機動戦士ガンダム 水星の妖精   作:シロクロ団子

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ペーネロペープラモが欲しくて堪らない~

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ではどうぞ。


ミオリネの猜疑心

アーシアンの部屋に来てから一時間経つ。部屋の主の少年は運ばれてきた食事を楽しみ。その隣で青毛の少女は既に食べ終え、MS整備に関する本を見ていた。

 

青毛の少女は知らないが、アルマはあのクソ親父と真っ向から張り合った。今まで見てきた子供はクソ親父に媚びを売るか、クソ親父を庇護し、私に偉そうに説教する奴らばかりだった。

 

私はあの時、クソ親父の顔を見たくない一心でアルマの提案に乗ったが、その一方で彼に少なからずの興味が湧いたのも事実。

 

だから、彼の前に座って喋りかけてくるのを待っているのだが・・・

 

「ん~。久々のお肉はやっぱり旨い!力をあまり掛けずに切れる柔らかさの反面、口の中に入れた瞬間、口の中でとろけた脂身と噛んだ時に出てくる肉汁が合わさって、肉を食べていると再認識させてくれる幸せ!そしてこの果物ソースをつけることで味の変化で更に幸せを感じさせてくれる!本当に旨い!」

 

・・・

 

「海老のグラタン、魚のパイ包み焼き、茄の肉壺。美味~!」

 

ジュルリ・・・ハッ、違う違う!!

 

「あんた!私を部屋に誘っておいて食べる事ばっかり集中するな!」

 

「え~?だって高級料理だよ。食べないと損しちゃうじゃん」

 

「そんなの」

 

「大丈夫ですよ、ミオリネ・レンブランさん。この船が次のコロニーに着くまであと数日はかかりますから。それまでに私達に聞きたいことは聞けると思いますよ」

 

食べることに集中しているアルマとは違い、私が聞きたいことを知っているような口振りで話したのは・・・

 

「ニカです。ニカ・ナナウラ。アナハイムから推薦されて整備科で三年間学びます。あとアルマの専属メカニックです」

 

私は顔に出さなかったが内心で驚いた。ニカは読心術でも心得ているのだろうか。私が思った事に対し、正確に応対していた。

 

「まぁ・・・そうね。聞きたいことは山ほどあるわ。でも一つだけ今すぐ聞きたい事がある。なんで私を助ける真似をしたの?下手すればあんた達、あの場で入学できなくされていた可能性だってあったのに」

 

「・・・。最初は助けようなんて思ってなかったよ。僕は君を見つけた報酬が欲しかっただけだし」

 

「報酬って・・・まさかそれ?」

 

私は既にない料理を指で指すとアルマは頷く。私は落胆した。私はご飯のために見つけられたのか。なんとも呆れた奴だ。

 

「でも・・・、あの時、君が助けを求めているように見えたから 助けた。実際自分でもヤバいと思ったよ、デリング総裁ってテレビでみるより圧がヤバいんだから」

 

「そうだね。私は下手したらアルマのせいで入学できずに中卒で終わりそうだった事、忘れないでね」

 

ごめん、ごめんと笑いながら謝るアルマを見ながら私は思った。前言撤回しなくてはならない、こいつは自分の心に忠実な奴だ。

 

私が助けを求めていただけで、我が身を惜しむことなく助けに行くなど周りから見れば愚かな行為だが、アルマは自分が正しいと思ったからこそあそこまでクソ親父に食いつくことができたのだ。

 

ただ何も考えずに地球に逃げたいと駄々をこねていた私とは大違いだった。だけど・・・

 

「ねぇー、機嫌直してよ。ニカ」

 

「やだ。無責任な事するアルマなんて知らない」

 

「今度、ニカが欲しかった機材を小遣いで買ってあげるから~」

 

「うっ・・・。しょ、しょうがないな~。許してあげる」

 

「やったー!」

 

ニカをなだめる今のアルマはただの子供にしか感じられず、私は今の彼と私を守ってくれた彼の二つのギャップに不快感を感じずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日が経った。結局、私はアルマ達の部屋に入り浸り、勉強でわからないところを話し合いをしながらそれぞれの予習をしたり、地球の話を聞いたり、三人でゲームをして遊んだりした。(ちなみにスコアランキングは私が最下位で、二位がアルマ、一位がニカという結果になった。正直、どうしてニカが強いのだろうかと疑問に思った)

