あんてぃりーねのゆぐどらしる☆だい☆ぼう☆けん☆ ~泣き虫が伝説になるまで~   作:だいだろすちひろ

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 前回のあらすじ

 木原マサキが絡んでそうな計画がアインズ・ウール・ゴウンで進んでいた。


機械神計画(プロジェクト)

 

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

     『機械神計画(プロジェクト)・ダイゲンガー』

 

 

 

 

 

 『博士』こと『ガーネット』の立ち上げた『プロジェクト』である。

 『ヴァルキュリアの失墜』のアップデートに伴い、ユグドラシルのファンタジーな世界観の中に唐突にぶち込まれていった『機械』と言う名の『異質』。

 そして、ユグドラシルに『二百』しか存在しない究極のアイテム『世界級(ワールド)・アイテム』。

 世界一つに匹敵すると言われる程の究極のエネルギーを、機械と言う名の『依り代』に組み込み、『究極の兵器』を作りあげる。

 世界級(ワールド)と機械の融合、それが―――『機械神計画』。

 この計画で言う世界級(ワールド)とは、熱素石(カロリックストーン)である。

 数ある世界級(ワールド)・アイテムの中でも、この熱素石(カロリックストーン)の特徴は異質であった。

 熱素石(カロリックストーン)の特徴は―――素材。

 個として完成された能力を携えている他の世界級(ワールド)・アイテムとは違い、この熱素石(カロリックストーン)は『エネルギー源』であった。

 他のアイテムと組み合わせる事によって、様々な能力の付与や、爆発的な性能の向上が見込めた。

 当初は、『ギルド武器』に組み込み、究極の装備を作りあげようと言う案が上がっていたが、事態は急変した。

 そう、『ウロボロス事件』である。

 ギルドメンバーの少女はこう言った「生半可な物では駄目だ」と。

 ギルド武器は確かに強力である。

 しかし、その強力さに見合うだけの『リスク』も当然ながらある。

 破壊されればギルドは崩壊してしまう。そんな物を未知の戦場に持っていくなど言語道断であった。

 ギルド武器に熱素石(カロリックストーン)を組み込むと言う案は、この瞬間かき消され、凍結された。

 そこにすかさず案を割り込ませていったのが、博士こと―――ガーネットだ。

 博士は待っていた、この究極の素材を、ギルド長承認のもとに使用できる日が来るのを。

 この機を逃せば、チャンスはもう二度と巡っては来ないだろう。

 博士は熱く語った。機械の有用性を。

 世界級(ワールド)・アイテムは正しくユグドラシル最高峰のアイテムだ。

 そして、それに見合うだけの情報量―――容量もある。

 馬鹿げた容量を内蔵するには、器もそれ相応の馬鹿げた物でなくてはならない。

 だからこそのギルド武器であったのだが、機械なら、その器の条件を満たす事ができるからだ。

 組み合わせれば組み合わせる程に、内容できる容量は増えていく。

 世界級(ワールド)・アイテムを組み込む事ができるだけの依り代を準備する事ができる。

 仮に破壊されたとしても、ギルド崩壊と言う最悪の事態は回避できる。

 まぁ、その際に出る損失―――大量の高品質の金属や破壊された事による熱素石(カロリックストーン)の強奪――これが一番の損失――は確かに計り知れないが、それでもギルド崩壊に比べれば遥かに生易しいと言えるだろう。

 様々な利点を熱弁する事によって、ギルド長の承認を得た博士の作りあげた機械こそが、現在第四階層で猛威を振るっている、この『ダイゲンガー』である。

 紆余曲折を経て、博士は機械神計画(プロジェクト)を完遂させた―――かに思えたが。

 

 

 

 

 

 「…起動します。」

 

 あどけない少女の声―――それでいてどこか機械的な淡白な声が吐き出されたかと思えば、ルベドと名を冠した機械神は瞬時に空中へと浮かび上がった。

 

 ―――キュイン。

 

 ルベドの瞳―――『眼球型カメラ』の瞳孔が狭くなる。

 

 空中から悠々と地表を見下ろす。その視線の先には、ワラワラと集まる有象無象―――侵入者達の姿があった。

 

 「…対象を複数確認…本機はこれより戦闘を開始する。」

 

 ―――ルベドが動く。

 

 空中から一直線に侵入者達の集団へと飛来していく。その速度は尋常ではない。あの弐式炎雷に比肩する程だ。

 

