もんむす・くえすと! 勇者ルカと仲間たち 作:J・チェプナクル
サン・イリア城、地下。大図書館。
見渡す限り、本、本、本。壁も棚も全部。
至る所に本。とにかく本がある。
ルカ「うわぁ、広いなぁ……」
ラクト「世界中の知識がここにあるって言われても納得しちまうな、こりゃ。」
そんな広大な大図書館には、人っ子一人見当たらなかった。
ジョージ「しかし、誰もいないようだな。」
ルカ「みんな避難しちゃったからね。」
グランベリア襲撃や魔王襲撃騒ぎのせいで、学者達はみんな避難してしまったらしい。
ルカ「なんか……人っ子一人いない書庫って不気味だな。」
マモル「そうですかい?」
アリス「静かでいいではないか……」
本の山に腰掛け__不意にアリスは、くんくんと鼻を鳴らした。
アリス「それにしても……この図書館、やけに魔物の匂いがするな。こんなところに潜り込むとは、暇な魔物もいるものよ……」
ルカ「え……?魔物がいるのか……?」
ラクト「んなアホな…だったらもう襲って来てんじゃあねぇの?」
僕は剣の柄に手を掛け、きょろきょろと周囲を見回した。
仲間たちも同じように周りを見る。
アリス「うろたえるなドアホめ。書庫内を魔物が徘徊しているわけではない。おそらく、どれかの本に取り憑いているのだろうな。」
ルカ「本に取り憑く……?」
パヲラ「ミミックみたいに何かに紛れるタイプなのかも。」
ルカ「そんな魔物もいるなんて、初めて聞いたな……」
アリス「どうでもいいが、早く調べるがいい。こんな鬱陶しい場所に長居はしたくない。本は食べられんから、好きではないのだ。」
ルカ「わ、分かったよ……」
ジョージ「ルカ殿、これを……目録があった。」
ジョージが目録の場所を見つけてくれた。
そうして仲間たちと一緒に、関係がありそうな本の記録をじっくり探す。
ルカ「えっと、四精霊だよな……?」
パヲラ「結構あるわねぇ……骨折れちゃいそう。」
ジョージ「ぬッ、ぱふぱふ本……」
マモル「しかも去年の冬売りのぱふぱふ本か。アタリだねぇ。」
ラクト「そういやここってさぁ、マンガあったりしねぇの?【マジカルマッスルつよ美ちゃん】とか。」
マモル「【賃貸暮らしのウンディーネ】もあったりする?」
ルカ「いや、ないだろ……なんだその本は……」
ラクト「ルカは知らねぇのかっ!?【マジカルマッスルつよ美ちゃん】をっ!遅れてるぜお前ぇ!今度貸してやるよっ。」
ルカ「いや……興味ないし……」
マモル「あっ、これ【インクモレディブル】だ……」
ジョージ「ぬッ!アブナイぱふぱふ本………」
マモル「そっちに【リヴァイア山荘】あったら教えてー。」
ラクト「じゃあ、お前は【サラマンダー海上遭難記】な。」
ルカ「お前ら一回黙ってろっ!気が散る!!」
パヲラ「ちょっとー?ちゃんと探しなさいよー?」
しばらく目録を丹念に調べていると__
「四精霊信仰とその源流」という本を発見した。
ルカ「えっと、35番本棚の、上から二番目の段…か。」
パヲラ「じゃあ、あたし他に関連するものがあるか探してみるわよん。」
ジョージ「私もそうしよう。」
ルカ「うん、分かった。」
パヲラとジョージは数多の本棚の影に消えていった。
ルカ「……35番、上から2番目…これだな。」
僕は、本棚から一冊の本を手に取って持ってくる。
かなり古く、誰も手に取ったことがないような本だ。
マモル「あらら埃被ってら、誰も読んでないんじゃないのコレ?」
ルカ「まあ、それも当然かな。イリアス信仰が盛んなこの城では、精霊信仰って異教そのものなんだ。」
マモル「へぇー。」
ルカ「四精霊の居場所、載ってるといいけどなぁ……」
おもむろに、その本を開いたときだった__
__なんと、本の中から一体の魔物が飛び出したのだ!
17ページが現れた!
