白夜の中の渡り鳥   作:凍り灯

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本日三話目と四話目の二話を時間差で投稿しておりますのでお気をつけください。それではどうぞ。







軋んだ床、張り詰めた糸

 

 

 

 

 

「―――正直まだ勧められないぞ?…リハビリばかりで(すこぶ)るつまらんのも分かるがな」

「そんなことないわ?出来るならばいつまでもいたいくらいだけど…完治したら直ぐにでも戻らないといけないから、今のうちに見て回っておきたいの」

 

リハビリを初めて一週間と少し。私はルートの人柄や、ある程度の過去は把握していた。

 

律儀(りちぎ)几帳面(きちょうめん)。そして慎重。だけど時たま大雑把で雑な発言も多い、話し方としてはそっちが素のようだ。

建物の掃除は欠かさないし食事は毎回バランスよく食べやすい。医者だからと言うより、彼の気質の方が占める割合が多そう。崖上の廃教会の手入れに家を空けることもあり、けれども私を気にしてかそこまで長い時間ではない。気遣いも出来る人。ただし男性女性であまり扱いを変えるイメージは浮かばない。

チューイなど、動物に関しては態度が軟化する。

人に対しては良くも悪くもフラットでややドライな感じ。少なくとも、私にはまだ。

鳥は私と同じで大好き。

普段の抑揚(ようよう)のない喋り方から感情が分かりづらい時があるけれど、昔からこんな感じみたい。

そして意外と行き当たりばったり。几帳面さはあっても、物事を順序よく組み立てて予定通りに進める、なんてことは"医者としてのルート"を除いてしまえばからっきし。私やチューイをその場の勢いで拾ってきたのだからそれには納得。

 

かつてどこかの船の船医だったらしく、詳細は不明。"兄貴分"の師から幼少の頃から医術を教えられたと聞くから船の上での生活も長かったみたい。つい二年ほど前に船を降り、ここに移住、悪魔の実もその時食べたようだから結構最近能力者になったばかりだ。

それと医術を教えてもらった"兄貴分"とは別の、幼少期からの"兄弟分"がいたみたい、これも詳しくはわからないけれど、大分扱いに苦労していたよう。パンクハザードの件は、その"彼"から聞いたそうで、船を降りた後も関係は良好みたいね。

 

趣味はバードウォッチングに撮影と油絵…それと、"旅"。そのついでに写真を出版社に売り込んで生活費を稼いでいる。絵は彼にねだって目の前で少し描いてもらったりしたけれど動植物は得意でも人間は苦手みたい。

 

戦闘に関しては大して分かることはない。

(きた)え上げられてはいるけれど、"覇気"を扱えるのかどうかだって分からないし。けれど、武器は所持してるのは見た…一本だけ、年季の入った、刃に幅のあるまるで"風切り羽"みたいな刀剣。…普段の立ち振る舞いからでも感じ取れる限りでは少なくとも、弱くはないのでしょうね。とは言え()()()()()()()。"トリトリ"とは追いかけっこは相性が悪いから最悪の場合、物言わぬ()()になってもらうことになる。

…けれども彼と争う気なんて私もないから、戦闘面に関しては重要ではない。

 

何より注意するべきことは、"勘"の良さ。

 

彼には人間関係に関しては大雑把なところがあるおかげで見逃されている節はあるけれど、私がかなり自然に振る舞ってるつもりでも下心から()びたりお世辞を言ったりすれば眉間に少し、皺がよる。そういった時はあしらわれるのがほとんどだから、もうあんまりしない方がいいわね。叩き出されちゃう。

―――こちらもまた、観察されている。

それはメンタルケアの一貫でもあるのだろうけれど、それがまた厄介。患者でなければ、こうはならなかったのかも。

 

「…いや、やはりまだ数日はダメだ。俺が抱えて飛ぶからこそ、不安だ。俺は俺を信用していない」

「船は出せないの?」

「海王類がいるのに俺が出すと思うか?」

「思わないわ。これ以上あなたを困らせるのもダメね…諦めるとするわ」

「あぁ、悪いな」

 

