ガ〇トの猫   作:はまなす改二

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この作品はフィクションです。(2回目)
実在する似てるような名前の何かしらとは一切関係ありません。
関係あると思ったら多分あなたは疲れてます。
今日はゆっくりお休みください。


第1話

私は今、ガ〇トに来ている。そう、ガ〇トだ。

『とりあえず行くファミレスってどこランキング』第二位に君臨するあのガ〇トだ。

名の由来はイタリア語で「おいしい」だったかドイツ語で「お客さん」だったか。

今日もとりあえずの勢いでここに来た。

晩飯なんて考える気なかったからな。

いつも通り店に入り、壁側の4つの椅子があるテーブル席に座る。

1人でだ。

さみしくないのかだって?うるさい。

とりあえずいつものハンバーグのセットをタブレットで注文する。

今日は贅沢にドリンクバーも付けようじゃないか。久々にココア。

いっときもしないうちにいつもの猫が料理を持って来た。

 

「お待たせにゃん」

 

そう、猫だ。

なぜただの輸送用機械に20%くらいの猫要素を交えただけでこんなにも愛らしくなるのか。

この猫を見に来たと言っても過言じゃない。

確か値段は300万円程度だった気がする。

三毛猫のオスよりは若干安いが、私のような街をほっつき歩きながらテキトーな店で文字を並べている人間にとっては高価だ。

 

「早くお料理取ってにゃん」

 

300万の猫が催促してきた。

猫が来てから私の中では一瞬だったが、変な考えを回しているうちに時間が経ってしまったのか。

いつものハンバーグセットを取り、猫のタッチパネルの『完了』を押す。

 

「ありがとにゃん、ゆっくりしていってにゃん」

 

かわいい。異議は認めん。

やはりこの猫を生み出した奴は天才だ。

ちゃんと人間を分かっている。

例え、ペ〇パー君みたいなのが料理を持ってきたところで何も感じないどころかお客に「遅い。」と文句を言われそうなくらいだ。

この20%くらいの猫要素で人の心を穏やかにしているのか。

猫という生き物がどれだけ人に影響を与えるのかがよくわかる。

猫が厨房の方へ帰っていく。

極端に言えば機械が勝手に動いているだけ。

なのにどうして目で追ってしまうのだろう。

また来てほしいと思ってしまう。

また来てほしいならまた何か注文すればいい。

とりあえず猫が持って来てくれたハンバーグと白飯を食う。

注文は後でもいいだろう。ドリンクバーも使えるし、今日は猫の言う通りゆっくりしようじゃないか。

やべぇ、ハンバーグうめぇ。

 

腹も膨れた。

美味かった。牛は負けた。

食べ終わった食器を通路側に寄せて何もないスペースを作り、持参した原稿とペンを持つ。

時折ホットココアを口に運ぶだけで一文字も進んでない。

まぁ、いつものことだ。気にするな。

こうやって暖かい飲み物を飲みながらなんと書き記そうか考えている(ふりをする)この時間が好きなのだ。

この店の客の入り具合はまぁまぁと言ったところだろう。

夕飯時を完全に過ぎた時間帯だからな。

ちょっと長時間居座っても何も言われないさ。私の経験上だから信憑性は薄いが。

厨房の方から再び猫が現れた。先程注文したから揚げを持ってきてくれるのかも知れない。

軽やかな曲を辺りに流しながら私の席とは別方向へ動いていく。

なんか悲しい。

ならば何処の席に行くんだ、気になってしょうがない。

あの婦人が座っている席か?そこのファミリーがいるとこか?あの奥の必死にノートを取る学生の席か?

もとから止まっていたペンがさらに止まり、あの猫を目で追ってしまう!

猫は店の一番端の誰もいないテーブル席に止まった。

 

「お待たせにゃん」

 

4人掛けのテーブル席、そこには誰の姿もなく、何もない。

なに...してんだ...

あの猫ついに狂ったか?

ニコニコとした顔で料理を取ってくれるのを待ってやがる。

いや。

待て。

違う。

あいつ、料理持ってねぇぞ。

なに、やってんだ…?

料理も持たずに「青く光ってるところからお料理を取ってにゃん」なんて。

あの猫はタッチパネルの『完了』ボタンをタップするか、荷台の重量判定で厨房に帰るかどうかを判別していたはずだ。

完了ボタンを押すやつなんていないし、荷台に料理なんて載ってない。そもそも料理が載っていてもそれを取るやつなんていない。

どっちにしろあの猫は動けない。

 

「早くお料理取ってにゃん」

 

無に向かって猫の催促が飛ぶ。

依然として取る者は無く、取られる物も無い。

無と無が融合した地獄。

な ん な ん だ あ れ は 。

不幸なことに猫の付近に人はいない。

一番近いのは必死にノートに何かを書き記す学生のような人。

集中していそうで無と対峙してる猫なんか気づくわけない。

店員は何をやってるんだ。

店員を探そうと店内を見回す。

いない。

厨房から少し物音がする。

そもそももとからいる店員の数がすくないのだろう。

客席に店舗関係者(?)は猫の一人(?)のみ。

その猫はとっくの前から詰んでるが。

 

「早くお料理取ってにゃん」

 

再び無への催促。

奴が何を思ってそこにいるのか。何を感じて催促するのか。

私には何もわからない、何も理解できない。

ここではこの光景が当たり前なのか?

