もんむす・くえすと! 勇者ルカと仲間たち   作:J・チェプナクル

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第21話 再び戻ってサン・イリア道中

ナタリアポートの宿屋。

次の目的地を決めた僕は、ふと顔を上げた。

ルカ「よし…次は、北のお化け屋敷とやらに行ってみよう!」

アリス「…………」

アリスは何も言わず、非常に恨めしそうな視線で僕を睨むのだった。

ルカ「……僕、何か悪いことしたのか?」

カムロウ「さぁ……」

 

マモル「しかし若…なぜ北のお化け屋敷に?」

ルカ「もし悪い魔物がいたら、退治しなきゃだろ?大事になる前にどうにかしなきゃ。」

パヲラ「ん~確かにそうねぇ。悪い芽は早めに摘むっていうアレね。」

 

ルカ「僕たちがいる、このナタリアポートからサン・イリアに移動する。サン・イリアで一泊してから、北のお化け屋敷に向かう。」

ラクト「しっかし、こっからサン・イリアに逆戻りってお前なぁ……」

ルカ「シルフに力を貸してもらうために、精霊の森にも行かないと。次はサン・イリアを拠点に動くんだ。」

ラクト「いや、理由を聞いてるんじゃなくてだなっ!」

ルカ「じゃあここで待ってろよ。迎えには行かないけど。」

ラクト「ナマイキナコトイッテスミマセンデシタ。」

 

 

ルカ「あとさ…陣形組むの。止めようと思う。」

ラクト「…はい?どうした?急に………」

マモル「何か策でも思いついたんですかい?」

ルカ「まぁ、そんなところかな。もちろん、陣形の有効性があるのは理解している。だけど……」

ルカ「海底神殿に行く途中…僕がパーティから抜けることがあったよな。もしかすると今後、みんなが離れ離れになるような時があると思う。」

ルカ「僕たちもかなり経験を積んできたはずだ。だから、各々の判断に任せてみようと思うんだ。」

 

ジョージ「【型無くして型破りといえず】……型を破る時と来たか。」

カムロウ「出来ることを精一杯やればいいってことか!」

チリ「じゃあ私、後衛にずっといるから。」

ラクト「この俺様が後ろから援護してやる!感謝しろよな!」

ジョージ「お主らはその型を破る気はないのだな……」

チリ「いやだって……皆さんほど戦えないですし……」

ジョージ「しかしチリ殿、いざという時に力をふるわなければ……」

 

陣形の廃止という作戦変更、そして新たに設定した目的地。

あとは、他愛のない時間を僕たちは過ごし……

 

__そして、朝がきた!

 

早朝から、再びサン・イリアに向けて街道を沿って歩みを進める。

ルカ「この調子なら、また早く着きそうだな!」

ラクト「馬車に乗れば夜にでも着けるかもしれなかったのにな。」

この前と同じく、ラクトは不満をこぼしているし、アリスは朝から僕をジロジロと睨んでいて気まずい。

 

ルカ「お前口開けば文句ばかりじゃないか。置いてくぞ。」

ラクト「移動時間が一番すること無いんだよ!」

カムロウ「この時間は俺にとっちゃ好都合だ。」

ラクト「お前なんだよ!丁度良いとか好都合とか!」

 

カムロウ「だって好都合だもん。肉体鍛錬に。」

そういうカムロウの恰好は、まさに拘束服みたいだった。

全身にぐるぐる巻きにされたロープには、重りになりそうなモノがくまなく括り付けられている。

歩くたびにズシズシと重い音がしている。

ルカ「カムロウ……宿を出たときからその恰好だけど。それは一体?」

カムロウ「パヲラさんの指導。重量付加を限界まで積んだウェイトトレーニングだよ。」

パヲラ「ええ、そうよ。今のカムロウちゃんには、私考案の特別指導をしているの。」

そういうパヲラも、重量付加の拘束服を身に纏っていた。パヲラも同じウェイトトレーニングを…?

