あんてぃりーねのゆぐどらしる☆だい☆ぼう☆けん☆ ~泣き虫が伝説になるまで~   作:だいだろすちひろ

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前回のあらすじ

アーラ・アラフ「デスポーン☆最☆高☆」


番外編 そのころあいつらは その②

 

 

 

 

―――夜闇を照らす満月が叢雲に飲まれ大地が漆黒を纏う

 

 

 

 

―――飲まれた満月が叢雲の狭間狭間で朧に揺れ

 

 

 

 

―――朧に揺れた満月の月光が煌めきとなりて漆黒の大地に刺さる

 

 

 

 

―――漆黒の大地に刺さった月光が巡り巡って丘の頂に辿り着き

 

 

 

 

―――月光に照らされた頂に血濡れの刃を持って修羅が立つ

 

 

 

 

―――血濡れの刃を持つ修羅の眼前に二つの影が相対す

 

 

 

 

「なんでだ...なんでこうなるんだ。」

 

 

 

 

―――相対する二つの影の一角が修羅への疑問を投げかけて

 

 

 

 

「やるしかねぇってのか...。」

 

 

 

 

―――並ぶ影が血を吐くかの如くそう綴る

 

 

 

 

「...。」

 

 

 

 

―――修羅は黙して語らずに血濡れの刃を頭上に掲げる

 

 

 

 

―――掲げた刃は月光に照らされ赤き色彩が紅へと変わった

 

 

 

 

「こんなの間違ってる!やめるんだ”ねこにゃん”」

 

 

 

 

―――轟く怒号は静寂を切り裂き修羅をも超えて天へと昇る

 

 

 

 

―――天へと昇った怒号が去り際に叢雲をかき消し

 

 

 

 

―――朧に揺れる満月の月光が漆黒を包み世界を照らす

 

 

 

 

―――そして

 

 

 

 

「――――――――――――!!」

 

 

 

 

―――修羅が吠え三匹の獣が乱舞を踊る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと今日する事をとりあえず考えよう。」

 

 

白髪の神官”アーラ・アラフ”が口を開いた。

 

 

「んあ?なんだ急に?ドロップ品巡りじゃねぇのか?」

 

 

青髪の男”ねこにゃん”がそう言葉を返した。

 

 

「流石に今日はやめたいな。ここ”一週間”ずっとそれじゃないか。」

 

 

そう話し合っていた二人に対して一人の男が口を挟む。恐ろしい異形の姿をしたアンデッド...

 

 

―――”スルシャーナ”だ。

 

 

ここはとある世界―――九つのワールド―――にあるプレイヤーの交流都市である。

 

 

酒場のような広い空間で今後の行動を三人のプレイヤー達が相談しあっている。

 

 

「おぉん?だってしょうがないじゃねぇか?俺達PKされたんだぜ?デスペナ分取り戻すのは当然だし、そのついでのドロップ品マラソンだろ?」

 

 

「それは知っているよ。でも、もう十分不足分は補えたし、そろそろ別の行動に移ってもいいんじゃないかな?」

 

 

「俺もその案に一票だ。いい加減飽きた。マラソン中に溜まった”ゴミドロップ品”もどうにかしたいしな。」

 

 

スルシャーナとねこにゃんとの会話にアーラ・アラフが割って入る。減少した”LV”分はもう補えたし【無限の背負い袋<インフィニティ・ハヴァザック>】もそろそろキツイと。

 

 

あぁ~ん?そう言われればそんな気もすんな~っとねこにゃんが二人に批判を受けそのような言葉を口にする。続いて、無限じゃねぇよな~という言葉も...

 

 

「おっ?なんスかなんスか?喧嘩ッスか?」

 

 

ねこにゃんが二人に責められていると後ろから響くような―――非常に高い―――声が飛び込んできた。

 

 

「んあん?おぉ、”クシリン”じゃねぇか。」

 

 

―――”クシリン”そう呼ばれた女性プレイヤーが三人の座るテーブルの椅子にズカズカ座り込む。

 

 

漆黒を思わせるかのような真っ黒な髪に、前髪が眉毛の上あたりで綺麗に切り揃えられている。いわゆる”ボブカット”というやつだ。

 

 

綺麗な輪郭に糸のような細い目が特徴的な人間種の女性プレイヤーである。この細い目は彼女の拘りの一つで”初期グラフィック”にはない。いわゆる課金パーツという物である。

 

 

”糸目は強キャラ”というのが彼女の謳い文句であり、また特徴的な語尾に”ッス”と付ける口調も、”ッスは人気キャラ”という持論から来ているらしい。

 

 

「失礼するッスよ”ねこちん”。」

 

 

「お~おひさ~。」

 

 

「久しぶりだね。クシリン。元気だったかい?」

 

