俺が考えた 仮面ライダーBLACK SUN 作:井上ああああ
ビルゲニアとの戦いから2日後
葵と南は、アメリカ側の指定するホテルで2日間泊まっていた。
ようやく外に出てこれた二人はアメリカ大使館に呼び出されていた。
そこで、一人の白人女性と白人少年が彼らの前にやってきた。
「お久しぶりね。日本の仮面ライダーさん。」
「あの時のアンタか。」
ふと、南は少年の方に顔を向けた。
そして尋ねた。
「その子は?」
「私が面倒を見ている少年よ。」
葵は少し警戒しているようだった。
何度か助けられているが、アメリカ政府というのが怪しい。
葵は眉をひそめながら聞いてみた。
「…私たちに何か用?」
「和泉葵さん、あなたを保護しにきました。ここにいては危険です。私たちとともにアメリカにきなさい。」
「はあああああ?!」
葵は肩を怒らせた。
「おい、葵…。」
南は割って入ろうとしたが、葵の声は大きかった。
「私、嫌よ!!!!日本好きだもん!!!アメリカなんか絶対に行かないから!!!!」
「いい、和泉さん。あなたは、その存在そのものが一種の兵器になるの。私のいう事を聞いて頂戴。」
「イヤです!!!」
葵は拒絶した。
私は日本が好きだ。
それ以上にこの人が信用できない。
きっと、アメリカにいけば何か変な洗脳装置を飢えこまれて…きっとアメリカに都合のいいような形でキングストーンを利用されてしまう。
それは嫌だ。
「断ります!!!」
「葵…これはお前のためになる話だ。俺もいつまでもお前を守れるわけではない!!!」
葵は肩を怒らせた。
「違う!!!そういうことじゃあないの!!!」
わかってない。
こいつはわかっていない。
私が好きなのは‥‥この男だ。
彼がいない場所にいきたくなんかない。
「コウちゃんはなにもわかってないくせに!!!アンタは所詮他人のくせに!!!!!」
その時、南は悲しそうな顔をした。
それに気がついた葵は自分のいった言葉の重さに気がついた。
「あ・・・ああああ・・・・・。」
そして、口を覆うとすぐに、アメリカ大使館から外にでていった。
「・・・・・・・・・・・・葵!!!」
南は追いかけた。
シンディも後からついてきた。
「待て、葵!!!!」
葵は走り始めた。
やがて、アメリカ大使館を抜けると…人ごみの中へと消えていった。
「葵…。」
葵の姿がみえなくなった。
光太郎は肩をすくめた。
そして、シンディを睨みつけた。
「アンタもいきなりすぎるぞ!!」
「でも、それに同意したのはあなたでしょ。」
「突然呼び出してあんな話をするバカがいるのか!!」
「申し訳なかったわね、まあ待ってなさい。」
その時、先ほどの白人少年がやってきた。
彼は地面に手を当てると、指を刺した。
「あっちの方に彼女はいるよ。」
「君は何なんだ。」
「僕はレックス。」
「彼は特殊能力を持っている、サイコメトラーよ。5km周囲にいるすべての人間の位置をあぶりだせる。アメリカが保護しているの。あの娘とはいい友達になれると思っていたのに…。」
レックスが指さした方向に向かって南たちは走っていった。
その頃、葵は町はずれの公園でぼーっとしていた。
自分は最低なことを南に言ってしまった。
所詮、他人。
ひどいことだ。
南は自分を守ってくれた。
今までずーっと、それを・・・侮辱するようなことを言ってしまったのだ。
気がつけば夜も更けている。
流石に戻ろうかな…。
でも、義理の両親も死んだ。
今更、南の家にいけるわけでもない。
恐らく南の家もあいつらは把握している。
追いかけられてしまう。
やはり、南やあのアメリカ人の言うように…アメリカに行くほうがいいのかな。
誰にも迷惑がかからない。
その時だ。
「いたぞぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
男の声がした。
野太い声だった。
すると、目の前に大柄な黒人が立っていた。
「キサマ、キングストーンを持っているなッ!!!!!!」
黒人の男は雄たけびを上げていた。
キングストーン。
まさか・・・こいつゴルゴム怪人!?