ラクト「ほ、ほんとに化けて出てきやがった!」
ルカ「ま、魔物…?まさか本当に、本から魔物が現れるなんて…!」
僕は慌てて本を放り出し、剣を構えた。
17ページ「この書物を読むことを禁ずる…」
ルカ「どういうことだ…?魔物が、なんで本を読ませたくないんだ…?」
17ページ「それが魔王様の意思__」
そう言いながら、17ページは襲い掛かってきた!
今、いるメンバーは僕を含め、ラクトとマモルだけだ。
パヲラとジョージの2人を呼びたいところだが、猶予がなさそうだ。
ここは僕達でなんとかしなければ!
ルカ「いくぞっ!」
ルカの攻撃!しかし、17ページはひらりと身をかわした!
ルカ「え…?」
まるで軽い紙のように舞い、攻撃を避けてしまったのだ。
17ページの身体は、宙に浮いた一枚の紙。それが意思を持って動いている!
要は、攻撃が当たる面積が小さすぎる!
ルカ「ちょ…体が紙ってズルくないか!?」
17ページ「開け、魔導書よ…!」
そう言うと、17ページの紙の体が開いた!
17ページは、氷の8ページを開いた!
ルカに無数の氷の弾丸が襲い掛かる!
ルカ「うわあっ!」
氷の弾丸が身体に直撃してダメージを受けてしまった!とにかく痛いし硬く、冷たい。
ルカ「くっ…!ただの紙ってわけじゃない!この紙の体は、魔法まで使えるのか!!」
ラクト「だったら俺が撃ち落としてやる!」
ラクトは魔導銃を取り出し構える……が。
ラクト「…だ、ダメだ…!場所が悪すぎる!!火気厳禁はなおさらだし……とにかく魔法を打つと本が傷つく!」
火の魔法を使えば本が燃え、かといって風の魔法だと本が傷つく。魔法を飛ばして攻撃するラクトにとって、この場所は都合が悪いのだ!
ラクト「ルカ!悪いけど俺は下がる!ここだと俺が一番役に立ちそうにねぇ……」
ラクトは後衛に付いて、サポートに徹するようだ。
ルカ「気にしなくて良い!どうにかして攻撃を当てる方法があるはずだ!」
マモル「なら、攪乱といきましょうや!」
マモル「自動攻撃型の
マモルは紙人形を何枚もばら撒いた!ばら撒いた紙の式神は、独りでに動き出し、17ページに突進攻撃を仕掛ける!
17ページ「魔の力より生まれし炎…これを退ける…!」
17ページは炎の4ページを開いた!紙の体から炎が噴き出し、周りの紙式神を燃やした!
紙式神は燃え尽き、塵になった……
マモル「あぁ……燃やされた……」
ルカ「てやっ!」
ルカの攻撃!しかし、17ページはひらりと身をかわした!
ルカ「くっ、やっぱり……」
僕が繰り出す普通の攻撃では、どうやら17ページには当たらないようだ。
どうにかして攻撃を当てる方法を見付けないと…!
すると、17ページはルカに向かって、自身の体である紙の一面を見せつけてきた!
ルカ「っ…!?」
なんだか嫌な予感がする…!
マモル「若ァ!危ねぇ!!!」
マモルは紙人形を投げてルカの体に貼りつけた!
マモル「
ルカ「わわっ!なんだ!?」
ルカとマモルの位置が入れ替わった!
ルカの代わりに、マモルが攻撃を食らった!
17ページ「この綴りし文にて動きを封じる!」
17ページは、麻痺の12ページを開いた!17ページの紙の体が怪しく光る!
マモルの身体は麻痺してしまった!
マモル「か、からだがマヒマヒマヒマヒ………」
ルカ「そんな、麻痺だって!?この調子で全員が麻痺してしまったら、全滅も免れないぞ…!?」
ラクト「任せろルカ!俺が麻痺を治す!こんなこともあろうかと、アイテムを買い占めて良かった!」
ラクトはカバンから、麻痺を治すアイテム。満月草を取り出した!
