アリアンロッド~ISを駆る冒険者~   作:アルシェス

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幼馴染との再開

あのパーティーから一夜明けたのだが、

俺が簪(名前で呼べと言われた)に言ったことが

丸々録音されて学園新聞の記事になり、

俺の株が鰻上りする結果になった。

俺そんなにすごいこと言ったのか?

単にロアさんの受け売りだぞ。

まあ、自分で実感したことだから説得力あるかもしれないが。

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう

織斑、オルコット、試しに飛んでみろ」

 

同時に俺とセシリア(名前で呼べと言われた)は

飛び上がり、前進する。

俺がセシリアの二三歩前あたりを飛ぶ結果になった。

俺は足を動かしてるので、どっちかと言うと[走ってる]だが。

 

「一夏さんは変わった飛び方ですね」

「俺には空を飛ぶ感覚なんざわからないからな

蟹の横歩きって奴だ」

「不便そうに見えて、実はその人に最も適してるという意味でしたね」

「正解、散々走り回って来たからな」

 

見たことない物、やったことが無い物を

イメージすることが苦手なのが人間だ。

今までに何かしろの方法で空を飛んだことがあるが、

大半はワイバーンやグリフォンの様に

羽ばたいて飛ぶ騎獣に乗って飛ぶという方法だった。

ブースターも吹かさずに飛ぶイメージなど、元が無さすぎる。

忍術にあった風を操って飛ぶやり方も合わないしな。

こればっかりは経験が役に立たない以上、地道にやるしかない。

 

「よろしければ、私が放課後に……」

「感覚的な部分だろ、説明できるのか?」

「痛いところを突かないでください!」

 

失礼だが思ってしまった。

コイツは結構なおバカキャラだと。

 

「一夏っ!いつまで飛んでいるつもりだ!早く降りてこい!」

 

いきなり通信回線から怒鳴り声が聞こえたので見ると、

モップが山田先生からインカムを奪って怒鳴っていた。

そして糞姉に出席簿で脳天チョップを喰らった、バカの極みじゃねぇか。

しかしこのハイパーセンサーは便利だな。

集中が必要だった距離が簡単に見えるとは。

まあ、宇宙で星々から方向や距離を読み取るための機能だ、当然か。

 

「織斑、オルコット、急降下と完全停止をやってみせろ、目標は地表より十センチだ」

「了解です、では一夏さん、お先に」

 

セシリアが慣れた動きで急降下し、

そのまま地面から十センチの場所で停止する。

流石代表候補性、手慣れてやがる。

 

「流石だな、次!織斑!」

「はいな」

 

俊動で一気に急降下し、地面が近づいた時に

宙返りを二三回して勢いを殺して着地する。

地面にへこみはなく、音もしなかった。

狙いどうり、音の方は失敗すると思ったんだが。

 

「馬鹿者、誰が着地しろといった

まあいい、これより武装展開をやってもらう」

 

直ぐにガンブレードを引き抜き、いつもの構えをとる。

この間わずか0.002秒、ロアさん達とほぼ同じだ。

 

「違う、拡張領域の武器を展開しろ」

 

ガンブレードを戻し、右腕を曲げて甲を見せるように

顔の左側に掲げ、短剣型ブレード[飛燕]を三本

指の間に展開する、この間は約0.4秒。

展開に慣れてないから遅いな、要練習項目に追加っと。

 

「次はオルコット、武装を展開しろ」

「はい」

 

セシリアが左腕を肩の高さまで上げ真横に腕をつきだす。

すると一瞬だけ光り、スナイパーライフル[スターライトmkⅢ]が出現する。

経験の差はやはり痛いな。

 

「さすがだな代表候補生、ただしそのポーズはやめろ

横に向かって銃身を展開して誰を撃つ気だ、正面に展開できるようにしろ」

「で、ですがこれはわたくしのイメージをまとめるために必要なっ」

「なら横を見ろ」

 

横では俺がガンブレードをセシリアのこめかみに突き付けている。

武器を向けられた時の条件反射だからな(汗)。

 

「味方に撃たれたくなければ直せ、いいな?」

「………はい」

 

俺の構えはいいのか?

若干下向てるんだが。

 

「オルコット、近接用武器を展開しろ」

「えっ?あ、はっ、はいっ!」

「織斑も雪片を出せ」

「使いもしないのをか」

 

俺は鞘から抜くイメージで展開する。

かかった時間は0.7秒、ついでに逆手持ちだ。

ムサシと違って、俺は刃物を基本逆手で扱う。

さてセシリアは……おや?

