あんてぃりーねのゆぐどらしる☆だい☆ぼう☆けん☆ ~泣き虫が伝説になるまで~ 作:だいだろすちひろ
前回のあらすじ
シークレット・ソード・ファイナル。
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第六階層―――『ジャングル』。
禍々しい風貌をしたこの『ナザリック地下大墳墓』に置いて、この階層は異質だ。緑がお生い茂り、住まう生物―――モンスター達も、アンデッドの様な不死者でも、悪魔の様な異形の者でもない。血が通い、鼓動を叩く生命が跋扈する。
特に異質さを際立たせているのが―――空だ。
この階層には空が広がっている。信じられるだろうか、地下深く続く墳墓のはずなのにだ。
高さ200mの天井に昼夜を再現した空が広がり、周囲には屋外にしか見えないジャングルが広がる。特に夜空の作り込みは、ブルー・プラネットが自身の理想を体現したもので、高い完成度を誇る。
見上げる限りの広い空の下、お生い茂る草木達。そんな生命の息吹を感じられるこの第六階層が―――見る影もない。
―――蹂躙されている。
猛獣達は倒れ、翼をもがれた翼竜達が地に伏す。
『グラント』の張った巨大な蜘蛛の巣は引きちぎられ、『餓食狐蟲王』の住処―――『蟲毒の大穴』は崩壊している。
そして―――両雄、既に息絶える。
死屍累々―――正に地獄絵図。
侵入者達は進軍していく、進む度に地獄を作りながら。
進む先は―――第七階層。
つまりはナザリック深部に向け進んでいるという事だ。
多くの侵入者がナザリック深部へ向け進む。
目指すは、七階層、八階層、九階層、そして十階層―――『玉座』。
なぜそこに向かうのか?簡単な事だ―――ギルド武器の破壊の為。
多くの侵入者が、最深部『玉座』に向け進んで行く。
そう、多くの侵入者が―――だ。
全ての侵入者が玉座を目指している訳では無い。
別のある場所に向け進んで行く。
進むその先に見えるのは、大きな建造物。自然溢れるこの階層において、数少ない建造物―――コロッセオへ。
古代ローマを思わせる円形闘技場へと侵入者達は進んで行く、まるで―――何かを追い駆けるかのように。
♦
「追い詰めたぞ、積年の恨み、今こそ晴らす時だ…覚悟しろ―――モモンガ!!」
円形闘技場に群がる様に集っている、数百を超える侵入者達―――プレイヤー達の中の一人が、怨嗟を吐くかのように言葉を捻り出す。
吐かれた怨嗟は、背を向ける一人の人物に衝突し、塵と消えた。
円形闘技場を静寂が包み込む。
そう時間を置かず、背を向ける一人の人物―――アンデッドが、ゆっくりと侵入者達へと振り向いていく。
そのアンデッドをどう表現すればいいだろうか?そう聞かれれば、多くの者がこう答えるだろう。
―――『魔王』と。
豪華なローブを身に纏い、死神の如き鎌を手に持つアンデッド―――死の権化が、その赤い瞳で侵入者達を射抜く。
侵入者達に緊張が走る。今自分達の目の前にいるのは、極悪非道の最凶ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』の親玉―――正真正銘の魔王だからだ。
そんな大物を前にして、緊張するなと言う方が無理なことかもしれない。ここに集う者達は、皆大なり小なりアインズ・ウール・ゴウンに恨みがある筈。その恨みを晴らす大チャンスが目の前に転がっているのだから。
―――カン。