「え・・ああああ・・・・・。」
「臭いで辿れたぞ小娘、キングストーンの臭いがプンプンしておるわッ!!!!!!!!!!!!!」
「あ、あなたは・・・・。」
「俺はバオラム!!!!三神官の一人!!!!!」
その時だった。
バラオムの皮膚は膨れ上がると、みるみるうちに大きなって破裂していった。
その中から、身長7mほどの巨大な犬歯を持った怪物がたっていた。
「サーベルタイガー!!!!」
「左様、我が祖はスミロドン、サーベルタイガーだあああああああああああああああ!!!!」
巨大なサーベルタイガー獣人は手を伸ばし、葵の体をつかんだ。
そこへ、シンディと南がやってきた。
「葵ッ!!!!!!!」
「その娘を離せ!!!!」
二人の声に反応すると、サーベルタイガー獣人は雄たけびをあげた。
「ぐああああああああああああああああああああおおおおおおおお!!!!!!!!」
すると、物陰から複数の怪人が姿を現した。
黒い体毛をしたチンパンジー型の怪人。
ハイエナの頭部をはやしたハイエナ型怪人。
これらとその仲間が数名ほどいた。
「貴様らはそいつらと遊んでいるがいい!!!」
サーベルタイガー獣人は雄たけびをあげると、姿を消した。
シンディはレックスに「あなたは下がっていて」というと、下がらせた。
「…いくか。」
「ええ…。」
シンディと南は背中合わせで、待機するとお互いに『変身』を始めた。
黒い仮面ライダーのブラックサン。
白と青の仮面ライダーのバルキリー。
それぞれが姿をみせた。
「俺はチンパンジー怪人のリーダー、モハメド!」
「俺はハイエナ怪人のリーダー、トマス!!」
「キサマを殺してやる!!!」
「いくぞおおおおおおおおおおおおおお!!!」
モハメドとトマスは雄たけびをあげると勢いをかけて日米ライダーにとびかかった。
そして、まるで雲霞のごとく囲い激しい打撃音が響いた。
その時だった。
赤い光が周囲を包むと、一気にチンパンジー型とハイエナ型の群れが吹き飛んでいった。
そして、戦闘不能に陥った彼らは人間形態にそれぞれもどっていった。
「邪魔をするな。」
ブラックサンはそれだけいうと、あとを追いかけた。
サーベルタイガー獣人は想像以上に素早かった。
その頃、原宿。
街を行きかう若者で混雑していたその町。
そこでは和泉葵の友人である涼子が彼氏とともにいた。
涼子は彼氏とおそろいのアイスクリームを買ってきていた。
「バニラ買ってきたよー」
「サンキュー!!」
「ね、あーんして」
「あーん」
彼氏はマヌケそうに口を開けると、バニラをなめた。
涼子はペロペロとなめていた。
二人は楽しく談笑をしていると、涼子はお腹が痛くなってきた。
「ごめんトイレいってくるー。」
「おういっておいでー」
涼子は彼氏に手を振った。
その時だった。
彼氏はスマホでメールを打ちながら、別の女にメッセージを送っていた。
「今日、ブサイクとデートしてるなう。その女売って500万ゲットナリ。」
と、そんな時だった。
酷い地鳴りがする。
でもそんなことどうでもいい。
本命の女性相手に変身してる最中だ。
すると、男の頭に何かがふりかかった。
涎だ。
「なんだよー!!!」
男がマヌケにいっていると、上に何かの気配がするのがみえた。
そこには大きなサーベルタイガーの獣人と化したバラオムが立っていた。
手には女性を抱えていた。
「あ、あああああああああああ・・あああああああああああああああああああうわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