 つまりはユグドラシル最高峰の速度という事になる。

 

 有象無象の侵入者達が、その様な速度に対応できる筈もなく、ゴンッと言う生々しい音が聞こえたかと思えば、一人吹き飛んでいく。

 

 そして当然、その音が一回で鳴り終わる訳もなく、一人、また一人と生々しい音と共に吹き飛ばされていく。

 

 

 

 

 

 紆余曲折を経て、博士は機械神計画(プロジェクト)を完遂させたかに思えた―――が、機械神計画(プロジェクト)は終わってはいなかった。

 計画は続いていた、真の機械神を作りあげる為に。

 『ダイゲンガー』という『プロトタイプ』を元に、無数のサンプルを博士は集めた。

 ダイゲンガーの様々な欠点を洗い出し、それを修正、改良していく事により、博士により作りあげられた、いや、アインズ・ウール・ゴウンが作りあげた『最高傑作』。

 ―――それが『ルベド』だ。

 ダイゲンガーと同じく、熱素石(カロリックストーン)を内蔵し、それを動力源として稼働する究極の起動兵器。

 タブラが新たな錬金方法を確立させた事により、ダイゲンガーと同量の素材を使用しているにもかかわらず、外装(フレーム)をコンパクトにする事に成功。そして当然ながら、内蔵できる容量もダイゲンガーとなんら遜色はなく、無理なく熱素石(カロリックストーン)を組み込む事に成功した。

 外装(フレーム)がコンパクトになった事により、ルベドはダイゲンガーとは違った方向性に進む事になる。

 強大な質量と圧倒的な破壊力で、全てを蹂躙するダイゲンガーとは違い、ルベドはその小ささを生かした方向性―――機動力に重きを置く。

 ダイゲンガーの戦闘サンプルを得た博士に浮かぶ一つの思い、それは、果たしてこれ程の破壊力は必要なのかと言う事だ。

 否―――必要ない。

 博士はそう判断した。

 ダイゲンガーの力は強すぎる。あの巨体からあれ程の破壊力を持った攻撃をめったやたらに繰り出せば、敵所か全てを破壊しつくしてしまうだろう。

 既に現状、四階層は半壊しかけている。そう、これこそが答えなのだ。無双と言えば聞こえはいいが、理不尽な力は否応なく自分達にも降りかかってくる。

 これ程の力は必要ない。

 カンストプレイヤーを殲滅できるだけの力があれば良いのだから。

 故に、力を抑えた。ルベドの攻撃スペックは、『ワールド・チャンピオン』と同等程度。

 それでいい。ワールド・チャンピオンの攻撃力があれば、カンストプレイヤーを葬るのに事足りているからだ。

 そして抑えた攻撃力の部分は機動力に振った。

 外装(フレーム)をコンパクトにした分、小回りが利くようになった。完全な人型にしたのもその為だ。より柔軟な動きが可能になり、汎用性を高めたコンパクト外装(フレーム)に弐式クラスの速度を搭載していく。

 ワールド・チャンピオンの攻撃力に加え、弐式の速度を持つ。

 そして―――

 

 

 

 

 

 

 

 「えい。」

 

 可愛い声と共に、ルベドが侵入者を殴りつける。しかし、その可愛い声とは裏腹に、途轍もない衝撃が侵入者を襲い、殴られた侵入者は吹き飛ばされていく。

 

 「えい。」

 

 お次は蹴りをお見舞いした。当然ながら、侵入者は吹き飛んで行く。

 

 「えい。えい。えい。」

 

 一人、二人、三人と吹き飛んで行く。

 

 素人が―――いや、幼い子供が喧嘩しているかの様な()()()()()が繰り出されていくが、全くという程侵入者達は対応できていない―――スペックが違い過ぎる。

 

 子供がポカポカ殴るような動作で、大量の侵入者達を次々と吹き飛ばしていくルベドであった―――が、当然ながら、侵入者達の中にはそれなりに強い者もいる。

 

 ポカポカ侵入者達を殴り飛ばしていたルベドの背中に衝撃が襲う。戦士風の男が、隙を付き、ルベドを斬りつけた。

 

 「――~~~!?か―――固い!!?」

 

 スキルを用いて強化した渾身の一撃―――が、ルベドはビクともしない。

 

 そして戦士風の男に絶望が襲い来る。

 

 ルベドの傷が、瞬時に回復した。

 

 「は!?はァァァ―――!?!?」

 

