テイワット産神様のファミリア   作:影元冬華

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不穏な部分を入れないと気が済まない症候群。

ナヒーダ2凸と武器1個に6人の諭吉が消えました!!!!


3.雷神様達の場合

 オラリオには少し変わったファミリアが存在する。それは双子の姉妹の神が「同盟」という形式で共存しており、互いのファミリア同士で啀み合わないという、非常に珍しい存在の仕方をしている。

 強いて言えば姉の方は商業系に長けており、妹の方は探索や戦闘に長けているという差がある程度だろう。

 

 姉の神の名を「バアル」、妹の神の名を「バアルゼブル」と言い、しかし名乗る名前は「雷電眞」と「雷電影」としている。

 

 

▼▼▼

 

「影、今日は何人か護衛としてこちらに来れる冒険者は誰がいますか?」

「そうですね・・・おおよそ十人ほど手空きになっている筈です。バルバトスの所から帰ってくる人数も数えれば十五人になります」

「流石にそこまでは要らないわよ。三人ほど頼める?」

「分かりました。では綾華を筆頭に三人行かせます」

 

 

 バアルおよびバアルゼブルの共同本拠地にて。主神である眞と影はお茶と団子を楽しみつつ、必要な連絡をしていた。商業や通運に関することはバアル(眞)が、探索や戦闘に関することはバアルゼブル(影)が担当していることから、お互いに必要な人員をやりくりするのはいつものことだった。時折ここにモラクス(鍾離)が混ざることもあるが、今回は二人だけである。

 

 眞は自分持ちの団員が作った衣類を売りに行くと言うことで、その護衛として何人か付けて欲しいという事らしい。バアル・ファミリアの作る衣服は主に極東系のファミリアから人気であり、しかし高額商品も多数あるため何度か強盗に遭いかけていた。そのため、妹のバアルゼブル・ファミリアの腕のいい団員を護衛として付けることでリスクを減らそうとしていた。

 

 影のファミリアの団員は探索と戦闘に長けていることもあり、有名な団員も複数いるため、威嚇としても十分有用なのである。特に有名なのは「神里綾華」であり、二つ名に「白鷺の姫君」と付けられている。剣術の腕はもちろんのこと、レベルも6とオラリオ屈指の上位に入る強さを誇る。知名度も腕も十分であるため、護衛に付けるにはうってつけであった。

 

 

「天領奉行から裟羅、周囲警戒に万葉を付ければ護衛としての役目は十分果たせるはずです。あとは姉様がどのくらいの物を運ぶか、になりますけど・・・」

「今回は主に依頼を受けた衣類と防具、後は甘味を納めるだけだからそこまで多くないですよ。強いて言えば、三つほど高価な防具が混ざってる、と言ったところでしょう」

「あぁ、五箇門の鍛治師が最近呼ばれたと言っていましたがそれでしたか。因みに納品先のファミリアはどこですか?」

「ロキに二つ、ナヒーダちゃんの所に一つよ。衣類関連の半分もナヒーダちゃんの所だから、先にそこへ行ってからロキの所にお願い」

「わかりました。──神子、どうせ聞いているのでしょう?式神で連絡をお願いしますね」

「──なんじゃ、つまらんの。連絡はもうしておるから心配せずともすぐに来るであろう」

「こんにちは、八重神子。あなたも一緒にお団子でもいかが?」

「ふむ、頂こう。それと影、飲兵衛のところの小童がダンジョンで助けられた礼をしたいと申してきたぞ。あとで顔を出しておく事じゃ」

「バルバトスの・・・そういえば報告がありましたね。えぇ、後で行きます」

 

 

 執務室にいきなり現れたのは影の方の団長である八重神子であった。惜しげも無く自分の権能を用いて盗み聞きをしていたり、侵入していることはしょっちゅうであるため、眞も影も何も言わなくなっていた。無論、極秘の話などであればちゃんと席は外す上に、侵入者が無いように見張りをしてくれている。

 

 

「どうせなら綾人も呼べば良かったですかね」

「姉様、どうせ神子が揶揄って遊ぶだけですから・・・」

 

「──失礼。眞様、連絡が・・・おや、影様と神子もいましたか」

「噂をすれば、と言う奴じゃな。小童、お主も団子でも食べていくといい」

「申し訳ありませんが、社奉行は暇ではないので遠慮しておきます」

「つれないのぉ」

 

 

 寂しそうに言っている八重神子ではあるが、その表情は完全に揶揄っているソレである。綾人は手に持っていた書類を眞に渡し、二、三言小声で言った後に早々に部屋から出て行った。

 

 

「神子、余り姉様の団員を困らせるのは控えてください」

「くくっ、あの小童だけだから安心するとよい」

 

 

 心底楽しそうに笑って八重神子は団子を一つ、口に放り込んだ。

 

 

▼▼▼

 