魔王の鎌が、闘技場の床を打つ音が響く。包まれた静寂の中、その音は非常に良く通り、相対する侵入者達の鼓動をより速い物へと変えていく。
余りの圧に気圧されそうになる侵入者達だが、臆せず言葉を発する者も中にはいた。
「威嚇か?コケ脅しだな。しかし、やりすぎたなモモンガ。やられたらやり返される、今度はお前達が沈む番だぜ。」
「―――!」
魔王が少し仰け反った。これはどう言う意味なのだろう。見方によっては、驚いているかのように見える。侵入者達に愉悦の色が浮かべば、魔王は肩をすくませ、おどけるかのように両手を少し上げていく。
そして、「はぁ」と小さな溜息を吐いた。
瞬間、怒りが闘技場を包む。この魔王は、こともあろうに自分達を小ばかにしているからだ。この圧倒的に自分達が有利な状況で、よくもまぁそんな事が出来ると。相手を馬鹿にするべきは自分達である、断じてモモンガではない。
―――カァン。
再度、死神の鎌が闘技場の床を打った。先程よりも強く鳴り響く音が、侵入者達の怒りを飛散させていった―――その時。
「…あぁん?」
先程まで、代表者かの様に会話をしていた侵入者の一人がその様に言う。目の前の魔王の背から魔王の体程の大きさの時計が姿を表す。その時計には十二の時を示す数字が刻まれている。そして、その時を刻むかの様に―――針が動き出した。
異質な光景だ。不気味さすら思わせる大時計の出現を目に、侵入者達はおおいに―――笑った。
「ひゃひゃひゃ!!嘘だろおい!?」
「おい!おい見て見ろよ!馬鹿がいんぞ!」
「ひぃ!ひぃ!腹いてぇ!!」
「まさかここにきてそれくるゥゥゥ!?はっはっは!!」
「ビビッて何も考えられなくなっちゃったんでちゅか~?」
闘技場に豪快な笑い声が響く。先程までの静寂がまるで嘘のようだ。この笑いに含まれるは馬鹿の意。小ばかにした笑いが続く。侵入者達は知っているのだ、この大時計の意味を。なぜならこの大時計は、ユグドラシルでは非常に有名なモノ―――スキルだからだ。
笑いの坩堝の中、針は時を刻みだす。
「はぁ…この期に及んでそれかよ…がっかりだぜ、モモンガ。」
会話をしていた侵入者はそう言葉を吐いた。言葉に含まれる感情は、呆れ、そして―――失望。
魔王の周囲に巨大な魔方陣が出現していく。魔方陣は幾重にも浮かび、消えていく。誰の目にも明らかだった、これは『超位魔法』の発動スタンバイ。そして、そのスタンバイはすぐに終わりを迎える。魔王が『砂時計』を砕いた。その瞬間魔法は発動される。
―――『
黒い息吹が周囲を駆け巡った―――だが、それだけだ。
―――今はまだ。
「はぁ…。」
侵入者達の笑いが最高潮に達している中、ただ一人だけつく、溜息。
「…芸のねぇやろうだ。」
その言葉は笑い声にかき消されていく。嘲笑の中、針は時を刻み続ける―――死へのカウントダウンを。
そしてその後―――針は時を刻み終えた。
エクリプスと言うクラスが存在する。
死霊系統のクラスと種族に特化させなければ就く事が出来ない、隠しクラスだ。
死と言う概念を司り、全ての生ある者達に久遠の絶望と安らぎを齎すとされるエクリプスの、百時間に一度しか使用できない究極の即死スキル。
―――笑い声が止んだ。
闘技場を静寂が包んだかと思えば、続くは人間が地面に倒れ伏す音。
それは、一つや二つではない―――数百だ。
侵入者達が全て地面に倒れ伏す。笑っていた侵入者達の全てが。
究極の即死スキル『
