もんむす・くえすと! 勇者ルカと仲間たち 作:J・チェプナクル
暗い雨雲が立ち込め、霧雨降る最中、ルカたちの負けられない戦いが始まった!
反魂鏡の力を身体に取り組み、右腕が醜く巨大に変化したイズクに対し挑むのは__
ルカ、カムロウ、ジョージ、マモルの4人だ!
ルカ「行くぞ、みんな!」
「「「あぁ!!!」」」
絶対に負けられない…!
今、僕たちは勝たなくちゃいけない!
ルカ「せいっ!」
ルカは飛び蹴りをした!
イズクは攻撃を巨大な右腕で受け止めた!
ルカ「あっ。だ、だめか。」
イズク「ちぃ…!なんだよこの生温い攻撃はぁ!まだ馬鹿にしてんのかよぉぉぉ!」
イズクは巨腕をぶん回し、ルカに攻撃した!
ルカ「うわああああ!」
もの凄い力で、ルカは吹き飛ばされ、地面に激突する。
ルカ「や…やっぱり僕の力って非力なのかな…?」
戦いが長引いているからか、さっきみたいな物凄いパワーが出なくなってきている。
今の僕じゃ、正面からの真っ向勝負だと力負けするだろう。
どうしたものか……
カムロウ「ルカ!僕たちを忘れてないか!」
ジョージ「勇者殿、ここは我々にお任せを!」
マモル「ちょいちょい、アッシも忘れてない?」
ルカの前に、カムロウとジョージが躍り出た!
カムロウ「
カムロウ「連発だっ!!」
カムロウは炎の玉を高速で連発した!
イズクは巨腕を振り回して、迫る炎の玉をかき消した!
イズク「こんな炎の玉でぇ!俺が燃えると思ってんのかぁぁぁ!__」
ジョージ「__ぬぅん!」
その刹那、ジョージはイズクの横から横一文字に斬りかかった!
イズクは巨腕で防御したが、深い斬り傷のダメージを食らった!
イズク「ちぃっ!ジョージぃ!てめぇ__」
カムロウ「__
カムロウは、大剣に光り輝く風を纏わせ、風の衝撃波を放った!
衝撃波は、イズクの顔面に直撃した!
イズク「ぶほぁぁっ!!」
イズク「このガキぃ!少しは喋らせろぉぉぉ!!!」
カムロウ「うるさいなぁ!お前は!いちいち、話が長いんだ!」
カムロウ「__
カムロウは空から、雷を呼び落とした!
雷はイズクにまっすぐ落ち、激しい衝撃と稲光を走らせた!
イズク「ぐうぉおぉぉおぉぉぉぉぉ!!!」
普通の人間ならば、雷なんて直撃したら一たまりもない。
しかし、異形の身体と歪んだ執念を持つイズクは一味違った!
イズク「ぐぅ……イタクねぇ…イタクは無ぇぇぇ!!!」
イズクは、身体に帯電していた電気を振り払った!
ルカ「な、なんてしぶとい奴なんだ!カムロウとジョージさんの攻撃だって、すごい威力なはずなのに!」
イズク「これならどうだぁ!?防ぐ術があるはずがねぇ!!」
イズクの右手の甲の鏡から、大量の矢が放たれた!
カムロウ「矢…!?こんな大量に!?」
ルカ「しかもこの場でか…どうやって避ければ良いんだ!?」
飛び放たれた無数の矢の雨。
避けようにも範囲が広すぎる!
ジョージ「_マモル!」
マモル「あいよ!まかせとけぃ!!」
マモルは持っていた
マモル「そらよォッ!!!」
マモル「
マモルは
それを見たイズクは、驚きのあまり口をポカンと開けた。
イズク「は…ぁ…?」
マモル「アッシが紙ばら撒くだけの能しかないって顔だな?ナメられたもんだなぁ。」
マモル「ジョージほどじゃあねぇけど、こんくらいはできまっせ!」
ルカ「いまのは…棒術…?いや、槍術か!」
マモル「薙刀術のつもりなんですがね。まぁどちらにせよ、棒の扱いは得意ですぜぇ。」
イズク「けぇっ…たかが棒切れ振り回したからって、調子に乗るんじゃねぇよぉぉ!!!」
マモル「調子に乗らせて、まだまだぶん回してやるよ!」
マモル「
イズクの巨腕とマモルの薙刀術が、互いに衝突し合った!
