アリアンロッド~ISを駆る冒険者~   作:アルシェス

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今回は冒険者三人組と糞兎を登場させます。


一騒動

糞兎に説教した後、俺は部屋に戻り

ドアを開けると、山田先生に呼び止められた。

 

「何か?」

「部屋割りの調整が済んだので、篠ノ之さんの引っ越しをお願いしに」

 

するとモップが驚きの表情を浮かべる。

 

「それ、すぐじゃないと駄目ですか?」

「馬鹿言え、夫婦でも恋人でもない男女が同居なんて問題ありだろ」

 

俺はバッサリと切り捨てる。

せっかくこの腐れモップとの同居から解放される。

だからさっさと消えやがれ。

 

荷物を纏める間、モップは何度も懇願の表情を浮かべるが、

俺は背を向けたまま[あっち行け]のジェスチャーをする。

貴様なんぞに付き合いきれない。

 

余談だが、モップはあの一件で反省文100枚と、一週間の自室謹慎を言い渡された。

_____________________________________

 

「驚いた、まさか二人とも同じとは」

「俺もびっくりだ」

「出会わなかったのは不思議だけどな」

 

数日後、俺は親友である

五反田弾と御手洗数馬と一同に集っていた。

驚いたことに、二人とも[エリン]で冒険者となっていたそうだ。

まあ、弾に義理の娘が出来てることが一番の驚きだが。

弾は体術を駆使して戦う[モンク]、

数馬は魔法使いの[ウィザード]だが、ナイフ二刀流と両立しているらしい。

弾の義娘[パス]はエルダーナンとヒューリンのハーフブラッドで、

光沢を放つ銀髪とスカイブルーの碧眼を持つ、将来性たっぷりの美少女だ。

なんでも回復魔法の使い出である聖職者[アコライト]としても実力者らしい。

まあ、まだまだ一人前にも届かないみたいだが。

 

「で、なんでデパートに来たんだ?」

「いい加減パスの服を買いたいと思ってな」

 

パスはこっちに来てからもフード付きローブを着用し続けてるらしい。

尖った耳はマジックアイテムでごまかせるが、服は現状では怪しまれる。

弾の妹蘭のお古でごまかしてるが、サイズが若干あわないそうだ。

なので四人でデパートに来ている。

しかしパスは人見知りが激しいらしいが、俺と数馬は警戒されない、何故だ?

 

「さて、平和に買い物を楽しみますか」

 

笑顔のパスと手をつなぐ弾の姿は親子にも、年の離れた兄妹にも見える。

 

「弾さ、言いたくなるのはわかるけど」

 

途端、すぐ近くで爆音が響く。

 

「それフラグだから」

 

____________________

 

素早くダクトから天井裏に侵入した俺達は、そこから様子を伺う。

女ばっかりの強盗団が合計三十人、内ISは8機

よくもまあこれだけ集めた物だ、逆に感心する。

ハイパーセンサーはあくまで[視覚]を強化する物。

だから天井裏で音を立てなければ気付かれない、温度感知があれば別だが。

 

「いくぞ」

 

立聞き等で得た情報では、この階の大型ステージと

最上階ボーリング場に人質となった買い物客等が集められている。

内、この階にはIS二機と10人が見張りとなっている。

俺達は天井沿いにステージ近くに移動し、無音で降りて辺りをうかがう。

MP5(ドイツの大手銃器メーカーH&K社の傑作サブマシンガン)で武装した面々も全員居る。

完全に相手をなめているな。

 

「今!」

 

俺と数馬が同時に走り、注意を向けさせる。

俺は魔導銃で非殺傷無音弾[音無き鉄拳(サイレントグラップ)]を正確に眉間に撃ち込み、

数馬は投げナイフで銃口を正確に詰まらせる。

 

「はぁ!」

 

弾が注意が向かないうちにIS二機に接近、拳を突き出す。

普通ならシールドバリアに阻まれて終わる。

しかしモンクは自分よりはるかに巨大な敵相手でさえ、素手で効果的な攻撃を行う。

そんな弾の拳をたかがISが防げるか、答えは否だ。

 

「ぐっはぁ!」

 

シールドバリアに阻まれることなく命中し、片方が吹っ飛んで壁にめり込む。

吐血していたから、内臓に損傷を負ったかもしれない。

 

「貴様!」

 

もう片方が弾に銃口を向けるが、俺は絶対防御発動よりも早く蹴りを顔面に叩き込む。

これまた吹っ飛び、壁にめり込んだ。

そして、残った連中は簡単に気絶させ、売り場にあった毛布等で縛っておく。

ISからコアを抉りだしておくことも忘れない。

コアの無いISなどただの鉄の拘束具(アイアンメイデン)だ、怖くもなんともない。

 

「パス、皆と一緒に避難してろ」

 

弾がそういい、パスは大人しく従う。

一応知られる前に潰しておいたが、人質が解放されたと知られれば厄介だ。

だからパスの防御魔法[プロテクション]が必要になる。

襲い掛かられたら水の泡だしな。

 