パヲラ「超絶突貫スペシャルハード指導よん!」

ラクト「どんなコースだ!?」

 

カムロウ「特に肉体と身体能力の基礎向上をね……そのためにはこういった地道な鍛錬の積み重ねが一番だ。だからこうして、鍛錬できる合間の時間があるのは好都合なんだ。」

ラクト「ふ~ん……」

 

ルカ「なあアリス!僕もウェイトトレーニングを……」

アリス「あれと同じ鍛錬法だったら、ひょろひょろの貴様は潰れて紙になりそうだな。」

ルカ「うぐ………」

アリス「やめておけ。そもそも根本的な方向性が違う。」

ルカ「方向性?なんの……」

アリス「戦い方だ。」

 

アリス「貴様は身軽さと身のこなし、速さ(スピード)活かし、攻撃を回避して間合いに入る戦い方をする。」

アリス「カムロウは(パワー)頑丈(タフさ)を活かして、攻撃を受け止めながら迎撃する戦い方だ。」

アリス「貴様はカムロウほどの(パワー)もない。カムロウは貴様ほどの速さ(スピード)もない。戦いの方向性とはそういうことだ。」

ルカ「ああ、そういうこと……」

アリス「鍛えたいのなら勝手に鍛えろ。特に鍛えたいのなら足腰を鍛えろ。素早く踏み込み、瞬発力を上げるんだ。」

ルカ「言われなくてもやってるよ……」

スクワット100回。寝る前のストレッチ込みで。

 

そうして道中を進んでいくと……少し違和感に気付いた。

ルカ「なんかこの辺……瓦礫が多くないか?」

辺りに散らばっているのは大木や木片。岩に瓦礫。

石材と木材が大量に、散々としている。

パヲラ「建設用の資材かしら?けど、魔物の襲撃があったなんて話は聞いてないわよ?」

ルカ「だよな……」

 

__その日、僕は学んだ。

少しの違和感でも、すぐ気を付けなければいけないと___

 

パヲラ「っ!?ルカちゃん!みんな!退くのよ!!早く!!!」

パヲラがそう叫んだ瞬間__

 

突如として、周りに置いてあった大量の瓦礫が動き始めた!

ズズズ…と動くと、次々と飛び上がっていく!

ルカ「なっ…!?」

瓦礫の一部が、僕にあたりそうになった……

本当に危なかった、パヲラが言わなければ当たっていた……

 

ガラガラと起き上がる岩や大木の瓦礫は次々とくっつき、継ぎ接ぎの人の姿に成っていく……

ルカ「な…なんだ…!?こいつは…!!」

僕たちの前に立ち塞がるよう現れたのは____

 

__瓦礫の巨人が現れた!

 

 

 

ナツィオーネ「__ボクが引き受けたワトライバ君からの頼まれごとは、勇者たちがどの程度の強さを持っているかを査定すること……」

ナツィオーネ「さぁさぁ、小手調べといこうじゃないか!」

ナツィオーネ「勇者クンとお仲間サンは!キミたちは!どう立ち向かう!?__」

 

 

__サン・イリア街道、道中。

僕たちは目的も不明な敵の襲撃を受けていた!

瓦礫だれけの継ぎ接ぎの巨人は、僕たちを狙ってその巨大な瓦礫の腕を僕たちに向けて振り回しつつある!

何とか後退しながら避けつつあるが、みんな戸惑うばかりだ。

マモル「なにがよくわからねぇが、敵意があるのは明確だなァ!」

ルカ「とにかくみんな!戦闘態勢だ!」

僕の掛け声で皆、それぞれ武器を構える!

 

ルカ「(さっきから見ているとこいつ、力はすごいけど動きは鈍い!行動を注視していれば、避けるのは容易だ!)」

瓦礫の腕が、地面に叩きつけられた瞬間を狙って……

僕は腕に飛び乗り、そこを伝って攻撃した!

 

ルカ「はあっ!」

ルカの攻撃!しかし、攻撃が弾かれてしまった!

ルカ「ああ…!岩相手じゃ斬れないや!」

狙ったのは岩石の頭。袈裟斬りで。

しかし今の僕の剣技では、木なら斬れるが岩はまだ斬れない。

狙えるとしたら、表面にある木材の箇所のみだ……だったら!

ルカ「僕じゃ力が弱くてダメージを与えられない!僕が動き回って牽制するから、その隙にみんなでダメージを与えてくれ!」

心強い仲間の力を借りるしかない!