手の中で光が渦巻いてるだけでなかなか形にならない。

 

「くっ………」

 

「………まだか?」

 

「す、すぐです!………‥ああ、もうっ!インターセプター!」

 

武器の名前を叫ぶセシリア、それ初心者用の手段だよな?

ようやくナイフ[インターセプター]が形になるが、本人は悔しそうだ。

まあ、代表候補生なのに初心者の方法やるのは屈辱だろうな。

プライド高いのは相変わらずだし。

 

「何秒かかっている?お前は実戦でも相手に待ってもらうのか?」

「じ、実戦では近接の間合いに入らせません!ですから問題ありませんわ!」

「ほう、織斑との対戦で初心者に簡単に懐を許していたように見えたが?」

「あ、あれは、その……」

 

すると俺のホログラムディスプレイに通信が来たことを告げる

光が点滅を始める。

これはプライベートチャンネルだな、他人には聞かれたくないことを

話す為の通信回線。

俺はエリンで何度か使った遠距離通信用のマジックアイテムを

使うイメージで回線を開く。

 

『あ、あなたのせいですわよ!?』

『知るか』

 

近距離対策してないお前が悪いんだろうが。

ナイフが難しいなら別のを使え、

それかライフルに銃剣(バヨネット)を付けろ。

 

『責任取って下さい!』

『だから知るか』

 

しょうもない責任転嫁するな。

 

「時間だな、今日の授業はここまで」

 

________________

 

更に翌日、教室は騒がしかった。

何でも中国から転校生が来るらしい。

 

「中国……ね」

 

あの子は元気にしてるのかね。

しかし、この学園に途中編入するの原則不可能だったな。

可能だとすれば代表候補生以上だっていうし。

 

「あら、私の存在を今更ながら

危ぶんでの「ないな」最後まで言わせてくださいまし(泣)」

 

その自信満々さはどこから来るんだよ。

てか、狙いは間違いなく俺だよな。

ハニートラップ要員でも来るんだろうかね。

嫌すぎるぞ、そんな展開。

 

「まあ、敵になるなら倒すだけだな」

「織斑君頑張ってね!」

「フリーパスの為に!」

 

優勝景品は食堂のデザート食べ放題のフリーパス。

いかにも女子が好きそうなものだ。

まあ、俺も甘味は嫌いじゃない。

どちらかというと歯応えと肉汁たっぷりの

肉の方が好きなんだが。

 

「今のところ専用気持ちは一組と四組だけだから楽勝だよ」

 

それ簪の事だよな、未完成だが本人が結構実力つけてきてるから

正直楽勝だと思うのはどうかと思うぞ。

 

「その情報古いよ」

 

教室の入り口に一人の女子生徒が立っていた。

 

「二組の代表も専用気持ちになったの

そう簡単には優勝できないから」

 

茶髪をハーフアップのツインテールに纏め、

パッチリした釣り目を持つ、猫の様な印象の勝気そうな美少女。

どっかで見たような………あっ!!

 

「鈴か!」

「そう、久しぶりね一夏」

 

考えてた時に再開するとは、アリアンロッドも粋な計らいをしてくれる。

しかし、語らいの時間は無いな。

 

「悪いが早く戻った方がいいぞ、オーガが来るから」

「はぁ?何言ってるの、鬼なんているわけ」

「じゃあ後ろに居るのは何だ?」

 

ゆっくりと鈴が振り向く。

そこには出席簿を持った糞姉が立っていた。

 

「ホントに出た~~~~!!?」

 

同時に出席簿が振り下ろされる。

 

「誰が鬼だ、さっさと教室に戻れ」

 

小気味よい音と共に鈴は頭を押さえながらこっちを見る。

 

「また後で来るからね!逃げないでよ!」

 

そのまま教室に戻っていく、せわしない奴だ。

 

____________________

 

さて、時間を進めて昼休みになり、食堂に来たのだが。

 

「待ってたわよ一夏!」

 

鈴がラーメンの乗ったお盆を抱えて陣取っていた。

 

「伸びるぞ」

「五月蝿いわね!早く来ないのが悪いんでしょうが!」

「なこと言われてもな」

 

セーリアのお嬢か。

ああ、セーリアは中国とそっくりな国だから当然かもしれない。

唯我独尊を地で行くあたりがそっくりだ。

 

「織斑さん、説明していただけませんか?」

「中国人の幼馴染だ」

「………‥凰鈴音(ファン・リンイン)

中国の代表候補生よ」

 

再開できて嬉しい反面、少し会いずらかったんだが。

その後、セシリアの自己紹介が始まったのだが、

鈴の傍若無人と言える唯我独尊ぶりに冷や汗を流してしまった。

 

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