俺が考えた 仮面ライダーBLACK SUN   作:井上ああああ

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第1話 ダークヒーロー

地球、太陽系で数少ない生命体が息づくその惑星。

 

その惑星では太古から二つの種族が覇権を争っていた。

一つはホモ・サピエンス通称人類。

もう一つは、ゴルゴム。

 

ゴルゴムは一件、ホモサピエンスと変わらない姿をしていたがその本性は獣・植物・魚類などと混ざった獣人のような姿をした異形の姿をしていた。

 

20世紀中ごろ、ゴルゴムと人類の間で戦争がおき、長い闘争の果てに、人類が優勢で幕を終わった。

 

 

そして、20XX年東京。

ここではゴルゴムの学校建設を巡って、デモ隊とそれに対するカウンターが日々争っていた。

 

 

雨が降りしきる街の中、警官隊が周囲を囲んでいた。

 

 

「ゴルゴムへの差別をやめろ!!!」

「ゴルゴムくたばれ!!!」

 

 

それぞれの想いを抱えたデモ隊の怒号が鳴り響く。

警視庁関東方面部担当警視総監の黒川はため息をついた。

 

 

「まいったな。」

 

 

部下の赤羽が話しかけてくる。

その声には呆れが混じっていた。

 

 

「また、デモを許したんですか黒川総監。」

「そうでもせんと、人権派がうるさくてな…。」

 

 

黒川は雨の中ホットコーヒーを飲んだ。

彼は内心悔やんだ。

もしかしたら、自分は甘すぎたのかも…。

 

 

「『あいつら』のデモを許すと、どうなるかおわかりでしょう。」

「わかっていたが…まさかここまでとはな。」

 

 

両者のデモ隊は数百人を超えている。

まだ平日の昼間なのに暇な連中が多いことだ。

黒川は内心毒づいた。

 

 

そんな中だ。

 

 

「うぎゃー!!!!」

 

 

悲鳴が聞こえた。

反ゴルゴム派の方から聞こえる。

 

 

「クソ…やりやがった!」

 

 

黒川は悲鳴をあげた。

赤羽から双眼鏡を奪い、ふとみつめた。

すると、ゴルゴム側のカウンターデモの一人が怪人化しているのがみえた。

 

 

「チクショウ…チクショウ!!!」

 

 

黒川は銃を取り出した。

 

 

「あいつを止めろ!なんとしても!」

 

 

赤羽にそう命令した。

先ほどは黒川に呆れていた赤羽も体中に電撃が入ると、部下を引き連れデモ隊の中に割って入ろうとした。

だが、黒川はパトカーの側に向かった。

 

 

「ヤツを呼べ!!!今すぐに!!!!」

 

 

 

その頃、デモ隊とカウンター側の間では小競り合いがおきていた。

反ゴルゴム派の参加者が言った「バケモノ」という言葉にカウンター側の勢力が反応したのだ。

反ゴルゴム派は怯え、逃げ惑った。

 

 

「誰がバケモノだってんだァ!!!貴様らァ…しばきまわしたるッ!!!!」

 

 

 

かつて人間だった『それ』は黄色と黒の入った模様の毛を全身にはやしていた。

そして、筋骨隆々の体をみせていた。

血管がぴくぴくと反応しながら、岩山のような筋肉がそれにうねるのがその場にいるすべてにみえた。

大きさは3mほどあった。

 

 

「トラ型ゴルゴムだァ!!!!」

 

 

警官隊は警戒をした。

ゴルゴム、その中でも大型。

数名の警官ではかなわない。

SATでもなければ…いや、SATでも…。

 

 

 

「やめてくれ、虎畑さん!」

「俺たちは暴力が目的じゃない!!」

 

 

カウンターデモ隊の数名がそういった。

その時だった。

 

 

「だまれェ!!!!」

 

 

トラ型ゴルゴムは電撃のような声を発すると、同じデモ隊の仲間にも剛腕を振るった。

デモ隊に参加したゴルゴムは悲鳴をあげ、吹き飛んでいった。

 

 

「暴力以外で変わる物は何もないッ!!!お前らは甘いのだ!!!!」

 

 

すると、カウンターデモの方から歓声が上がった。

 

 

「そうだ、暴力だ!!!」

「暴力革命だ!!!」

 

 

その歓声はうねりはじめ、徐々に狂気になり始めた。

その場にいるすべてが飲まれそうになっている。

警官隊は冷や汗をかき始めた。

否、その場にいる全ての「人間」が汗をかきはじめた。

 

 

「暴力をやめろ!!」

 

 

勇気を奮い、警官が叫んだ。

それに反応したトラ型ゴルゴムは、片腕をふるい警官をなぎ倒した。

殴られた男は4m先に吹き飛んだ。

そして、そのままマネキンのように動かなくなった。

 

 

「クッソー!!!」

「公務執行妨害だッ!!!」

「発砲しろ!!!」

 

 

警官隊は銃弾を発砲した。

だが、トラ型ゴルゴムの肉体の前ではそんな銃弾は意味などなかった。

 

 

「グハハハハハ!!!!」

 

 

トラ型ゴルゴムは高笑いをすると、自身の右腕を振り上げた。

そして、爪を伸ばした。

 

 

「貴様ら、皆殺しだァッ!!!!!」

 

 

警官隊は焦った。

応援が中々来ない。

参った。

このままでは負けて、殺される。

 

 

 

そんな時だった。

 

 

 