 

正直、クソ親父が二日目からいちゃもんをつけて、私を連れ戻そうとするのではないかと思っていたのだが、意外にも手出しはしてこなかった。

 

私は顔には出さなかったと思うが、アルマ達との時間は楽しかった。今までクソ親父のせいで、友人を作ることも叶わなかったから。

 

だけどその時間はもう終わる。何故なら明日、終点のコロニーに着いてしまうからだ。

 

私は楽しい時間が終わらないことを願いながら眠ろうとしたが、結局、日付が変わる時間になっても眠ることはできなかった。

 

私はため息をついた。私が本心で願ったことを神様でさえ叶えてくれないのか、と。

 

眠れない私は部屋を出ることにした。あの部屋にいたら惨めな気持ちで押し潰されてしまうから。幸いにも監視はいなかったので簡単に抜け出せることができた。

 

だけど、どこに行こうかと迷っているとき。ふと、宇宙(そら)を見ることができるホールがあることを思いだし、気持ちを落ち着かせてくれる事を願いながらホールに向かった。

 

 

 

 

 

「綺麗・・・」

 

ホールの天井には地球の星空を模した物を映しているだけだが、それでも外から見える岩の塊が浮いている宇宙と比べたら、偽物の星の方が断然上だった。

 

ここにはバーがあるのだが、提供時間は過ぎていてスタッフはいない。そして他の乗客も寝ている時間なので、ホールは貸し切り状態だった。

 

私は中央の席に座り、背もたれを倒して星を見る。偽りの星達は光を発して自分の存在を示していた。

 

映像でここまで星が綺麗なのなら、地球はもっと綺麗に見えるのだろうか。もし見ることが叶うならアルマと・・・

 

私は頭の中で浮かんだことを不思議に思った。何故、私はアルマと星が見たい等と考えたのだろうか。あれこれ考えていたが一つの結論が出た。

 

やはり私は相当疲れていて、そんな馬鹿なことを考えてしまったに違いない。誰が、あんな精神が子供の様な奴に

 

「あれ、ミオリネさん?なんでこんなところに」

 

そう思っていた矢先に、後ろから何故かアルマの声が聞こえてきたので勢いよく起き上がり、後ろを見るとそこにはアルマがいた。

 

「駄目ですよ、ちゃんと部屋で寝てなきゃ。風邪引いたらどうするんですか」

 

こいつ、私がここで寝過ごしていたと勘違いしているのか。

 

「悪いけど、さっきまで自分の部屋にいたわよ」

 

「じゃあ、なんで?」

 

「・・・。眠れなかったのよ」

 

どうして眠れなかったのかを言えなかった。言ったら、私の負けのような気がしてならなかったからだ。

 

「そうなんですか?じゃあ、僕より酷いな」

 

「はぁ?」

 

「僕は目が覚めちゃって。まぁ・・・原因は大体想像がつくんだけどね」

 

そう言ってアルマは図々しくも私の隣の席に座り、背もたれを倒して星を見始めた。あれこれ言いたかったが、私も黙って背もたれに倒れこみ、星を見る。

 

「・・・綺麗だよね、地球から見た宇宙は。外から見える宇宙もいいけど、やっぱりこの景色が一番良いや」

 

「・・・前から聞きたかったんだけど、何でアルマは宇宙に上がったの?地球が好きなら地球で暮らせば良いのに」

 

そう言うとアルマは私をチラリと見てから、目をつぶった。まさかだんまりを決め込む気かと私は思った。だけど、アルマはつぶやくように私に言った。

 

「人を探すため」

 

「人?」

 

「うん。僕にはね、一人だけ大事な人がいたんだけど離ればなれになったんだ」

 

「それが宇宙に上がった理由?」

 

「そうだよ。その子はね、親と一緒にMSに乗ってどこかに消えたんだ。だから、学園に行けばもしかしたら・・・ってね」

 

「ふーん・・・」

 

私はアルマが探している人物を詮索したかったがやめた。MSに乗ってどこかに消えたということはヤバいことに首を突っ込んだに違いない。

 

そんな奴は犯罪者扱いで捕まっているか、デブリの一部になっているだろう。だけど、そんな事を言ってアルマの決意を鈍らせたくはなかった。

 

