ジョージはやっと理解した。

しかしそれと同時に、その内容にジョージは驚いた。

「…な?悪い話じゃないだろ?」

「_ショウト、なんか大盤振る舞いすぎやしねぇかぁ?」

「…ケチんぼうなお前に言われたかないよ、マモル。」

再び、ショウトはジョージの眼を見た。

「…どうだ?やるか?」

ジョージは反抗の眼を止めた。

そして、友好を感じるような眼つきで頷いた。

この相手は、恩を返さなければならない相手だと、ジョージはそう感じた。

 

それからのジョージは、ショウトたちと寝食を共にしていくうちに、いままで失っていたモノ…人間としての心を取り戻していることに実感した。

人の温もり…友情…人として得るであろうモノを、失った時間を取り戻すように、ジョージは謳歌した。

学びというのは、ジョージとっては娯楽と同じくらい楽しいモノだった。

ある時は、自ら進んで武術を身に付けることもした。

何年か経った頃には、自らの資金で家と畑を買い、一人暮らしを始めた。

そうした生活をしているうちに、かつての鬼の顔は鳴りを潜め、穏やかな性格になった。

 

数年過ぎたある日、ジョージは、なぜ自分にこんなことをしたのかと尋ねた。

「_あぁ確かにぃ…なんで?」

「…なんでか…って?そうだなぁ…」

「…寂しそうだなっていう勝手な同情…だったかな。」

…それだけ?

「_おいおい、嘘つけぇ、仮面被る気かよぉ?」

「…それだけだな。他に何があるって?」

他に…あるのではないのか?

もっとこう…それらしい理由が……?

「…いやなぁ、小さい頃からの友人ってのがこいつ(マモル)ぐらいしかいなくてな。幼い子どもながらの、安っぽい同情だよ。」

いやしかし……納得できん………

「_同意見。どうせいつもの博打で出た結果なんだろぃ。」

 

「……知ってるか?余裕だよ、余裕。賭け事でも大事なことだ。」

………む?

「_なんだぁ?急にぃ……」

「…人を助けれる奴ってのは、心に余裕がある奴なんだよ。」

何を言うかと思えば……誤魔化す気だな?

「_お前ぇ…考えてること全部吐かねぇと、ケツに爆竹入れんぞ。」

「……わーった!わかったよ!本音を言ったるよ。」

 

「…友達が欲しかったっ。」

 

それを聞いたジョージは、それは友情を超えた感情が生まれた!

主人に忠誠を誓う家来と同じような感情……「忠義」!!最も当てはまる言葉はそれだろう!

「_ホントにそれで全部なんだろうなぁ?」

「…ま、理由はなんであれ、もういいだろ?俺達ゃこうしてここにいるんだ。」

「…マモル共々、これからもよろしく頼むぜ、親友ジョージ__」

 

 

 

 

 

__時は今に回帰する。

ジョージとマモルは、ショウトとの思いでを、走馬灯のように思い出していた。

いや、一瞬にして、脳裏によぎったと言うべきか。

_____誰かに明日を生きてほしい。

ルカが放った言葉を耳にしたとたん、まるで弾けるように、電流が走るように、記憶が駆け巡ったのだ。

__何故?何故、廻った?

何故、ショウトは自分を助けた?

何故、ショウトは我らを助けた?

その理由は、既に知っていた。

___「友達だから」

知っていたのに、知らないフリをしていた。

心の底から、知らないフリをしていた。

復讐という感情に、目前を曇らされていた。

復讐という鬼に、心を動かされていた。

 

__だからこそ、気付いたのだ。

 

ショウトの真の想い…それは…

「生きて欲しい」

…ただ、それだけだった!

 

それに気付いたジョージとマモルは、己を恥じた。

イズクに復讐を果たした後、自分たちは死ぬ気だった。

しかしそれは、ショウトの意思に反する行為!

