俺が考えた 仮面ライダーBLACK SUN   作:井上ああああ

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第5話 もう一人のライダー

国際ゴルゴム平和連合・日本支部。

魚住ことビルゲニアは怒りで震えていた。

 

 

「鰐淵の野郎ォ…!!!!失敗するたぁどういうことだ!!!!

 

 

秘書は震えあがっていた。

 

 

「お、落ち着いてください…ビルゲニア様…。」

「クソッ!!!!クッソ!!!!!」

 

 

俺が赤のキングストーンを狙っていることがバレれば、三神官に粛清されてしまう!!

ビルゲニアは焦っていた。

秘書の声などもはやビルゲニアには聞こえなかった。

彼はあわてふためき大焦りしながら周囲のモノに当たり散らしていた。

そんな時だった。

 

声が響いてきた。

 

 

「そんなの当たり前じゃないすか~」

 

 

魚住は黙って、声のする方を振り返った。

そこには鰐淵と同じ暗殺組織にいた蛙井の姿があった。

蛙井正幸、ネット論客・TVタレントで有名人だった。

しかし、その正体はゴルゴム暗殺組織のリーダーであった。

魚住が依頼を出したのは、このまさゆきだった。

 

 

「鰐淵は頭が悪いから死んだんですよ。あいつは殺戮を楽しんでるじゃないですかぁ~?魚住さんは頭のいい方ですよね?」

 

 

その飄々とした喋り方にイラッときた魚住は睨みつけた。

 

 

「まさゆき、なぜここにいる。」

「え?だって俺、ここの会員ですけど…そんなこともわかんないんですか?」

 

 

ビルゲニアは舌打ちをして、持っていた刀を持ち斬りかかろうとした矢先だった。

 

 

「まあ、待ってください。俺、フランスの広告代理店にジャン・ピエールっていう友人がいるんで…キングストーンが日本にあるのはデマだって言っておきます。時間稼ぎにはなると思うんで、それを三神官さんたちが信じてる間にあの女の子からうばっちゃえばいいとおもいます!」

 

 

ビルゲニアは刀を納めた。

 

 

「で、何が言いたいんだ。」

「えーっと、まず僕暗殺組織のリーダーですよね。いっぱい仲間いますから、そいつらと一緒に仮面ライダーさんを引き付けておきます。そしたら、その間に女の子をみつけます。そして、その女の子と石を持ってきます。女の子の方はテキトーな売春組織に売って、石だけゲットしちゃえばいいとおもいまーす。」

 

 

ビルゲニアはアゴを触れた。

 

 

「いいアイデアだ、だがお前の組織は鰐淵が一番強かったはずだ。雑魚を集めて倒せるのか…。」

 

 

まさゆきは舌をチロチロさせてこう言った。

 

 

「あの、一番強いやつを一人だけ送るよりー中クラスのやつを数人集めてやる方が効率、いいとおもうんすよね。だからやっちゃえば成功率高くなるんでー、そうしたほうがいいいとおもいます。」

 

 

ビルゲニアはフンとうなづくと、椅子から立ち上がった。

 

 

「いやー、まさゆきさん。素晴らしい考えだ…だが、一つだけそこに付け加えたい。」

「え?なんすか・・・。」

「それはな。」

 

 

 

ビルゲニアはまさゆきの肩を持つと、顔を一気に近づけた。

そして、口をゆがめた邪悪な笑顔で話した。

 

 

「お前も参加しろってことだ。」

 

 

まさゆきの顔は引きつった。

ビルゲニアのつかんだ力は強かった。

 

 

「ぃヒ・・・!」

 

 

ビルゲニアはまさゆきが怯え始めたのを肌でわかると、ある物を取り出して口に入れ込んだ。

 

 

「むごっ!!」

「おい、吐き出すなよ…呑み込め。じゃないとここでてめえの首を切り落とす。」

 

 

まさゆきは呑み込んだ。

 

 

「こ、これ・・・な、なんですか。」

「毒薬だ。」

「ど、どくやく・・・・。」

「娘をつかまて、必ず来い。さもなくばお前は…死ぬ。まあ、いいじゃないか。まさゆきくん。たまにはいい運動になる。君も手足を動かし、自分で稼ぐことを思い出しなさい。いい機会だと思うぞ?」