「じゃあ、次はミオリネさんの番だね。ミオリネさんはどうして地球に行きたいの?」

 

「私は・・・亡くなったお母さんが行きたいって言っていたのよ」

 

「そう・・・なんだ。お母さんはアーシアンなの?」

 

「いいえ、母はスペーシアンだったわ。だけど、ガーデニングや野菜栽培が趣味でね。私もよく手伝っていたの」

 

「ふーん・・・。やっぱり宇宙にいる人は地球が持つ重力に心が引き付けられるんだね」

 

「え?」

 

「ほとんどの人は口に出したりしないけれど、地球に興味を持つ人は本当は多いんだよ。だけど、スペーシアンという隔たりを作ってしまったから、地球に行けずに宇宙(そら)で生涯を終えてしまう人も多いって事を、何かの本で読んだことがあります」

 

少しだけ驚いた。本の情報とはいえ、私と同じ考えを持つ人は少なからずだけどいるのか。

 

「じゃあ、私もその一人ね。違うとするならまだ生きていることかしら?」

 

「いや、ミオリネさんはどっちかと言うと逃げたい一心じゃ・・・」

 

「あ゛ぁ?」

 

「イェ、ナンデモナイデス」

 

「・・・。そう言えば、アルマには言ってなかったわよね。私が逃げようとした理由」

 

「あ~。それ事態、忘れてましたよ。話してくれるんですか?」

 

こいつ・・・、聞いてこないから私に気をつかっていると思っていたのに、忘れていたのか。

 

「ええ。アルマ、あの学園のシステムで決闘があることはわかっているわよね」

 

「それはもちろん知ってるよ。僕はあまり好きじゃないけど・・・」

 

「私ね、その決闘の勝者と結婚するのよ」

 

「・・・え?」

 

アルマは驚いた顔を私に向けた。何かを喋ろうとしているが驚きのあまり、口をわなわなさせている。私はアルマが喋る前に言いたいことを言いきる。

 

「やっぱり知らなかったのね。私はクソ親父のグループを発展させるためだけにあの学園に行くの。だから、私はここから逃げたくて隠れてたのよ。笑える話でしょ」

 

言った。言ってしまった。これでアルマはどんな気持ちになるのだろうか。同情して安っぽい台詞を言うのか、無言になり私に対して軽蔑の眼差しを向けるのか。もし、今までの奴と同じだったら・・・それまでだろう

 

「どこが笑える話なの」

 

だけど、アルマは私の予想を裏切った。言葉には氷のような冷たさがあり、無表情だが怒っているように見える。

 

なにより私を見据えるアルマの目はまるでこの世の全ての闇を詰め込んだように真っ黒に染まっているように見えた。私は怖くなりアルマから離れようとするが、彼の手が私の手を掴み、逃がさないどころか逆に引っ張りこまれる。

 

そして互いの息が微かに肌で感じられるほど、顔を近づけられた。

 

「ねぇ、ミオリネさん。遠回しに言わないではっきり言ってよ。僕に何を求めているの、何を期待しているの」

 

掴まれた手を離そうともがくが、アルマの手は木のようにびくともしない。アルマは私が暴れていてもお構いなしに私の目を見ながら話す。

 

「言わなきゃわからない、伝わらない。教えてよ、ミオリネ。ミオリネ・レンブラン」

 

私は暴れたこと、アルマによる恐怖で、頭の中がめちゃくちゃになった。私がアルマに求めている?期待?そんな事、そんな事は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私・・・私は!誰のものにもなりたくない!あいつの指図も従いたくない!ただ・・・自分の意思で生きたいだけなのよ・・・!」

 

あるに決まっている。クソ親父から助けてもらった時から私は、アルマに一つの望みを抱いていた。クソ親父に臆することなく私を助けてくれた彼なら、私に襲いかかる厄災を全て払い除けてくれるのだと。

 

だけどアルマに本心を言って、もし断られてしまったらと思うと、怖くなって今まで言い出せずにいた。だけど今は涙と共に言いたかった言葉が溢れていた。

 

「ねぇ、アルマ・・・。私を助けて・・・私を地球に連れていってよ」

 

「はっきり言えるじゃん、自分が本当に望んでいること」

 

