あんてぃりーねのゆぐどらしる☆だい☆ぼう☆けん☆ ~泣き虫が伝説になるまで~   作:だいだろすちひろ

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 前回のあらすじ

 アンティリーネ達は鉱山の防衛に成功した!


魔法を勉強しよう!

 

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

 ナザリック地下大墳墓

  第十階層”玉座”

 

 ギルド長―――魔王モモンガが座す玉座の間がある階層であり、この難攻不落の魔王城の最深部に位置する階層だ。

 

 この階層に存在する施設はそれ程多くはない、大抵の大型の施設は全て、第九階層のロイヤルスイートに詰め込まれているからだ。

 

 じゃあ玉座しかないの?と聞かれれば、そう言う訳でも無い、先程それ程多くもないと言った様に、多少の施設は設置されている。

 

 この階層に存在する数少ない施設の中に最古図書館(アッシュールバニパル)と言う名の施設がある。簡単に言えば”図書館”だ。それも特別大きい。

 

 様々な本が種類ごとに収納されている図書館の部屋内で、ぶつぶつ独り言を呟きながら、本を閲覧している人影があった。

 

 図書館内の区間は”魔導書”の区間だ。

 

 ぶつぶつと独り言を呟きながら、アンティリーネことリーネが、何やら魔導書を図書館内で漁っていた。

 

 「んもぉう…なんで私がここまでしてあげなきゃいけないのよ。あの馬鹿、折角魔法使えるんだから、もう少しそっち方面も鍛えろってのよ。」

 

 ぶつぶつ言いながらも、魔導書を漁る手は止めない。丁度今、”第五位階”の魔導書に手を付けている所だ。

 

 最古図書館(アッシュールバニパル)の魔導書は全てきちんと整頓されており、位階や種類までもが別けて収納されている。

 

 第五位階の魔導書―――”冷気”系統、”炎”系統、”風”系統の三種類の魔導書を、何やら吟味しながら、四~五冊程手に取っていった。

 

 手に取った炎系統の魔導書を一冊開いて見る。その中には、びっしりと文字が詰められ、その魔法による効果や、原点などが難しい言葉を用いて記されていた。

 

 パラパラと魔導書を捲っていたリーネが、やがて、ポンっと魔導書を閉じていった。

 

 そして、なるほどなと言う様な雰囲気を出していく。

 

 「う~ん、なるほど、分からん。」

 

 どうやら理解できなかった様だ。

 

 実際難しい内容なので、魔法に対する知識もなければ興味もないリーネには分からないだろう。いや、分かろうとすらしないだろう。効果や範囲を知っておけばいいのだ。自分は前衛職なのだから。

 

 少し間を置き、またぶつぶつ独り言を呟きだしたリーネが、次は第六位階の魔導書に手を出す。そこからまた吟味し、四~五冊程手に取っていく。

 

 第六位階、第七位階、第八位階―――それぞれの位階から吟味した本を手に取っていき、第九位階に進んだ辺りで、ピタリと手が止まっていく。

 

 「…もうこれぐらいでいいかな。第九位階なんて絶対いらないよね、八位階でも過剰な気がするし…。」

 

 そう言いながら、伸ばしていった手を戻していく。

 

 リーネは後ろを振り向く。そこには、図書館のテーブルに、山の様に積まれた魔法書が見える。

 

 ちょっと多すぎたかなと思う。色々と考えながら漁っていると、あれもこれもとつい手が伸びてしまう。しかし、それもしょうがない事だと、自分を納得させていく。ユグドラシルにいる以上は、魔法の対策は必須だ。つまり効果なんかは大抵知っているという事になる。よさそうな魔法を見つけたら手に取ってしまうのは致し方無い事なのだ。

 

 なにやら満足げに頷いた後に、コンソールを開き、少し弄っていく。

 

 するとすぐに、五体のアンデッド達がリーネの元までやって来た。

 

 五体のアンデッド”死の支配者(オーバーロード)”である―――

 

 ”コッケイウス”

 ”ウルピウス”

 ”アエリウス”

 ”フルウィウス”

 ”アウレリウス”

 

 ―――の五体の図書館の使用人が、テーブルに置かれた山の様に積まれた魔法書を、運んでいく。

 

 本を運んでいく先は勿論―――司書長の所だ。

 

 「”じいじ”これ持ってくから、()()頼むね。」

 