 

 

まさゆきは地面に倒れた。

この魚住、否…ビルゲニアは悪魔だ。

 

 

「わ、わかりました…!」

 

 

まさゆきは腰を抜かすと、あわてて執務室から出ていった。

秘書はため息をつくとビルゲニアをみつめた。

 

 

「あれ、本物じゃないでしょ…。」

 

 

ビルゲニアは笑い転げると、秘書を見つめ返した。

 

 

「ああ、ただの…ようかんだよ。」

 

 

秘書はいったん笑いそうになった。

だが、次の瞬間のビルゲニアは邪悪な顔をしていた。

彼には考えがあった。

 

 

 

その頃、警視庁関東方面総本部。

そこには葵がいた。

 

 

「何?あの娘と暮らすだと…。」

 

 

警視庁関東方面警視総監の黒川は麺を喰らった。

 

 

「はい、あの娘はキングストーンを持っています。」

「キングストーン?なんだそれ‥。」

「ゴルゴムの伝説の石です。全てがみつかると、創生王が蘇る。」

「創生王?」

 

 

黒川はゴルゴムの歴史に疎かった。

南は話をつづけた。

 

 

「ゴルゴムの間での伝説です。ゴルゴムと人間を産んだ神『創生王』。その創生王は何かしらの理由でこの世界から消えて次元の間と呼ばれる空間へ行った。それがなぜなのか不明ですが…キングストーンを集めれば、創生王の住む世界と繋がり彼をこの世界に呼び戻すことができる。彼らはそう信じています。」

 

 

黒川は頭を抱えた。

 

 

「つまり大事な物か。」

「そんな呑気なモノではありません、少なくとも…本物なら。世界を変えます。」

「そんなことが…。」

 

 

黒川の話を無視して、南はさらに話を進めた。

 

 

「創生王は、ゴルゴムの王である世紀王を指名する。その時、全てのゴルゴムの力は強くなると聞いています。そうするともう誰にも止められなくなります。」

「君はそんなヨタ話を信じるのか?」

「わかりません、ですが神の存在を強く信じている集団は強く、先鋭的になる。非科学的ではありませんよ。」

 

 

黒川は頭をさらにひねった。

要するに、あの少女と暮らしたいだけなのでは…。

まあ、コイツは嘘だけは言わない男だ。

20年以上付き合っていてそれだけはわかる。

あの頃の小僧が、まあ成長したもんだ。

 

 

「なあ…、南。お前あの娘と自分を重ねてるのじゃあないだろうな。父を目の前で奪われたその悲しきはわかるが、君に子育てはできるのかね。しかもあの10代の娘を。」

「…自分は彼女の親になる気はありません、彼女を守りたいだけなのです。」

 

 

黒川は南の目をみた。

 

こちらの目を真っすぐに見据えている。

ウソ偽りがない。

この男は、こうと決めたら梃でも動かない。

 

 

「まあ、いいだろう。だが…君がもう無理だと思ったらすぐに私を頼るように。わかったな。」

 

 

黒川の許可は得た。

後はこの子をまもるだけだ。

キングストーンを持っているという事は何かがある。

この娘に自身にもひょっとしてすごい力があるかもしれない。

 

話を済ませた南は遺体安置所にいる義父母の顔をみにきていた。

半分はもうすでになく、もう半分は苦悶の表情を浴びていたが、死に化粧の技術は美しくきれいなものになっていった。

 

南は葵に話しかけた。

 

 

「葵…。」

 

 

葵はなにもいわなかった。

それでいいのかもしれない。

 

 

「俺とお前は住むことになった。しばらく一緒だ。」

「…私、何で襲われたの?」

 

 

南は顔をしかめると、首を横に振った。

 

 

「その赤い石だ。それが求めるゴルゴムがいる。」

 

 

葵は握りしめた。

 

 

「こんなのなければパパとママは生きていたのよね!」

「ああ」

「じゃああ、こんなもの捨ててしまえば!!!」

 

 

葵は飛び上がり、窓を開け捨てようとした。

こんなもののためにママは殺された。

忙しい派遣会社の仕事をしながらスーパーのレジで働いてた!