その効果は、即死耐性の貫通。つまり、必中の即死を叩きこむスキルだ。何者も、このスキルに抗う事はできはしない―――確実に死ぬ。
静寂の中、異変が起きる。禍々しいオーラを放ちながら、巨大な黒い物体が姿を表す。
この黒い物体は―――『黒い仔山羊』。
超位魔法『
その黒い仔山羊が『三体』。
異常だ―――明らかに異常。
黒い仔山羊は、
通常は1体召喚出来れば上出来であり、2体目の召喚は非常に困難だ―――が、此度の貢物はその辺のモンスターではない、高LVのプレイヤー達、それも数百と言う数は、三体と言う異常な召喚数を記録するには十分な量であった様だ。
「メェメェ」と黒い仔山羊が可愛く鳴いた。
そしてそれと同時に聞こえてくるのだ―――笑い声が。
倒れていた侵入者達が笑いながら起き上がってくる。
おかしい―――不可解だ。
確実に始末したはずだ、その筈なのになぜ。
「そんな有名すぎるくらい有名なスキルの対策してない訳ないだろ。ここに来てる連中は全員『蘇生アイテム』を装備済みだ、残念だったな。」
そう、この言葉こそが答えだ。
エクリプスの切り札、
―――カラン。
ゲラゲラと笑い続ける侵入者達の耳に、魔王が手に持った鎌を地面に落とす音が届く。見れば、魔王がわなわな震えているではないか。何という無様か。その姿を見た侵入者達が、もう一度高笑いをあげようとした。
そう―――した。
しかしそうはならなかった。なぜなら、先に笑い声をあげた者がいたからだ。
魔王が―――盛大に笑う。
「あっはっはっは~!あぁ~あぁ…もう…うひひひひ、ぼ―――僕もう我慢できないよぉぉぉ!!」
腹を抱えながら、本当におかしいと言わんがばかりに魔王が笑う。侵入者達が困惑する。なぜにこいつが笑う?笑うのはこちらの筈ではないのかと?疑問渦巻く侵入者達の中にあって、ただ一人だけが、戦慄に強張る口調で言葉を吐いた。
「おい…おい…お前―――誰だよ!?」
「あっはっはっは~!あぁ~…もう!おっかしいんだぁ~…えぇ?あぁ、僕ですか?僕はですね―――」
―――『スルシャーナ』って言います。
ざわめきが起きた。困惑する侵入者達に、優雅に一礼を決めたスルシャーナが「お見知りおきを」と一つ言葉を添えた。
ざわめきが更に大きく波紋を広げていく。そして、闘技場の空中に転移してくるある者の姿を目にした時、ざわめきは恐怖含みだす。
空中に浮かび、優雅にこちらを見下ろすのは、豪華なローブを纏ったアンデッド―――真の魔王。
「お集りの諸君、お初にお目にかかるな―――いや、もしかしたら会った事がある者達もいるかもしれないがな。しかしすまない、私は有象無象には興味がなくてね。とるに足らない者達を覚える必要もないだろう?」
くつくつくつと魔王がとるに相応しい態度と笑いで、モモンガは侵入者達を見下ろし、見下していく。うろたえる侵入者達、そしてその影で、両手を握り締め、モモンガを見上げるスルシャーナの姿があった。
ゲームである為、スルシャーナの表情は分からない。しかし、それでも少年の様にキラキラとした瞳でモモンガを見上げている姿が容易に想像できた。
「録画!録画!」と言いながら、スルシャーナはモモンガを見つめる。
そんなスルシャーナとは対照的に、くつくつくつと邪悪に笑うモモンガ。真の魔王が言葉を紡ぐ。
「それでは諸君らに一つ、私から礼を言わせてもらおうじゃあないか…ありがとう―――」
真の魔王が言葉を紡ぐ―――絶望の言葉を。
―――盛大に一度死んでくれたな。
モモンガの背に大時計が出現した。