 

スルシャーナがそう彼女に対して喋りかけ、その隣でアーラ・アラフも何かを言いたげにしている。恐らく三人の”共通の知り合い”なのであろう。

 

 

「元気元気!今日も絶好調ッスよ”スルっち”!」

 

 

「なんの用だ?お前が来ると”碌な事”にならん。」

 

 

アーラ・アラフにそう目の前でバッサリ切られ、むむぅ~っと悔しそうな顔―――表情は動かないが―――をクシリンがする。その直後”ニヤリ”という風にその悔しそうな顔が悪い顔に変貌した。

 

 

「ああぁんれぇ~?オタク誰だったッスかね~...?あっ!思い出したッス。アーラ・アラフォーさん!」

 

 

「ぶち殺されてぇのか!てめぇ!」

 

 

足をクロスさせ体を右斜めに捻った状態で両手を万歳するかの様に広げたクシリンがアラフォォォーウ!やセイセイセーイ!などと叫びながらアーラ・アラフを煽りまくっている。

 

 

―――どうやらこの女一筋縄ではいかないようだ

 

 

「ぶほっ!...ま、まぁまぁ...落ち着きなよ。アーラ・アラフ。」

 

 

「お前今笑っただろ。」

 

 

余りの出来事にスルシャーナは笑いを堪えきれず、それを見たアーラ・アラフが非難の声をあげている。そして―――その隣で一緒にフォォォーウ!と遊んでいるねこにゃんがいた。

 

 

「いつまでやってんだ!馬鹿にしにきたのかテメェ!てかお前までするんじゃねぇよ!」

 

 

いつまでも終わらない馬鹿げた行動に痺れを切らし、そう喚きたて―――

 

 

「ぷぷぷ。冗談ッスよ冗談。今日は三人にいい情報があるッス。」

 

 

冗談?あれが?そう心の中で思い沸々と殺意が芽生えてくるがどうにか堪える。

 

 

―――目の前の女が言った”情報”が気になるからだ。

 

 

「あっ?情報?マジモンなのか?嘘だったらPKして復活場所陣取って”リスキル”しまくるかんな。」

 

 

そう物騒な事を言い目の前の女を睨みつける。

 

 

隣では未だ、ねこにゃんがセイセイセーイなどと言って腰を振り乱していた。

 

 

―――何時までやってんだ!!つかなんだそれキメぇよ!!

 

 

「それがッスねぇ~...結構マジらしいッスよ?これ。」

 

 

雰囲気が豹変した。今までのふざけた態度は鳴りを潜め”妖艶な美女”の雰囲気を醸し出す。

 

 

その空気を察したのかアーラ・アラフが口を開いた。。

 

 

「...嘘じゃなさそうだな。いいぜ聞いてやる。どんな情報だ?」

 

 

それを聞きケロリと先程までの雰囲気が掻き消える。まるで狸か狐に化かされているようだな...そう言葉が脳裏をよぎっていると...

 

 

「なにやら東にある獣ヶ原...その先の丘付近ですんごいレアなモンスターがポップするらしいッスよ?」

 

 

―――レアポップ―――そう聞いた途端スルシャーナも目つきが変わる。

 

 

ユグドラシルでは隠し要素は五万とあるだろう。無数の条件が複雑に絡み合う事で起こりうる。”イベント””クラス””特殊アイテム”そして”レアポップ”未知を探求した者にしか到達できない真理がある。

 

 

故に情報は隠される。知られることは自分たちにとって大きな損失になるからだ。

 

 

「獣ヶ原?しかもレアポップか?...どこの情報だそれは?」

 

 

―――当然の疑問...そして

 

 

「”ギルバート”ッス。」

 

 

「「!!!!」」

 

 

―――ギルバート...プレイヤーネームは【ギルバート・リー】忍ぶ事に全てを費やしている究極のロールプレイヤ―であり”忍者マスター”―――本人は否定しているが―――とも言われている。

 

 

その情報網はユグドラシル一と名高い。しかし非常に偏屈な奴であり、情報を貰おうにも気に入られなければまともに関わってもらえない。その上、神出鬼没であり探すのも一苦労である。噂によればまともに”会話”にもならないらしい。―――しかし

 

 

―――得られる情報は絶大だ

 

 

「アーラ・アラフ。これは。」

 

 

「あぁ”それが本当”ならこの話はマジだな。」

 

 

「本当ッス本当ッス。私”友達”ッスもん。」

 

 

変人と友達...二人がそう思いコイツも変人だったなと思い出す。変人には変人が引かれ合うという事なのであろう。

 

 

「友達ねぇ...。スルシャーナ。」

 

 

「あぁ、どの道予定を決めかねていた所だ。行って見るのも悪くはないと思うよ。」

 

 

「あっ。それとそいつ”満月の夜”にしか出ないらしいッスよ。」

 

 

新しい情報が目の前の女から掲示され二人が思案する...