ラクト「お前はそのまま攻撃を続けろ!!」
ルカ「わ、分かった!」
麻痺の治療はラクトに任せて、僕は17ページを倒すことに集中した!
マモル「ところで
ラクト「絞り汁を飲ませるんだってよ。渋い味がするんだとか。」
マモル「うげぇぇ~~~………」
普通の攻撃じゃ避けられる。何より相手が素早すぎる!
だったら、最速の剣技を叩き込むしかない!
最速で動ける剣技……これしかない!
ルカ「くらえっ!雷鳴突き!」
ルカは雷鳴のように踏み込み、鋭い突きを繰り出した!
17ページ「ッ!!」
この攻撃は、17ページの速度に追いついたようだ!
僕の剣が、17ページの身体を貫いた!
17ページ「も…申し訳……ありません、魔王様……!」
17ページは一枚の紙片となってしまった!
17ページをやっつけた!
17ページが変化したのは、一枚の紙片。
どうやら、本の1ページのようだ。
ルカ「え…?これ、封印されたのか…?それとも、死んだ…?」
ラクト「……死ぬかぁ?その
ルカ「そのはずだけど……」
アリス「そいつは本に魂が宿ったモンスター、それで死んだわけではない。適当に、そこらの本にでも挟んでおけ。」
書庫の隅で本を積み、火を付けて焚き火をしていたアリスが言う__
ルカ「って、こいつ何してるんだ!」
ラクト「いや何してんだこいつ!?」
どうやら、本を燃やしてイモを焼いている様子だ。
ルカ「おいおい、なんてことするんだ!なんて罰当たりな事を……」
アリス「問題ない。イリアスに関する下らん書物ばかりだ。」
ラクト「屋内で焚書する時点で問題大有りなんだが……」」
ルカ「……こいつの奇行に付き合っていても仕方がないな。強引にやめさせるより、さっさと用事を済ませて出た方が早そうだ。」
ラクト「そうだな。」
すると、アリスと一緒に焚き火で何かを焼いているマモルを発見する。マモルは干した魚を炙っていた。
ルカ「いや、お前も何してんだよ……」
マモル「口直し。今度からアッシに満月草使うの止めてもらっていいスカ。」
ラクト「いや、状況がアレだったから…そこは我慢してくれよ……」
パヲラ「ちょっと~屋内の火はまずいんじゃないの~?」
パヲラとジョージが戻ってきた。
なぜかジョージはげっそりしてたが。
ルカ「そうなんだよ。……なんでジョージはげっそりしてるんだ?」
ジョージ「帰れなくなった……」
ルカ「図書館で??」
どうやら迷子になってたらしい。
……こんな屋内で。
パヲラ「何かあったの?」
ルカ「本の魔物だよ。もう倒したところだよ。」
パヲラ「あれま。ホントにいたの。」
床に転がった書物「四精霊信仰とその源流」を拾い上げる。
ルカ「それにしても、なんで本から魔物が出てきたんだ…?」
アリス「普段は本に憑き、開いた者に襲い掛かるタイプの魔物だな。まあ……普通は、さびれた物置の本などに憑くものだが。」
マモル「ミミックだ……」
ルカ「さっきのあいつ、魔王の命令って言ってたけど……」
アリス「余は知らん。魔王の名を出して悪事を働く者など、数知れんのだ。どうせ、その類だろう。」
ルカ「そうなのかなぁ。どうも、そういう奴じゃなかったような……」
ラクト「封印され際に申し訳ありませんって言ってたしな。そこらへんどうなんだ?」
アリス「しかし、心当たりは……」
アリス「あっ!」
不意にアリスは硬直し、食べかけのやきいもをポロリと落とした。
ラクト「おん?」
ルカ「ど、どうしたんだ……?」
アリス「………___」
数年前__
アリス「四精霊について記された唯一の本が、サン・イリア城に現存するという。お前達はその本に憑き、その内容が人間共に伝わるのを防ぐのだ。」
17ページ「了解致しました……」
???「お任せ下さい、魔王様。」
???「しかし魔王様。その本を奪うなり、破棄するなりすれば良いのでは?」