どこか、違和感。

 

私の安全を第一に考えてくれるのはいいけれど、それとは違う頑なさを今のルートからは感じる。…経験上、人が隠し事をする時にはいくつかパターンがあって、彼の場合は医者という"立場"を利用した嘘、それの匂いがする。

 

 

―――何を知っているのかしら。

 

 

ピースは揃いつつある。そして、()()による漠然(ばくぜん)とした"不安"。

 

知りたいはずなのに、知るべきではない。

そんな不安。

 

この島以外に行くことを許してくれないことはまだわかる。

私の手の届くところに"電伝虫"はなく、こっそりと家の中を歩き回っても見つけられなかったのは不自然。

ここだと凪の海域(カームベルト)が近すぎてニュースクーが滅多に来ないから、という理由で新聞すら見てない。

時事的な話題にしても、聞いても彼は答えてはくれるけれど、北の"アヴァケア島"で聞いたらしい主婦が世間話に使うようなつまらないスクープの話ばかり。

"家族"に連絡を取りたい旨を伝えてみたけれど、少しだけ申し訳なさそうな顔をしつつも、許してくれない。

 

遮断された情報、私はこれは最初、正体を知られたことによる"隔離"だと訝しんだ。シーザーの元にいた"ジョーカー"の手の人間と聞けば、頭の悪いやつらであれば手を伸ばしかねない。…けれども、私はルートが悪意を持って"これ"をしているようには思えなかった。

やはりというか、"善意"。つまるところ私のため。

 

私が知るとよくないことが、起こっている?

 

考え、過ぎかしら。

 

その時、ドアがノックされた。珍しく慌てたような、小刻みな彼のノック。

間髪入れずにドア越しにルートが話し始める。

 

『モネ!悪い、チューイの食糧がどうにも今日は釣れない。雨季前の非常食も切れてるから、ちょっと"アヴァケア"まで買い出しに行ってくる』

「あら?それは大変…いってらっしゃい、気をつけて」

『ああ…おいチューイ、足を噛むな』

『グルルルルルルル…!』

『わかったわかった、お前もついて来いよ。島についたらすぐたらふく食わせてやるからな』

『グリャァ!』

『少しは落ち着け』

 

慌ただしく去って行く彼らに思わずクスりと笑ってしまう。それと同時に、頭は切り替えられ、まだまだ重い体を起き上がらせる。

 

静かに歩み寄った窓から見えたのは、曇り空の中で一人と一匹が高く飛び上がって小さくなっていく様子。急いでいるようだが、片道はどんなに早くとも10分はかかると聞いている。往復20分に、滞在時間は少なく見積もってもさらに20分。それだけあれば十分。

 

「うふふ。今日は収穫があるといいのだけれど」

 

 

宝探し(情報収集)の始まりだ。

 

 

既にルートの私室以外はあらかた調べ終えてる。その私室も、軽くであれば見て回っていた。今日はもう少し探っていきたいところ。

…プライベートの侵害だろうけれど、何も彼と敵対しようって話ではない。ただ、結局は互いに腹の中を見せ合ってない仲、言わないのであれば知っておくことに越したことはないし、それが分からなかったとしても、最低限、ルートが私に隠していることは知っておきたい。

 

正直、焦りがないと言えば嘘になる。

 

パンクハザードを離れて(ルートの言う私の昏睡(こんすい)期間を信じるならば)二週間。この間に、生きているならばローと麦わら海賊団は既に動いているはず。であるならば、どういった結果にせよ、"世界経済新聞社"がそのニュースを掴んでいるだろう。私に今できることはないにしろ、知っておきたい。

…そう、知っておきたい、妹や、ファミリーの、"若様"の無事を…

 

 

キリキリリリリ…

 

 