 

 

―――そして

 

 

「夜で満月というのがかなりネックだがどうにかならんわけでもないな。お得意の浪漫魔法で何とかしてもらいますかね。」

 

 

「ふふ。闇寄りの使者の僕がどうにかしよう。【フルムーン】と【ラーナルータ】の組合わせでイケるよ。」

 

 

「んなマニアックな魔法覚えてんのお前くらいだけどな...まぁいい...それじゃあ。」

 

 

行きますか!そう言葉が重なり合い―――

 

 

「セイセイセーイ!!...んあ?どこに行くんだ?」

 

 

―――ねこにゃんは全く話を聞いてはいなかった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【ラーナルータ】!!」

 

 

獣ヶ原にて一つの魔法が唱えられ”昼”と”夜”とが逆転する―――続けて

 

 

「【フルムーン】」

 

 

夜空に浮かんでいた下弦の月がゆっくりと”丸み”を帯びてくる。

 

 

「んおぉぉ~すげぇな!こんな魔法あったんだな。」

 

 

「ユグドラシルの自由度は半端じゃないな。浪漫を追い求めたくなる気持ちも分からんくはないな。」

 

 

スルシャーナの”浪漫魔法”を目の当たりにして二人が騒ぎ立てている。やはりユグドラシルは凄いな―――と

 

 

「丘付近って言ってたか?こんな辺鄙な所だれも来んだろ?糞運営が...。」

 

 

こんな条件を作った運営に対して特大の罵声をアーラ・アラフが浴びせる。夜になるのにも非常に時間が掛かる上に満月などランダムでしか現れない。現実では規則正しい周期で回っているがユグドラシルでは違う。非常に確率が低くレアである。

 

 

まぁ現実ではスモッグに覆われてまともに空など見えないが...

 

 

「ここなんもないもんな~。丘に近づくにつれてモンスター少なくなるの”これ”を隠す為だったんかな?」

 

 

只でさえ辺鄙な場所だ。ドロップ品も経験値も期待できないような場所に好んで来るものなどいないだろう。

 

 

一理あると二人は心の中で呟いた。ついでに”ゴミ運営”とも...

 

 

「そろそろ丘なんだが?何も起きないね。」

 

 

これは騙されたか?そう脳裏によぎった

 

 

―――その時...”ガサリ”草の根をかき分けるような音が聞こえてきた

 

 

「「「!!!?」」」

 

 

聞こえてきた方向―――後方―――に三人が一様に振り向き辺りを見渡す。

 

 

”テクテク”そのような効果音がふさわしいような歩き方をしながら非常に小柄な―――小動物の様な―――モンスターが出現した。

 

 

非常に可愛らしい見た目をし頭に小さな耳を二つ付け二足歩行で歩く”猫”の姿がそこにはある―――猫の精霊

 

 

―――ケット・シーである―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおいマジか?マジで現れやがった。」

 

 

アーラ・アラフが驚きの言葉を口にしている。

 

 

「見た事もないモンスターだ。流石は”ギルバート・リー”伝説は本当だったか。」

 

 

スルシャーナが賞賛の言葉を口にしている。

 

 

「.........。」

 

 

ねこにゃんは口を開かない。レアポップモンスターの出現に感極まっているのだろう。体が”ふるふる”と震えているのが見てとれる。

 

 

「アーラ・アラフ!」

 

 

「あぁ!丘に追い詰める!あの先は崖だ!」

 

 

そう言うや否やスルシャーナが【飛行<フライ>】の魔法を唱え空中を駆け抜ける。続いてアーラ・アラフが信仰系の攻撃魔法を唱えケット・シーを爆撃している。

 

 

しかし魔法はケット・シーを外し右手に落ちる。続いて轟音が轟きケット・シーが驚き左右に飛び回りながら丘を駆け巡る―――丘の頂へと

 

 

―――誘導しているのである

 

 

そんな二人を他所にねこにゃんは動かない。未だ興奮冷めや間ぬのであろう。

 

 

「!追い詰めたぞ!やれ!アーラ・アラフ!!」

 

 

「あぁ!任せな!」

 

 

スルシャーナがケット・シーを魔法による爆撃でアーラ・アラフの前方までおびき出した。前方からは逃げるケット・シーと迫るスルシャーナが目に入る。

 

 

すかさず信仰系魔法によりアーラ・アラフが挟み撃ちをかけ―――

 

 

―――その時

 

 

―――【フレンドリィ・キャンセラー】―――

 

 

一つの魔法が唱えられ―――続いて

 

 