彼氏は悲鳴をあげた。
だが、次の瞬間、彼の上半身は獣人に食いちぎられ、血にまみれていた。
さらにバラオムは周囲にいる全ての人間を、ことごとくその爪と牙で切り裂き血に染め上げていった。
女も子供も、皆殺しだった。
「ゲァハハハハハハハ!!!!!!!!!!人間なんてもんはなあ、この世から消え去っちまえばいいのよーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「なんてことをするの!」
「ああ?」
「罪もない人を殺して何が楽しいの?」
バラオムの動きは止まった。
「罪もない…フフフ笑わせる。」
そうすると、バラオムは彼女に自身の胸の傷をみせた。
その傷はS字状になっていた。
「このSの意味がわかるか?」
「え?」
「奴隷、slaveだ。奴隷商人につけられたものだ。」
奴隷…。
そんなことがあったのか。
「今から50年前、わしの故郷であるガルジェリアでは、ゴルゴムは差別階級だった。ゴルゴムと人類の間で徹底した身分制度があった。わしは奴隷だった。」
「でもこの人達に罪はないわ!」
葵の問いにバラオムは笑った。
「フフ…そうか?その当時、ガルジェリアの貿易相手国は日本だった。つまり、我が国で生み出された野菜や果物は日本人が最も消費していた。間接的に罪はどこにでもある。」
葵は黙った。
この男にも深い事情があるみたいだ。
「子供のころ、わしは人間どもに虐待され、意味もなくぶたれた。わしの妹は銃で撃たれ殺された。その時わしはちかった。人間を服従させると…そして、わしは大人になりテロ組織を作った。そしてそこでクーデターを起こしたのだ。そして、今ガルジェリアはワシが支配した。…小娘よ、それが人間の本性だ。」
葵はようやく、口を開ける事ができた。
「おじさん、あなたがひどいことにあったのは同情するわ…そこだけは凄くわかる。」
葵は手を伸ばした。
バラオムは首をかしげたが、どうやら先ほどみせたSの傷に手を伸ばしたいのだと悟るとバラオムは葵を近づけさせた。
葵はようやく触れる事ができた。
ボコボコしている。
想像以上に生々しい。
「あなたは今罪もない人を殺した、でもそこに憎悪の過去があるなら…私は、その人間の闇を忘れない。」
バラオムは驚いた。
この女は俺を恐れていない。
それどころか、同情しようとしているのだ。
なんという女だ。
「私、将来の夢決まりました。いつか必ず人間とゴルゴムの間で平和を産みだします…。」
仮面ライダーもゴルゴム。
私が愛する男もゴルゴム。
だったら、ゴルゴムと人類が和解し合う社会を築き上げたい。
それが理想であっても、私はそれを捨てたくない。
そのためにも、この人を忘れたくない。
葵はバラオムの傷跡をやさしく、何度も何度も触れた。
「優しい娘だ。だが、人がみなお主のように優しい存在ではない…。この傷はその頃の不遇を思い出させる我が原動力だ…。」
するとバラオムは、葵を解放した。
「…小娘、ここから少し離れろ。今からここは戦場になる。お主を失えば意味がない。わしはバカではない。お主はキングストーンに魅入られた巫女だ。お主がいなければ、創生王様は召喚できぬ。」
と、そんなところで、涼子がやってきた。
涼子は目の間に巨大なサーベルタイガーの怪人と、友人である葵がいることに驚いた。
「葵!???なんで???」
「私にもわからない!!ここから逃げよう!!!」