 オラリオのレベル6の冒険者の中に「白鷺の姫君」という二つ名を付けられた冒険者がいる。その太刀筋は美しく、舞の如く煌めく。しかしその後に残るのは圧倒的な暴力。恩恵によって得られた腎力とスキルによって、その前に立つ物は皆、氷刃によって斬られる。

 その冒険者の名前は「神里綾華」、バアルゼブル・ファミリアの副団長であり、バアル・ファミリア団長の神里綾人の妹である。

 

 綾華自身の可愛さと二つ名も相まって、その知名度はかなりの物である。

 

 

「お、神里の嬢ちゃんじゃないか!何か荒事でもあったのかい?」

「こんにちわ。今日は護衛で付いているだけですよ」

「はー!嬢ちゃんを護衛にするとは、あそこの神様は仲がいいねぇ」

「えぇ、とても仲がいいんですよ。私も眞様にお世話になってますし、お兄様は眞様のファミリアの団長ですから」

 

 

 街頭を歩けばお世話になっている人々が顔を出して綾華に話しかけてくる。綾華はその人達に笑いかけ、話をし、そこには暖かい空気が流れる。白鷺の姫君の名は伊達ではなく、人々に愛される呼び名でもあるのだ。

 

 

「綾華殿」

「あ、ごめんなさい、万葉。それでは皆さん、お体にお気を付けてくださいね」

 

 

 流石に人が集まりすぎたため、万葉が窘める。綾華はいつものようにしていたが、護衛中と言うこともあって切り上げた。

 綾華が表立って護衛をしていたおかげか、運送を担当していた団員曰くいつもよりピリピリしていなかったという。

 

 そうして無事に依頼の品を届け、護衛と運送の仕事が終わったのであった。

 

 

▼▼▼

 

 多くの人が眠り、静かになった頃。雷電眞の執務室の前に一つの小さな人影が現れた。その人影は執務室を仕切る襖の前で跪き、静かに声を出した。

 

 

「闇派閥とつながりのあったファミリアの捜査とマーク、完了したのです。ダンジョンに拠点と思わしき場所もあり、現在監視中。ただ、独自に動いてるロキ・ファミリアもいるです」

「そうですか。・・・ロキ・ファミリアにも悟られぬように動き、私から指示を出すまで手出しをしないように。但し一般人への被害が甚大だと判断した場合は行動を許可します」

「はい、なのです」

 

 

 スッ、と音もなく去って行った人影を確認し、眞は溜息をついた。

 

 

「闇派閥もですが、そこから益を得る神も居るとは。理解できない物ですね」

「──眞様、お呼びですか」

「綾人、貴方にギルド主神ウラノスへの密書を託します。何人たりとも気づかれることなく届けるように」

「はっ」

「それから・・・先日より監視していたファミリアの主神の暗殺を命じます。こちらも何人たりとも気づかれることなく行うように」

 

 

 眞の命令に従い、影から現れた綾人もまた、すぐにその姿を消す。

 

 

 終末番、それは雷電眞の直属の隠密部隊。決して表では話すことのできない汚れ仕事を請け負い、神殺しすら厭わない。

 正面から打ち破るのは妹の影であれば、眞は隠れて食らいつくす。

 

 そこにあるのはオラリオに「永遠」の平穏を齎すため。

 

 

「テイワットとは違う理、違う運命。それでも私たちは永遠を求めないわけにはいかないのでしょうね」

 

 

 小さな独白が空気に溶けて消えた。




仲良し双子の神様


八重神子
→影の方のファミリア団長でレベル6。コイツ人間の振りした狐の妖怪だぞ。
 綾人いじるの大好き

神里綾華
→影の方のファミリア副団長でレベル6。レベル6が多いな?
 相変わらず「白鷺の姫君」って呼ばれて一般人からの人気も高い。神里流で切り刻んでくるけど

九条裟羅
→影の方のファミリアの天領奉行トップ。要はファミリアで警察みたいな役割を請け負う部門。ガネーシャ・ファミリアとよくコンビ組む。
 レベル4の弓使いだけど天狗なので空飛べる。強い。飛べること隠してるけど

楓原万葉
→影の方のファミリアの偵察担当のレベル5。風を読んで先読みしてくるやべー奴。
 こいつも大概剣術強い。



神里綾人
→眞の方のファミリア団長でレベル5。レベル5だけど実は6になれる。
 終末番は今回頭が眞なので次席みたいな感じ。眞直属の極秘任務に出たりする。

早柚
→名前出てこなかったけど襖の前で報告してた終末番。レベル3。偵察関係を担ってる。



雷電眞(バアル)
→バアル・ファミリアの主神。姉妹の姉の方。原神だと死んでます。妹との見分け方は着物の色が明るい方。商業・通運担当。そして裏方の汚れ仕事も請け負う。


雷電影(バアルゼブル)
→バアルゼブル・ファミリアの主神。姉妹の妹の方。今回はちゃんと肉体在ります。姉より着物の色の藍色が濃い。探索・戦闘担当。暴徒鎮圧に出たりもする。
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