機動戦士ガンダム GGの危機一髪   作:単眼駄猪介

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新年明けましておめでとうございます!
今年もこの小説を読んでくださるとメチャクソ嬉しいの一言でございます!

さて、今年最初の内容はロニとギュネイの過去を少し、そしてトリントン襲撃前夜の二本立てでお送りします。

え?ダカールが抜けてるって?理由は後程…
後、最後辺りはコメディブッこんでます。
あと、お年玉に5000文字プレゼントや!



動き出した亡霊たち

 

ジオンの亡霊、そう呼ばれるようになったジオン公国軍残党は世界各地にヒッソリと息を潜めつつ、無意味に思える時間を此時まで過ごしていた。

ジオンの独立を願って戦い続けた者たちは、今は既にかつての栄光の錆となり、そして死に場所を求めるようになった。

それは、そんな彼らと共にあった父親を持つ次世代を担う若者、ロニ・ガーベイにも乗り移ってしまうのは必然だった。

死した親の思想に取り憑かれ、共にカークス達と過ごす日々を暮らした彼女だったが、シャアの反乱から一年経過したとき。

その男は現れた。

 

「赤備え頭領、紅蓮だ。よろしく頼む」

 

仮面を被った謎の男。

赤にサムライの鎧姿をした彼に、ロニは当初は嫌悪感が強かった。

シャアを名乗る偽物か、と。

そう言わなくとも、赤い時点でシャアを示唆させるのだ。

どうせ自惚れた愚か者が夢のままに協力を要請しに来ただけだと、カークスたちもロニも最初は話を聞くだけ聞いて追い返そうとした。

ロニはすでに興味はなく途中から抜けたが、カークスにだけ素顔を見せたらしい、というそんな話を年上の野郎たちの雑談で耳に挟む程度だった。

何も変わらない、そう思っていたロニ。

だが、連絡が取れる残党をテキパキと各地から集結させ、どういう訳かアナハイムも味方にして放置されていた軍艦までも基地再建の折に引っ張ってきた。

突然、時間が動き出したかのように集められたジオン残党たちは基地再建で忙しなく動き、いつの間にか親睦も深まっていた。

そして、ようやく未来を見つめる者達もほんの少数だがいたし、勿論離反する者もいた。

止まっていた時間にいたロニにとっては余りにも信じられない光景で、変わり果てた光景だったのだ。

だからこそ、彼女の感情が爆発するのは必然だったのだろう。

自分だけが取り残された、自分だけが孤立しているという疎外感に耐えきれなくて。

 

「お前は一体なんなんだ…!お前は私から大切なものを奪う奴なのか…!?また私を一人にさせる存在なのか……!」

 

紅蓮…ギュネイがお忍びで彼女と出会った時、被害妄想まで膨らんで現実と想像が混ざり込んだ思考になっていた。

そして、NT能力による直感でギュネイが紅蓮であることをすぐさま理解して彼を殴ろうとした。

そこから、ようやくギュネイとロニの関係は始まったのだ。

勿論、それは両者にとって最悪のファーストコンタクトとも言えるだろう。

いや、顔合わせはしていたのだからファーストではないが。

 

「お前が!お前がぁ!」

 

「俺を打つな!」

 

殴られかけた俺は背負い投げで彼女を取り押さえるが、彼女は暴れたままだ。

そのため、興奮によって呼吸速度が早くなったロニは過呼吸になり、ギュネイは落ち着くようにと宥めるが獣のうめきのようなものしかあげない。

ギュネイはすまん、と言葉をかけてロニを気絶させた。

幸い、周囲にロニの声が聞こえる位置にいる人物はいなく、通路だった事もあって目撃者はゼロだ。

医務室にロニを運び込み、カークスを呼んでギュネイは最近のロニの様子を彼から聞き出す。

 

「カークス大尉、ロニ少尉が暴力を振るう要因に心当たりはあるか?」

 

「……いえ。しかしここ最近は何か思い詰めているようには見えました」

 

「そうか……」

 

ギュネイは考える。

戦力としても、原作の展開としてもこのままにするのはよろしくない。

袖付きからのコンタクトも今後ありえなくもないため、ここで確実に仲間にしておきたい。

そう考えた結果、ギュネイはロニを一度基地からニューホンコンに連れ出すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……先日の件は、誠に申し訳ありませんでした」