少し立て付けの悪くなったドアを開け、ルートの私室へと入り込む。鍵はかかっていない。

彼の私室は"書斎(しょさい)"という表現が似合うだろう。壁一面の本棚に、鳥類の図鑑や写真集、古い新聞の束から私にも貸してくれた娯楽小説まで様々で、それらが綺麗に分類され、並べられている。

時折本棚の空いているスペースに写真立てか飾られている。私の今の身長(227㎝)でも手の届きづらい棚の空きスペースにも埃は積もっていないところに、彼らしさを感じた。

 

新聞は真っ先に調べた。

どれも私が来た頃の日付から途切れており、やはり意図的にここに置いていないと推測できる。

どこかに、あるはず。

 

翼で器用に素早く棚を引き出し、確認して行くも、目当てのものは見当たらない。

そこまで数は多くはない、数分もしないうちに全て見終わってしまった。

 

「…ハズレ、かしら…?」

 

痕跡(こんせき)を残さないように調べるのは神経をすり減らす。普段は何ともない行動すらも、まだ病み上がりの身体には負担が大きい。少し早くなった動悸(どうき)を感じながら、見落としがないか調べて行く。

 

…ルートの言っていたことが本当の可能性も十分あり得た。

本当に最近は新聞をとっておらず、何度か"アヴァケア島"へと買い出しに行った時に耳に入れたという世間話が彼の知っている全て。特に取り立てる事件もなく、海は荒れずに平穏そのもの。私はここで傷を癒やし、そしてドレスローザへと帰る。

久しぶりの帰郷に、シュガーが抱きしめてくれるのだ。そうしたらこの暖かな羽で包んでしまおう、きっと驚く。それとも、この姿になったことを悲しむ?

 

 

―――馬鹿ね…

 

 

パンクハザードがどうなったのかは未だに知らない。

「ローも、麦わら海賊団も全滅した」なんて事だって確かにあり得る。けれど、ああけれども、私は薄々気がついてる。

 

ルートの口ぶりから、少なくともローが健在だという事に。

 

 

『――――――しかしトラファルガー・ロー…オペオペの実か。随分とケッタイなことをする能力だ…()()()()()()戻せるもんなのか…?』

 

 

死んでいたのなら、あんな言い方はしないでしょう?

復讐に取り憑かれているらしい彼は、必ずコトを起こす。その執念の片鱗は、あのパンクハザードで確かに感じ取った。何も起こらないということは最早あり得ないと、私は確信している。

 

 

…カタリ

 

 

「…!」

 

 

壁を背にした書棚の側面、目では確認できない、指が入る程度の僅かな隙間。

そこにある突起物…おそらくスイッチ。

 

 

「…意外とロマンチスト?」

 

 

と言うより前の家主が残した仕掛けか。一瞬の逡巡(しゅんじゅん)、しかしそれも瞬きの間であり素早くスイッチを押し込む。

 

私室中央の古びた木製デスクとその背後にある水平線の先まで続く風景を大きく切り取った借景窓(しゃっけいまど)との間、床板が持ち上がっているではないか。デスクをずらし、床板を引き上げれば幅は600、奥行きは900mmほどの入り口が現れた。"地下室"だ。サイズからしてやはり前家主が作ったものだろう。これじゃあ2メートル近い体躯を持つルートだとやや狭い。私にはもっと狭い。

 

「………」

 

また次の機会にするべきか。

 

まだすぐには彼も戻ってこないとは思うが、万が一がある。欲張れば身を滅ぼす。

 

けれど…

 

やっぱり…

 

 

 

――――――地下へと降り、扉を開けた頃にはやや息が上がっていた。階段はまだ疲れる。特に、こうまで狭く段が高いタイプだと尚更に。

額の汗を拭い、固形燃料で燃える小さなランプを地面に置いて上の彼の私室程度の広さしかない部屋を見回す。ここは資料室といった造りで、奥行きのある一転して風情もないような木製の棚が並んでいる。古いパピルス紙が丸められた束が幾つも横たわって安置されており、一枚だけ広げてみればルートの字体ではない非常に達筆な文章や、鳥の簡単なスケッチがそこにはあった。

 

