逆シャアの〆なのでボリュームを少しでもと増やしつつ質を維持するのに時間かかりました。申し訳ない。(結局、千文字程度しか増やせなかった。文才ィ……)
ガンエボ、遂にPS4でも始まりましたねぇ……2時間ちょいだけ、やりましたけど楽しい。
ちなみに前回のクイズ()の大ヒントは「ボッシュ→ゲーム・漫画媒体」という部分。
答えはすぐなのでちょっと予想してから見てみると良いかも。
尚、後半はマリーダ目線の諸々です。
ハサウェイ・ノア、一年戦争の英雄ブライト・ノアの息子。
彼が戦場に来ることとなったのは、ただ一人の少女に恋焦がれての行動であった。
ジェガンに乗り、敵を殺して、そして彼女は目の前で死んだ。
そして、アムロの恋人チェーン・アギを殺害してしまう。
クェスを助けられるか、それは恐らく俺の手にかかっているだろう。
ラー・カイラムには既にアクシズに取り付かれて爆弾をセットされている。
故に俺は原作通りになると予測しつつ、俺はクェスの救援に向かう。
長時間動けるよう調整を受けたモビルアーマーとはいえ、限界はある。
間に合え、間に合えと某ニンジン嫌いの少尉のごとく、俺はペダルを限界まで踏み込む。
「ッ!見えた!」
ジェガンがα・アジールに取り付いていた。
コクピットハッチが開いているところを見ると、やはりハサウェイなのだろう。
「クェ…!…緒に…ろう!」
混線でα・アジールから雑音混じりに聞こえるパイロットの声は、まさに若き日の佐々木氏である。
「クェス!レウルーラに戻るんだ!ソイツは俺が追い返す!」
「ギュネイ!」
「ッ!新しい敵!?」
蹴飛ばして離れさせよう、ハサウェイもニュータイプとはいえ、未成熟。
蹴飛ばして気絶させるだけで十分だ。
まあ、そう簡単に事が進むこともなく……
「ハサウェイ!駄目!」
中破したリ・ガズィが腰のグレネードランチャーを射出。
俺はライフルで撃ち落とすが、果敢にサーベルで俺と切り結ぶ。
「ハサウェイ!離れて!」
「チェーンさん!?」
「ええい!邪魔をするんじゃない!」
俺はヒートナイフ付きのサーベルでリ・ガズィのサーベルを受け止めた直後、シールドのビームソードで残っていた腕を切り飛ばす。
ライフルはサーベルを抜くのに捨ててしまったが、後で拾えばいい。
「このぉ!」
「民間人の攻撃に当たるほど、俺は下手くそじゃないッ!」
ジェガンがライフルを撃ってくるが、当てずっぽうでちゃんと照準できていない。
俺はサーベルでライフルを持つ腕を切り飛ばす。
トドメなんて刺すつもりはないのだが、敵である二人にとってはそんなことは知る由もない。
リ・ガズィが体当たりを仕掛け、俺は衝撃に耐えながらクェスに撤退するよう叫ぶ。
「クェス!さっさと行け!」
「あ、ありがと、ギュネイ……」
しおらしい感じになってるクェスだが、俺はそれを気にすることはできない。
ただ目の前で必死に攻撃してくるジェガンとリ・ガズィを抑えるので精一杯である。
特にリ・ガズィ、やはりサイコ・フレームの恩恵か動きが良い。
ハサウェイも素質はあるからクェスと一緒に下がることができない。
「クソっ!お前達とは殺りあうつもりなんかないのに!」
リ・ガズィなんか攻撃手段なんかバルカンくらいしかない筈だ。
それでも尚、くらいついてくる二人に【窮鼠猫を噛む】のことわざを思い出す。
そんな危うげな均衡の中、ハサウェイが突然叫ぶ。
それは俺の頭にも入ってきて、鮮明に聞こえた。
「クェス!駄目だ!ソイツは…!」
その直後、俺の後方で巨大な爆発が起きる。
「な……に……?」
「クェス!クェェェス!!」
「クェス?クェスが死んだの…!?」
爆発の光から現れたのは胴体を蒼く塗られたジェガン。
「ボッシュがいるならアイツもいるか……クソッタレェ!」
己の想定が甘かったことに、ヘルメットを思わず投げ捨てる。
ユウ・カジマ、蒼い死神と呼ばれた男の存在を忘れていた俺は、自分の迂闊さに自分を殺してやりたくなった。
「クソッ!クソッ!」
もうここでの戦闘は無意味、冷静な部分がヤクト・ドーガを撤退させ、激情に揺れる部分がこの場にいる敵を殲滅することに思考が引っ張られる。
「何が救うだ、結局肝心なことを忘れてるんじゃあそんなのは夢のまた夢じゃないかッ……!」
激しい後悔と共に、俺は感情を抑え込む。
ここで俺も死んでは、ギュネイとして生きて戦ってきた意味が無くなってしまう。