アリス「……余は、焚書のような真似は好かぬ。しかし、精霊の力を悪用しようとする人間が現れんとも限らん。それゆえ、お前達にはあの本を守ってもらいたい。」
魔物達「……はっ!___」
アリス「___………」
アリス「……知らんな。心当たりはない。」
ルカ「………」
…何か怪しい。
ラクト「……絶対なんかある間だったが?」
ルカ「…あやしいけど。追及しても無駄そうだな。」
ルカ「気を取り直して、四精霊の居場所を調べるか。」
僕は、あらためて「四精霊信仰とその源流」を開く__
__すると、またもや本から魔物が飛び出してきた!
257ページが現れた!
ルカ「なんだ、またかよ!」
ラクト「うおぉっ!また出た!!」
再び現れた魔物を前に、再び僕は剣を構える。
しかも……今度は、内気そうな女の子。なんとも戦いにくい。
ルカ「その、邪魔しないでくれるかな。僕は、この本が読みたいだけなんだけど……」
257ページ「ふふ……可愛い男の人。私、男の人に興味があるのです。少しだけ、いじらせてくれませんか…?」
ルカ「聞く耳なし、か……じゃあ、行くぞ!」
また戦いになってしまったが、今度はパヲラとジョージもいる!
不利になることはまずなさそうだ。
ルカ「よし、来るなら来い!__」
257ページ「__少し待って下さいね。予習しますから……いっぱい勉強しなければ……」
257ページは本に目を通している……
ルカ「え…えぇ……!?」
ラクト「な、なんだぁ?急に本なんか読み始めやがった……」
ジョージ「おお!なんと勤勉なことか!これは見習うべきだ……」
ルカ「いや、感服してる場合か!!」
戦うかと思いきや、257ページは敵を目前に読書を始めた。
こ、これはどうするべきだ?流石に攻撃するのをためらってしまう……
257ページ「なるほど…こういう風に…」
しかし、かなりの速読だ。どんどん本を読み終えていく。
257ページ「はいっ、予習し終えましたっ。」
本をパタンと閉じて、257ページは再び僕達と相対する。
すると257ページは、先制攻撃を仕掛けてきた!
257ページ「まずはこちらを!」
257ページは弱体の96ページを開いた!257ページが持つ本から怪しい光線が放たれた!
怪しい光線はジョージに当たった!
ジョージ「うっ!な、なんだ!?」
ジョージの全てのステータスが下がった!
257ページ「さらにこちらも!」
257ページは麻痺の12ページを開いた!257ページが持つ本が怪しく光った!
マモルの身体は麻痺してしまった!
マモル「まーた身体がシビシビシビシビ………」
257ページ「最後にこちらも!」
257ページは狂乱の48ページを開いた!257ページが持つ本が怪しく光った!
パヲラは混乱してしまった!
パヲラ「八ツ橋とワンタンって何がどう違うんだよ!!」
ラクト「何言ってんだこいつ!?」
ルカ「混乱に麻痺に弱体化だって…!?」
先手を許してしまった上に、3人が状態異常になってしまった!とてもまずい状況だ……
ルカ「ラクト!3人が掛かった状態異常を治せるか!?」
ラクト「混乱と麻痺はアイテムで治せるが…弱体化を治すアイテムは持ってねぇ!」
ルカ「
ラクト「パワーだけ上げたって意味ねぇだろ!?他の能力が下がってんのに!」
ルカ「くっ……成す術ナシか…!」
ジョージは後ろに退かせよう。戦闘不能になるのはまずい!
ルカ「ジョージ!下がるんだ!」
ジョージ「申し訳ありません、このような失態を…!」
ジョージは後退した!
ルカ「ラクトはパヲラの混乱を治してくれ!」
ラクト「やってみ__」
パヲラ「__にょにょにょにょにょにょ!!!」
パヲラは暴れている!
ラクト「どわーッ!暴れんじゃねぇ!」
ルカ「(多分、あの魔物が読んだのは…敵を行動不能にさせる本のハズ…!ただ、攻撃する方法がアイツにあるかどうかが分からない!未知数なんだ!)」
ルカ「けど、やるしかない!」
僕は剣を構え、257ページに攻撃するべく走り出した!