マモル「おおおぉぉぉ!」
イズク「があああぁぁ!」
殴りかかろうとするイズクに、マモルは
イズク「あぁぁ!邪魔くせぇぇ!邪魔なんだよぉぉ!!!」
何度も相殺し合う最中、イズクは右手を上段に構えた!
ルカ「あれは……!」
先ほどの戦いで、食らったことのある攻撃だ。
爆発するかのような衝撃波を攻撃だ!
ルカ「みんな!
カムロウ「ああ!」
ジョージ「御意!」
マモル「仰る通りに!」
イズクは巨大な右腕を地面に向かって叩きおろした!
すると、イズクを中心に爆風が巻き起こった!__
__ルカ達は、攻撃を耐えた!
イズク「耐えた…かぁ…!!」
ルカ「僕はまだまだ弱いけど、それなりに経験は積んでるんだ!同じ手は二度と通用しないと思え!」
イズク「けっ…だったら、これならどうだよぉぉ!」
イズク「うおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
イズクは右腕は禍々しいオーラを纏い始めた!!!
イズクの巨腕から、赤黒い蒸気が噴き出し、一層、威圧感のある姿に変化した!
ジョージ「あの身体で
マモル「そうとう追い詰められてるってわけだなぁ。完全に攻めに入ったか。」
ルカ「なんて禍々しい姿なんだ…!どうしてそこまで……」
イズク「なんでそこまでかってぇ!?当たり前だろうがぁ!そこまででもなんでもねぇよ!」
イズク「沼守の奴等はよぉ!こんな力があるのになぜ使わない!?力を持っていてなぜ使わない!?俺はこの力で世界を変える…!!俺が神になる!!!」
マモル「あーそれだよそれ。それがダメなんだよ。」
イズク「…?」
ジョージ「ショウトは言っていた……沼守の力は人には過ぎた代物だ。だからこそ使わない…と。」
イズク「………? つまり…
少し考えこむかのような感覚を開けて、イズクは喋り出した。
イズク「はぁ!?なんでつまんねぇ理由で、そんな勿体ない事を!?」
マモル「だから、お前みてぇな馬鹿が使うのを危険視したんだよ。」
マモル「そういや今、思い出したよぉ。知ってるか?お前が一族から追放された理由。ほら、アッシ、家柄でさ、耳にしたことあんだよ。」
マモル「お前さ、責任感が無いんだってさ。生半可で未熟で不十分で中途半端な責任力だって。当事者意識が無いとか、そんなボヤキも聞いたなぁ。」
イズク「なんだとぉ…!!!」
カムロウ「………結構、散々な言われようだなぁ。」
イズク「いつもそうだ……アイツらは…沼守一族の奴らはいつも、俺を使えねぇ奴見てぇな目で見てきてよぉ!」
マモル「えぇ?なんか間違ってますぅ?アッシ、聞いたことをそのまま言っただけですけどねぇ?おぉ?」
ルカ「………結構、煽るなぁ。」
ジョージ「マモルはそういう奴で…煽る時は良く煽る。」
イズク「この俺をォ…舐めやがってえええぇぇぇ!!!」
イズクは巨体を揺らし、ルカ達に突進してきた!
マモル「そんで、このまま突っ込む気か!