 じいじと呼ばれた司書長―――骸骨の魔法使い(スケルトンメイジ)

 ――ティトゥス・アンナエウス・セクンドゥス――

 

 司書長と言う名の役職を貰っているNPCへと大量の魔導書を渡していく。

 

 当然ながら、ティトゥスからは返事はない。コンソールから命令を下されたティトゥスが、てきぱきと魔導書の複製を始めていく。

 

 程なくして複製は終わった。複製の終わった本は、五体の死の支配者(オーバーロード)の使用人が元の位置まで収納して行っているのが見える。

 

 「トゥス!」 

 

 ティトゥスに対し、何やら謎のポーズを取りながら、リーネが変な言葉を投げ付けていく。用事の済んだリーネが最古図書館(アッシュールバニパル)を後にしようとした際に、ふと思う。

 

 これ読めるのかと。

 

 「眼鏡持っていった方がいいかな?確か沢山あったよね。」

 

 ”見通す眼鏡”と、手に持つメモ帳に書き込んで行ったリーネが、最古図書館(アッシュールバニパル)を後にしていった。

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

 アゼルリシア山脈の頂付近。ここは”オラサーダルク”の縄張りであり、山脈のほとんどの生物が恐れて近づく事はない。

 

 フロスト・ジャイアントも―――フロスト・ドラゴンであってもだ。

 

 そんな山脈の生物たちが恐れおののく禁域に、当然の如く、リーネの姿があった。

 

 「ほらほら、沢山持ってきてあげたから、た~んと見なさい。」

 

 何やら得意げに胸を張っているリーネの目の前には、純白の鱗をその身に宿した存在、フロスト・ドラゴンのオラサーダルクの姿があった。

 

 オラサーダルクの顔には、ちょこんと可愛く眼鏡が掛けられている。

 

 これは”見通す眼鏡”と言い、ダンジョンなどで汚れて見えない文字や、ユグドラシル運営が作成した訳の分からない文字―――通称”糞運営語”を解読したりする際に使用していく。

 

 隠し要素を発見するには、様々な文字を読み取り、考察していく他ない。レアリティはそれ程高くはないが、意外と重要なアイテムの一つだ。

 

 フレーバーテキストにも”全ての文字を読み解く”と書いてある所から、これなら日本語が読めるんじゃね?と、オラサーダルクの為にわざわざリーネが持ってきてあげたのだ。

 

 魔導書を読み解くオラサーダルクの表情が、少しづつ険しい物になっていく。

 

 「…うぅむ。」

 

 「お!どうどう?やる気出た?」

 

 「何だこれは…訳が分からん。」

 

 ずごーっとリーネがズッコケていく。

 

 何やら険しい表情をしていたが、お前理解してないんかーいと言った風だ。

 

 ズッコケていったリーネを見下ろしながら、オラサーダルクは口を開く。

 

 「もういい…魔法などに頼らなくても、俺は強い。」

 

 「なによう、使えるなら使った方が良いに決まってんじゃない。そんだけ幅が広がるでしょうが。」

 

 身振り手振りで、オラサーダルクに魔法の有用性を説明していく。

 

 ドラゴンは強い。何も鍛えたりせずとも、強靭な肉体を持ち、あまつさえ、魔法まで習得して行ってしまうからだ。

 

 この世界に置いて、魔法の習得難易度は恐ろしく高い。ユグドラシルの様に、LV上がりました、ピポパポパと言う訳にはいかないのだ。

 

 豊富な才能を持ち、勤勉な座学に勤しみ、偉大な師に出会う。

 

 それぐらいでなくては、まともに第三位階すらも習得できない程の高難易度になっている。

 

 強い戦士の冒険者よりも、少し劣った魔法詠唱者の方が重宝される位には、魔法詠唱者の需要は高い。

 

 噂によれば、周辺国家の”バハルス帝国”に、周辺国家最強と呼ばれる程の化け物魔法詠唱者がいると聞く。

 

 バハルス帝国はその魔法詠唱者が師となりて、国家規模で魔法の研究を行いだしたと、ここ最近母が言っていた。その研究で魔法が発展して行けば、近い将来、帝国は大きく化けるだろう。そうあの母に言わせる程である。

 

 なんかその後に、王国は糞ねとか言っていた気がする。ナズルおばちゃんも、王国貴族は魔法を軽んじておりますからね、ゴミです。とか言ってたな。

 