257ページ「そういえばこれも、試したかったんです。」
257ページは風の32ページを開いた!
風の衝撃波が襲い掛かる!
ルカ「見切った!」
大きく横に転がって、飛んでくる衝撃波を避け、257ページに近づいた!
ルカ「もらったーッ!!__」
257ページ「__ふふっ。手間が省けました。自ら近づいてくれるなんて……」
ルカ「えっ!?」
257ページは巨腕の256ページを開いた!257ページ本の体から巨大な腕が生えた!
ルカ「なっ!?お、大きい!!」
巨大な腕が、ルカを掴んできた!ルカの体は、大きな腕に拘束されてしまった!
257ページ「はい、捕まえてしまいました。」
ルカ「くっ…!なんて強い力なんだ…!!」
ルカはもがいた!しかし、巨大な腕はビクともしない!
257ページ「うーん…でも、これほど元気だと、身体をいじれないですね……」
ルカ「は、離せ…!」
257ページ「そうだなぁ……じゃあ、こうしてしまいましょう!」
257ページは、巨大な腕を振り回して、ルカを投げ飛ばした!
ルカ「うおおおあああああ!!!」
まずい!このままだと、壁に激突してしまう!!
ラクト「__
ラクトは土人形を取り出し、ルカに向かって投げた!
土人形は次第に大きく変形し、ルカを包み込んで激突の衝撃から守った!
ルカ「助かった…!」
ラクトの援護がなければ、大ダメージを食らっていたところだ。本当に助かった!
ルカ「くそっ…3人行動不能になるだけでこんなになるなんて!」
それにしても、なんて厄介な魔物だ。
しかし、そんな事も言ってられない。さっさと倒さないとやられてしまう!
僕は体勢を立て直し、もう一度257ページに攻撃を仕掛けようとしたその時だった__
パヲラ「__オドラァァァッ!!!」
257ページ「えっ!?」
なんと、魔物に向かって、パヲラが攻撃を仕掛けていたのだ!
それはもう殴るなり蹴るなり、普段よりも猛進的な、荒々しい攻撃方法だったが。
257ページ「な、なんですかこの人間は!?さっき混乱させたはず…!?」
ルカ「ラクト!もうパヲラの混乱を治したのか!?」
ラクト「いや、まだ!何しろあのあばれっぷりじゃあ近づけなくてな……」
ルカ「じゃあ偶然、魔物に攻撃をしただけなのか!?」
不幸中の幸いと言うべきか!?しかし、この状況は僕たちにとって良い展開だ!
パヲラ「この洗濯板、要りません?」
パヲラは洗濯板を押し売ろうとしている……
257ページ「訳の分からない事を…!?とりあえず!行動不能にさせるまでです!これで大人しくなってください!」
257ページは水の128ページを開いた!無数の水の塊が発射された!
パヲラ「この剣で断つなりッ!」
パヲラはゴボウを取り出した!
迫り来る無数の水の塊をゴボウで一刀両断した!
257ページ「ご…ゴボウ…!?」
ラクト「あ……あれは【暗黒剣ゴボウ】だーッ!」
ルカ「いやただのゴボウだろ!!!」
ラクト「いーやッ!それは違うぜ!」
ルカ「!?」
マモル「【暗黒剣ゴボウ】とは!ただのゴボウではない!!【マジカルヘルシーやさ美】のヘルシーパワーで生み出される、生成魔法武器の一種である!!!」
ラクト「そして、【マジカルマッスルつよ美】の永遠のライバル!【マジカルヘルシーやさ美】のが持つ!!あの【暗黒剣ゴボウ】をッ!!!」
ジョージ「1/1スケールで完全再現ッ!!!性質ッ!切れ味ッッ!!ポッキリ折れるところまでッッッ!!!」
ルカ「な…なんだお前ら!?一体、何を解説してるんだ!?」
なんだこれは、なんなんだこれは。僕は何を見せられてるんだ?
いや、そんなことよりも!