「あれ?たっくんがいない・・・・なんでだろ・・・・先に逃げたのかな、あいつ腰抜けだからなー。」
そんな時だった。
「葵!」
仮面ライダーブラックサンの声だ。
それにつづいて、仮面ライダーバルキリーもきた。
白人少年のレックスもそこにいた。
バラオムは葵を見つめた。
「小娘、わしが言った言葉、わしの傷…そしてお前の夢を忘れるな!!!」
葵はうなづいた。
レックスは葵の近くに寄ってきた。
「逃げよう。」
「あれー!何?この外人さんかわいいじゃーん!!イケメーン!!タイプ~!!紹介してよー!!!」
「バカそんなこと言ってる場合じゃないって!!」
3人はそういうと、それぞれが走り去っていった。
そして、二体の仮面ライダーとの勝負が始まった。
「わしは三神官、バオラム!!!!」
「三神官?」
「世界平和ゴルゴム連合のモノだ!!!」
「そうか…。」
それと同時に、主を追いに緑色のバトルホッパーが姿を現せた。
主人を追い求めていたのだ。
「バトルホッパー!!!!!!!!!」
ブラックサンが叫ぶと、バトルホッパーは剣の姿に変わった。
「行くぞ。」
ブラックサンは大きくジャンプをした。
そして、バトルホッパー状に剣を使いバラオムの皮膚を突き刺そうとした。
だが、バラオムの動きは早かった。
シュンッ…。
空気を切り裂く音がした。
バオラムはいない…。
「何ッ!!!」
その時だった。
近くのビルが崩れていく音が聞こえた。
車も吹き飛んでいった。
「まさか…!!!」
ブラックサンは赤い目を光らせて確認した。
そこには四足歩行のバラオムがいた。
走っていた。
街を踏みつぶし、6mの巨体はとんでもないスピードで近づいていた。
ブラックサンはなんとかジャンプしてよけた。
バルキリーも背中の翼をつかうことで何とか避けることに成功した。
二人とも同じことを考えていたのだ。
「どこだ。」
バラオムはいなくなった二人をさがしていた。
チャンスだ。
ブラックサンは左足に全エネルギーを集中させた。
左足に電撃が走っていった。
バルキリーも同じく左足を持ち上げると、そのかかとと太ももに全エネルギーを集中させた。
彼女の左足も電流が放っていった。
「いくぞ!」
ブラックサンの掛け声とともに、二体はキックとかかと落としをバオラムの頭部に決めた。
電撃はバオラムの全身に走り、動きが止まっていた。
地面に着地すると二人は、バオラムの様子をみた。
「やったか」
否、目が動いていた。
「それは何のマネだ?」
「何!」
効いていない。
硬い。
「次はこちらからいくぞ。」
バラオムはその両腕を持ち上げると、爪に全エネルギーをため一気に地面に振り下ろした。
衝撃波と轟音が響くと、二体の胴体に爪が突き刺さっていった。
「うがああああああああああああ!!!」
「あああああああああああああああああああ!!!」
地面にはクレーターができていた。
二体の体は、地面にめり込んでいった。
ブラックサンもバルキリーも想像以上のスピードとパワーに押されていた。
もはや、仮面ライダーの装甲は持ちそうにもない…。
「ダメだ…」
「勝てない…。」
流石三神官の一人。
ビルゲニアなどとわけが違う。
桁違いのパワーの前に仮面ライダー二名は倒れていた。
そして、意識を失っていった。
そんな二体を見下したように巨大なサーベルタイガー獣人は高笑いをした。
「さあ、お前たちを倒したらあの娘を取り戻しに行こう。そして…このバラオム様が世紀王になる!!!!」
バラオムは高笑いをした。
今や世紀王の座は俺のモノだ!!!!
