アリアンロッド~ISを駆る冒険者~   作:アルシェス

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今回はアンチ要素が濃い話です。
以後もこういった話は何度もあるので、ご注意を。
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怒らせると怖い例

放課後、俺は箒と戦うために剣道場に来ていた。

周りを見ると、野次馬がやたら集まってきている。

人が集まっている食堂で騒ぎを起こしたんだ、当然か。

おまけに剣道全国大会優勝者(後から聞いた)と男性IS操縦者の対決だからな。

 

「来たな、一夏」

 

箒は準備運動をしていたためか、うっすらと汗をかいていた。

俺は家に置いておくことができなかったエリンの荷物と、

カバンを置いて箒と向き合う。

竹刀も防具も必要ない、むしろ俺にとっては邪魔だ。

というか、俺のPTで竹刀や木刀サイズの剣使ってる奴いなかったよな。

フィーネはロングメイス、ムサシは斬馬刀、イナホは拳、アルクは槍だったし。

 

「何故竹刀を持たない?それに何故防具をつけない?」

 

なんで疑問持つんだよ、忘れたのか?

 

「決まってるだろう、邪魔だからだ」

「なんだと!?」

 

いきなり怒り出す、バカだろこのモップ。

 

「忘れたのか?俺は剣道とっくにやめて鞍替えしたんだ、竹刀は無用の長物だ

防具は動くのに邪魔だし、安心感が出て底力が出ないからな」

「ふざけるな!ここは剣道場だぞ!」

「だが剣道以外で使ってはいけないなんて決まりはないぞ」

 

腹が右を向くように体を横にし、足を開いて腰を落とす。

そして左腕を肩に水平に真っ直ぐ突き出し、右腕も

肩に水平の高さにするが、肘を曲げて直角を作り、前に向ける。

左足を深く落としているので、両腕は自然と下向きになるのが俺の構えだ。

この足を広げて腰を落とすのがガンスリンガーの構えの基本だ。

しかし、それぞれやりやすいように手が加えられているので、細部はかなり違ってくる。

例えばロアさんは左腕をまっすぐ前に向け、右腕は少し上に向ける。

ロアさんの娘ノーラは腕を交差させて十字を作る。

抜刀みたいな構えをする奴も見たことがある。

 

「そのへんてこりんな構えが合ってるというのか!?」

 

防具越しでもわかるぐらい、モップの顔が怒りで歪む。

せっかくの美人が台無しだ、正に使い込まれて汚れたモップだな。

 

「少なくとも、剣よりはな」

 

事実だしね、今更剣を取ろうとか思わないし。

多分渡されても投げつけるぐらいしか使い道が無いかもな。

 

「こい、一本勝負だ、負けたら付きまとうな」

「いいだろう!一撃で終わらせてやる!ハァアアアアア!!」

 

竹刀を振り上げてモップが向ってくる。

全国大会で優勝しただけあって、確かに速い……だが

 

「遅ぇな!」

「カッ……!?」

 

一流から二三歩位手前だが、冒険者としては一人前レベルを超えている

俺からすれば、欠伸が出そうになるほど遅く、隙も大きい。

モップが竹刀を振り下ろす前に、一歩進んで右手の指を揃えて伸ばし、

モップの喉を殺さないぎりぎりまで強めに突く。

どうやら、加減を間違えたらしい。

モップは吹き飛び、そのまま壁に衝突した。

 

「ゲホッ、カハァッ!?」

 

防具越しとはいえ強烈な一撃、更に壁と衝突。

別に死にはしないだろうが、結構な痛手にはなるだろう。

 

「俺の勝ちだ」

 

俺は置いていた荷物を拾う。

 

「ま、まだだ!もう一度私と戦え!!」

 

ところがモップは壁に手をつきながら、よろよろと立ち上がり

こっちに竹刀を向けてくる。

 

「一本勝負と言ったはずだが」

「ふざけるな!剣を捨てるような腑抜けきった根性で……ッ!」

 

見苦しい上に、自分勝手な物言いに俺はまたしても切れた。

背負い投げの様に頭を掴んで投げ飛ばし、追撃で腹を蹴り飛ばす。

面白いように吹っ飛び、再度壁に衝突した。

今度は激しく痙攣して動こうにも動けないようだ。

俺はゆっくりと近づく。

 

「見苦しい、お前も剣を持つものなら潔く自分の負けを認めたらどうだ?」

「だ、黙れ!」

 

これだけやってもなお抗議しようとする。

とは言っても、正論とは程遠いだろうが。

 

「黙るのはお前だ、お前はさっきこう言ったよな

『剣道を勝手にやめるような性根を叩き直してやる』

俺が今の強さを得るためにどれだけ努力したかも知らないで、

よくそんな勝手な事が言えるな」

 

俺にとって、ロアさんと明久さんは憧れであり、目標だ。

目を瞑ればいつもその背中が浮かんでくるほどに。

糞姉はまあどうでもいい存在だが。

とにかく俺は憧れてる背中に追いつきたくて、

指にタコができるほど引き金を引き、

血が滲むほど刃を振るい、骨に罅が入るほど岩を蹴り砕き、

一歩も動けなくなるほど様々な場所を走り跳び回り、

あらゆる相手との戦いで死にかけたことも何度もある。

まあ、憧れとフィーネへの思いが動力源だったが。

そして今の強さを維持してさらに高めるために、努力は今も怠っていない。

だからこそ、今の俺がある、それを否定することは

俺の人生そのものを否定し、あの人達を否定することも同じだ、我慢ならない。

 

「剣士としての誇りもなければ人の努力を知ろうともしない……お前なんぞに俺を

どうこう言う資格なんざ無ぇ、消えろ!二度とその面を見せるな!!」

 