ルカ「い、いいぞ!何が何だか良く分からないけど、パヲラが優勢だ!」
ルカ「パヲラ!そのまま攻撃を続けてくれ!あともう少しで封印できるはずだ!!」
パヲラ「承知しマッスルフィンガー!!」
ルカ「いや、これホントに正気か!?大丈夫か!?」
それから、僕とパヲラによる連携……いや、パヲラが暴れている間に、僕が隙を突いて攻撃するという方法だが。
パヲラ「シーサーの鼻の穴って大きいよね?」
狙いを定めてカジキマグロを投げつけた!
パヲラ「いくぜ!出前一丁!!布団たたき2刀流ッ!!!」
人力車を引いて突撃してきた!
パヲラ「流行りのマシュマロ栽培キットじゃあ!!」
マシュマロを育てようとした……しかしマシュマロははんぺんに育った!
パヲラ「はんぺんになっちゃったァ……」
パヲラは悲しんでいる……
257ページ「ううっ…!何なんですかこの人間は…頭が追いつかない…!」
パヲラのおかげで、257ページは僕の攻撃を対処できないほどかなり攪乱しているようだ。この調子なら、勝てる!
ルカ「とどめだーッ!!!」
この攻撃が最後の一撃となった。僕の攻撃を食らった魔物は、身体から粒子が流れ出る。
257ページ「そんな…!書いてない!書いてなかった!!あなたのような…予習した内容からこんなにも外れる人間がいるだなんて…!」
パヲラ「今度から予習範囲に、【マジカルマッスルつよ美ちゃん】も入れておくことね♪」
257ページ「な、何ですかその本の名前は…!?【マジカルマッスルつよ美ちゃん】って…!?し……知らなかった…!そんな本が存在するなんて……!」
ルカ「……………」
僕も驚きだよ………
257ページ「こんな人間がいたなんて……!!!」
257ページは一枚の紙片となってしまった!
257ページをやっつけた!
ルカ「ふぅ…なんとかなっ__」
パヲラ「__キムチを追加しろーッ!!!」
パヲラは暴れたままだ!
ルカ「うわあっ!!まだ混乱、治ってなかったのかよ!」
ラクト「【気つけのハンマー】!」
ラクトがアイテムを取り出し、混乱したままのパヲラを治した!
パヲラの混乱が治った!
パヲラ「わ…私は何を…!?」
ラクト「お前アレで正気じゃなかったってマジかよ……」
ジョージ「マモル、早くコレ飲むのだ。そうでなければ麻痺を治せぬ。」
マモル「うげぇぇぇぇ~~~~~………」
ジョージはマモルの麻痺を治すために、満月草の絞り汁を飲ませようとしていた。
……かなり嫌がっているみたいだけど。
ルカ「ふぅ…みんな無事みたいだな。」
みんなの無事を確認した後、床に落ちた「四精霊信仰とその源流」を拾う。
ルカ「おいおい、どうなってるんだよ……この本から、魔物が2匹も出てくるなんて……」
アリス「よ、余は知らんぞ……」
ラクト「ホントかよ。」
アリスは焼き芋を食べながら、露骨に視線をそらしてる。
アリス「……あくまで余の勘だが、その本にはあと1体魔物が憑いている。」
ルカ「わ、分かったよ……」
アリス「そいつはかなりの実力者だ、心しておけよ。」
ラクト「なんでそんなことまで分かるんだろうなぁ……」
ルカ「絶対こいつ、何か知ってる……」
ルカ「とはいえ、あらかじめ強い奴が出るなら…何か準備したほうが良いかも。みんな、準備はいいか?」
ラクト「おうっ!アイテムも十分用意してあるぜ!」
パヲラ「いつでもいけるわよん。」
ジョージ「後はルカ殿の、仰せのままに……」
マモル「ああ、ちょっと待って!あともう少しでマシュマロが焼けるんです!!」
ルカ「それは後で良いだろ!」
ルカ「よし、気合いを入れて……」
僕は呼吸を整えた後……
ルカ「えいっ!」
「四精霊信仰とその源流」を開いた!
すると、かなり大きい魔物が、本の中から這い出してきた!__