現在私は運転免許を取るために教習所に通っていたので
手を付けられない状態でした。
先ずは左で三連射、次に右で三連射する。
これで九本の首の内、一本は砕けた。
俺の勘だが、今のが一番厄介そうだからな。
その後アルクが鞭を両手に突進、少し遅れてムサシが続く。
「オラオラオラァ!」
アルクが両手の鞭を振るい、嵐のような猛攻撃を繰り出す。
エリンでダイヤモンド以上の硬度を誇る金属、ミスリルで作られた
当然無事では済まず、ダイヤモンドヒュドラの破片があちこちに飛び散る。
それの邪魔にならないように、俺も六発ほど連射する。
ついでに、両方の魔導銃から空薬莢を排出、再装填を0.003秒で行う。
ようやくロアさんと並んだな。
「雪羅流…雪崩!」
最後にムサシが音速行ってるじゃないかと思えるほどの三連撃を繰り出す。(見えるけど)
たとえ軽量な素材を使ったとしても、大型武器である斬馬刀は当然重い。
それを棒切れの様に振り回せるムサシの腕力とスピードが加われば
まさに一撃必殺の威力になる、それが三連撃なのだから凄まじさは言うまでもないだろう。
これで首が二本斬りおとされ、残り六本。
勿論ヒュドラもやられてばかりじゃない。
残った首を駆使してレーザービームを雨霰に放ち、
俺達に噛み付いてくる。
それを俺とアルクは持ち前の俊敏さで前後左右、
時にはバク転やバク宙も織り交ぜながら躱していく。
一方、ムサシは斬馬刀を盾に、攻撃を受け止める。
あの斬馬刀[龍斬丸]はオリハルコンとドラゴンの鱗・骨を
混ぜて作った恐ろしく硬い合金だ、折れる心配がない。
そしてムサシが受け止めている隙に、弾がその首を殴り砕く。
モンク、いやクンフーとして拳を鍛え続けたからこそ成せる技だな。
ISの絶対防御を易々と貫く拳打を打てるのだから。
「くらいやがれ!」
更に数馬が魔法で巨大な火の玉をぶつける。
ゴーレムは大体が魔法耐性が低い、実際当たった部分が溶け出している。
って当たった場所が蒸発してやがる。
ダイヤは炭素だから沸点C4800℃ぐらいだろ、
それだけ高火力な炎を出せるあたり、数馬の
実力の高さがうかがえるな。
「フィーネ!」
「任せて!」
今度は流れ弾が鈴達に襲い掛かるが、フィーネとパスが
防御魔法[プロテクション]で防ぎきる。
二人とも
「イチカ……」
「イナホ!?」
涼しげに整った顔立ちにほっそりとした体形、無表情で
纏う雰囲気はクールビューティーのそれだが、
腰まで届く赤毛がミスマッチな美少女。
ムサシの恋人のイナホがそこに居た。
と言うかいつの間に、相変わらず存在感が薄い奴だぜ。
「首の付け根、そこにコアがある」
「了解」
貫くイナホが俺にコアの場所を教えてくれる。
流石にダイヤモンドは貫けないか。
「仕上げだ」
後ろでフィーネが呪歌を歌う。
思えば、何時もこの歌声に助けられたんだよな。
俺は片膝立ちになり、精神を統一する。
わが身は鋼、我が心は空、思い描くは恩師の奥義。
そのまま全力疾走のち跳躍、天井を蹴飛ばしてさらに加速し、
更に横回転を加えた飛び蹴りを放つ。
ヒューリンの俺じゃあノックスのロアさんより身体能力で
劣る分、工夫でカバーする。
その蹴りは見事命中し、ダイヤモンドヒュドラに大穴を開けた。
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ロアさん直伝の蹴りにより、ダイヤモンドヒュドラは爆散した。
イチカもようやく並んだのかしらね。
(さて、もう一つ片付けないとね)
私はダイヤの欠片を物色する皆を尻目に、モップの前に立つ。
エネルギーが底をついて拘束具に変わったISのせいで
身動きできずに無様な状態を晒し、それでも私を
親の仇のごとく睨んでくる、馬鹿馬鹿しい。
「無様としか言えないわね」
「黙れ!一夏をたぶらかした阿婆擦れが!」
まだそんなこと言ってるわけ?呆れるわね。
「私は一夏の幼馴染だ!一緒にいた期間が一番長かったんだ!