時計に刻まれた十二の数字―――針が動き出した。
針は時を刻みだす―――死へのカウントダウンを。
「退けェェェ!!退けェェェ!!!」
その言葉と共に侵入者達が走り出す。目的は勿論、闘技場からの脱出だ―――が。
「メェ~。」
黒い仔山羊がそれを阻む。侵入者達がモモンガに目をくぎ付けにされている間に、スルシャーナは仔山羊達を入り口の前まで移動させていた。焦る侵入者達は仔山羊に上手く対処ができず、吹き飛ばされ押し返されて行った。
その瞬間、モモンガの周囲に超位魔法の魔方陣が展開される。
「くっくっくっ…どうした?笑えよ?さっきみたいにな?」
「行かせないよッ!なんで僕がこの魔法を選んだか分かるかい?なんでこの仔山羊達を召喚したのかを!」
そう、スルシャーナが
「私は一手で終わる程バカじゃない。」
「僕は一手で終わる程バカじゃない!」
「「二段構えだ!!」」
―――パリン。
砂時計が割れる音がした。
黒い息吹が周囲を駆け巡る―――が、何も起きない。
先程と一緒だ。
大時計の針は、その間も進み続ける。
「ちくしょォォォ!!ちくしょォォォがァァァ!!退けェェェ!!退けェェェ!!」
「行かせないって言ってるだろォォォッ!!」
『アンデッドの副官』―――発動『
スルシャーナが経験値を消費し召喚する事の出来る強力なアンデッドの副官を召喚していく。
「メエェェェ―――」
そして仔山羊が更に押し返す。そこにはガードなど微塵も存在しなかった。長時間耐える必要はない。大時計の針が刻み終わるまで、捨て身で抑えるのみだ。
侵入者達は全力で闘技場からの退避を試みていく。しかし、それは叶わない。
入り口を抑えられた―――闘技場の入り口を。
高耐久の仔山羊が入り口前を陣取り、近づけば触手によって吹き飛ばされる。運よく躱せたとしても、後方から
逃げ道は完全に塞がれた。
「――~~~!!?何でだ!何で『アリアドネ』は機能しない!?」
「機能する訳ないだろう!僕はアインズ・ウール・ゴウンじゃない!君達と同じ、只単にここまで侵入してきた部外者だからね!一人の侵入者が、入り口前でとち狂って暴れているだけなんだからさ!!」
「ご名答。それと諸君に一つ教えてやろう。どのみちアリアドネはこれくらいでは機能しない。あれはちょっと複雑でね、もっとどぎついやり方をしないと機能しないんだよ。」
「暗黒儀式習熟!!」
モモンガの呟きに続き、スルシャーナが更にアンデッドを召喚していく。少しでも多く時間を稼ぐ為に。そこには出し惜しみなど微塵もない、する必要もない―――スルシャーナはここで果てるのだから。
そして、時計の針が刻み終わった。
それは―――奇跡の邂逅。
ありえない種族とクラス構成から生まれた特殊クラスを持つ者どうしの。
広いユグドラシルにおいて、この様な異質なクラスを持つ者どうしが出会う事は皆無に等しい。
幾多の合理を蹴飛ばし、自らの信念のみを貫いてきた者達だからこそ、到達できた場所であり強さ。
ばかでバカで馬鹿げた『非合理』を追求した者達の
―――邂逅―――
ほんの少しの出会いがなければ。
ほんの少しの違いがあれば。
決して実現する事は無かったであろう―――出会い。
ある一人の少女が結び付けた出会いであり―――絆。
死と言う概念を司り、全ての生ある者達に久遠の絶望と安らぎを齎す死の王。
―――二人の死の王の信念が絡み合う―――
―――
―――発動―――