ジェガン部隊の攻撃を避けながら、俺はアクシズを離れ始めたレウルーラに一度帰還するのだった。
アクシズが割れて、片方が落ち始めた頃。
俺は撤退を開始するネオ・ジオン達を援護する形で前線に出ていた。
割り切るしかないのだ、クェスの事は。
割り切らなければ死んでしまう。
ネタにされてるが、ハイネの言っていた事は正しいのだ。
アスラン?アイツは迷い過ぎなんだよ、一々。だから中の人にも嫌われるんだよ。
まあそれを言ってしまうと全部脚本家と監督が悪いことになるのだが。
「レズン!生きてたか!」
「アンタも生きてたのかい。嬢ちゃんは……いや、なんでもない」
クェスの事は俺の近くにいないことから、察してくれて謝罪してきた。
「いや、良いんだ。守りきれなかったのは事実で、あの子の未来を奪った俺達はその事実を背負うしかない」
「……帰投する」
ふと、アクシズを見る。
赤く染め上げられているアクシズの片割れで、一つのバーニア光がアクシズに取り付いた。
「アムロ・レイ……νガンダムか」
割り切る、と言いつつ、まだ割り切れてなかったと後の俺はそう思う。
結局、過去に縛られる人間なのだろう、【私】という人間は。
「人の心の光……これがそうなのか……あの奇跡を呼ぶ、虹の光……」
俺は無自覚のまま、アクシズに取り付く。
もうどうでもいいや、ただこうしてれば何となく罪が晴れる気がするから、これでいいや。
そう思っていた。
「ロンド・ベルだけに、良い思いはさせませんよ」
「地球が駄目になるかがかかってるんだ!」
「皆……やめてくれ!こんなことに付き合う必要なんかない!」
「アムロさん、お供させてください!そうでなければ、カラバから付いてきた甲斐というものがありません!」
「ボッシュ……!そういうことはしなくていい…!」
「どのみち、こうなる運命だったのだ……」
ミノフスキー粒子が集まってきているのだろうか、皆の思考が通信でも頭にも入ってくる。
このままアクシズ諸共焼け焦げるか、そう思っていた。
『兄さん……!!』
「ッ!?マリーダッ!?」
マリーダの声が聞こえた。
そして、続いて聞こえる幼きマリーダの声と同じ声も聞こえてくる。
『トゥエルブを……マリーダを独りにさせないで!』
『アンタがいなくなったら、誰があの子の支えになるんだ?』
『あの子の心を死なせないで!』
他にも色々聞こえた。
きっと、マリーダの姉妹達なんだろう。
木霊のような存在だとしても、ようやく俺は帰るべき場所を思い出す。
「ああ…そうだったな……マリーダ!絶対にお前のところに帰ってみせるからなぁ!!」
それと同時に、俺の意識はブラックアウトした。
シャアとアムロの聞こえてくる会話を最後に。
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私はマリーダ・クルス。元の名前はプルトゥエルブ。
私には兄がいて、兄さん……ギュネイ・ガスは私の初恋の人である。
最近、ミネバ様の勧めで読んでみた恋愛小説では初恋と義理兄妹は失恋しやすいとか書かれていたが、初恋が叶う小説だってある。
だから、私は諦めない。
でも………彼がシャアの直属の部下になって数年も経過した。
正直言って寂しい。
ミネバ様という、友人が出来たのは兄さんに良い報告ができると思ったが兄さんも私もここのところは忙しくて連絡が取れないでいた。
そんな中で総帥が隕石落としを始めて、戦争がまた始まるんだな、と私は無感情に思った。
まだガンダムという言葉には反射で憎悪を抱くが、ほんの一瞬だ。
これはガランシェールの皆のおかげなんだと私は思う。
でなければ、きっと私はずっとプルトゥエルブだっただろうから。
兄さんとの思い出は楽しいことばっかだ。
ご飯を一緒に食べた記憶だって私にはとても大切な思い出だ。
あまり娯楽がなかったからか、私は料理を趣味にし始めた。
そのために兄さんが貯金を崩して器具や料理本を買ってくれたときには絶対に美味しいものを食べさせたいと思うのは自然だろう。
手始めにサンドイッチを作ったが、後から考えるともっと良いものを作れたと思うし、その……正直、好きな人の前だとやっぱり今までのクール?さを維持できない。
これをめぐみんさんはクーデレだと言っていたけど、カズイさんとの関係はどうだって聞いたらすごく顔を赤らめてた。
