手軽に楽しめる作品を掲げているのに、こんな分かりにくくて雰囲気だけの文をあげてごめんなさい!衝動的に書いちゃったんです!
割とシリアス?
あとキャラがブレてるように感じるかもしれませんが、そこは二面性という解釈でお願いします。
サラは艦娘です。
良い鎮守府に着任し、仲間達と出会い、つつがなく日々を暮らしています。とても恵まれた環境です。
しかしサラには、どうしても取れない胸のつかえがありました。
もしも、もしも役に立てなかったら。
またThe Pond Lilyなんて呼ばれてしまうかもしれない。
役に立てたとして……今度は解体されてしまうかもしれない。
ええ、わかっています。
考え過ぎで、気にしすぎだって事。
けれど1度意識してしまうと気になってしまうもの。
それはサラの胸に残り、じくじくと痛んでいました。
鎮守府から少し離れた海岸
空襲で大半が崩れ去った防波堤
そこに彼は腰掛けていた
「ホサ!提督が呼んでましたよ!」
大きめの声で叫んでみるものの、聞こえていない様子。
ーー仕方ないわね。
崩れた灰色のブロックを足場に、彼のいる場所まで足を運ぶ。
「提督がお呼びですよ?端末は非通知にするなって怒ってました」
伝言を頼む提督の、怒りと呆れが混じった顔を思い出す。
今のサラの位置はホサの斜め後ろ、これなら聞こえるでしょう?
ゆっくりとこちらに視線を向ける彼。
その口には茶色い棒が咥えられていた。
「驚いたわ。ホサ、貴方smokerだったのね」
「まあねぇ……嫌いだけど」
嫌いならどうして……?
そんな疑問は、口を出ず飲み込まれました。
コンクリートに腰掛けた彼。いつもは頼りになるその姿が、何故か今は……彼の吸っている煙草の灰の様に、とても脆く見えてしまったから。
「BAR、開くんですってね」
そんな背中をされたら、聞きたくても聞けないじゃないですか。
ちいさなため息とと共に、彼の隣に腰を下ろす。
そうすれば、彼の見ているモノをサラも見られるんじゃないか。
なんて淡い期待を持ちながら。
彼が海の先に見るナニカ。それに触れるのを諦めた私は、2人の見る景色に話題を移しました。
「あ〜、まあねぇ……あんな気合いの入ったお膳立てされちゃ、しない訳にはいかないよ」
気の抜けた声と共に白煙が紡ぎ出される。甘いメープルシロップの香りが鼻をくすぐった。
トントン
慣れたような、それでいてぎこちないような。
チグハグな手つきで携帯灰皿に灰を落とし、また咥える。
煙でくすんでよく見えないその表情に、私は目を細めました。
「あんまり私の側に居ない方がいいよ。副流煙は毒だ」
「あら、それを言うなら煙草自体が毒でしょう?」
「違いない。なら尚更君には吸わせられないな」
「その言葉そのままお返しするわ」
ぽんぽんとキャッチボールのように、子気味の良いテンポの応酬が続く。
中身のない会話ばかりが弾む。
じわりじわりと灰色が侵食してゆく。
表情は依然として霞んでよく見えません。
「……で、確か提督殿直々に召集がかかってるんだっけ……全く、もう少しゆっくりさせてくれないもんかね」
「仕方ないわ、何せ大規模作戦前ですもの」
大本営の調査により深海棲艦の大規模侵攻が予想された。
やっと出番が来たと張り切る人、初めての作戦に怯える人、編成を外れ不満を募らせる人。
鎮守府は、どこもかしこも落ち着かない雰囲気に包まれている。
今回はサラも出撃の編成に入っているし、そろそろ気を引き締めなきゃいけないかしらね……。
「…………そりゃそうか……」
吸える部分が数センチは残った煙草。まだ白煙を上げるそれを、彼は灰皿に優しく叩きつけた。
「ごめんね。態々ここまで呼びに来させてしまって」
「いいのよ。非番でヒマだったから」
これは半分建前、もう半分は……何故常に『誰か』の為に行動できるのか興味があったから。
なんとなくだけれど、彼ならサラのモヤモヤを理解してくれる様な気がして。
手を灰皿ごとポケットにねじ込み、ゆったりと立ち上がる彼。
「一緒に帰るかい?」
「……そうね、サラはもう少しここにいる事にするわ」
いつの間にか肩にいた妖精さん達が、こちらを見つめていた。
言いたい事がある、そんな雰囲気だった。
「そっか……崩れてるし、滑りやすい場所も多いから気をつけてね」
ぽん
彼は私の肩に優しく手を置き、崩れたコンクリートの上を軽やかに跳ねて行った。
すれ違う瞬間、今まで塗りつぶされていた彼の匂いがした。彼の部屋と同じ、どこか懐かしく落ち着くような匂いが。
……結局、分からなかったわね。
私は振り返って彼を見つめていたが、彼が私を振り返る事は無かった。
結局最後まで、彼の表情をちゃんと見ることは出来なかった。
サラには業務や上下関係が無い時は敬語を外して欲しいという筆者の願望。
続きます、ちゃんと