パパはゼネコン管理職で、毎日監督や上の人間にドヤされて生きていた!

そんな彼らの苦労も努力もが消えた…こんな赤いペンダントとのために!!

だが、南は彼女の腕をつかんだ。

 

 

「何をしている!」

「だって!!!こんなもの!!!」

 

 

南は葵の手を優しく両手で支えると話しかけた。

 

 

「それは君の実の親の残したものだ、大事にしろ。」

 

 

葵はためらった。

 

「だから、その赤いペンダントを大切にしろ。実の両親も残したんだ。何かあるかわからない。明日、この研究について詳しいゴルゴムの科学者の元へ行く。対策をとりにいくぞ。」

 

 

そういうと、ライダーはグラスホッパーに乗り込み、背中に葵を乗せていた。

そして、夜の街をみていた。

そんな中、彼に気づかれない小さい小さいコオロギが連絡をしていた。

それはコオロギゴルゴムだった。

 

 

『現在、仮面ライダーは目標まで接近している。』

 

 

その報告を受けた蛙井は高笑いをしていた。

 

 

「聞いたか、みんな。」

 

 

背後にいた5人のゴルゴム暗殺集団はほくそ笑んでいた。

飛んで火にいる夏の虫。

あのライダーを殺して、あの女をいただく。

そして、石をもらう。

そうすれば俺たちは金をいただく。

 

 

「おい、梶木!坂東!鮫島!お前らは川のなかで待機だ。」

 

 

声に反応した梶木・坂東・鮫島はうなづくと川の中へ姿を消した。

 

 

「牛島!鳩山!…お前らは俺について来い!」

「モヒヒヒ…今日は良い女をぶち殺してェなあ!!」

「ケケケケ…早く硫酸糞で女の顔をやきてェなあああ!!!」

 

 

男たちは薄気味笑いを浮かべると、それぞれに動いた。

そんなことも知らない南と葵は、グラスホッパーに乗り川辺を移動していた。

そんな時だった。

川辺から大きな水音が聞こえたと思うと、巨大なカジキマグロが姿を現した。

葵は一瞬凝視した。

 

 

「死ねェ!!!!仮面ライダーァ!!!!!!!」

 

 

カジキマグロはその吻を使うと、仮面ライダーに向かって突進をしてきた。

あまりにも唐突な出来事に南は対応できなかった。

南は葵をお姫様抱っこの形でつかむと、大きくジャンプした。

グラスホッパーは鋭い、吻に突き刺さった。

 

 

「クソッ!!!」

 

 

南は地面にたどり着くと、葵をおろした。

 

 

「安全な場所に隠れていろ。」

 

 

葵はうなづくと、すぐさま路地裏に向かっていった。

カジキマグロはそれを嘲笑っていた。

それは織り込み済みなんだよ、バカ。

 

 

「ケケ…まあ楽しませてくれよお兄ちゃんよォ!!!」

 

 

すると、カジキマグロの胴体から人間の手足のようなものが生えて刺さっていたグラスホッパーを放り捨てると南を睨みつけた。

南は、腕が震えた。

グラスホッパーは仮面ライダーのみが使役できる機械生命体、ただのバイクではない。

だが、ああなった以上…復活はできない。

 

 

「俺様の名前は梶木。」

「お前に名乗る名前などないッ!!!!」

 

 

友人を傷つけられた南はポーズをとり、精神力を高めた。

そして、仮面ライダーに変身した。

 

 

「行くぞッ!!!」

 

 

カジキマグロ怪人の梶木は鼻にある吻を使い、仮面ライダーの腹部を突き刺すとそのまま勢いで川底へと去っていった。

仮面ライダーとかした南は突き刺さった吻を何とか抜こうとしたが、激痛が腹部に走っていった。

 

 

「う、うぐああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

「へへへ、いてーだろ!!!苦しいだろ!!!」

 

 

そんな中だった。

川の中には梶木と同様にサメ型とイルカ型の怪人がいた。

 

 

「俺の名前は鮫島!」

「俺の名前は坂東!」

 

 

…3体同時か。

梶木は仮面ライダーの胴体を引き抜くと、坂東の方に投げ飛ばした。

 