マモル「
ジョージ「うむ…!」
カムロウ「だ、ダメだ!いくら何でも危険だ…!!」
カムロウはジョージを止めようとしたが、それを、マモルは遮った。
マモル「待ちなぁ坊ちゃん。
カムロウ「武術の…?」
マモル「
マモル「アッシみたいな友を守るために、陰で血反吐を出すくらいに努力してなぁ。」
マモル「だから、アッシはあいつを信じれるんだ。」
カムロウ「……………」
__禍々しいオーラを身に包み、荒れ狂う闘牛のように突き進むイズクを前に、ジョージは仁王立ちをした!
イズク「ジョージぃぃぃ!いくらお前だって、今の俺を止めれやできねぇだろぉぉぉォォォ!!」
ジョージ「……………___」
__過去に遡り、ジョージが武術の修業に励んでいる時にまで戻る。
ヤマタイ地方にある、武術の道場。
その道場のとある、板張りの一室。
部屋の中で、ジョージは対面するように正座していた。
その相手は……一人の老人。
彼もまた、ジョージと対面するように正座をしていた。
彼は、ここの道場主であり、彼の弟子たちからは【老師】と敬愛されている人物であった。
老師「ジョージよ…象形拳は知っておるな?」
ジョージ「はっ……存じております。」
ジョージ「象形拳とは、動物の動きや特徴を模倣する武術。動物の動きや攻撃方法を学び、それらを人間の身体と比較して、武術に応用する拳法かと…」
例えば…
虎のような素早い攻撃と強力な突進で、相手を驚かせ優位に立つ
猿の柔軟性と器用さを活かし、素早い動きで反撃を行う
蛇のようなしなやかさと独特な動きで、相手の攻撃を躱す
ジョージ「今、上げたモノの他にも象形拳は存在します。」
老師「如何にも。お主の言う通りだ。」
老師「既存の生物の特徴を己が物とする象形拳。実在する動物を良く観察し、寄り観察し、その眼に焼き付け、動作から武術にまで発展させたモノ。」
老師「だが…その象形拳、明らかに
ジョージ「………
龍の優雅さと迅速さで、腕や脚を使い、円滑な動きで相手を攻撃する象形拳……
老師「しかしどうだろう…その
老師「龍というのは幻獣の一種。伝承上の生物とされている。なぜ伝承上の生物が、既存の生物でしか表せないはずの、象形拳の中にあるというのだ?」
老師「どうやって観察した?どこで目撃した?」
ジョージ「…老師、それは私にはわかりません。魔物から見て学んだ…とかでは?」
老師「確かに、魔物にも龍はいる。だが、我々の良く知る、想像上の動物の姿ではない。」
老師「ちなみに儂は龍を見た事あるよ。」
ジョージ「それは本当ですか…!?」
老師「嘘だよ。」
ジョージ「老師!?」
老師「ともかく…これの答えを、儂は知っている。」
ジョージ「…老師の考え、お教え願います。」
老師「うむ。」
老師「実に簡単な話だ。すでに人間は、龍を観察しているのだ。」
ジョージ「…老師。無礼を承知で言いますが、それは先ほど述べた事と矛盾しています……」
老師「うむ、今、儂が言った事……確かに矛盾していよう。だが、伝承上の生物という不確定な存在を見聞きすることも出来まい。」
老師「しかし人間は、見聞きしていないようで、見聞きしているのだ。」
ジョージ「……では我々は一体、いつ、どこで、どのように観察しているというのですか?」
すると老師は、腕を上げ、人差し指を立てた。
老師はその人差し指を___
老師自身の、頭をつつくようにツンツン差した。
老師「ここだ。」
ジョージ「……ア…タ…マ…?」
老師「そうだ。頭の中だ。」
老師「鹿の角。生えそろう鱗。鷹のような爪を持つ四肢。大蛇のような長い身体で、空を優雅に、自由自在に泳ぎ回る壮大で威厳ある姿。」
老師「この眼で見た事がなくとも、龍のイメージは想像できよう。」
ジョージ「……………」
老師「つまりは、空想の具現化。妄想の体現化。想像の武術化。と、いう事だ。」
老師「伝承上の生物は、既存している生物と似たような特徴を一部ずつ持っている。継ぎはぎではあるが、それらを真似て概ね表すことなら実現可能。」
ジョージ「(確かに老師の仰る通り……龍や
ジョージ「(龍は九つの動物と似た部分を持つと言われ…
老師「………象形拳の真髄……それは。」
老師「人間に与えられた知恵、好奇心や探求心より生まれたモノ……」
老師「森羅万象…万物の現象を、自身の身体を用いて極限まで表現する武術。その場に存在しない、実体のない
老師「……なのかもしれん。」
ジョージ「………………」
老師「若き日より武術の道を歩み
老師「人に教えを説く力量を持っていると評されようとも…儂もまだまだ、発展途上の身というわけだ……」
老師「型無くして、型破りとは言えぬ。ジョージ、精進を怠るな。」
ジョージ「ハッ…!」
老師「……ふむ。」
老師「儂ってまだまだ冴えてるよね。」
ジョージ「老師!?」
__現代に戻り、ジョージは構えを始めた!
ジョージは今、この場で象形拳を試みたのだ!
老師が語った象形拳。
その場に存在しない、実体のない
ジョージが自身の身体に憑依させようとした存在……それは……
ジョージ「鬼……! 鬼の象形拳!」
ジョージ「私は!心は人のまま、鬼の身体と成ろう!」
ジョージ「禍津の鬼を…身体に纏う!!!」
ジョージ「
ジョージは、
赤黒い隈取が、顔や全身を伝うように走り、全身からは赤黒い蒸気が、羽衣のように噴き出している。
ジョージ「今の拙者はぁ、
ジョージ「力比べとならばぁ、あ、受けて立とうぅゥ!!」
そしてジョージは、歌舞伎役者のような、見栄を切るかのような構えをとった!