掴んでいた手を離したアルマを見ると先程の目は既になく、いつも見ていた彼の目がそこにはあった。

 

「要はあの学園で勝ち続ければいいんでしょ。デリング総裁を殺せって言われるより簡単だよ」

 

何か物騒なことを言ったが、そんな事は気にならなかった。だってアルマは私のために戦うことを決意してくれたから。

 

「じゃあ、約束。アルマ・カーストンはこれから先、どんな強敵が現れても、ミオリネさんの為に勝ち続ける」

 

アルマは右手を握ってから、小指だけ出した。私が少しだけ困惑しているとアルマは笑いながら補足する。

 

「これは約束をしたら行う地球の儀式みたいなものかな。ほら、ミオリネさんも同じ形を作って」

 

「指きりげんまん、嘘ついたら針千本飲~ます、指きった。これで僕が嘘ついたら言った通りにして良いからね」

 

嘘をついたとき、それはホルダーを維持できずに卒業する時だろう。でも、多分その時はアルマのことを私は恨んでいないかもしれない。だけど

 

「・・・それ以上のことをしてやるわ」

 

私は涙を拭いながら一応、念を押しておくことにした。そんな事をしなくてもアルマは全身全霊で挑む覚悟はあるはずだから。

 

「それは嫌だけど、もし破ることになったら楽しみにしてる。さてと、ミオリネさんの調子も戻ってきたみたいだし、部屋に戻ろっかな。じゃあ、お休みなさい」

 

「待って」

 

席を立って自室に戻ろうとするアルマを呼び止める。私から信頼を勝ち取った彼への小さな勲章をあげなければいけない。

 

「まだあるの?」

 

「ミオリネでいい」

 

「はい?」

 

「だから!呼び捨てで呼んでもかまわないって言ってるの!てか、あんた、さっきさらっと私の事を呼び捨てにしてたわよ!」

 

相変わらずのアルマの鈍感さに私はまた怒ってしまう。これでも私は勇気を出して言っているのに、この男は

 

「そうだっけ?まぁ、いいや。お休み、ミオリネ」

 

「はぁー・・・お休みなさい、アルマ」

 

にぱっと笑いながら私の名を言う彼に、先程沸騰した私の怒りはすぐに消えてしまう。なんというか私は、いつの間にかアルマに対して、甘くなっているのだろうか。そんな私にため息をつきながら、アルマにおやすみと言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すごい人混みだけど行かなくていいの?」

 

「ええ、行っても意味ないもの」

 

コロニーに着いてから、デリング総裁に謁見しようと多くの人だかりができていた。私はアルマとその人だかりを遠くから見ている。

 

ニカはアナハイムが手配していた車とドライバーを探すために一人で外に行って探してもらっているそうで、一人で座って待っていたアルマを見つけて、私はその隣に座っている。

 

「取り巻きが車が来るまで待っていろって言ってたのよ。だから、あいつとは別の車でホテルに行く事になってるの」

 

「ふーん。じゃあ、さっき黒服の人がミオリネの事を頼むって言ってたのはそう言うことか」

 

私はえっ、となりアルマの顔を見る。アルマは私が驚くことをわかっていたのか、したり顔でこちらを見ていた。

 

私はムカついて、アルマの両頬をおもいっきりつねった。アルマは痛みで苦しんでいるが手を緩めなかった。

 

「アルマ。車見つかっ、た・・・。何してるんですか、ミオリネさん」

 

運悪くニカが戻って来てしまったが、私は手を緩めない。

 

「見てわからないかしら、こいつの頬をつねっているのよ」

 

「ニィカ、タフィケェテェ」

 

アルマが情けない声でニカに助けを求めたが

 

「ミオリネさん!もっとつねってやってください!」

 

「わかったわ」

 

「ニィカ!?」

 

残念な事に、ここにはアルマの味方はいなかったようだ。




やめて!

アーシアンが駆るガンダムでディランザがやられたら、グエル先輩のプライドがズタズタにされちゃう!

お願い、やられないでグエル先輩!

先輩がやられたら、スペーシアンとジェターク社のプライドはどうなっちゃうんですか?

勝機はまだあるはず。攻撃に耐え続けていれば、アーシアンに勝てるんですから!





次回「グエルの敗北」デュエルスタンバイ!
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