 

「お兄さんに遊んでもらえッ!!!坊や!!!」

 

 

坂東はイルカの頭に人型の胴体をはやしていた。

彼はイルカ状の口を開くと大きな咆哮をあげた。

 

 

「わッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

すると、その咆哮は衝撃波となり、仮面ライダーの体を包んだ。

 

 

「!!!!!」

 

 

仮面ライダーの体を全身の痛撃が走った。

そして、大きく回転すると…鮫島という名前のサメ型怪人が大きなアゴを使い仮面ライダーの胴体に噛みついた。

 

 

「ぐあああああああああああああああああああッ!!!!!!!」

 

 

2体はゲラゲラ笑いながら人間状の腕で仮面ライダーを押さえつけながら、水中での戦いを有利にしていた。

 

 

地上では、葵が隠れていた。

その時だった。

 

 

「こんなところで何してるんですかァ~~~、危ないじゃないですかー!!!」

 

 

葵は驚いた、テレビやネットでよくみる言論人のまさゆきがいた。

 

 

「あの、あなた首から下げてる赤いそれ、僕にくれてもたっていいすか?」

 

 

あ、コイツ怪人なのか。

道理で…。

 

 

「イヤです!」

「なんだろう、聞き分けが悪い娘って…殺したくなるんすよね…生きてもらうのやめてもらっていいすか?」

 

 

蛙井まさゆきの顔は裂けると、緑色の皮膚がみえた。

そして、そこから大きな舌が飛び出した。

 

 

「・・・・!!!!」

 

 

すると、舌は葵の首に絡みついた。

葵は絞められている首の周囲にはりついた舌を何とか振り払おうとしたが、できなかった。

息ができない…。

葵は舌につく粘液が掌につくのがわかった。

 

 

「なあ、まさゆき…そろそろそいつに硫酸フンかけてもいいだろ?」

 

 

傍らにいた鳩山がそういった。

 

 

「お前な、そういうのやめてもらっていいか?殺した後に好きなだけかけろよ。今は辞めろ、くせーからな。」

 

 

横で待機していた牛島はウシの頭部をはやした怪人に変貌すると、退屈そうに欠伸をしていた。

そんな時だった。

 

 

「…!!空から何か来るぞ。」

 

 

鳩山は何かを確認した。

 

 

「追え。」

「わかった。」

 

 

鳩山は背中から羽根を出すと、天空高く舞い上がった。

 

 

「退屈だぜ!!俺も誰か殺させろ!!!」

「まあ、待て牛島。なあお嬢ちゃんそろそろ死ぬか渡すかどっちかにしろ…じゃないと死ぬぞ?」

 

 

葵の息がそろそろ尽きようとしてるその時だった。

 

 

 

ドサッ…。

 

 

 

空中から何かが落ちてくる音がした。

まさゆきは思わず後ろを振り返った。

死体だ…。

それも鳩山のだ。

 

 

 

「鳩山!!!!!」

 

 

 

牛島は悲鳴をあげた。

すると、その時…誰かが近づく気配を感じた。

 

 

 

「日本のゴルゴムは弱いわね…アメリカはもっと歯ごたえがある『男』が多いんだけど?」

 

 

声だ。

少しイントネーションがおかしい日本語。

これは外国人だ。

背の高い白人の女がいた。

 

 

「なんだとこのクソアマッ!!!!!」

 

 

牛島は体を振るあがらせると筋肉を膨らませた。

そして、4mほどの巨体を振るいながら角をみせつけた。

 

 

「あいつ邪魔だから殺せよ…。」

 

 

まさゆきは吐き捨てると、牛島は雄たけびをあげながら角を振りかざし突進をしてきた。

地面が大きく揺れた。

すると、白人女は腕で十字を切ると体中を装甲で覆った。

その装甲は青く、背中には白い翼が生えていた。

まさゆきは目を見開いた。

 

 

 

 

「仮面ライダー!!!!」

 

 

 

まさか、アレは…いや違う。

国連法では仮面ライダーは1国1体…。

じゃあ、アレはまさか…。

そうだ、思い出した。

アレは…アメリカの仮面ライダーだ!!!