ちょっと面白くて時折それで弄ってしまうが、めぐみんさんは凄い手腕と発想でカズイさんやガランシェールのために色んな物を開発してくれた。
また少し前に立ち寄ったメーティスでマラサイがハンブラビという、トリッキーな機体になってたのはよく解らなかったが。
ただ、ハンブラビの武装を大幅アップデートしたため、カズイさんはなんだかんだで感謝していたけど。
……ここだけの話、メーティスのとある御令嬢と親密だとか聞いたけど、まさかとは思いたい……
めぐみんさんの話はここまでにして、彼との出会いを思い返す。
頭をぶつけてしまった時、謝罪と感謝でどっちを言おうか悩んでしまったけど、どのみち兄さんならあまり気にしなかったかもしれない。
あのまま漂流していたら……そう思うと今でも体が震える。
当時と違い、知識と常識を識る今だからこそ思うが、あのまま流されていたら飢え死にしていた可能性がとても高い。
例えコロニーなどに漂着してもマトモに生活することなんてできないだろう。
明らかに軍用の脱出ポッドに乗っている少女なんて、厄ネタでしかない。
多分、私でもそうしてしまうのではないか。
だから、本当に運が良かったのだ。
兄さんと出会えたことは。
そしてあの時から恋心を抱いていたのかもしれない。
兄さんは「一目惚れなんて都合のいい理由だよ、作者にとってね。だから、君はちゃんと理由を持ってお付き合いしなさい。あ、でも付き合うなら付き合うでその人紹介してな?」と言っていた。
やけに怖い顔だったけど、その話を聞いていた周囲のクルー達も殺気立っていたなぁ。
まあ、私は兄さん一筋なのだが。
身近で歳の近い異性が彼しか居なかったのもあるだろうが、少なくとも私は文句や愚痴を言いつつ、私を助けて甘やかしてくれた兄さんが好きだ。
だから、兄さんを支えたいし、兄さんの子を産みたいかと聞かれればYESと答えるだろう。
ちなみにミネバ様は兄さんの自慢話をすると苦笑するのだが、「私にも兄がいたらそんなふうにしてくれたんでしょうか」と肉親のいない彼女は想像する。
きっとそうですよ、と答えると少し寂しそうな顔で感謝してくるが、私は何もできていない。
ロマンチストな考えなのは解っているが、彼女にも愛する人がいればあのような悲しい顔をすることなどないかもしれないと、そう思う。
ーシャアの反乱から数ヶ月
シャアの反乱は終わったはずなのに、兄さんが帰ってこない。
でも、きっと生きていると私は信じている。
なぜだか解らないけどそう確信している。
夢で観た、あの虹の光の先に彼はいない……筈だ。
反乱から、シャア総帥の不在によって新生ネオ・ジオンはバラバラになり、別れた残党は連邦に討滅されるか、仮初めの平穏に戻るか、地球にいるジオン残党のように各地で潜伏するかになった。
ただ、最近になってとある残党一派の噂が民間、連邦軍内問わずに広がる。
モビルスーツのカラーリングを赤をベースにした一団、【赤備え】と呼ばれる日本のとある武将の率いる軍隊の名前を冠したネオ・ジオン残党。
だが、誰もその存在を事実だと確認できる証拠はなかった。
だが、【赤】という、シャア・アズナブルを想起する色は連邦軍内、特に宇宙で治安維持する部隊に恐怖を確かに植え付けていた。
ガランシェールは今のところ、どこに付くこともなくただ民間企業としての活動をしていた。
サイコミュ持ちのギラ・ドーガ……この際、プロト・ヤクトとでも名付けようか。
プロト・ヤクトはガランシェールの格納庫に置いておくと目立つのでしばらく封印され、私はめぐみんさんがどこからか用意してくれたバーザムで輸送作業と警護をしている。
ジンネマン……いや、父さんはやらなくても良いと言ってくれたが私だけ何もしないというのは凄く落ち着かないので、初めて父さんにお願いをした。
あのときは父さんは立ったまま気絶……というか心肺停止していたから、本当に大変だったが。
まあ、そんなことがありつつ、私は社員として働いている。
そして、あの日。
私は己の宿命じみた何かが動いたような気がした。
ギュネイの自棄っぱちは肉体年齢に引き寄せられたのもありますが、彼の前世の影響もあります。
なのであんなことをしでかしましたギュネイ君には次回、お仕置きが待ってるゾ(・∀・)ニヤニヤ
次回予告すると、多分原作UCは崩壊してるかもしれない。
感想よろしくお願いします!