 

後日、改めて地球にへと降りてギュネイとロニはニューホンコンで再会した。

尚、ロニとの関係修復を仕事と言って妻子との時間を削ったので宇宙に帰った際、マリーダに限界まで搾られたのは完璧なギュネイの自業自得である。

 

「気にするな、人間、時に感情を爆発させなきゃ腐るからな」

 

そう言ってギュネイはあっさりと許す。

ロニは本当に申し訳無さそうだったが、まだ不満は残っているなとギュネイは感じ取る。

 

「さて、こんなところで立ち話もアレだ。良い店を知ってるんだ、ついてきな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュネイは目の前で中華料理を頬張るロニ・ガーベイを見て、考えていた。

 

……………………(手持ち足りるかな……)

 

あまり食えるものが多くはない地域で生きてきた少女だ。

だから少々食い意地が張ったり、大食いだったりするのは全然大丈夫だ。

だが、一応同盟を組んだ相手の頭領の前で一言もなしに食べているのはちょっとビックリした。

まあ、ロニの意外な一面を見れて得したかな、とギュネイは思ったが。

しかし、下っ端時代にマリーダの世話焼きで染み付いた癖で体が疼くが、ギュネイは抑えて麻婆豆腐を黙々と食べる。

ピリッと来る辛さがまたたまらなく、そして炒飯も胃にかきこんでいく。

胡椒のスパイスが効くのと同時に、さらに食欲を刺激される。

なんだかんだでギュネイもネットのオススメでやって来た中華料理店の味に取り込まれるのだが、ある程度腹が膨らんだ所でギュネイはロニを改めて見る。

古ぼけたようなジオンの制服から一般人が着るような服を着ていれば、どこにでもいそうなアラビア系の少女だ。

 

「ふぅ……さて……」

 

では、話をしよう。

雰囲気を悟ってか、ロニもこちらに意識を向ける。

 

「ロニ・ガーベイ、君は何のために戦う?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<><÷<÷<><><

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーとあるジオン残党拠点ー

 

 

 

「何?第一次降下作戦時の周波で通信だと?」

 

「はい!我、ダカールに情報工作仕掛けたり、しかしそれは陽動!本命はトリントン基地にあり!連邦に一泡ふかせる!」

 

距離的な問題でカークス隊に合流できなかった残党や、合流後、離反した残党、最初から合流しなかった残党関係なく発せられた協力要請。

それは、ジオンの亡霊と化していた者達へ良くも悪くもキッカケとなる。

 

「……カークス隊からの通信か……何かあるんだろうが、しかし一泡ふかせることには同意だ」

 

「ッ!隊長!」

 

「全機!出撃準備だ!帰りの事は考えなくともいい、連邦に一泡ふかすぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動き出した亡霊たちは別の地域でも、活動を始める。

 

「さあ、出るぞ!」

 

「ようやく戦場に行ける……!」

 

崩れた城壁から現れた数機のモビルスーツ。

モノアイを暗闇の中で光らせながら、何年ぶりか解らない戦場へ赴く。

 

「グフ重装型、行くぜ!」

 

「アイツ、またマップを逆さに見てないよな?」

 

「流石に電子マップを逆さに読むほど間抜けじゃないだろ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ミカワ基地では。

遂に日を浴びれる事となったペガサス級戦艦、ナオマサが起動していた。

 

「弾薬はたんまりと載せてけ!基地襲撃後は宇宙に上がるんだからな!」

 

「なに?バナナはオヤツに入るかって?そんなもん知るか!」

 

「おい!そこのガルスK!キャノンを下げろ!通路の天井を擦るな!」

 

「そこのMP!そこにある肉を丸めて肉団子にしてこい!やることないなら飯を作るのを手伝え!」

 

ガヤガヤと騒がしい戦艦ドッグで、モビルスーツの搬入作業や食料の鮮度チェック、塩の貯蓄量の確認etc……

そんな中、ジンネマンとカークスはギュネイに疑問をぶつけていた。

 

「何故、ダカールに攻撃を仕掛けない?陽動ならモビルスーツの方が効果的では?」

 

カークスは疑問をぶつける。

それにギュネイはしっかり答える。

 