 

パヲラ「さぁカムロウちゃん!鍛錬の成果、中間報告よん!」

カムロウ「はいッ!パヲラさん!」

パヲラとカムロウは服を脱ぎ捨て、戦闘態勢に入った!

カムロウ「(龍変身は……使わない!)」

 

カムロウ「(海底神殿の時みたいに……龍に変身してもどうにもできない事態は必ずあり得る!仮に変身して倒せたとしても……問題はその後!俺一人が戦えない状態で戦闘を続けるようなことがあれば、俺は間違いなく足手まといになる!)」

カムロウ「(だから使わない!戦場の【ほ】と【ん】だ!【ほ】相手の情報は蓄積せよ。【ん】大技はここぞで使え。けど、【ん】は我流にする!大技は……龍変身は……)」

カムロウ「(誰かを守る時に使う!)」

 

抜刀した剣に風を纏わせ、風の衝撃波を放つ!

カムロウ「風薙ぎ(かぜなぎ)ィ!!!」

放たれた風の衝撃波は強風を吹きながら爆散し、巨人の身体の一部を破壊した!

 

カムロウ「鍛錬の成果かな…!少しだけ威力が上がってる気がする!」

パヲラ「その感覚に間違いはないわよカムロウちゃん!」

 

パヲラはクネクネと動きながら、巨人の攻撃をいなしつつある。

パヲラ「一気じゃなくても少しづつ!その積み重ねが大きくなるまで!」

 

パヲラ「それが成長よぉぉぉ!!!パヲラキィィィック!!!」

そして何度も、巨人に向かって豪快に飛び蹴りを放ち、岩石の身体を壊しつつあった!

 

ラクト「お前は成長しているってよりも、いつも通りだな……」

パヲラ「アンタ見る目ないわね……これでもBカップになったのよ。」

ラクト「なったの!?」

 

カムロウとパヲラの攻撃で、巨人の瓦礫の身体は砕けつつあるが……

ルカ「痛覚がないのか!?怯まないし痛がる素振りを見せないなんて…!」

ジョージ「ならば斬り落とすのみ!」

 

ジョージ「禍津一閃(まがついっせん)!!!」

抜刀し、禍々しい斬撃を放つ!巨人の腰を真っ二つに分断した!

身体半分にされてもなお、巨人は止まる気配はなく、腕を伸ばして動き続けている……

 

ジョージ「ぬおっ。まだ生きてるのか。」

ルカ「でも動いているのは上半身だけだ……そっちを叩けば倒せる!」

 

ルカ「ラクト!」

ラクト「はいはい!ちょっと待ってろ!」

ラクトはカバンから、手のひらサイズのジャンプ台を取り出した!

ラクト「魔力を込めれば元の大きさになる携帯用のアイテム!」

 

ラクト「設置完了!飛ぶなら今だルカ!」

ルカ「ああ!」

 

ルカ「今持っている技の中で唯一、非力な僕でも十分な力を発揮できる技は…これしかない!」

脚に力を入れ、思いきりジャンプ台に踏み込んで宙に飛ぶ!

そこから繰り出される、自由落下の勢いを乗せた一撃!

ルカ「天魔頭蓋斬!!!」

脳天直撃!岩石の頭は砕け散る!

頭部を破壊されれば、さすがに止まるだろう。

予想通りに、巨人はゆっくりと崩れ落ちていく……

 

__瓦礫の巨人をやっつけた!!!

 

カムロウ「あれ…?これで終わりなのか?」

ルカ「え…あっけない。やったのか?」

倒せたはいいが…本当にあっけない気がする。

ラクト「なんだよ。あんまり大したことねぇな。」

ジョージ「(む……?何かおかしい…手ごたえがないが……)」

 

__かに思えた。

なんと、散らばった岩や大木をガコンガコンとつなぎ合わせて……

巨人が再び復活したのだ!