……まるで喜劇だ。醜い喜劇。

勝手に無念を晴らすと豪語して、勝手に死ぬ気になっていて。

…なんとも恥ずかしい話だろう。

これは、なんとも!恥ずかしい話だろう!!!

 

ジョージ「__何が鬼だ…!何が無念だ…!」

マモル「__何が心に鬼が住み着いただ…!!」

___己を恥じれ…!!!

 

ショウトは…自分たちに生きてほしいために……

己が命を懸けたというのに……!

我らが…ここで死んでしまっては……

ショウトの想いを、無駄にするではないか…!!!

まるで消える泡沫のように……

雑草を踏みにじるかのように……

無駄にするではないか!!!

 

 

 

 

ショウト「__…ってことは、まだ無駄じゃないってわけ。」

 

ジョージ「…!?」

マモル「……!?」

 

ショウト「__だってお前ら、まだ生きてるじゃねぇか。」

 

ジョージ「ショウト……なのか…!?」

マモル「おめぇ…どこに…!?」

聞こえた。確かに聞こえた。2人揃って聞こえた。

思わず、辺りを見渡そうとする__

ショウト「__おおっと、約束を忘れたわけじゃあるまいな?」

…そう聞こえると、すぐに身体の動きを止めた。

……ショウトとの約束。声を掛けられたら、決して振り返らない。

約束を違えるわけにはいかない。すぐに見渡すのを止めた。

マモル「だけどよぉ…なんでお前の声が…?幻聴かぁ?」

ショウト「あー幻聴かもなぁ。」

ジョージ「……私にも聞こえる声が、幻聴なわけないだろう。」

声だけ聞こえたとしても、また出会えた嬉しさに身体が震える。

しかし疑問だ。これは夢か?本当に幻か?

ショウト「多分、俺が教えた祟術のせいだな。」

ショウト「あれは心が影響するからな。今になって、俺が生きている時の思念が伝わってるんだろうな。」

マモル「……そうかぁ。」

…だったら、今こうして話が出来る間に……

ジョージ「ショウト…私たちは…謝らなければならない……」

マモル「アッシたちは…お前の死に報いようとして…死のうとした…!」

ジョージ「すまない……!!!」

 

ショウト「__二人とも。俺は嬉しいよ。」

ジョージ「…なっ!?」

マモル「…はっ!?」

ショウト「そうなるまでして、俺のことを想ってくれてたんだ。謝るも許すもなにもないさ。なんだかな…嬉しいな。」

ショウト「良いよ、別に。俺ん家、あんな代物ばかり持ってる家だからな、いつしか、こうなる運命だったんだと思う。」

ショウト「でもこれで、俺の一族が受け継いでいった呪具は風化して忘れ去られる。あれらは人には過ぎた代物、だからこそ使わないために封印していたんだ。」

ショウト「忘れるべきモノなんだ…だから、これで良い。だって俺、死んじまったし。」

 

マモル「…だけどよぉ!!!」

ジョージ「だとしてもなのだ…!私たちはもはや…お前に合わせる顔がない…!!!」

 

ショウト「__世界ってのはな、みんなで作り変えるモノ。一人がひっくり返すもんじゃねぇと思うのさ。」

ショウト「善も悪も、最初はちっぽけな存在なんだ。それが誰かと出会ったりすることで、次第に強大な力になるんだ。」

ショウト「誰かが誰かと出会ったりとか、偶然だとか必然だとか、そういうのが何度も何度も繰り返されて、徐々に変わっていくもんだと、俺は思うのさ。」

ショウト「…だから俺は…その流れの中でお前らと出会えて__」

 

ショウト「_俺はお前らと友人で、楽しかったぜっ。」

 

気のせいだろうか。その声は震えているようにも聞こえた。

その言葉が聞こえて、思わず涙が溢れた。

ジョージ「だからって…」

マモル「やるせねぇよな…」

しかし現実はどうだろう。

ショウトは死んだ。戻っては来ない。

こうして会話できるのも、束の間の喜びだ。

ショウトが生きていた時の、死に際に感じた時の胸の内を知れたことで報われた部分はある。

だとしても、全てではない。

……どうすれば良い。

何を信じて、何を道標に生きていけばいい?