夜になると猫が無に向かって催促する。

これが、日常…?

んな訳無いだろ。

もしあの席に誰かいたらどうするんだ。

なにも持ってない猫が「お待たせにゃん」なんて恐怖でしかない。

もしそれが私だったら…。

少し悪寒がした。が、可愛いから許す。

これが猫デザインの力、恐るべし。

これがシンプルなデザインの、それこそへ°○ハ°ー君とかだったらTw!tterに晒すぞ。

フォロワー少ないけど。

 

「早くお料理取ってにゃん」

 

はい、3回目。

なんだか慣れてきたな。

というか気になってきた。

一体何をするためにそこにいるのか原因究明したくなってきた。

ホットココアがもうぬるいを超えて常温。

それほどずっと見ていたのか。

第三者から見たら無と会話する配膳ロボを永遠と見続ける変人だぞ。

我ながらやべぇと思ってしまった。

そう思っているとご飯を食べ終えたファミリーが会計をしようとしている。

会計台のベルが鳴る。

店内はBGMが流れているとはいえベルの甲高い音は響く。

厨房からおじさま店員がやってきた。

バーのマスターやってます とか言われたら即刻納得しそうなおじさま。

この店の接客はおじさまと猫がやってるのか。

↑この一文だけ聞くと雰囲気ある店のように聞こえるが、ガ○トだ。

超チェーン店だよ。

『おじさまと猫が接客するチェーン店』か、ちょっと面白そうなタイトル思いついた。

気が向いたら今度書いてみるか。

 

「早くお料理取ってにゃん」

 

はい、4回目。

変なタイトル思いついたと思ったら、猫が無に嘆くだけの小説になりそうだな。

おじさま店員がファミリーの会計を終えて厨房に戻っていく。

猫は依然として無と対峙。

何も変わらない状況。

もうそろそろココアを注ぎ足しに行こうかと思ったその時。

 

「お待たせいたしました。若鶏の唐揚げでございます。」

 

おじさま店員が注文してたのをとっくに忘れていた唐揚げを持ってきてくれた。

てか、声良すぎかよ。

バーのマスターやっててくれ、通うわ。

おじさま店員は一礼して私のいるテーブルから離れると厨房ではなく、猫の方へと向かった。

!?

やっと動きがあるか!?

見入ってしまう。身体がすこし前屈みになる。

何をするんだ、おじさまと猫ッ!!

おじさま店員は猫のそばへと近づくとテーブルの上にある使用済の食器を猫の配膳台に載せ始めた。

使用済の食器…?

猫に注目が行き過ぎてそこまで目が回ってなかった。

そうか、猫に厨房まで運ばせるためにそこに呼んだのか。

 

「早くお料理取ってにゃん」

 

猫の声が響く。

おじさま店員は聞く耳を持たず、テーブルの上の使用済の食器をすべて猫に載せ、『完了』ボタンを押す。

 

「ありがとにゃん、ゆっくりしていってにゃん」

 

軽やかな曲を辺に流しながら猫はゆっくり厨房へと戻っていく。

おじさま店員はさっきまでファミリーがいたテーブルを経由し、そのテーブルの使用済の食器を持って厨房まで戻った。

今まで釘付けになっていた事柄が解決し、大きな悩みが晴れたような気がした。

 

「なんだ、そんなことだったのか。ふっ。」

 

すこし笑いが出る。

 

「そうだよな、あの猫もすべて店員の指示通りだよな、勝手に動くわけなんか無いか。」

 

無駄な集中力を使った気がしてならない。だが、面白かった。それに疑問も解決した。

手元のペンは一切進んでないがな。

とりあえず、注文した唐揚げを喰らう。

うめぇ。

ココアもちょうどなくなった。

 

「帰るか。」

 

あの猫は厨房から出てくる様子もなく、新規客も来る様子もない。

今日は見納めか。

ペンや原稿をなおして、私は会計台に足を動かした。

ベルを鳴らすと同時におじさま店員がやってくる。

提示された金額を支払い、レシートを貰う。

 

「また、原稿を書きにいらしてください。」

 

おじさま店員が言った。

 

「また来ます。」

 

私はそうとしか答えられなかった。

ちょっとまって、原稿全く進んでないのバレたか?めっちゃ恥ずかしいんだけど。

 




この作品はフィクションです。(3回目)
ですが、猫(生き物)は可愛いです。
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