その時だった。
遠くから離れていたレックスは止まった。
さきほど、シンディの悲鳴が聞こえた。
「大丈夫?」
葵は聞いた。
レックスは小さく言った。
「早く逃げて…。」
「でも…。」
「僕のことは良いから…。」
葵はそれだけを聞くと、涼子とともに安全な場所へ逃げた。
レックスは元居た場所に走って戻っていった。
バラオムは高笑いをしている。
仮面ライダーの二人はめりこんだ地面に倒れてる…。
「シンディ!!!!!!!!!!!!!」
バラオムはレックスの存在に気がついた。
「小僧ォ…死にたいようだな!!!!」
「シンディを離せ…。」
「何?」
「シンディから離れろ…。」
「なんだと…。」
「離れロと言ったんダ!!!!!!!!!!!!!!」
レックスの目が赤く輝いている。
そして、ベキベキと皮膚が割れ巨大な光が上がった。
バラオムはその光景に思わず、目を背けそうになった。
そこにはいたのだ…。
巨大な黒い鱗が…そしてその中に赤い目が輝いていた。
それは恐竜だった。
恐竜型ゴルゴムだったのだ。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恐竜ゴルゴムは咆哮をあげた。
恐竜ゴルゴムはバラオムの倍近い巨体をしていた。
「まさか…これは恐竜ゴルゴム…人類側にこのような強者がいるとは。」
バラオムは面くらった。
だが、彼は勇気を振り絞りその音速を越えるスピードで一旦、離れるとその爪に全エネルギーをためるとふりおろした。
「相手にとって不足はなし、かかってこいバケモノ!!!!」
爪は当たった。
だが、恐竜ゴルゴムはビクともしていない。
バオラムはみると、自身の爪がボロボロに砕け指が折れていることに気がついた。
「何ッ!!!!」
恐竜ゴルゴムはギロリと睨みつけると10m近い尾を鞭のようにのばしバラオムの体を跳ね飛ばした。
「グおおおお!!!!」
バラオムは悲鳴をあげると、超高層ビルに向かって飛び散っていった。
ビジネス街の立ち並ぶ原宿、そこで6mのバラオムの体はビル群を突き破り地面に大きく倒れた。
やがて、恐竜ゴルゴムはそれを追いかけてきた。
その時、目を覚ました仮面ライダーバルキリーは起き上がった。
バオラムがいない。
悲鳴があがっている。
まさか・・・まさか・・・・。
と同時に仮面ライダーブラックサンは目を覚ました。
「どうした…。」
「あいつがいない‥」
「…どういうことだ。」
「…あの子は、あの子は…恐竜ゴルゴムの生き残りなの!!!!もしも怪人になれば本能のまま暴れ狂う!!!」
「なんだと!!!」
その頃、原宿の市街地では最悪の事態がおきていた。
車を吹き飛ばし、街路樹を跳ね飛ばした。
人々は逃げ惑いパニックが起きていた。
バラオムは息を耐え、地面を這いながら何とか逃げようとした。
だが、恐竜ゴルゴムは彼に追いつくと、バラオムの首に食らいついた。
「ぐおおおおおおお!!!」
バオラムは悲鳴を上げ体をよじらせた。
恐竜ゴルゴムは、そのアゴと怪力でバオラムを持ち上げると地面にたたきつけた。
バオラムの全身に甚大なダメージが響いた。
恐竜ゴルゴムの牙はまだ食いついている。
バラオムは、サーベルタイガーの爪を使い恐竜ゴルゴムの顔を搔いたが....大したダメージにはなっておらず次第に血は噴水のごとく流れた。
バラオムの意識は徐々に薄れていった。
「こんな…バカな…。」
その時だった。
恐竜ゴルゴムは何かに苦しんだと思うと、徐々にその体が小さくなっていった。
そして、人間の姿に戻っていった。
それは、無力な少年だった。
少年は服を身にまとっていなかった。
「クソッ…なんで変身が途中で止まっちゃうんだよ…。」
悔しそうに言うと、少年は地べたに倒れ気を失った。
「フン、小僧め…。それはな、お前が力をうまくつかいこなせていないからだ…。」
バオラムは息を粗く吐き、傷口を抑えながらその場から去ろうとした。