 「えい。」

 

 「―――!?ちぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 そして高い防御力。

 ルベドの防御力は、ダイゲンガーと同等である。

 同等の防御力に加え、ダイゲンガーと同じく熱素石(カロリックストーン)を原動力にしている為、『自動修復機能』までもを搭載されている。

 持ちたるHPもダイゲンガーと同じ。

 ダイゲンガーと同等のHP量、防御力、自動修復機能を持ち、ワールド・チャンピオンの攻撃力に加え、弐式の速度で動き回る。

 これだけでも、ダイゲンガーを上回っていると感じられるが、最も重要な所はそこではない。

 ルベドは―――『自立稼働型』なのである。

 ダイゲンガーとは事なり、ルベドは『AI』が搭載されている。

 それも最高峰の―――だ。

 『ゲンガー』という『操縦者』を必要とするダイゲンガーとは違い、ルベドは『個』で動く。

 ダイゲンガーの最大の弱点は、ゲンガーと言う操縦者がやられてしまった場合、稼働は停止し只の置物になってしまう。

 しかし、ルベドはAIを元に動くので、その最大の弱点はなくなった。

 ルベドを倒すには、ルベドの自己修復機能を上回る攻撃を連続で叩きこんでいくしかない。

 これこそが、『超高機動人型決戦兵器』たる所以―――だと思われるだろうが、そうではない。

 究極の兵器たる所以は―――アインズ・ウール・ゴウンの最高傑作たる所以は別にある。

 

 

 

 

 

 

 

 「ちぃ!!?」

 

 ルベドのパンチを、戦士風の男は剣で受ける―――が、威力は受け止められず、その他と同じように吹き飛んで行った。

 

 ―――キュイン。

 

 ルベドの眼球型カメラの瞳孔がまた小さくなった。

 

 ルベドの動きがしばし止まる。

 

 戦士風の男は、吹き飛ばされた先で急遽態勢を整える。やはりこの男、その他の有象無象共とは違い、それなりの腕を持つ者らしい。

 

 戦闘体勢を整えた戦士風の男が疑問を抱いた―――追撃がこない。

 

 好機と捉えた男は、先程と同じスキルを用いてルベドに斬りかかる。

 

 目の前のこの存在、確かに凄まじい強さだ。よもやプレイヤーなどが到達できる性能ではないだろう―――が、怖くはない。

 

 稚拙な動きに、単調な攻撃の数々。回避すらまともに取らない相手など恐怖足りえないからだ。

 

 付け入る隙は―――ある。

 

 そう思った。

 

 ()()()()()()だ―――が。

 

 ―――ガキン。

 

 「―――は?」

 

 間抜けな声が響き渡った。

 

 しかし、それもしょうがない事だと言えよう。

 

 男の渾身の一撃は、ルベドに受け止められた。

 

 剣を右腕の甲で受け止めたルベドを信じられないモノを見るかのような目で見つめる。

 

 瞬時に剣を受けとめたその動き―――素人の物ではなかった。

 

 明らかな練度がそこには感じられたからだ。

 

 ―――たん。

 

 沸き上がる恐怖に男は後方に飛び退いた。

 

 非常に綺麗な後退だ。仮に追撃がきたとしても、対処できる様に、そこまで考えて飛び退いたと分かる動作。

 

 ―――キュイン。

 

 飛び退いた先の男をルベドの眼球型カメラが捉えていく。身構える男が映し出される。その構えは―――戦士の構えだった。

 

 ―――たん。

 

 「―――!?!?」

 

 今度はルベドが後方に飛び退いた。

 

 男に戦慄が走る。

 

 今の動き―――素人のそれではない。

 

 自らと比較すれば、流石に練度は自分の方が上だと断言できる―――が、それでも、先程まで、只単に手足をブンブン振り回していただけのクソガキにできる様な動きではない。

 

 冷汗が噴き出るかのような感覚に男は襲われる。

 

 「Destroy(デストロイ)Tool(ツール)『Ⅶ』Coll(コール)Brande(ブランド)。」

 

 ルベドの右手付近の空間が歪み、一本の剣が出現する。

 

 神聖さを思わせる豪華な剣だ。

 

 「Destroy(デストロイ)Tool(ツール)Connect(コネクト)。」

 

 その剣は、ルベドの右手に接続され一体化していく。

 

 Coll(コール)Brande(ブランド)と一体化した右手で、ルベドが身構えた。

 