『即死Combo』―――『エクリプス』×『エクリプス』
『
全ての生が奪われていく。
全ての命が踏みにじられていく。
侵入者達も。
黒い仔山羊も。
そして―――スルシャーナも。
真の魔王、モモンガの眼前で消滅しようとしていた。
「モモンガさん。」
「―――!」
耳に届く一つの声―――スルシャーナだ。
「ユグドラシルの魔王の風格、しかと拝見させていただきました!めッッッちゃかっこよかったですよ!!」
「―――あ…あ…す、すいません…本当に。」
「いえいえ、何を謝りますか!のんびりフレンド登録する暇もなかったんで、しょうがないですよ。」
「それでも…LVダウンまでさせてしまって、本当に申し訳ないです。」
「ははは、良いですよそれくらい。そちらのアンティリーネちゃんに、うちの馬鹿二人が昔迷惑かけたみたいなんで、おあいこです!」
言葉にノイズが走り出す。スルシャーナはもうじき消滅する。
「モモンガさん、今度フレンド登録してもらいませんか?」
「―――!?はい!是非!!」
「ははは!やった!!今度、ゆっくりと死霊系魔法の談義でもしま―――」
―――カラン。
装備の落ちる音が聞こえる。
スルシャーナが―――消滅した。
いや、スルシャーナだけではない。闘技場にはもう、モモンガしかいない。
スルシャーナの装備を拾い集めながら、モモンガは静かに呟く。
「えぇ…えぇ、勿論ですよ、スルシャーナさん。たっぷり話しましょう。どうせあなたも、語らう相手がいなかったんでしょ?死霊系は不遇だもんな。」
呟くモモンガの周囲に出現する―――三体の黒い仔山羊。
「二段構え…か。」そう言いながら、黒い仔山羊達を別の階層に向かわせる。苦戦している仲間達の増援へ。少しでも戦力を増やせる様に。
そして、モモンガの指に嵌められた『リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』が光輝いた。
モモンガが転移を始める。
最後の戦いに向かう為に。
♦
第六階層『ジャングル』―――『巨大樹』
広大な六階層のジャングル内に怏々として根を張る一本の巨大な木がある。世界樹を模して造られた巨木のその周囲には、もう一つの円形闘技場が建造されていた。
この闘技場は、この日の為だけに作られた物だ。この防衛戦の為だけに。
円形闘技場の中に魔方陣が浮かび上がる。幾多の魔方陣が浮かび上がった後に、姿を表したのは侵入者―――プレイヤー達だ。
プレイヤー達はキョロキョロと周囲を伺う様な仕草をとった。魔方陣が発動した事を考えれば、恐らくこのプレイヤー達は転移させられてきたと考えるのが妥当であろう。
周囲を伺うプレイヤー達が各々会話を始めていく。その数は非常に―――少ない。
三十人程のプレイヤー達が会話を続ける。普通に考えれば、この数は少なくはないであろう、しかし、この襲撃戦の規模を考えれば、やはりこの数は少ない様に思えた。
「あんたは。」「おまえは。」会話の内容が一つに集約されだした。ここにきて、会話を続けるプレイヤー達は、ある事に気づいていく。
ここにいる三十名―――腕の立つ者ばかりだ。
この襲撃戦には、大手ギルドや最上位勢のプレイヤー達は参加していない。しかし、それでも、全てのプレイヤーが雑魚と言う訳では断じてない。それなりの腕の立つ者達、知名度を持つ者達も少なからずいる。
そして、ここに集うはその者達であり、強者の部類に入る者達だ。なぜそんな者達ばかりがここに集う?