 

 

 

「牛島!!!やめろ!!!!」

 

 

 

牛島に静止した。

だが、彼は話を聞かず角を突き出し女仮面ライダーに突き刺そうとした。

その瞬間だった。

女仮面ライダーは二つの角をつかむと、まるで軽々と天空高く持ち上げた。

 

 

 

「力比べは私の勝ちねっ。ビッグガイ。」

「うぬわああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

牛島は悲鳴をあげ手足をバタバタとはねつけた。

すると、上空高く放り投げられた。

そして、仮面ライダーは背中の羽根をのばして天空高く飛び上がった。

 

 

 

「喰らえッ!!!!!」

 

 

女仮面ライダーの左の太ももは赤く光ると、そのまま大きな衝撃とともにウシ型怪人の頭部にかかと落としを決めた。

そして、地面に落下した。

 

 

 

グチャッ…。

 

 

 

ウシ型怪人の頭部は粉砕され、脳味噌と血があたりに噴き出ていた。

 

 

 

「あ・・・ああああ・・・・・あああああああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

まさゆきは震えあがった。

 

 

 

「その娘を離しなさい。」

 

 

いわれるまでもなく、舌にかけていた力を弱めるとまさゆきは震えあがり悲鳴を上げながら去っていった。

女性ライダーは葵を抱き起した。

 

 

 

 

その頃、海にいた南は3体の魚型怪人に苦しめられていた。

サメは胴体に嚙みつき、イルカ型は尾ひれでなんどもなんども仮面ライダーブラックサンの背中を叩きつけていた。

 

 

「ハハハ!いいぞ!やっちまえ!!!」

 

 

その時だった。

仮面ライダーの目が赤く光り輝いた。

サメ怪人の顎に強烈な高温と刺激が走ると、サメ怪人は仮面ライダーを離した。

 

 

「あつっ!!」

「おい、鮫島!!何やっている!!!」

「熱いんだよ!!!」

「このデカブツが!!」

「なんだとてめえ!!!」

 

 

坂東と鮫島が言い合いをしていると、仮面ライダーは赤くさらに光輝いた。

そして、イルカのそれとは比べ物にならない衝撃波が二体を襲った。

 

 

「うわああああああああああ!!!」

「ぎゃああああああああああああああ!!!」

 

 

その衝撃波で全身を包まれた二体は一瞬で塵となった。

その光景をみていた梶木はあわてて、川辺から逃げようとした。

 

 

「ひ、ひ!!!ひいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

 

 

それを追いかけながら、仮面ライダーはじりじりと梶木を追い詰めた。

 

 

「ま、待ってくれ・・・・バイクのことは詫びる、だからゆるしてーーーーーーー!!」

「さっきのサメ、6人殺したな。そして、お前は・・・10人以上殺してる。ここで死刑だ。」

「グラスホッパーの仇だ!!!」

 

 

梶木の命乞いを耳にしなかった、仮面ライダーは大きくジャンプすると梶木の腹部めがけて蹴りを放った。

仮面ライダーの全身に凄まじい電撃が走ると、足のつま先に全エネルギーが集中した。

そして…轟音が響いた。

 

 

 

 

 

 

どごおおおおおおおおおおおおおおおおんん!!!!!!

 

 

 

 

梶木は塵となると、天空高く舞い上がった。

蹴りのあまりの威力で、彼は文字通り「消滅」したのだ。

 

 

 

「流石ね、日本の仮面ライダー…。」

 

 

声がする方をみた。

そこには彼とは別の仮面ライダーがいた。

頭は豹型の獣の頭部を思わせる形をしていた。

背中には羽根が…。

 

 

「アンタ一体なにものだ。」

「私はシンディ・クーガー大尉。あなたとあの娘を助けに来た。」

 

 

葵は首を痛そうにしていたが、無事だった。

 

 

「あなたの相棒もアップグレードができる。改めて話をしましょう。」

 

 

シンディは南の手をとった。

 

 

そんな彼らをみつめていたコオロギは主の元へと帰ろうとしていた。

その時だった、上空から何かがふってきた。

コウモリだった。

否、コウモリ型のゴルゴム。

それはコオロギ型を食い殺すと、ペッと吐いた。

すると、そこへ蛙井まさゆきがやってきた。

コウモリ型は地面に着地した。

 