イズク「それはァァ、道化のつもりかぁぁァァ!!!」
暴れ馬の如く突進をするイズク。
それを受け止めるように、ジョージは腰を深く落とし、両手を前に構えた!
ジョージ「道化の型とぉ、蔑むならばぁ!見せてしんぜよう、鬼の型!」
ジョージ「とくとご覧あれぃぃィ!」
なんとジョージは、イズクの突進を受け止めた!
互いに衝突した瞬間、双方の脚は地面を抉るよう深く埋まった。
しかし、ジョージの身体はビクともしなかった!
ジョージ「いよぉぉぉぉ__破ッ!!!」
ジョージはそのままイズクを背負い投げ飛ばした!
しかもその威力は並大抵ではなかった!地面は大きく凹み、激突したイズクは何度も、地面をバウンドした!
ジョージ「笑止!見誤ったな、イズク。今の拙者たちは、一味違うぞ!」
ジョージ「歪んだその身体になる前の貴様なら対応できただろう。だが、もはや自分を見失い、冷静な判断すら出来ない今の貴様に、拙者は力でやられるような男ではない!」
カムロウ「いや、ちゃんと普通に喋れるんですか……」
ルカ「それにしてもすごい力だな……!この調子なら、なんとか押し返せそうだぞ!」
カムロウ「でもキツイな…イズクの奴、あんなになってもまだ戦えるのか。僕たちだってかなり体力を削られてるのに……」
ルカ「いや、アイツの身体をよく見るんだ。」
そう言われてカムロウはイズクの身体をよく見た。
すると、先ほどジョージがダメージを与えた斬り傷、その傷の治りが目に見えて遅いことに気がついた。
カムロウ「身体の再生が遅くなってる!?」
ルカ「いくら不死身の身体でも、疲労は蓄積するみたいだ。」
ルカ「確かに、僕達もアイツと戦い始めて、かなり体力を削られた。でも、それは向こうも同じなんだ。」
ルカ「だから次だ。次の攻防戦で、この戦いは決着する…!」
ルカ「けど、問題がある……どうやってアイツを倒せば…!?」
問題はその倒し方。鏡をも取り込んだイズクをどう倒せば…!?
ジョージ「勇者殿、まだ打つ手は残されています!」
マモル「鏡でっせ!右手の甲にある鏡を狙ってくだせぇ!」
マモル「力の源はあの反魂鏡!あれを砕けば、アイツはもう戦えねぇ!」
ルカ「まだ、挽回できる機会は残されているってわけか………」
だが、これが最後のチャンスになるだろう。
今戦える僕達で団結し、どうにかしてイズクの右手にある鏡を破壊しなくてはならない!
絶対に勝たなくては…!
ルカ「よし……いいか、みんな!聞いたとおりだ!」
ルカ「全員、鏡を壊すことを優先するんだ!」
「「「「あぁ!!!」」」」
地面に伏せたままのイズクは、ゆっくりと立ち上がろうとする。
イズク「雑音ばっか出しやがって……なにが決着だぁ、なにが壊すだぁ…?」
イズク「てめぇら如きで、俺の【大義】は潰せねぇ!!!」
ルカ「何が【大義】だ!お前の言う【大義】は、私利私欲しか詰まっていない、心のない、ただの【欲望の塊】だ!ただ自分が幸福になりたいだけじゃないか!」
ルカ「お前の大義は、理にかなってないんだ!」
イズク「黙れえええ!この、何も知らないクソガキがあああ!!!」
カムロウ「ああ、そうだ!確かに僕たちは、大人たちと比べて何も知らない子どもだ!」
カムロウ「けど、これだけは理解できる!お前のやろうとしていることは、やっちゃダメな事だ…悪い事なんだって!僕の心が、そう言ってるんだ!」
カムロウ「だから、止める!だから、倒す!」
イズク「出来るかあああァァァ!!!」
イズクは禍々しい右手の巨腕で、何度も何度も地面を叩き潰した!
すると、地面がひび割れ、そこから地が裂けた!
ルカ「地割れだって…!?」
地割れはルカ達の方に向かって走っていく。ルカ達は空中に飛んで回避したが__
イズク「止めるとか、倒すとか、調子に乗るんじゃねぇぇぇ!」
イズクは禍々しい衝撃波を、空中に逃げたルカ達に放った!