 ゴミにクソ、なるほど、王国はユグドラシル運営だったのかとか、どうでも良い事を考えたのをよく覚えている。

 

 この様に、才能に恵まれた者でも、環境によっては開花する事が出来ず、埋もれてしまう。そんな貴重な魔法という物を、なんの努力もせずに、習得していくドラゴンは正に強者と言えるだろう。

 

 だからこそ―――軽んじるのかもしれない。

 

 「だからぁ!魔法は重要なの!ブラフも奇策も、魔法があるのとないのじゃ雲泥の差なの!」

 

 「ぶらふ…きさく?なんだそれは?訳の分からん事を言うな、ブレスを吐いた方が強かろう。」

 

 「強いとか強くないとかそんな問題じゃないのよ!()()()()()よ!幅が広がるって言ってんでしょうが!!」

 

 「幅?幅なら既に広いぞ。殴る、蹴る、噛みつく、翼を打ち付ける、尻尾を叩きつける、体ごとぶつかる。」

 

 「ムキィィィ!!全部物理じゃん!」

 

 ああ言えばこう言う相手に対し、次第にヒートアップしていく。

 

 はぁ、と一つ溜息を吐いたオラサーダルクが、その手に持っていた魔導書を、リーネの目の前に投げ捨てていく。

 

 ついでに掛けていた眼鏡も。

 

 「あぁぁぁ!何すんのよ!?」

 

 「もういい、分からん。そこまで言うならお前が俺に教えたらどうだ。まさか、自分が理解できていない事を、他人に理解しろと強要していく訳ではあるまい?」

 

 ぐぬぬぬ。正論を吐かれたリーネが押し黙る。その姿を見つめたオラサーダルクがにたりと笑う。悪い笑みだ。魔法の効果や有用性は分かってはいるが、なぜその魔法が発動できるのか、どうやったら習得できるのかなどの繊細な部分はリーネが理解できてはいない事を感づいているからだ。

 

 くつくつオラサーダルクが笑う。憎たらしい笑いだ。やはりこいつは非常に頭が切れる。その頭を悪知恵に使わず、魔法に対して向けていけば、恐らくはすぐに習得が出来るだろうに。

 

 「ぬぬぬ!な、投げつけなくたっていいじゃない!」

 

 「お?どうした、論点がずれたな、お次は感情で物を言うのか?おぉおぉ、怖い怖い。」

 

 嫌みったらしい物言いと共に、オラサーダルクはまたにたりと笑う。

 

 「んきゃぁぁぁ!もういい!ダルクの馬鹿ぁぁぁ!おたんこなすぅぅぅ!」

 

 投げ捨てられた魔導書と眼鏡を拾っていったリーネが喚き散らかしながら、転移アイテムを起動させようとする。ここからおさらばしようとしているからだ。

 

 「ん?帰るのか?アオはまだ帰って来ておらんぞ。」

 

 「うっさい!また今度来るからって言っといて!」

 

 「そうか。」

 

 顔を真っ赤にしながら、怒ったリーネがオラサーダルクに怒鳴る。そして転移アイテムを起動させ、瞬時に姿を消していった。

 

 「…やれやれだ…ん?」

 

 リーネが転移で姿を消してすぐに。自らの縄張りに入ってくる存在の気配を瞬時に感じ取っていく。

 

 ドラゴンの感覚は鋭敏だ、だからこそ分かる。この気配は知っている気配だ。

 

 「お嬢、素晴らしいですよ、ともえ感動しました!」

 

 「このあけみ、感服の至り。」

 

 「こらこら、二人共、褒めすぎちゃ駄目だって。お嬢、もう少し上手くできたと思いますよ、詰めが甘かったですね。」

 

 三体の吸血鬼に守られながら、小ぶりなドラゴンが、口に大きな蛇を咥えて、のっしのっしとこちらまで歩いてくるのが見えた。

 

 小ぶりなドラゴン―――アオイが、口に咥えた大きな蛇を、オラサーダルクの目の前に優しく置いていく。

 

 この蛇は――”アゼルリシア・スネーク”――と呼ばれる大型の蛇で、その体内には猛毒を秘めている。

 

 「えへへへ、おじちゃん。アオね、ちゃんと自分だけで狩りできたよ。」

 

 「…そうか、偉いな。」

 

 オラサーダルクは目を細める。先程とは違う、優しい目だ。ドラゴンらしからぬ。

 

 そうしてアオを見つめていると。

 

