アリアンロッド~ISを駆る冒険者~   作:アルシェス

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筋を通せ

「な……何言って」

「はぁ?あんなド三流演技でごまかせるとでも?」

 

分解した魔導銃を組み立て、銃弾を込める。

まるで命を吹き込むようで気が高まるが、今は関係無いな。

 

「……いつから気づいてたの?」

 

観念したらしい、デュノアが口を開く。

 

「ほぼ最初から、隠す気あるのか怪しかったぞ」

「えぇ!?」

「転校初日に追いかけられた理由聞いてから納得するまで

間があっただろ、あれは自分を男だと認識していない証拠だ

服越しでも体つきが違和感だらけだったしな

肩幅妙に狭いし腰くびれてたし、男装してるっていわれた方が納得できたさ

それに転入してくる時期も妙なんだよ

IS製作の大手社長息子ならISに触れる機会は俺より遥かに多かったはずだ

だからお前が最初の[男性操縦者]じゃなければおかしいし

そうじゃなくても俺が発見された後全世界で一斉に適性検査がされた

だから復学準備で忙しかった二人と違って、もっと早く学園に来ていたはずだ

隠すメリットなんざ無いに等しいからな」

「完全にばれてたんだね」

 

俺は再びパイプを銜えた。

そろそろ数が減ってきたし、作っておかないとな。

 

「まあ、理由は広告塔とデータ収集だろ?」

「うん……世界第三位のシェアを持つとは言っても

ラファールは最後続の第二世代型、急務の第三世代型を作るには

データが圧倒的に不足しているから」

 

[イグニッションプラン]の影響だ。

EU、つまりヨーロッパの各国が合同で第三世代型を作ろうとゆう計画。

セシリアやボーデヴィッヒがこの学園に来たのも、そのデータ取の為だろう。

 

「で、スパイをやらされたのは愛人の娘だからか?」

「うん、母さんが死んだ後

IS適性が高かったから引き取られたんだ」

 

戸籍変更は二年前、この分だと

引き取り先の家族ともまともな関係になどなってはいまい。

しかし、この一件がばれたら国際問題、デュノアも牢獄送りだな。

 

「で、この後どうすんだ?」

「良くて強制帰国「おバカ」え?」

「誰が今後の流れ言えって言った、俺はお前がどうしたいか聞いたんだ」

 

俺はデュノアに背を向ける形で、ベットに横になった。

 

「気に入らないんだよ、さっきから客観的なことばっか言って

お前の気持ちが全く見えてこない、なんでそれを良しとする」

「だって、そうゆう命令だったから」

「それがくだらないんだよ、本当に嫌ならやらなければいい、

別にその社長の子供にならない道だってあったし、

とっととそんな家飛び出しちまえば良かったんだ

それでも引き受けたって事は、

状況に流されて社長とやらの子供でいる方がマシだと思ったからだろ

そうやって流されるだけのグータラに付き合いきれないんだよ」

「……ずるいよ」

 

再びデュノアが口を開く。

声の感じからして、怒ってるな。

 

「そんなの君が強いから言えるんだ!

聞いたよ!1週間足らずで候補生を倒して

生身でISを圧倒したって!僕にはそんな力無かったんだから!」

「関係あるかそんなこと!

例えダメ元だとしても、崖を登ろうとするから人は進めるんだ

登ろうとせずすぐあきらめるなんざ、家畜と変わんねぇよ」

 

俺も自分が[織斑一夏]だった時現状が気に入らなかった。

だから少しでも変えたくて足掻いた、結局無駄だったが。

もしエリンに迷い込まなければ、フィーネ達やロアさん達に出会わなければ、

結局デュノアと大差のない人生を送っていたのかもしれない。

あくまでifストーリー(あったかもしれない未来)だから、どうとも感じないが。

俺はあくまで冒険者、それ以外の何でもないのだから。

 