 「―――!?――~~~!?!?」

 

 二度目の衝撃が男を襲う。目の前の存在が身構えたその姿、それは正しく、戦士の姿だったからだ。

 

 

 

 

 

 

 究極の決戦兵器―――ルベド。

 ルベドが究極と言われる所以は、高いHPでも、それに付随する防御力と回復力でもない。

 アインズ・ウール・ゴウンの最高傑作たる所以は―――学習能力だ。

 ルベドはAIを搭載した機械である。それは先程も説明した。最高峰のAIを搭載したルベドは、個として自立稼働するに至っている。

 そして、その最高峰のAIは『学習』する。

 今のルベドは、この世に産み落とされたばかりの赤子に等しい。

 攻撃を繰り出すにしても、どう攻撃して良いかすら分からないのだ。

 稚拙な動きを繰り出すルベド―――が、ルベドは学習する。

 相対する相手の動きをトレースし、それを更に別の動きと比較し、優秀な動きを判断し、選別し自らの物にしていく。

 『たっち・みー』という男がいる。

 アインズ・ウール・ゴウン最強の戦士にして、ユグドラシル最強の戦士と呼び声高い男だ。

 何者も寄せ付けぬその強さは、まさにユグドラシルの帝王。

 機械神計画は、たっち・みーを越えるべくして始まった。

 ユグドラシルの帝王を、機械が超える。

 これ程滾るモノはない。博士は―――ガーネットは持ちたる全てを注ぎ込んだ。

 そして出来上がったのが―――ルベドだ。

 ルベドの戦闘力は、あのたっち・みーすらも凌駕する。

 博士は胸を張ってそう言えるだろう。

 途方もないHP量に、最硬とも言える防御力と自己修復機能。

 ワールド・チャンピオンの攻撃力に、最高峰の機動力。

 そして―――学習能力。

 たっち・みーがいかに強かろうが、究極の持久力を持ったルベドは、長く戦えば戦う程に、強くなっていく。

 順応し、対応し―――進化する。

 ルベドの『真価』は『進化』にあり。

 たっち・みーを技術で凌駕した時、その時こそが、機械神計画完遂の時だ。

 

 

 

 

 

 

 博士の眼前では、自らの最高傑作が侵入者達と相対し、その力を存分に振るっている。

 

 先程まで追い縋っていた戦士風の男の姿は最早そこには無い。既にルベドに切り伏せられ、消滅している。

 

 気持ちが昂る。よもやこれ程かという気持ちすら沸いてくる始末だ。

 

 「あ~…すんごいですねぇ…ルベドは…。」

 

 「ほらな!凄いだろ!ルベドは凄いのだ!えっへんである!!」

 

 「…え~?何スか、その喋り方…博士興奮してるのは分かりますけど…ちょっと気持ち悪いですよ?」

 

 はしゃぐ博士を見つめるタブラがその様に言葉を吐く。

 

 まぁ、しかし、はしゃぐ気持ちも分からなくはない。自分だって、設定等モリモリ詰め込んだ親の一人だ。嬉しい気持ちは一緒だが、いいおっさんがあんなはしゃぎ方してたら気もち悪いと思って当然だ。

 

 「ほらな!」

 

 「え~…?」

 

 博士の指さす先ではルベドが戦闘を行っている。

 

 徐々に徐々に洗練されている動きを見ながら興奮する博士に若干タブラは引く。

 

 「…う~ん…博士、嬉しいのは分かりますが、()()()()()()かと…。」

 

 「ほらな!ルベドは凄いのだ!えっへんである―――う、うぅん…そうだね…その通りだ。」

 

 瞬間、博士の雰囲気が変わる。

 

 重々しく頷いた博士は正面―――ルベドを見据える。

 

 確かに―――引き際は大事だろう。

 

 「…タイミングを逃さない様に…慎重にならなければな…まぁ、それまではじっくりサンプルを取らせてもらうよ。」

 

 浮ついた雰囲気は鳴りを潜め、ピリついた雰囲気を纏った博士の眼前では、ルベドに増援するかのようにダイゲンガーが隣接していく姿が見えた。

 

 新旧揃い踏み―――第四階層では、『ダイゲンガー』『ルベド』の二体の機械神が猛威を振るっていた。

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

 第五階層―――『氷河』。

 

 多数の氷山で埋められたエリアであり、冷気ダメージと行動阻害のエリアエフェクトに覆われている『極寒』と言うに相応しい風景だ。

 