自身の幸運を心から喜んだバオラムだったが、その幸運は長く続かなかった。
仮面ライダーブラックサンがいた。
「…バラオムといったな、貴様は罪もない人間を多く殺してきた。死刑に値する。」
「フフフ、貴様らは幸運だったな。あの小僧のおかげで俺はダメージを受けている。倒すなら今しかないだろうな…。」
「言い残すことはそれでいいのか。」
「わしの人生、全てゴルゴムのため。我が人生に一遍の淀みなし!!!」
バラオムは爪を鋭く伸ばし、最期の力を振り絞った。
仮面ライダーブラックサンはしゃがみ、大きく飛び上がった。
そして、全身のエネルギーをため左足のつま先に集中させた。
それを迎撃させるべく、バラオムはその鋭い爪でブラックサンを迎撃しようとした。
だが、爪の全ては割れ、掌は突き破られた…そして先ほどの恐竜ゴルゴムにより、食われた傷後にキックが当たった。
そして、ブラックサンの全エネルギーがその傷内部からバラオムにそそがれていった。
「グギャあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
全身に電撃が走ると、バラオムは断末魔の悲鳴をあげた。
そして、過去に今までついた傷跡が一瞬で開き、全身の細胞が砕け散ってくのがわかった。
地面に倒れる時、その時…。
先ほどの少女がみえた。
少女は呆然としていた。
地面に轟音とともに倒れたバオラムは自身の死が近づいたことを認識した。
葵はバラオムに近づいた。
そして、頭に手をかざし撫でた。
「もういいのよ…。」
その時、ようやく気がついた。
そうだ…。
俺は昔、母上に頭を撫でられた。
この手の温かみは母上のモノ。
「もういいのよ…。」
バラオムの目から涙があふれた。
そうか、人もまた…家族がいる。
その家族の愛に支えられているのだ。
俺はそんな人間から…家族を奪ったのだ。
俺が嫌っていた人間とかわらないことをしたのだ。
バラオムは怪人形態から、人間形態に変化した。
そして、葵の膝の上で倒れた。
「娘、お前の夢を忘れるな…。お前の理想を忘れるな…。」
バラオムの体は砂のように消えていった。
孤独な猛将。
孤独な獣王は、今ここでその人生を散らした。
やがて、砂は風に呑まれるとそのままどこかへと消え去っていった。
その光景をみていた、多くの人々はあまりの神々しい光景に見とれていた。
その頃、
仮面ライダーバルキリーはようやくたどり着いた。
そこには全裸の姿で倒れている少年がいた。
バルキリーは変身を解除すると、人間体のシンディに戻った。
彼女はかけよると、来ていたジャケットを彼にかけた。
「レックス・・・・いいの・・・もういいのよ・・・。」
レックスは彼女の声に気がついた。
シンディは涙を流し、レックスを抱きしめた。
「シンディ?」
「レックス…。」
「シンディ…ごめん僕…、君を助けたかっただけなんだ。」
「いいの…わかってる。」
「ごめん、ボクしばらく動けなくなっちゃう。お荷物だね…。」
シンディとレックスは強く抱擁をしあった。
その頃、ブラックサンは葵に近寄っていた。
敵であったバラオムすらも優しく愛で接する彼女に彼は驚かされていた。
「葵!」
南は変身を解くと、葵のもとへかけよった。
葵もそれに気がつくと、南のもとへかけよろうとしていた。
「コウちゃん!コウちゃーーーーーーーーーん!!!!」
その時だった。
空からバサバサという音がなると、空からコウモリ型がふってきた。
そして、葵を足でつかむと空中高く持ち上げた。
「葵!?あおいーーーーーーーーーーー!!!!」
「コウちゃん!!!コウちゃーーーーーーーーーーーーーーん!!!」
コウモリ型は高笑いをしながら、闇夜に消えていった。
葵をさらいながら…。
その様子を崩れたビルから見つめる一人の男がいた。
「あれがキングストーン…フフフ…。」
日本人離れした美青年はそれを追うようにバイクを使い、どこかへと走り始めていったのだった。