最上階に移動し、俺は気づかれないように接近する。

エクスプローラー(遊撃手)の俺にはたやすいことだ。

その後ろを、数馬が付いてくる。

現在俺の次に隠密性が高い、襲撃にはもってこいの人材だ。

人質を盾にされる前に制圧する、それが要だからな。

IS以外は数馬の魔法でまとめて倒せるだろうが、記録が残ったら面倒この上ない。

ここは俺の手榴弾でうまく誤魔化すのがいいだろう。

 

「じゃ、行くぜ」

 

俺はエリンでよく使っていた手榴弾を投げる。

殺傷力は無いスモークグレネードだ、これだけでは制圧など出来ない。

しかし、この手榴弾で焚かれた煙幕には面白い効果がある。

 

「な、なんだこれは!?」

「ハイパーセンサーが効かない!?」

 

ありとあらゆる[感知]を阻害するのだ。

前に実験した結果、ハイパーセンサーから赤外線等、あらゆるセンサーを無力化する。

現状頼りになるのは、生身である己の五感のみである。

混乱している隙にIS以外をさっさと制圧し、人質を逃がす。

これで残ったのはIS六機のみ、ここからが本番だ。

そして煙が晴れる、こうか時間が結構短いんだよな。

 

その後、弾が一機を殴って壁にめり込ませ、

俺が一機を蹴り飛ばして壁にめり込ませ、

最後に数馬が一機からISコアを抉り出す。

この間わずか0.5秒、凄いのかどうかは知らないが。

 

「な、あ…」

 

リーダー格らしい女が呆然とする。

取り巻き二人は完全に腰を抜かしている。

まあ、生身の人間がISを易々と倒すなど夢にも思わないよな。

 

「そういやさ」

「なんだ?」

 

数馬が声をかけてくる。

 

「お前あの[黒き疾風]ロアの弟子なんだよな」

「そうだぞ、正確にはロアさんと[自在の刻み手]明久さんの弟子だけどな」

 

二つ名が中二病臭いのはご愛嬌だ、本人がつけた物じゃないし。

 

「ならさ、それっぽく決めないか?」

「面白そうだな、どうだ一夏?」

「そうだな、俺も言い損ねたし」

 

俺達は横一列に並ぶ、俺は真ん中で何時もの構え、

弾は左側で半身になり、左手を引いて腰に当て、右手を掌底の形で突き出す構え、

数馬は右側で両手に大ぶりなダガーを持ち、胸の前で腕を交差させる構え。

そして、異口同音に宣言する。

 

「「「さあ!死神が呼んでるぜ!」」」

 

リーダー格は慌てて武器を構えるが、取り巻きはISを解除して逃走した。

どうやら、俺達が相当怖くなったらしい。

 

「この!男風情が!」

 

リーダー格がアサルトライフルを連射するが、その銃弾を俺がすべて魔導銃で弾く。

その間に数馬が高速で接近し、ダガーでISコアを抉り取る。

そして、止めに弾が軽く本気の右ストレートを叩き込む。

リーダー格は吹っ飛んで壁にめり込み、血を吐いて気絶した。

何ともあっけない終わりだ、所詮は時代の尻馬に乗ってるだけの雌豚か。

 

「皆さんご覧になったでしょうか!?私も今見た物が信じられません!」

 

いつの間にかTV局のカメラとリポーターが来ていた。

早めにとんずらした方がいいだろうな。

 

「あけなかったな」

「もう少し苦戦するかと思ったんだが」

 

弾と数馬が取り巻きの残したISに触れる、その時。

 

「な!?」

「え!?」

 

何と、二人ともISを起動させていた。

 

「ど、どうしんだこれ」

「予想外すぎるぜ」

 

同感だ、見るとカメラマン・リポーター共に絶句している。

 

「こんな時にやることなんて決まってるだろ」

「「だな」」

 

皆揃って武器をしまい、

 

「「「逃げるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

その場から全力で逃走した。

 

___________________

 

「で、要件は何だ糞兎」

「うう、相変わらず毒舌全開(涙目)」

 

あの後屋根沿いに逃走していたら、いきなり人参型の物体から

糞兎が出てきて、俺達を人参型潜水艦に連れて来た。

 

「まず、私はダンダンとかっ君を守るのが目的だよ」

「「馴れ馴れしいぞ糞馬鹿」」

「うわ~~~ん!二人とも毒舌だよ~~!」

 

呆れて何も言えなくなった。

 

「と、兎に角、二人には私が立ち上げた会社LC(ルイス・キャロル)社の社員になってもらうよ

そうすれば政府もIS委員会も下手に手出しは出来なくなるから」

 

[不思議の国にアリス]の作者じゃねぇか。

 

「二人には私御手製の専用機を用意するからIS学園に転入してね

一番安全なのはここだけど、世間を黙らせるにはそれが一番だから

後、更に手出しさせないために商品を同時販売するから」

 

 

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