「俺は責任とって豚箱に行けとは言ってねぇ

俺達に法律だ条例だのは関係ない、あくまで自分達の掟が重要だからな

唯単に、選んだ事にはお前成りのやり方で筋を通せって言ってんだ

自分の選んだ道に対して筋を通すのなら、お前がどこでどうしようと、

その先でどうなろうと、そのことに口出しする気は無い

お前の人生は、お前自身の取り分でしかないんだからな

だからここに残るのも、去るのも、足掻くのも、諦めるのも、

幸せになるのも、不幸になるのも、お前自身で決めろ」

 

俺の言葉に、デュノアが小さく口を開く。

 

「いいのかな?……今更幸せになろうなんて、身勝手じゃないのかな?」

「身勝手で何が悪い?人間の根っこなんてそんなもんさ

それになんだも言わせるなよ、お前の人生だろ

人生ってのは自分自身の取り分だ、しかも貯金できずに目に見えて減っていく、な

だから自分の好きなように使って一体何が悪いんだ?

堅実に生きようが全額掛け(ペット)しようが自由だろ

一発当て(ジャックポット)で億万長者になろうが、尻の毛まで毟られて素寒貧になろうが

自己責任の範疇で、そのツケを自分で払う限り勝手、そうゆうもんじゃねぇのか?」

 

ほんの少しだが、デュノアが笑って見せる。

今までの営業スマイルみたいな薄っぺらい作りもではない

正真正銘の本物の笑顔だった。

 

「いいんだよね?ここに居ても」

「特記事項第21、本学園における生徒はその在学中において

あらゆる国家・組織・団体に帰属しない

本人の同意が無い場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする

要するにお前が嫌だと言えば簡単には手出しできなくなるさ

後はお前がどうしたいか決めろ、そんで足掻きな」

 

例えエリンに戻れなくても、俺は冒険者であり続ける。

例え、全世界を敵に回すことになっても。

自分達の力で道を切り開く、それが俺達にとって最も貴ぶべきものだから。

だから夢であれ野望であれ叶えようと努力する奴には協力し、

女尊男碑の雌豚共みたいに見下すしか能が無いゴミ屑連中は嫌いだ。

デュノアが選んだ道なら、黙って背中を押してやる。

それが俺達の掟であり、流儀だ。

 

「一つだけ、お願いがあるんだけど」

「なんだ?」

「シャルロットって、呼んでほしい」

「本名だったな」

 

____________________

 

一夏とデュノアが何やら距離を縮めていた。

どうやら前日に何かあったらしい。

本人同士で事のけりがついてるみたいだから、俺は別にどうこう言わない。

弾もそうだ、一々口を出す必要はないしな。

そうそう、フランスではデュノア社が不正等をばらされた結果倒産した。

どうやら、糞兎の仕業らしい。

まあ技術面では間違いなく天災だ、一夏達の一件も盗み聞ぎしてたのだろう。

それから、LC社から新商品が発売された。

見た目はISスーツの長袖版と言ったところ、実はこれ

男でもISを動かせるようにできる代物らしい。

糞兎曰く、着ることによって生体情報を誤魔化してるのだそうだ。

ついでに、適性をCに固定するようにできているため

男連中の逆襲は目立った多様子は無く、適性が低くて

動かすだけで精一杯だった女性達にも評価されている。

まあ、糞兎もISが女性にしか反応しない理由はわからないらしいが。

一夏がプロレス技フルコース20セットやった後に聞き出したのだから間違いないだろう。

男の立場も目に見えて回復してきているし、文句は無い。

まあ、女尊主義団体の過激派が五月蝿くなったのは問題なのだが、

それはそれだ、今か解決するべきことじゃない。

虐げられていた人々が解放され、女というだけで上に居た無能共は立場を失う。

実にいいことずくめじゃないか。

まあ、糞兎が暴走しそうになるたびに三人がかりで鉄拳制裁やって

変な方向に行かないようコントロールした結果なのだが。

しかし、さっきから何やら騒がしいな。

 

「この学園は厄介ごとが多いな」

 

弾の意見には同意だ、四月にいきなり決闘騒ぎ

その後無人機の襲撃と面倒なイベントが盛りだくさん。

ほんと、退屈しないね。




次回は少しオリジナル展開にします
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