 ―――くんくん、くんくん。

 

 アオが周辺の臭いを嗅ぎだした。母の臭いがするからだろう。

 

 「ママの臭いがする!」

 

 「あぁ、あいつはもう帰ったぞ。心配するな、また来ると言っていた。」

 

 しょんぼりするアオを見ていると、やはり会ってあげた方が良かったんじゃないかと思えてくる。

 

 あの馬鹿が。そう思っていた時、視界にある人物が映る。

 

 銀髪の吸血鬼―――魔法詠唱者のともえだ。

 

 オラサーダルクはともえに喋り掛けていく。

 

 「おい、ともえ。お前俺に魔法を教えろ。」

 

 ―――ピシリ。

 

 空間が軋むかのような感覚が周囲に吹き荒れる。

 

 「…あぁん?おい、ダルク…お前何様だ?教えろだ?言い方ってもんがあんよなぁ…殺すぞ。」

 

 「俺は俺だ、”俺様”だ。どうした、お前も使()()()()()か?」

 

 吹き荒れる殺気の嵐。その中にあって、アオは未だしょんぼりしている。まだこの殺気を感じ取れる程の感覚を有していないのか、はたまた、これがいつもの日常だからなのか。それは分からないが。

 

 「…言うねぇ…けどな、俺も”俺様”なんだよ…。その首掻っ切って―――」

 

 ―――ヒヤリ。

 

 吹き荒れる殺気をかき消すかのような、新しい殺気が周囲を覆う。

 

 先程の暴風雨の様な荒れ狂う様な殺気とはまた違った殺気だ。背筋が凍るかのような、切り伏せられるかの様な殺気。

 

 オラサ―ダルクの眉間がピクリと動いた後に、たまらずともえが目を見開き、振り向く。

 

 そこに居たのは―――あけみだ。

 

 「ともえ、少し黙れ。」

 

 「――~~~…う、うぅ…ごめんなさい、お姉ちゃん。」

 

 ともえがしゅんとしょぼくれたのと同時に、殺気はパッと消えていく。

 

 そこには、つい先ほどと同じような、のんびりとした空気があった。

 

 (たまらんな…。)

 

 先程の殺気は、自分と、目の前にいるともえだけに向けられて行った。その事実に、オラサーダルクは戦慄していく。

 

 あれ程の殺気を、()()()()()()()()()、萎縮させていく。

 

 ―――やはり()()()()()()だ。

 

 心の中にその言葉が浮かんできた。

 

 二年ほど前に初めて会った時は、コイツは()()()()()()()()()()。確かに強かったが、()()()()()、この様に、()()()()()()()など秘めてはいなかっただろう。

 

 ()()()()()()のだ、この二年で。

 

 しかし、強さが変わったかと言われれば、そうは思わない。持つ()()()()()()()()()()()()()()()様に思えた。

 

 上手く言葉には表せはしないが、言い知れぬ強さだけが増幅し、今尚膨れ上がっている。その様な感覚を覚えていく。

 

 (成長か…。)

 

 身近な者ですら、高みに昇っていく。置いて行かれる訳にはいかんなと思いながら、ふと思い出すのだ―――魔法と言う言葉を。

 

 (魔法か…くだらんな…でもまぁ、アイツが本当に俺に魔法の全てを伝える事が出来たなら…いや、()()()()()()()()()()()()()()()()()()―――)

 

 その時は、少し真面目に考えてやろう。

 

 オラサーダルクはそう思いながら、瞳を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 周辺国家に置ける大国家―――バハルス帝国。

 

 建国から百年、血で血を洗う様な周辺国家との戦。膨大な数の政と言う国家内での修羅場、国家の繁栄を信じ、築き上げてきた膨大な努力が、バハルス帝国を、周辺国家でも一際大きい大国家へと変貌を遂げさせていた。

 

 しかし、それも過去の話に成りつつある。

 

 国家の繁栄は民の安寧である。そう言葉を紡いだ初代皇帝はもう居はしない。頭が変われば考えも変わる。崇高な意志で形作られた繁栄と言う名の猛毒が、じわりじわりとバハルス帝国と言う生命を侵食してきている。

 

 人間と言う名の毒が、帝国貴族と言う名の猛毒が、国家を蝕み、頭脳である皇帝さえも毒牙に掛けつつあった。

 

 止まらぬ浪費()、止まらぬ堕落()、そして―――浸食を止める事の出来ぬ皇帝()