 

ルカ「こいつ、再生するのか…!?」

しかも、壊れたところからも、一滴すら血が出てない。

出るのは木片や石片だけだ。

まるで無機物そのものかのような……

 

ジョージ「むぅ…妙だな。」

チリ「何がですか?」

ジョージ「そういえばだが…あの巨人、目もないのにどうやって周りを見ているのだ?瓦礫だらけではないか。」

チリ「あっ確かに……」

ラクト「何言ってんだ。どうせ、嗅覚とか感覚器官で感知してるとかの話だろ!この世界、目ん玉なくても周りが見えるなんておかしな話じゃねぇ!」

ルカ「いや…そもそもこんな魔物っているのか…?」

魔物という生物はどこか一部、特に上半身が人型の姿…つまり、亜人型の姿をしているのが多い。

しかしこいつは……目の前にいるこの瓦礫の巨人は、どこをどうみてもそのような姿をしていない!

まるで、岩石といった自然物が意思を持って動いているかのような……

 

ラクト「だったら中に本体がいるんじゃねぇのかァ?」

マモル「もしくは、別の場所から操ってんでしょう?さっき斬られても動いてたわけですし……しかし若!今ここでそれを考えても答えは出ませんゼェ!」

ルカ「ああ…まず、無力化を優先するべきだな!」

 

作戦会話中の僕たちを置いといて、どんどん瓦礫をつなぎ合わせながら起き上がる巨人。

__その時。

ルカ「……ん?」

今、構成しようとした腕が崩れたように見えた。

その瞬間を見逃さなかった。

パヲラ「ルカちゃん、今の見た?」

ルカ「ああ…こいつ本当は再生なんてしてないんじゃ……?」

だとしたら……ただ身体をまとめ上げてるだけだとしたら…?

 

ルカ「なぁ!もう一回、腕を壊してみてくれ!」

ラクト「はぁ!?んなこと言われたって、また治っちまうんじゃねぇのか!?」

カムロウ「いや、やってみよう!」

ジョージ「まずは立証をば……」

 

ジョージ「禍津暴圧波(まがつぼうあつは)!!!」

禍々しく赤い蒸気を噴出し、衝撃波を放った!

すると巨人の腕が容易く吹き飛ばされ、瓦礫が散り散りになった!

 

ジョージ「む!?何事!?先ほどよりも脆いではないか!?」

ルカ「やっぱりそうか!効いていないように見えるだけだ!傷が再生して塞がっているわけでも治ってるわけじゃない!」

よく見ればヒビが入っているけど、治る気配が全然ない!

ルカ「ただ壊れた瓦礫を、無理にでもまとめてあるだけだ!」

だったら、まとめることすらできないほどに壊せれば倒せるかも…!?

ルカ「みんな!壊れて動けなくなるまで攻撃し続けるんだ!!そうすれば、倒せるかもしれない!」

ラクト「なんだよ、ごり押しで倒せる相手ってんなら、考える必要はねぇなぁ!そういうのは得意なほうだからな!」

 

ラクト「特製マジックミサイル!」

マモル「そォら!爆破式神札(ばくはしきがみふだ)!」

カムロウ「重颪(かさねおろし)ィィィ!!」

パヲラ「散多ル(サンダル)!!!」

ジョージ「村雨篠突(むらさめしのつき)!!!」

 

僕の言葉を聞いて、仲間たちはどんどん攻撃する手を緩めない!

ダメージを受け続ける瓦礫の巨人は形を保てなくなっている。

崩壊が進んでいるんだ!

 

ラクト「水流魔弾(ウォーターショット)!!!」

カムロウ「氷風魔法(ブリザード)!!!」

ラクトが巨人の身体を、魔法でビショビショに濡らす。そして、カムロウが凍らせて固まらせることで、動きを封じる!

ラクト「身体を凍らせて固めてやった!一気に畳みかけろ!!!」

 

 

チリ「(ラクトに以前言われたこと……)」

 

ラクト「__わざわざハンマーぶん投げて回収すんのも一苦労だろ。お前ェ魔力をそのままぶっ放せれるか?」

ラクト「__そうすりゃ、遠距離攻撃も出来んだろ。」

 

チリ「(それなら……魔力を球にして放つ!)」

チリ「魔力球(マジックボール)……」

片腕に魔力を集中させ、光る球体を作り出した!

 

チリ「(そしてそれを……ハンマーで打ち飛ばす!!!)」

チリ「そぉ…らぁぁ!!!」

魔力球(マジックボール)を軽く投げ、ハンマーを振り回して打ち飛ばす!瓦礫の巨人の腕に着弾すると、爆発を発生させた!!