ルカ「しま___」
反応する時間もなく、衝撃波に当たりルカ達は吹っ飛ばされ、地面に倒れ落ちた。
その間に、イズクは暴れ馬のように、ドスドスと慌ただしい足音を立てる。
近づいた相手はカムロウだ。
イズクは大きく歪んだ右腕で、カムロウの首を掴んだ。
カムロウ「ぐえっ………」
イズク「生意気なガキめぇ!このまま捻り潰してやる__」
ルカ「___させるかぁぁぁ!!!」
ルカは飛び膝蹴りをイズクの顔に放った!
イズク「ってぇなぁ…!」
ルカ「たあああ!」
ルカは回し蹴りをイズクの顔に放った!
イズク「どけぇぇぇ!このガキ共があああ!!!」
イズクはカムロウを掴んだまま、巨腕を振り回してルカを振り払った!
それと同時に、掴んでいたカムロウも投げ飛ばした!
投げ飛ばされたカムロウは地面に激突した!
ルカは吹き飛ばされるも、受け身をとって着地した!
ルカ「うおおおおおおお!!」
ジョージ「勇者殿!今、加勢いたす!」
ルカとジョージは、共に歩みを合わせ、イズクに向かって突っ走る!
ジョージ「おおおおおおお!!!」
ルカ「とりゃあああああ!!!」
ジョージとルカは、息を合わせてイズクに正拳突きをした!
イズク「小癪なあああああ!!!」
イズクは巨腕で殴りかかった!
ルカとジョージ、イズクの拳がぶつかり合った!
互いに押す気配も退く気配も感じさせないほど、とても激しいぶつかり合い!
そのぶつかり合いの横から、マモルは文字通り横槍を入れた!
マモル「
合唱するマモルの背後に、禍々しい影の巨人が現れた!
マモル「
マモル「オラァッ!!」
禍々しい影の巨人は、大きな右手を振りかぶり、イズクを殴り飛ばした!!
イズクの歪んだ巨体が殴り飛ばされるほどの威力。
その威力は、向こうの崖の壁に激突するほど凄まじい威力だ!
さらには土埃も高く舞い、衝撃の余波が感じられるほどだった!
イズク「イッッテェナァァァ!!」
土ぼこりから、イズクは巨腕を回して暴れまわり現れた!
イズク「だったらぁ…これでぇ…!!」
イズクの右手の甲に埋め込まれた鏡から、禍々しい冷気が溢れ出た!
イズク「凍りつけぇぇぇ!!!」
イズクは右手を突き出し、禍々しい凍てつく冷気を放った!
黒いような紫っぽいような、とにかく禍々しい色合いをした冷気が、地面を凍り付かせてルカ達に迫ってくる!
ルカ「なんだあれは…!」
マモル「
すると、マモルは先頭に立ち、両手で
マモル「
マモルは錫杖を振り回し、斬撃の衝撃波を放った!
その衝撃波で斬られたイズクの冷気は裂け、ルカ達を避けるように直進し消えた!
イズク「次はこれだぁ!!」
今度は禍々しい炎が、イズクの手から噴き出した!
ジョージ「今度は
イズク「燃えつきろぉぉぉ!!!」
イズクは、禍々しい火炎を放とうとしたその時__
カムロウ「___おおおぉぉぉ!!!」
カムロウが、光り輝く風を纏った大剣を握りしめ、斬りかかろうとしていた!
イズク「このォォォガキがあああぁぁぁ!!!」
イズクはカムロウに向かって、禍々しい火炎を放った__
__…だがしかし!
カムロウ「うおおおぉぉぉ!!!」
風の剣が炎を切り裂いた!!
カムロウ「
カムロウは剣から竜巻を放った!!!
切り裂いた炎が竜巻に巻き込まれ、逆流した!
逆流した炎の竜巻が、イズクの体にぶつかる!
カムロウ「まだだ!」
カムロウは大剣を両手に持って構えた!
カムロウ「
さらに、大剣を振り回して攻撃を続けた!!
カムロウ「
イズク「うおおぉぉ!!」
まだ火炎の竜巻が残る中、イズクは右の巨腕で防御した!
それでもなお、カムロウは大剣を振り回し続けた!
何度も何度も斬撃を浴びせた!
カムロウ「これでもか!これでもかああああ!!!」
イズク「うおおおおおおぉぉぉぉ!!!」
その攻撃に耐えきれなくなってきたのか、徐々に、少しずつではあるが、イズクの防御が崩れつつあった!
ルカ「もう少しだ!あとちょっとで、イズクの防御を崩せそうだ!」
ジョージ「ここは拙者が!」
ジョージは高速移動をして、カムロウの横に並んだ!
