「ねぇ……ちょっと良いかしら? 」
「今、そんな気分じゃないから今度にして貰える? 」
「ダメよ、私の話を聞きなさい」
「……」
冒頭から、友希那は彼を屋上に呼び出した。彼は面倒くさい表情をしているが、友希那が押した。
「前に本を貸してくれてた時より、私を避けてるでしょ? 」
「別に避けて無い……」
「ウソは止めて!!」
「……」
誤魔化そうとしてる彼に、普段の様子では想像出来ない怒りの声を上げる友希那。
「私は……私は、貴方のことが好きなのに。何でそんな……よそよそしい態度を取るの!? 」
「それは……」
「答えなさい!! 」
「はぁ……分かった」
友希那に問い詰められた彼は、観念したのか溜息を吐きながら口を開く。
「俺、もうすぐ死ぬことになる」
「え……? 」
「俺は小さい頃から病弱でな・・…元々、余命宣告されてる。その時がもう近付いてる。だから好意を持たれても無理だ」
「そんな……」
「それに俺は……」
「だったら、ライブに来なさい」
「は……? 」
「私の……私達『Roselia』のライブを聞いて、生きたいと思わせて上げるわ。チケットは明日に渡すから、当日は絶対に来なさい」
「いや……俺は」
「良いわね? 」
「……分かった」
そう言って友希那は屋上を去って行く。
「どうしろって言うんだよ……それに俺には……が」
――――
数日後……彼は友希那から受け取った『ライブチケット』を持って、ロビーで待機している。
「ライブに来たのは良いけど、凄い人だな……」
彼自身、ライブに来るのは初めてだ。こんなに人が多くて賑やかな場所に来ることは、今まで無かったのだから……。
『間も無く、Roseliaのライブが始まります。繰り返します……Roseliaのライブが始まります」
「遂に来たか……」
アナウンスからの知らせを聞いた彼は、会場へと向かう。
「こんにちは、Roseliaです。私達の音楽、聴いて下さい」
「……」
ボーカルの友希那が観客に向けて挨拶をし、1曲目を歌い始める。
「なんて綺麗な歌声……、こんな身近に凄い歌手が居たなんてな」
彼は友希那の……Roseliaの音楽を聴いて初めて感動した。生きていて、こんなに音楽が素晴らしいと思ったことが無かったからだ。
――――
それからライブが終わり、2時間後……
「凄かった、言うだけのことはある……」
彼は友希那の歌に感動して、目から一筋の涙を流していた。
「こんな素晴らしい音楽を聴いたら……死ぬのが辛くなるじゃないか……うっ!? 」
そんな時、彼は心臓の動悸が激しくなり蹲ってしまう。
「こ、こんな時に……」
彼は気を失い、倒れてしまう。
「お、おい君! 大丈夫か!?」
「すぐに救急車を!!」
TO BE NEXT
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