「ダカールは首都で高官たちが集まってはいるが、地上にある残党の機体では高官の殺害は難しい。時間を稼がれてせいぜい関係者を殺すだけになる。それに民間人への被害も看過できない。なら、ジオン残党を名乗る狂信テロリストにやらせた方が効率的だ。装備は十分に渡してあるしな」

 

「ザク・キャノンにキョゴのジュアッグ、テッセラのズゴックの用途はそれだったのか…」

 

「パイロットは連邦の兵士の落ちぶれた奴や元ティターンズの下っ端だ。こちらとしては失っても痛くも痒くもない」

 

正直、自分本意にしか動けない奴らは消えてもいい。

そう思うが、平和な世界なら殺す必要もなかったかな、と思ってしまう自分がいる事を感じるギュネイ。

だが、その迷いを振り切って配給されてきた肉団子とスープを戴く。

 

「UCファンにはぶん殴られるなぁ……」

 

スープで喉を潤しながらそうボソッと呟くギュネイ。

MSVの夢がかなったあの光景を崩してしまうことに罪悪感があるが、しかしここでベテラン達を殺してしまうのはとてもではないが無視できない損害だ。

 

「テッセラさん、キョゴさんにはゼー・ズールを、キャノンのパイロットにはアナハイムからハイザックキャノン、他にも前線でついていけなさそうな機体はジム・スナイパーⅢ等の機体に取り替えてある」

 

勿論、ほんの数機なので結局ザク・キャノンやズゴックなんかの一年戦争の量産機は普通に残っているが。

ちなみに量産機という言葉はガンダムが作ったなんて言う話があったな、とギュネイは前世の記憶をほじくり返すが同時に頭痛がしたのですぐに掘り返すのをやめる。

 

「やっぱり、あの死に方は意味が解らないよな…」

 

「どうした?具合でも悪いのか?」

 

頭痛のした辺りの額をさすって痛みを誤魔化すのをジンネマンは目聡く見つけて心配する。

ギュネイは大丈夫だと言って立ち上がる。

 

「それにしてもダナンさん、ジムスナイパーⅢなんていうティターンズの試験機なんか、よくありましたね」

 

それはそうと、といった感じでギュネイはアナハイムから派遣された男、ダナン・クダランは少々ニヤけた笑みでネタ明かしをする。

ちなみにそれで微笑んでいて、ほとんどの交渉で成功するらしい有能な彼は、実はこんなところに来てしまって内心将来が滅茶苦茶不安だったりする。

 

「グリプス戦役後にパーツ等をリサイクルの一環やロートル化で回収されましてね。在庫に残っていたデータ取りのジム改をベースに改修して引っ付けておりまして。多少、本来の機体よりは性能は下がっておりますが、戦闘には十分に耐えれますよ」

 

詰まる所、モドキのようなものか、とギュネイの解釈で結論付けてカズイにデナン・ゾンの使用感を聞く。

 

「デナン・ゾンはどうだ?カズイさん」

 

「滅茶苦茶いいな、元々は作業用のだなんて信じられないくらいに良い」

 

「あんまり壊さないで下さいよ?一応、ブッホ社の方にも報告しておりますので、壊されるとデータ取りが大変なんですよ……」

 

本当に大変だと感じさせるダナンの迫真の視線にカズイはのされつつ、早々壊さん!と宣言する。

そんな彼にギュネイは弄るネタを追加する。

 

「………ハンブラビ」

 

「ウグッ」

 

「そういえばお前、ハンブラビの脱出ポッドシステムでやらかしていたな……」

 

実はカズイのハンブラビ、戦闘後に誤操作によるパラオの岩肌への衝突でコクピットが歪んで一度解体することになったのは記憶に新しい。

まあ、脚部にスラスターを集中させた難易度の高い機体だ、カズイでも油断すればそうなるということなのだろうが……

 

「ジンネマンさん、そのことはほじくらないでくださいよ……」

 

「やはり、脚部だけにスラスターを集中させるのはあまりオススメできない設計なんですね、設計者(シロッコさん)は天才であってもお馬鹿でしたか」

 

さりげなくシロッコをディスるダナンだが、ぶっちゃけ天才の求める才能ある一般兵が乗る機体だったので、ある意味バカと言われても仕方がないだろう。

 