緑色のバイクが目に見えた。

まるでアメリカンバイクのような、特殊オーダーメイドにみえた。

エンジン音を響かせながら、そのバイクはゆっくりとトラ型ゴルゴムの方へ向かった。

 

 

不思議と雨がやんでいった。

まるでその持ち主に怯えるように…。

 

 

そのバイクに乗っているのは、黒い装甲をした男だった。

だが、その場にいる全てがこのバイクに乗っている者を知っていた。

誰かが声を出した。

 

 

 

「仮面ライダーブラックサンだ…」

 

 

 

 

バッタのような姿をした黒いマスクの中には毒々しい赤い目が蠢いていた。

そして、バイクを降りるとゆっくりとトラ型ゴルゴムの前に立ちふさがった。

トラ型ゴルゴムも、彼を知っているのか少したじろいた様子をみせた。

 

 

「キサマ…。」

 

 

トラ型ゴルゴムの声を聴いても仮面ライダーブラックサンはピクリともしなかった。

そして、ゆっくり、トラ型の前に立った。

 

 

 

「落ち着け、無駄なことは辞めろ…今すぐだ。」

「無駄だと?」

「こんなことをして何になるのだ、今すぐやめろ。」

 

 

 

トラ型ゴルゴムは唸り声をあげるとその拳を振り下ろした。

ちょっとした衝撃波が周囲の全てを包んだ。

 

 

 

「ああ!仮面ライダー!!!」

 

 

 

警官隊が悲鳴をあげた。

だが、仮面ライダーブラックサンの装甲にはヒビ一つなかった。

それどころか、仮面ライダーはトラ型ゴルゴムの腕をつかんでいた。

巨大なトラ型ゴルゴムの腕はピクリとも動かなかった。

仮面ライダーの剛腕に力負けしていたのだ。

 

 

 

「…警告はしたぞ。」

 

 

 

そういうと、仮面ライダーブラックサンはその腕をつかみ柔道の一本背負いを決めた。

 

 

 

どしゃぁああああああああああんンン!!!!!!!!

 

 

 

轟音とともに、トラ型ゴルゴムは地面に倒れた。

そして、地鳴りとともにコンクリートの地面に少しクレーターが起きていた。

警官隊はその姿を黙って観ていた。

 

 

 

「おい、そこのお前…。」

 

 

 

仮面ライダーは警官の一人に話しかけた。

 

 

「え?」

「ケガをしているヤツを今のうちに救急車に運べ。」

「あっ・・・はい!」

 

 

警官隊はケガをした別の警官やデモ隊の参加者をかつぎこむと、そのまま去った。

仮面ライダーもそれについていこうとした矢先だった。

 

 

「待てェ!!!」

 

 

土埃がたつと、その中からトラ型ゴルゴムが姿をみせた。

 

 

「殺してやるぞッ!!!」

 

 

その時だった。

仮面ライダーは地面に一旦しゃがむと、大きなL字に膝を曲げゴルゴムの顎めがけて膝蹴りを繰り出した。

 

 

「!?」

 

 

トラ型ゴルゴムは何が起きたのか、理解できないままその膝を喰らい地面に吹き飛んでいった。

そして、再び地面に起き上がろうとしたその時だった。

仮面ライダーはトラ型の腕にめがけて、剛腕を振るった。

 

 

 

ゴキッ

 

 

 

砕ける音が聞こえた。

 

 

 

「ぐぎゃああああああああああああああああ!!!」

 

 

悲鳴を上げ、地面に倒れトラ型ゴルゴムは悶絶をした。

そして、天をみた。

すると、仮面ライダーは空中に高く飛び上がりながら足を虎男の鳩尾に入れ込んだ。

 

 

「ぐげっ!!!」

 

 

悲鳴をあげると、そのまま地面に倒れるとその動きを止めた。

やがて、トラ型ゴルゴムは人間の姿に戻り地面に倒れ伏していた。

 

 

 

「お前は公務執行妨害で逮捕する!」

 

 

 

 

仮面ライダーはその倒れた男に手錠をかけると、パトカーの近くへと寄っていった。

その時だった。

 

 

カウンターデモの参加者から声がした。

 

 

 

「裏切者!!!」

 

 

 

仮面ライダーは動きを止めると、声の主をみつめた。

まだ、10代の少女だ。

 

 

「お前はどっちの味方だ!!人類なのかゴルゴムなのか!!!」

 

 

仮面ライダーは、その答えに即答した。

 

 

「俺は誰の味方でもない、俺は秩序を乱す者の敵なだけだ。ゴルゴムであれ人類であれ、秩序を乱すものは俺の敵だ。」

 

 

少女は歯を食いしばった。

 

 

「キサマ!」

「お前も捕まりたいのか?」

 

 

少女はカウンターデモ隊のほかの仲間に連れられるとそのまま、どこかへと去った。

黒い守護騎士は、トラ型ゴルゴムだった男を連れると無理矢理立ち上がらせた。

そして、奥で待機している警視総監の黒川の方へ向かった。

 

 

「すまんな、仮面ライダー。こんなことで迷惑をかけてしまった。」

「かまいません、警視総監。これは自分の務めであります。」

 

 

グラスホッパーに戻ろうとする、仮面ライダーを警官の一人が言った。

 

 

「あれをみたか。」

「まるでバケモノだ。」

「バケモノだ…。」

 

 

何もいわなかった。

すると、気がつけばまた雨が降っていた。

その中を仮面ライダーブラックは何も言わず濡れながら家路に帰っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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