「ルートの言っていた南の海(サウスブルー)の鳥類学者の私物ね」

 

あるのはそれだけだ。正直、是非とも丸一日中これらを拝見させて欲しいところだけれど、今は時間もない。ここを見つけられただけでも収穫はあったのだから、今日はもう戻ろう。

 

 

だからこれは偶然だった。

 

 

「………ちょっと秘密主義が過ぎるわね、名も知らない鳥類学者さん?」

 

引き返そうとしたその時、部屋の隅、壁の一部に周りとは色が違う箇所を見つけてしまった。よく見なければ分からないぐらいだが、私が見逃すようなものでもない、おそらく、経年劣化で色の違いが出たのを誰も直さなかったのだろう。とは言えスイッチは見つけていない。探す時間も惜しいので一か八か、こっそりルートから拝借した油絵用のペンティングナイフを取り出す。

 

厚さ0.3ミリの薄い金属板は隠し戸と壁の細い隙間に入り込み、それを形に沿って上から下へと動かす…すると、途中でナイフはつっかえ止まった。これこそが扉が外れないようにロックしている金具だろう。

 

「古い仕掛け戸ならば構造は単純…だといいけれど、どうかしら」

 

ナイフを一度抜き取り、今度は下から(すく)い上げるように動かす。

やや錆びているのか抵抗はあったけれど、読み通り扉の裏から引っ掛けているロックはとても単純なもの。戸を開け、裏を見ればやはりそうだ、かんぬきのような形で簡単に抑え込んでいるだけのものだった。これまた幸運だったのはスライド式ではなく回転式だったことだ。スライド式であれば、このナイフではどうしようもなかった。

 

今日はついている。

 

自分の仕事に達成感を覚えつつ、戸の中の暗闇を覗き込んだ。

 

 

 

キリリ…

 

 

 

どこかで張り詰める、細い糸の音がした気がした。

 

 

 

 

――――――あった…!

 

古い隠し戸には似合わない、真新しい新聞だ。

やはり今日はついている。その筈なのに、目当てのものを見つけた筈なのに、「見つけてしまった」そういった感情が頭を支配した。

 

漠然と感じていた不安はここに来て明確に形を成し、疲れからか、それとも興奮からか早くなった鼓動を打ち鳴らす心臓を、キリキリと握りしめる。

 

 

 

新聞を、私自身が気づかないぐらいに震える翼で取ったならば。

呼吸は荒れ、瞳孔は開き、握りしめた新聞がくしゃりと音を立てた。

 

 

 

 

 

『ドンキホーテファミリー陥落』

 

 

 

 

 

「                     え?」

 

 

 

 

 

『愛と情熱と妖精の国、ドレスローザの元国王、リク王家の復権』

 

『麦わら大船団の誕生』

 

『ドンキホーテ・ドフラミンゴ、王下七武海の称号剥奪と共にインペルダウンへ連行』

 

『麦わらのルフィ、懸賞金5億ベリー』

 

 

 

「シュガー?若、様?」

 

 

 

キリリリ、キリリリリリリ…

 

 

 

『記憶の空白があるのは精神的なショック可能性が高い』

『…私がトラウマを覚えるような出来事があったということ?』

『あくまで可能性だ。原因はわからん…それはきっと、いいもんでないとは、思うがね』

 

 

 

 

キリリ、リ

 

 

 

 

『聞くがお前、絶対に人   噛まねェと 保証  "猛獣"に 会ったことはあるか…?』

『…あなたの…     負けです…!!』

 

『……ジョーカー聞こえ…ますか   こちら……モネ……!!』

 

『若造どもを消    おきたい』

『はじ からそのつもりよ』

『全てを道連れに……死   くれ……!!!』

『了解、" 様"』

 

『さよな 若様』

 

『あ たこそが』

 

『"海賊王"になる男…!!!』

 

 

 

キリリリ…

 

 

 

体の内側を    えぐりだされるような鋭い   痛み

 

 

 