二度と見たくもない、俺は唖然とするギャラリーをかき分け、帰宅準備に入った。

 

________________________

 

剣道場での一件が理由で、俺に話しかけてくる奴は減った。

単なる客寄せパンダだと思っていた奴があそこまで凶悪さを見せたなら当然だろう。

俺は最初の一週間は自宅から学校に通い、その後寮生活だ。

それまでにやることが結構ある、もの凄く面倒だが。

まず冷蔵庫の中身を使い切らなければならない。

特に生物の様に日持ちしない物は早く使い切らないと。

バターみたいに使い切れない物は親友の弾や数馬の家におっそ分けすればいいか。

弾の妹の蘭ちゃん、すっかり可愛くなってたな。

相変わらず俺には好意を向けてきてくれる。

冒険者としての生き方をやめることはできないが、

おそらくこの世界で骨を埋めることになるだろう。

だから心の整理をつけて、その行為と向き合わないとな。

 

「織斑くん、よかった。まだ教室にいてくれて」

 

鞄を肩に引っ掛けた俺の面の前に現れたのは山田先生だった。

急いできたのか、呼吸が整っていない、荒い呼吸に合わせて胸が揺れる。

思わずむしゃぶりつきたくなる様な絶品がそこにあった。

 

「フィーネ………」

 

ふとしたことでフィーネを思い出すあたり、俺も寂しがりなのかね。

 

「はい?どうかしましたか」

「いえいえ、なんでもないです、それで、なにかありましたか?」

 

ちょこんと首をかしげながら向けられる無垢な瞳に、

顔をそらしながら話題(というか意識)もそらして、用件を聞く。

反則級の別嬪だろこの人、お持ち帰りしたくらいだ。

まあ、フィーネほどじゃないけど。

 

「えっとですね。織斑君の寮の部屋が決まりましたので、

今日からそちらに入るようにということでして」

 

部屋番号の書かれた用紙と部屋のキーを差し出してきた。

 

IS学園は完全全寮制を取っている

この学園には入れるということはエリートの証と言っても差し支えはないだろう。

それに学園にはかなりの数の留学生がいる

そういった生徒達を、世界の後ろ側から守る目的もあるらしい。

俺は唯一の男性操縦者だから、価値は其処等辺のエリートより上だろうし、

ありえなくも無い展開だ、しかしそれはそれである。

 

「俺の部屋、まだ準備できてないから、一週間は自宅からの通学という話でしたが?」

「そうなんですけど、事情が事情なので一時的に寮の部屋割りを変更してでも

寮に入れるということになったらしいです」

 

少し申し訳なさそうに言ってくるところから考えると、

山田先生のあずかり知らぬところで決まったようだ。

それだとしかし面倒だな、糞姉も殆ど家に居ない状況だし、

家から悪臭がするなんて苦情が来かねないぞ。

 

「なんだ、まだこんなところにいたのか、早く割り当てられた部屋に行かんか

私が政府に掛け合ったんだ、ありがたく思え」

 

なんてことをほざきながら、糞姉が教室に入ってきた。

コイツ、なんでここまで神経を逆撫でするんだ?

 

「そもそも、この学園に入学した以上は必要以上の特別扱いは認めん

来週には個室ができるのだから、それまではこちらが用意した部屋に入れ」

 

そう言って俺の前に鞄を放り投げた。

 

「荷物は私がまとめてきてやった、これだけあれば十分だろう」

 

俺は本日三回目のブチ切れを起こした。

俺ってここまで怒りっぽかったかな?

現状でストレスが溜まっているのか、糞姉の勝手さに腹が立つのか。

まあ、両方だろうな、このままだと胃潰瘍でも起こして入院するんじゃと思える。

そんなこと考えながら、俺は糞姉に向かってナイフを投げた。

明久さんほどの腕前(暗闇で50m先でも正確に当てる)は無いが、

この距離でしくじるほど下手でもない。

狙ったとうりに右側の髪を少し斬り落とす。

魔導銃を撃たなかったり、ナイフで皮膚を斬らなかった当たり、

これでもまだ人道的だ、文句は言わせない。

 

「ふざけるな、俺が寮暮らしになるってことは

長期間家に誰も居ないってことだぞ

カップ麺とかみたいなのならともかく、

冷蔵庫の中身はどうすんだよ、腐って異臭の苦情が来るだろ

それにライフラインって、繋いでるだけで料金とられるから

各会社に連絡して止めてもらう必要があんだぞ

それに交番とか警備会社に見回りの依頼も必要だ

今回の一件で家に忍び込もうとする輩が出てくるだろうしさ

以上のことアンタが一人で出来るならいいぞ

でも一人じゃゴミ出しもできないから無理だろ

いい加減に理解しろ、この脳筋糞雌ゴリラ!」

 

右手でナイフを三本持った状態で捲し立てる。

いい加減本気で殺してやろうかと思えてくるぞ、この糞姉。

まあ流石に気おされたらしく一歩後ろに下がったので、

幾らか溜飲も下がったけどな、されるがままだったあの頃とは違うのだ。

 

「政府のほうには俺が自分で連絡しておきますので、

予定通り一週間は自宅からの通学ということで」

 

俺の横で小動物的にオロオロしている山田先生に報告しておく。

この人が清涼剤になってくれているので、余計な揉め事を起こさずに済みそうだ。

しかし本当に可愛いなこの人、連れ帰ってレイプしたいくらいだ。

 

 




リメイク前、オリキャラを送ってもらいましたが、
今回はそれが使えるかどうかわかりませんので、
あまり期待はしないでください。
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