今の攻撃で、瓦礫の巨人の腕を破壊した!

 

ラクト「うおおおぉぉ!」

マモル「さすが姉御~!」

 

ラクト「俺も負けてらんねぇ!どでけぇの見せてやらぁ!」

ラクト「爆発魔弾(ボムショット)!!!

 

魔導銃から放たれたのは、光り輝く無数の玉。

それが弾けると、大爆発を巻き起こした!!!

 

マモル「目には目を、巨人には巨人をってね!」

マモル「思業式神・大太法師(デイタラボッチ)!!!」

マモルの影が、巨大な人の姿に変化する!

マモル「さらに!爆破式神札(ばくはしきがみふだ)を腕に巻き付ける!」

右腕に爆破式神札(ばくはしきがみふだ)状態で、大太法師(デイタラボッチ)ボディブローを放つ!

 

マモル「爆殴撃(ばくおうげき)!!!」

大爆発と共に、瓦礫の巨人の腹部を貫いた!!!

 

仲間たちによる、爆発攻撃の連携。

絶え間なく食らったのなら……もう動けないはず!

 

崩壊が進み、本当に瓦礫となった巨人だったモノ……

しばらく様子を見たが、それが再び起き上がることも、動き出す様子もなかった。

 

ルカ「よし…動かない!」

 

__瓦礫の巨人をやっつけた!!!

 

仲間たちの助力もあって、なんとか倒せた!

ルカ「ふぅ…それにしてもビックリしたなぁ。擬態というか……待ち伏せしてたのか。」

アリス「ふん。貴様というヤツはまだまだ緊張感が足りんな。常に思考を張り巡らせろ。そうやっていつまでも気が抜けていると、奇襲で寝首をかられて死ぬだろうな。」

ルカ「ううっ。また相変わらず辛口な評価だ……」

 

散らばった瓦礫を調べてみるが、特に変わった様子はない。

何か変なのが付いてるわけでもなく、魔力の気もないと仲間は言う。

カムロウ「何だったんだろうな。こいつ。」

チリ「さぁ……よくわかんない。」

マモル「探ってみましたが、周りに人がいる気配はねぇなぁ。」

ジョージ「では何故…?妖力でもないのなら…?まさか真に森羅万象が姿形を宿して…!?」

パヲラ「あんまり深く考えるのは良くないわよジョージちゃん。なにも無機物を動かすのは魔力だけに限られたワケじゃないんだし。」

 

アリス「まったく……まだ気づいてないのか。あれがどういう原理で動いているかも見切れんとは。浅いな。」

ルカ「え……?何?何で動いてたの?教えてよ。」

アリス「教えてどうなる。自分で学べ。」

 

アリスは僕たちを置いて先に行ってしまう。

ルカ「教えてくれたっていいだろ……」

ラクト「別にいいんじゃねーの?そんなに苦戦しなかったってことは、もとより俺たちの敵じゃなかったってことよぉ!がっはっはっはっ!」

ルカ「う~ん……まぁ、いいのかなぁ。」

ちょっとした疑問を残しながらも良しとして、僕たちは再び旅路についた__

 

 

 

 

__ルカ達が戦った場所から遠く遠く離れた木々。

その上に立つ人影__

 

ナツィオーネ「__ワトライバ君。」

ワトライバ『どうした?』

ナツィオーネ「勇者たちさ。僕の瓦礫の巨人を倒しちゃったよ。」

ワトライバ『やはり倒せるか。』

ナツィオーネ「うん。君が目星を付けるだけはあったよ。」

 

ナツィオーネ「瓦礫の巨人はここらナタリア地方の冒険者が勝てるような相手じゃなかったハズだよ。彼らの強さは中の中くらいじゃないかい。」

ワトライバ『それで…お前から見た奴らの評価は?』

ナツィオーネ「勇者はそこまで脅威じゃないかな。注意するのは取り巻きのほうだ。」

ワトライバ『ん…?そうなのか。そうか……』

ナツィオーネ「まぁここじゃなんだし、詳しい話は戻ってからしようか?」

ワトライバ『よし……わかった。」

 

ワトライバ『帰還しろ、ナツィオーネ!』

ナツィオーネ「了解したよ。ワトライバ君!___」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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