 

 ここは、そんな繁栄に陰りが見えて来た、バハルス帝国の首都―――帝都アーウィンタール。

 

 その中央にどっしりと構える豪華な、それでいて歴史を感じさせるかの様な居城の一室に複数の声が飛び交う。

 

 「その話は本当か?」

 

 「はい、間違いございません。」

 

 フム。顎に生える長く伸びた真っ白な髭を触りながら、一人の人物―――老人が、目の前に片膝を付く騎士風の男に相対している。

 

 老人はファサファサと、伸びた髭を触っていく。何かを考えているかの様な雰囲気だ。

 

 「死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)、それも”第四位階”を使用する程の固体か…。」

 

 「はい、その様に報告を受けております”パラダイン”様。」

 

 騎士風の男に”パラダイン”と呼ばれた老人が、またもや考える素振りを見せていく。

 

 ファサファサ―――髭を触る手は止まらない。

 

 この髭を触り続ける老人こそ、周辺国家では知らぬ者のいない、大魔法使い。

 

 ――”フールーダ・パラダイン”―― である。

 

 数年ほど前に、遂に魔法の極地”第六位階”にまで足を踏み込んだ、英雄の中の大英雄。

 

 大陸の歴史を紐解いても、この領域に踏み込んだ者は数える程しかいない。当然の如く、周辺国家には一人もいない。

 

 髭を触り続けるフールーダが厳かに口を開く。

 

 「フム…しかし解せぬな…()()()()()?」

 

 「それは…分かりかねますが、魔力が枯渇しているのではないでしょうか?最終的には戦闘体勢に入り、帝国第三軍の一分隊が半壊したとの情報を得ています。」

 

 死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)、生者を憎むアンデッドであり、魔法に精通する強大なアンデッドだ。

 

 第三位階までもを容易く扱い、また、その魔力量は絶大だ。同じ第三位階を習得している人間の魔法詠唱者とは比べるべくもない程の。

 

 たった一体でも、都市を陥落させる可能性さえ秘めた強大な存在である。そして、いま話題に上がっている個体は第四位階さえも使用すると言う、それすなわち、国家規模で警戒態勢を敷かなければならぬ程の脅威だ。

 

 「魔力の枯渇か…死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)を甘く見るでない。人間の様に簡単に枯渇する程の魔力量ではないのだ…それに、死者の大魔法使い(エルダー・リッチ)は頭も切れる。逃げる素振りを見せ、人間を()()()()()()()()()()()()()のだろう。()()()()()()()()()()()()()()()て。」

 

 騎士風の男の顔に理解が及んだのを見て、フールーダはこくりと頷く。

 

 そして、騎士風の男に伝えていく。

 

 「真実は分からんが、いずれにせよ、危険な存在じゃな…陛下もこの件は重く見るじゃろうて。陛下に報告し、すぐにでも儂自ら打って出るとしよう。」

 

 騎士風の男の表情が明るくなっていく。勝利を確信した、その様な表情にも見える。

 

 会話が終わり、フールーダは部屋を退出していく。

 

 皇帝陛下に報告に行く為に。

 

 

 

 

 

 

 




 
 あっちちあっち!もえてるんだろうか~!

 どうもちひろです(ΦωΦ)
 
 毎日毎日ひろみってますね…
 ちひろは少しバテ気味です…

 オバロ界の大妖怪ぺろぺろジジイこと古田のじいさんが遂に登場しました。
 古田のじいさんはいつ六位階に到達したんでしょうね?
 良く分かりませんのでもう到達してます。
 一応は最近到達したことになってます。
 なんか初代皇帝は民思いの凄い人みたいな描写をしましたが、実際はそんなに凄い人ではなかった様な記憶があります。
 ついでに古田のじいさんと昔の皇帝達は仲が悪かったみたいですよ。
 その設定だと動かしづらいので、この作品では別に仲は悪くはない事にしてます!ずるい!

 あけみの成長はレベルの成長ではありません。
 あけみ達はユグドラシルの理に縛られているのでレベルは上がりません。
 技術面、精神面での成長と、それに伴う強者の空気をダルクニキが感じ取ったみたいな、そんな感じです。
 
 バテ気味で中々打つ気が起きません…
 家に帰ったらバタンキューです…
 夏の間は無理せずゆっくり執筆していきます。

 それでは!シュバ!
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