一夏に相応しいのは私であって貴様じゃないんだ!」
「……ふ」
「何がおかしい!?」
なにがってそりゃね。
「馬鹿馬鹿しい限りね、呆れしか出てこないわよ」
「なんだと!?」
「じゃあ聞くけど、貴女イチカに気持ちを伝えた?
自分を好きになってくれるように行動した?」
「え?」
好きになる、それは別に構わない。
気持ちは自分でどうにかなる物じゃないのだから。
恋人有や妻子持ちを好きになったとしても、私はとやかく言わない……でも。
「貴女は、イチカを手に入れるために何をしたの?」
「そ、それは……」
「してないんでしょ、何も」
「………」
だから、私はこの女が嫌いなんだ。
「自分からは何もしない、思いを伝えない、なのに好きでいてほしい
普段嫌ってるのに都合のいい時だけはその相手に平気で頼る
なんともまあ……都合がいいわね
何時も何時も自分の思いどうりになること前提で行動して恥もしない
嫌いなお姉さまと何が違うわけ?」
「ち、違う!私は」
「何も変わらないわよ、やっぱり姉妹じゃない」
思いどうりにならないのが当たり前、だから自力で壁に挑む。
そして背負った責任は放り出さない、それこそが冒険者共通の信念。
だから自分からは動かないグータラも迷惑を気にせず動くバカも大嫌い。
「結局貴女は有利な立場と境遇に甘えてただけのクソガキよ
一緒に旅して危険困難、飲食睡眠(後入浴とか)も共にして
絆を育んできた私とじゃ、どっちを選ぶかなんて言うまでもないでしょ」
「そんな……」
仮に私が居なくても、イチカは姉等周りの女達に嫌悪感を抱いていたし
モップがフラれる可能性はほぼ確実だったしね。
「相応しい?笑わせないでくれる?
貴女のそれはただの依存か独占欲よ、愛とは程遠い
比べて私達は自分の理想や都合を押し付ける真似なんて絶対にしない
変わりゆくあることも、理想と違うことも受け入れてる
それが私達にあって貴女に無い物よ、最初から相応しくなんかなかったてことね」
ここまで来ると呆れしか浮かばない。
「糞兎、モップは見つけたからそっちで回収してくれ
あ?心配ねぇよ、送ったルートのトラップは解除したし
エネミーも片付いてる、テメー一人でも運べるさ」
後ろで兎ちゃんに連絡していたイチカが通信を乱暴に切る。
かなり怒っているのがハッキリとわかった。
そしてモップに近づき、
「二度とその面見せるな!」
ハッキリと拒絶の意思を見せた。
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ISを使わないで化け物を倒した。
いっ君達は平然とやっていたけど、この世界では
度肝を抜くには十分すぎた。
と言うか、天地をひっくり返す様な衝撃だ。
(うわー、ちーちゃんの間抜け面初めて見た)
ポカーンと口を開けて固まってるのだ。
そりゃそうだろう、生身じゃダイヤを砕くなんてできないし。
皆本当に人間なのか怪しく思える、自分で言うのもなんだけどさ。
「ん?」
監視用のムーンラビットから映像が届いた。
最近IS業界にちょっかいをかけてくる
さっそく見てみよう。
「え?え、え?」
今度は私が間抜け面を晒すことになった。
両手にマグナム銃らしいものを持った黒ずくめの男と、
どこかの学生服らしいブレザーを着た短剣二刀流男の二人組が
文字通り、ISを一撃で破壊しているのだ。
『なんだよ……なんなんだよお前ら!?』
確かアメリカの第二世代型IS[アラクネ]だったか、
ほぼスクラップ状態のそれを装着した女が叫ぶ。
『知れたことを、神に会うては神を斬り!』
『悪魔に会うてはその悪魔をも撃つ!』
『戦いたいから戦い!』
『殺したいから殺す!』
『『僕(俺)達に、大義名分など無いのさ!くたばりなぁぁぁ!』』
と言うか、亡国企業の幹部以上は皆殺しになってる。
この二人誰?
結局駄作状態です