復讐だけを頼りに生きてきたジョージとマモルには、無気力だけしか残っていない。

この遺恨の呪い…もはや解くことすらできないのだ。

 

 

ショウト「……じゃあさ。ジョージ。」

ジョージ「…?」

 

ショウト「()()、持っていけよ。」

ジョージ「…()()?」

ショウト「その刀。もともと、俺のだろ?」

そう言われて、ジョージは自分が持っていた刀に目を移す。

祟り神の剣…明晰無慙(めいせきむざん)

そう、この刀の持ち主はショウトだ。

ショウトの墓に供えてあったのを、勝手に持ち出した。

本当ならご法度だ。

ジョージ「……良いのか?勝手に持ち出したこれを…私が使っても。」

ショウト「お前が使えば、その剣に宿る祟り神サマも喜ぶと思うし。」

ショウト「誰も使わないで、錆びていくのを眺めるの、俺はやだな。」

ジョージ「………確かにそうだな。それは私も同感だ。」

 

ショウト「マモル、ジョージを頼むぜ。じゃねぇとそいつ、一人じゃ生きていけねぇよ。」

マモル「……あいあいさ。じゃねぇとこいつ、人から野生に返りそうだし。」

ジョージ「なんだとっ。」

ショウト「ハハハッ、違いないや。」

 

ショウト「…人生は賭け事みたいなもんさ。踏んだり蹴ったり、山あり谷あり。」

ショウト「後生の頼みだ。死にそうになっても生きてくれよ。いつか良い事があるとかじゃなくて、良い事をいつか、その手で掴むために。」

 

ショウト「それじゃ、またな。」

ショウト「すぐ死んでこっちに来るなんて、やめてくれよな?」

ショウト「俺は向こうに行っても、お前らを見守ってるからな____」

 

 

 

___その声を最後に、ショウトの声は聞こえなくなってしまった。

ジョージ「………行ってしまったな。」

マモル「………あぁ。行っちまった。」

なんとなく感じていた。現世に留まり続けた彼の思念が召されたことに。

これで本当に…本当に最後だ。

しかし、ジョージとマモルの心の内は、不自然なほどに澄み渡っていた。

マモル「…向こうでも、賭け事に興じてるのかなぁ。」

ジョージ「フフッ…そうかもしれないな。」

霧が晴れた?朝日が差し込んだ?風が通り抜けた?

それ以上だ。もっとこう…まっさらな、クリアな感じだ。

ジョージ「だとしたら、邪魔してはいけないな。」

マモル「だなぁ。すぐ向こうに行ったら、アイツに大目玉食らいそうだしなぁ。」

あぁ…そうだ…この感じ……

もう我々の心には鬼はいないのだ。

人に戻ったんだ。戻れたのか。ショウトのおかげでか?

 

マモル「…おし、ジョージ。」

ジョージ「む?」

マモル「今度はアッシらが、あのホラ吹きバカ野郎に大目玉ブチ当てようぜぇ。行けるよな?」

ジョージ「…うむ。参るぞ!」

 

もう我らは…ここで立ち止まっている時ではない。

ショウトのために…自分たちのために…

 

「「前に進まねばならない!!!」」

 

 

 

……例えばの話。

自分にとって大事な存在が、亡くなってしまった時、人はどう感じるのだろうか。

人によっては、時が止まったと言えるだろう。

以上も以下もなく、時が進むことはない。動くこともない。

蓄積してきた記憶が溢れかえり、脳内でホームムービーのように投影されるだろう。

しかしいつしか、人は現実を受け入れなければならない。

すぐでなくとも、膨大な時間を費やしても。

そうしなければ、生きることはできやしないのだから___

 

 

遺恨の(のろ)いが今、未来への(まじな)いに変わったのだ!!!

 

 

 

 

 

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