「わざと俺達だけここに転移させやがったのか?」
一人がそう言った。そうだ、それこそが答え。ここにいる者達は選別された。アインズ・ウール・ゴウンによって、邪魔な強者を一網打尽にする為に。
そんなプレイヤー達の疑問を含んだ会話は長くは続かない。なぜならば、元凶が姿を表したからだ。
この闘技場には向かい合わせに大きな扉が作られている。その内の一つが、鈍い音を立て、ゆっくりと開いた。
まず最初に姿を表したのは、ユグドラシル最凶の女。
『ワールド・チャンピオン・ムスペルヘイム』『アンティリーネ』。
プレイヤー達に緊張が走り、即座にそれは戦慄に変わっていった。
その後ろから現れたのは、純銀の鎧を身に纏い、赤いマントをたなびかせた聖騎士だったからだ。
ゴクリと誰かが息を飲んだ。当たり前だ、目の前に現れたのは、アンティリーネ以上の大物なのだから。
ユグドラシルの帝王―――『たっち・みー』。
しかし、妙な違和感もある。確かに純銀の鎧を身に纏ってはいるが、噂に名高いあの鎧ではないからだ。
その鎧の名は―――『コンプライアンス・ウィズ・ロー』。
ワールド・チャンピオンのみに運営自らが提供した最強のアイテムであり、ワールド・チャンピオンしか装備する事はできないとされる装備だ。その性能は、
冷静に見て見れば、細かい装備なども動画で見た物と違っている。サブ装備できているのか?それは何故だ?余裕からか?それとも装備ロストのリスクがあるからか?疑問が渦を巻く。
集められたであろう強者達が、襲い来る違和感に眉を顰めていた時だった。
純銀の聖騎士の後ろから、ぞろぞろと現れてくる。
ぞろぞろと―――異形の者達が。
血に染まるような真紅の鎧を身に纏った、赤い瞳の『
豪華な弓を手に持つ少年と、豪華な杖を手に持つ少女。どちらも『ダークエルフ』だろう。
凍てつく息を噴射しながら、ブルーメタリックの巨体を揺さぶり歩いてくる『
丸眼鏡を掛けた優男の後ろから伸びるのは禍々しい尻尾。『悪魔』が気品溢れる仕草で歩き、その隣では、これまた気品溢れる老執事が両手を後ろに回している。
そして、漆黒の禍々しい全身鎧を身に纏った者。フォルムを見れば、恐らくは女性だろう。兜から剥き出しになった凶悪な角と腰から飛び出る漆黒の翼が、この女性が人間ではないという事を全力で主張してくる。恐らくこの女性も『悪魔』だろう。手にもつ漆黒のハルバートがギラリと鈍い輝きを放った。
プレイヤー達の前に現れた七人の存在。こんな者達がメンバーでいるなど、聞いた事も無ければ、まとめサイトにも書かれてはいなかった―――が、この風貌を持つある者ならば、まとめサイトで見かけた事はある。
「NPCか…。」
そう、それが答えだろう。あの真紅の鎧の吸血鬼、まとめサイトに書かれていたNPCである『シャルティア・ブラッドフォールン』に酷似している。
他のNPCは知らない。まとめサイトに書かれていたのはシャルティアのみだったからだ。
これはナザリックが難攻不落の魔王城であると言う証だ。今の今まで、シャルティア以上の階層を突破した者はいない。まとめサイトに書かれていないのはそう言う事だ。
まとめサイトを騒然とさせた、ナザリック第三階層の化け物NPCと同時に現れたこのNPC達―――尋常ならざる者達だろう。まず間違いなく『百.LV』。
ジリジリとプレイヤー達―――侵入者達は戦闘体勢に入る。
その姿には、動揺はすでに見えない。まごう事なき猛者の雰囲気を纏う。
そして、先頭に立つアンティリーネが、右手に持つ短剣を侵入者達に突きつけた。
ナザリックが誇る最精鋭の守護者達に、相対するは侵入者達の精鋭―――激闘の火蓋が今切られていく。
どうもちひろです(ΦωΦ)
スルシャーナとモモンガの共闘…
これはちひろが夢見た場面であり、この小説を書こうと考えた時に、絶対に達成したい目標の一つでした。
夢は一つ叶いました。
悔いはありません…はっ!いかんいかん…こんな気持ちではエタッてしまう。
まぁ、一つなので、取りあえずは一つ目標達成ですね。
前回、死神の鎌と書かれていた事から、いや、これモモンガじゃねぇだろと思った人もいると思います。
詳しい人は一発で気づいたと思います。
伊豆です二連発…浪漫溢れますよね。
実際、蘇生アイテムって何個まで装備できるんでしょうね?
なんか一個までだった記憶があったんですが…
勘違いかな?
改めて調べても出てこねぇや…
まぁでも、多分一個まででしょう!
そう言う事にしておきましょう!(横暴)
即時復活して、すぐに装備し直すとかはできなそう…
なんらかの制限はありそうですね!!
それでは読んでくれてありがとうございました!
シュバババ(ΦωΦ)!!