 現在、その幻想を思わせる美しい風景に、似つかわしくない異物達が、このエリアには溢れていた―――侵入者達だ。

 

 氷河に配置された大量の傭兵モンスター達と、侵入者達とが激戦を繰り広げている。

 

 しかし、徐々に均衡は崩れていく―――傭兵モンスター達が押されだした。

 

 多数のエリアギミックにより、侵入者達に圧し掛かってくる負荷は当然ながら大きい―――が、腐っても侵入者達はプレイヤーだ。

 

 装備による耐性の確保。魔法によるバフ掛けによって、不利を跳ねのけてくる。

 

 当然、その様なプレイヤー達に如何に高レベルと言えども、傭兵モンスター達が太刀打ちできる筈もなく、地の利を持ちながらも押されている。

 

 ―――こつこつこつ。

 

 氷河の地表―――氷の上を歩く音が響く。

 

 この音は、続く戦闘音にかき消されていく。

 

 聞こえているのは、足音を立てている本人だけだろう。

 

 「いや~、ワラワラいるね~。」

 

 散歩でもしているかの様な、呑気な雰囲気と声音で歩いてくる人物―――金髪ウェーブの伊達男『ジャン』が戦闘区間に歩いてくる。

 

 「おい。」

 「なんだ?」

 「誰だあいつ。」

 

 侵入者達からその様な言葉が漏れ出した。

 

 ここは化け物共の巣窟の筈だ。それなのになぜ、人間種のプレイヤーが敵サイドから歩いてくる。アインズ・ウール・ゴウンにいる人間種は『異形種姫』のみのはず。この様な純粋な人間種が所属しているなど、噂でも聞いた事はない。

 

 「やぁやぁやぁ、ど~もど~も。」

 

 「…なんだてめぇは?」

 

 陽気に挨拶をしてくる目の前の人物に、侵入者達は警戒する。

 

 そうすれば、目の前の伊達男は「う~ん」と首を捻りながら何かを考え込む素振りを見せてくる。

 

 そして―――

 

 「なんだてめぇ…かぁ~…皆さぁ、『ピンガラ』って知ってる?」

 

 「はぁ―――!?」

 

 ―――ピキピキピキ。

 

 目の前の人物がピンガラとか言う訳の分からない言葉を吐いたかと思えば、事態は急変する。

 

 周囲に巻き起こる、氷のエフェクト。地面が、建造物が、徐々に氷漬けにされて行くエフェクトが出現していく。

 

 先程までのエリアギミックとは明らかに違う、このエフェクトはスキルエフェクト―――つまりは目の前の人物が何かスキルを発動させたという事。

 

 「―――なっ!?」

 

 それと同時に気づく、今まで瀕死だった傭兵モンスター達の動きが変わった。

 

 鈍かった動きは正常になり、攻撃力、速度、その他諸々が明らかな向上を見せている。

 

 バフか―――そう思っていれば。

 

 「ピンガラは怖いよ~、なんたって―――」

 

 くすくす笑う伊達男の周囲から氷のエフェクトが吹き荒れる。

 

 「―――氷迦羅天(ひょうからてん)様だからね~。」

 

 伊達男の周囲から―――ジャンの周囲から吹き荒れる。

 

 この男こそ、アロービーチが送り込んだ切り札。

 

 『氷迦羅天(ピンガラ)』―――『ジャン・ニコラシカ』。

 

 

 

 

 

 

 





 おまけ ~兄と妹仲良く野球~

 ルベド「えい。」
 殴られた奴「おぎゃ!?」
 ゲンガー「お?なんか飛んできたぞ?うりゃ!!」
 打たれた奴「ほぎゃ!?」カッキーン☆
 ルベド「えい。」
 殴られた奴②「ぐべッ!?」
 ゲンガー「ゲッゲッ!あっ!稲妻!あっ!重力!だほ~う!」
 打たれた奴②「ぐべべべべッ!?」カッキーン☆
 ルベド「えい。」
 殴られた奴③「あべしッ!?」
 ゲンガー「あっ!ゲンガァァァホォォォムラン!!」
 打たれた奴③「うわらばッ!?」カッキーン☆
 ぺロロンチーノ「いくら何でもかわいそすぎんか!?あれ!?」
 建やん・茶釜・タブラ・博士「………」ドン引き☆

 読んでくれてありがとうございます!
 それでは!シュバ!!
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