 

「な、なんだお前は…。」

「ビルゲニア様からお話があるそうですよ…。」

 

 

すると、物陰からビルゲニアこと魚住が姿をみせた。

 

 

 

「あ、魚住!!いや!び、ビルゲニアさん、ちがうんすよ・・・これは・・・。」

 

 

 

 

魚住はまさゆきを睨むと静かに告げた。

そして、手に持っていた刀を持つとアマガエル怪人まさゆきの首に近づけた。

 

 

 

「・・・言い訳をするな、死ね。」

 

 

 

シュンッ。

 

 

 

 

風を切る音が響いた。

そして、血があたりに吹き飛んだ。

アマガエル怪人まさゆきの頭部は落ちると、目をぎょろぎょろとまわしながら何が起きたのか確認しようとした。

だが、それもつかの間アマガエルの顔はビルゲニアによって踏みつぶされた。

 

 

「ビルゲニア様、その血をなめさせてください。」

「いいぞ、舐めろ。その死体から吸い尽くしてもいいぞ…。全部吸うんだ。ククク…お前は俺の大事な所有物だからな…ククク。お前にはたっぷりと働いてもらう。」

 

 

 

ビルゲニアは刀から垂れる血をコウモリ型になめさせた。

感謝の言葉をいうと、コウモリ型はアマガエル型の死骸の血という血を噛みつき吸い取った。

徐々にミイラになっていく、アマガエル型をみて、ビルゲニアは思いついた。

 

 

 

「哀れなゴルゴムのミイラが出来上がりだ…。これを金持ちにうって「不老長寿の薬」として売るか…。」

「う、売れるのですか?」

「売れるぞー、ああそうだ。羽田、あの女たちを見張れ。何かわかれば知らせろ…次は俺が行く。」

「了解しました、ご主人様。」

 

 

 

こんなバカどもではダメだ。

俺が行く。

そして、あの女を手に入れ、キングストーンを俺のモノにするのだ。

ビルゲニアは高笑いとともに闇へ消え去った。

 

 

 

 

そして、アメリカニューヨーク

世界平和ゴルゴム連合本部

三神官ダロム・ビジュム・バラオムのみで極秘の会議が行われていた。

 

 

「諸君、重大な報告がある。日本にキングストーンのありかがあることがアメリカ政府に報告されたそうだ。…ビルゲニアが変な欲を書く前に確保する必要がある…。」

 

 

ダロムの報告を聞くとバラオムはグハハと高笑いをした。

その粗雑な感じにビジュムは心底不快な想いをしていた。

 

 

「フハハハ!!!喜べお前ら!!!キングストーンはこのバラオムが戴く!!!!世紀王は誕生するぞ!!!このバラオムの手でな!!!残念だったな!!!」

「バラオム、余計なことはするな。言っておくぞ。」

「フハハハハハハ!!!!!」

 

 

バラオムの映像は途切れた。

数分間沈黙が続いた。

だが、数分の沈黙のあとダロムはほくそ笑み始めた。

 

 

 

「フ…フフフ」

 

 

 

それに続き、ビジュムも笑い始めた。

 

 

 

「フフフ…。」

「ハハハハハハハハハハハ!!!!」

「アハハハハハハ!!!」

「我らの悲願は達成するぞ、元々バラオムは不要だ。神官は3人もいらん。特に頭の悪いやつはいらん!!!バカどもは殺し合わせよう、それがいい。ダ~ハッハッハッハ!!!!!!」

 

ダロムの笑い声が響いた。

 

「であろう?」

「左様でございます。」

「あの方の状態はいかがか?ビジュム。」

「それはもう・・・ばっちりでございます。」

 

 

ビジュムの目は怪しく光り輝いた。

彼女にはダロムとは違う野望があった。

自分が世紀王になる必要はない、その妃になりさえすれば…。

 

 

 

中国、ビジュム邸。

 

 

その地下ではごく少数の医療チームが動いていた。

そこにはいた。

白銀の仮面ライダー。

否、真なる世紀王が…。

暗闇の中で、ゴルゴムの王は輝いていた。

 

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