ジョージ「
そして、刀を両手に持ち、高速で斬撃を浴びせた!
「「おおおおおおおおぉぉぉ!!!」」
カムロウの攻撃にジョージも加わり、2人の無数の斬撃が、イズクに大きなダメージを与える!
イズク「うおおああああああぁぁぁぁぁ!!!」
そして、耐え切れなくなったイズクの防御は崩れ、2人の斬撃をもろに食らった!
イズク「ぐぅっ……!」
すると、イズクは、膝を付いてしまった!
ダメージを負いすぎて、身体の再生が間に合っていないんだ!
隙が出来た!イズクの鏡を破壊するには、今しかないだろう…!
終わらせるんだ……この戦いを!
ルカ「みんな!攻めかかれ!!
イズク「クソがあああああああああ!!!」
やけっぱちか、イズクは禍々しい爆炎を右手から放った!
何度も何度も放ち、辺りを爆炎で包む!
ルカ「うげ…言ったそばからこれか…これじゃ近づけない!」
カムロウ「いや、僕が爆炎を斬る!このまま攻めるんだ!」
ルカ「爆炎を斬る…!?カムロウ、出来るのか!?そんな事が!」
カムロウ「あぁ…出来るさ…!」
そう言うと、カムロウは大剣を両手で握りしめた。
カムロウ「(父さんのような風薙ぎが今の僕には扱えるんだ…!)」
カムロウ「(だから…出来るはず…!)」
炎を切り裂き、風をも薙ぐ剣………
勇者の風と呼ばれるソレを……
カムロウ「(僕にだって、
この力だって、ルカだって、ここにいるみんなだってそうだ。
誰かから受け継がれて、託されて、紡いできたモノなんだ!
それを今…解き放つ!!!
次第に、カムロウの持つ大剣に風が纏わり、光の風と化した!
カムロウ「
勇者の風が放たれる!!!
光り輝く風の一枚の刃が、疾風のように駆ける!!!
勇者の風は爆炎を切り裂き、爆炎の中にいるイズクの体に大きな斬り傷を付けた!
イズク「ぐぅぁ…!!」
ルカ「き…斬った…!本当に、爆炎を…!」
イズクの周りを包んでいた爆炎。その一か所に、通り抜けれるような広さで通り道を開けてしまった。
以前、カムロウとハーレーさんとの闘いで、その威力は目にしていたが、本当に爆炎を斬ってしまうところを見てしまうと、思わず自分の目を疑う。
これは…とんでもない技だ。
カムロウ「さぁ!このまま行って!」
ルカ「ああ!」
この期を逃してしまう理由はない!
ルカは爆炎の抜け道を通り抜け、イズクの懐に潜り込み、イズクの身体の下からアッパーカットを打ち込んだ!
イズク「なんだと__」
ルカ「__おおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
ルカは会心の一撃を放った!
あまりの威力に、イズクは思わず頭を空に向ける。
そしてそこに、ルカは
ルカ「使い損ねた魔法信号筒だ!」
魔法信号筒は、色とりどりの色を放った!
これはいわゆる、目くらましってやつだ!本来はこんな使い方ではないが、十分効果はあるはずだ!
イズク「うううああああああ!!!」
色とりどりの強い光を直視し、イズクは目を開けていられないようだ!
狙い通りだ。僕が狙っていたのは、イズクの視界を無くすことだ!
ルカ「よし…今だ、ジョージさん!」
そして、無防備なイズクに必殺技を与えるのは…ジョージさんだ!
ジョージ「
ジョージは刀を上段に構え、
禍々しいオーラが身体を包み、さらには刀にまで伝う!
ジョージ「
そして空高く飛び上がり、渾身の上段切り…唐竹割りをした!
ジョージ「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
命を、運命を、全てを懸けた渾身の一撃は__
__イズクの大きな右の手首を切断した!!!
イズク「ぐうううぅぅぅ…だ、だが俺は不死身だ___」
と喋り続けようとした時、斬り落とされて宙に舞うイズクの右手を、
そして、崖の壁に勢いよく突き刺さった
マモル「……ふぅー。なんとか当てれたなぁ…」
イズク「うぇ……!?」
ジョージがイズクの右手を斬った時、マモルは錫杖に
さらに、右手が貫通した。それが意味する事……
手の甲に埋め込まれた鏡…反魂鏡が破壊されたという事である!
パリンッ…と、鏡の破片がバラバラに、右手と共にこぼれ落ちていく……