『……モネ』

『…何か    のか、応答  ろ……!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁあっ……ッ…!?」

 

 

胸が、心臓が、切り裂かれる。えぐって、まだ振り上げては振り下ろして。

白黒と明点する視界から、押し潰されたような真っ暗が覆いかぶさる。ランプの火が消えたことにも気が付かずに。

 

 

刃が迫る。頬を切り裂かれる。

刃が迫る。私を真っ二つにする。

刃が迫る。私の背中を切り裂く。

刃が迫る。私の心臓を突き刺す。

刃が迫る。くらやみがわたしをつつみこむ。

 

 

 

暗闇が、暗闇が、瓦礫の中の真っ暗な暗闇が迫る。

 

 

 

少年は鳥かごの中の小鳥をまるで子どものようにかわいがっていました

いい子だね、いい子だね

かわいいね、かわいいね

おねぇちゃん、くらいよ、こわいよ

鳥かごの中で、それはそれは大事にそだてられていました

しかし小鳥はある日、どうしても鳥かごの外の大空を飛びたいといいます

しゅがー、きっと大丈夫

少年はそれを許しません、こんなに可愛がってあげているのに、なんてことをいうんだ、と

だいじょうぶ、このことりのように、きっと

小鳥はそれきり外に出たいとはいいませんでしたが、まいにち自分がおおぞらの中を飛ぶ"夢"を見るようになります

だいじょうぶ

小鳥はもう一度だけ、少年におねがいします。どうか一度だけでいいからそとにだしてほしい、と

だいじょうぶ

いじっぱりな少年はそれでもダメだとききませんでした

だい、じょうぶ

それからタイヨウがごかいのぼってしずんだよるに

 

だ   いじょ   う   ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つよい光が外をてらします

 

 

 

 

 

「モネ…ッ!?」

「クルルルルルルルル!」

 

 

 

 

 

さっきしずんだばかりのタイヨウがのぼったのかと、ことりはおどろきました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 














ルートはモネが明確にどこに属しているかはわかっていないものの、なんとなく勘づいていました。
とてつもなく今更なのですが、モネとシュガーの過去、それに関係するドフラミンゴファミリーの話を捏造しております(他にもありますがそれはまた今度)。ブラウザバックするなら受けて立つぜ気をつけて帰れよ。
次話は明日には投稿できないかもです。
ちょっとしたものでも感想、お待ちしております。


■ルート
サッパリしているモネのことは気に入っている。だが大きな"爆弾"を抱えているという危惧があった。
そしてそれは正しかった。
モネが色々物色しているのは気がついていないが、そう言うことしてるかもなーぐらいには考えてる。地下室発見は想定外。


■モネ
話の序盤から自分の任務失敗は想定していはいた。
けれども高い忠誠心は時に盲目的に物事を見えなくさせる。誰もいなくなるなんて、そんな"最悪"の考えはしないようにしていた。
忘れていたものは本当にそれだけだったのだろうか?

ユキユキ能力を情報収集に使わないのは少しでも痕跡を残さないため。
そう言ったプロフェッショナルでいて欲しい作者である。


■チューイ
餌の中には釣り上げた海獣も多分に含んでいる。
ルートは意外に稼いでいるので食費に困ることはない。しかし"患者"には優しいだけなので、傷が治れば厳しい飛行訓練が待っている予定。


■『夜の中の小鳥』
北の海(ノースブルー)の童話の一つ。

可愛がられてはいるけれど出してもらえない。
自由になりたいけど、もう言えない。
照らす光は戦争の暗喩か?
カゴから飛び立つ小鳥は少年を振り向きもしない。
少年はどこに行った?
自由なのに飛ぶ先は夜なのは何故か?

これもまた一つの闇のある話、指し示す"自由"は死だとも言われていた。
反面、これは"愛"を履き違えるなとの"教訓"だと評価されてもいる。与えた愛には振り向かれず、やがて天からの光に裁かれる。そうしてカゴの中の鳥は自らの手の中に残ることはない。そういう、警告なのだと。

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