そんな馬鹿騒ぎも少々起きつつ、ナオマサの出撃準備が完了し、ギュネイは仮面を被る。

士気高揚のための演説、ベターだが手っ取り早い方法だ。

ギュネイは台本を用意していたが、ぶっちゃけあんまりいらないなと思ってたりする。

結局、兵士や民衆の心を掴むのは誠意と言葉に込める想いなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ートリントン基地襲撃前夜演説、音声記録よりー

 

諸君、まずはこんばんはだ。

ここに集まった者の中には今にも寝てしまいたい者もいるだろうが限界までどうか聞いて頂きたい。

 

(笑声)

 

君達にとって、ようやく前に進める出来事を行える事にまず私は感謝したい。

一年戦争から既に十七年。

君達は雄飛の時を待った!ダカールでは一足先に何も知らぬバカ達が、みっともなく自分たちの不平不満やジオンの意志を継ぐものだ等とほざいて愉悦に浸っているだろう。

今回、トリントンを襲撃するのはユニコーンの示した座標がそこだったからというのがあるが、君達を宇宙に帰すことも目的だ。

 

(困惑の声)

 

君達はずっとこの地球に身を置き、ジオンの栄光を守り続けた。

しかし、その時代ももう終わりを迎える。

もうジオンの栄光なんてものに縋らなくてもいい、この戦いが終われば君達は自由だ。

貶しているように聞こえるが、事実貶している。

何故なら我々は、赤備えは連邦からもジオンからも離れて新しき政府を作らなければならない。

その為には、君達が必要だ。私はまだ若造で、君達の恨みつらみ、想いなど知る由もない。

だが、それを負うのは君達だけにして頂けないだろうか、君達より先に生きる今を生きる子供達の未来のために、赤備えは世界を変えるべく組織を持った。

子供や若者に過去を背負わせては争いは終わらない、故にどうかこの戦いで過去と因縁を断ち切ってほしい。

でなければ、子供に戦争させる歴史は終わらなくなる。だからこそ、私は君達に頼みたい。

君達が良ければ我々と共に来てはくれないだろうか?

私達大人がこれからの世界を形作り、スペースノイドにも自由と平和と繁栄が、そしてこのジオンの戦いの終止符を打とうではないか!

……どうか、未来の子供達のために戦い抜いてほしい。私はそれを切に願う。

 

(静かに拍手)

 

…ありがとう、まずは君達のその憎しみを、気持ちをこの戦いで整理してほしい。

だから私はあえて言おう、生きて帰ってこいとッ!

 

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<それっぽい演説を言わせてるだけなので、ぶっちゃけあんまり真面目に考えなくていいおまけな内容。ロニとの過去はもう少し後に掘り下げるのじゃ。

ロニ(過去)<ギュネイが嫌いな時期。でもとある出来事で惚れる。

ダナン・クダラン<名前の元ネタはラカン・ダカラン。ちょっと捻ってみただけの名前。アナハイムで交渉係を担当するが、本人は身の丈に合わないと思っている。が、本人の顔の不気味さでなんか交渉が通るのである意味交渉に長けたニュータイプかもしれない()

T-3機体<一部のロートルMSV機体の埋め合わせ的な感じで出した機体。ガバやご都合主義が酷い気がするが、これで許してはくれなイカ……

テロリスト部隊<持ち上げられるだけ持ち上げられた捨て駒部隊。自惚れてたり、たぬきの皮算用してる奴等なので救いようがないアホたち。最終的に全員逮捕、もしくは射殺されたが、注意は引けたので見事その責務を果たした()

カークス<赤備えの情報戦の頼もしさに信じてよかったと報われてる。でもあの世に行くのはまだ早いぞ!?

カズイ<実はハンブラビをぶっ壊してたりしてたバカ。嫁のメグにタンコブができるくらい叩かれたとかないとか。

レズン<前回の補足。彼女は選択次第で恋愛ルートから外れるヒロインみたいな物で、今作では彼女はOOのマリナのようなヒロインじゃないようでヒロインなキャラ。選択次第で三人ハーレムやらかす。

トリントン基地<まさかまた狙われてるなんて思ってもない一般基地。またジオンに犯されるなんて聞いてないっピッ!

ダカール<テロリストはムッコロス!でも本命には気付かない模様。

ダカール組MSV<使い捨てされるがモビルスーツの本命を果たせたので気前よく散っていったジオンの魂。残骸は後でスタッフが美味しく頂きました(byジャンク屋)

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