―――【次元の移動<ディメンジョナル・ムーブ>】―――

 

 

ケット・シーが転移魔法―――短距離の―――を唱えアーラ・アラフの後方に素早く転移した。当たり所をなくした魔法がスルシャーナに迫り―――

 

 

―――直撃し、スルシャーナが”吹き飛んだ”

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?えっ!?」

 

 

魔法を放った本人が驚愕の声をあげる。これが現実なら目を見開いている事だろう。

 

 

「こっこれは!?ダメージが入っている!?アーラ・アラフ理由は分からないが”フレンドリィファイヤ”が解禁されたらしい!」

 

 

はっ!?んなのありか!?驚愕の事実を知らされて悲鳴に近い言葉を叫ぶ。これでは広範囲魔法やスキルは封印されたも同然だ。

 

 

「ちっ!ふざけやがって!なめんなよ!それならそれでやりよう...がぁ!!」

 

 

ある...そう魔法を放つ準備をしながら叫びかけたアーラ・アラフの頭に―――後頭部に―――凄まじい衝撃が走る。伏兵がいたかと後方を振り向き―――

 

 

―――絶句した

 

 

「あぁ!?なんのつもりだ!ねこにゃん!!」

 

 

衝撃を与えてきた人物”ねこにゃん”に罵声を飛ばし―――

 

 

「...れのぉう...でぇい...」

 

 

「あん?なんだ!?」

 

 

「あっ、俺ぇぇのおぉぉうまえでぇぇ...猫を虐めるのぉわぁ...あっゆるぅぅさぁぁない!」

 

 

訳の分からない行動を取り、聞き取りづらい何やら芝居がかった口調をしながらねこにゃんが歩を進めていた。そしてある”存在”の前で”ピタリ”と歩を止める。そう”ケット・シー”の前で...その行為が示す意味はたった”一つ”守っているのだ...

 

 

「いやいや!ねこにゃん君が猫を死ぬほど好きな事は重々承知だ。しかしこれは流石にあんまりだろ!?」

 

 

だまあぁぁれぇぇぇい。芝居がかった口調が続く...

 

 

その光景をみて唖然としていたアーラ・アラフの頭にふと何かが引っかかった...あれ?これなんか知ってんぞ?

 

 

(あれ?なんだっけか?なんか引っかかるな。)

 

 

目の前では二人が言い争いを始めている。自分もこんな事に無駄に思考を割きたくはないのだが心の棘が抜けない。思考が目まぐるしく回転する。

 

 

―――ケット・シーは暇そうだ

 

 

(!!!)

 

 

ピンっという風に頭に電球が浮かんだ気がした。思い出した!この”口調”あれだ!100年以上前に無茶苦茶流行ったっていうアニメの敵のセリフだ!

 

 

アーラ・アラフの趣味はゲームであるが。それと同じようにアニメ鑑賞も良く行う。今ではもう版権切れで無料で視聴できるレトロなアニメを昔見漁っていた事があった。

 

 

確か少年誌のバトル漫画のアニメだったはず、それの敵だ。”中の人”はなんだったか?若?わか?なんかすごく有名なセリフがあったような。

 

 

こんな状況下でくだらない事を考えている人物の目の前ではいまだ二人が言い争いをしている。

 

 

「どくんだ!ねこにゃん!そのモンスターは討伐―――」

 

 

「ぶるぅうああぁぁぁーーー!!」

 

 

あぁ!それそれ!アーラ・アラフの心の棘は取れた

 

 

―――ケット・シーは居眠りしている

 

 

 

 

 

 

 

満月が雲に隠れゆらゆらと言った風に揺れる様を幻想させる。時折雲の隙間から光が刺して丘の上を照らしている。

 

 

その時折見せる月の光が丘の上に陣取り佇むねこにゃんを映し出していた。逆光に照らされその手に持つ赤い刀―――【屍の血河<かばねのけつが>】―――が血塗られた様に鈍く光を放っている。

 

 

「なんでだ...なんでこうなるんだ。」

 

 

スルシャーナが右手で自分の額を掴んでいる。余りのくだらなさに頭痛がしてきたのだろう。

 

 

「やるしかねぇってのか...」

 

 

心に刺さった特大の棘が抜けきったアーラ・アラフが眼前に映る光景に気づき口を開いた。ここまでアホらしいと笑いも起きない。

 

 

「こんなの間違ってる!やめるんだ”ねこにゃん”」

 

 

こんなデータの猫のせいでこっちが殺されては堪った物ではない。折角二人共デスペナ分の経験値が戻ってきたというのに。

 

 

スッ...ねこにゃんの【屍の血河】が天を衝く―――そして

 

 

「ぶうううぅぅるぅうぅぅわぁぁぁぁーーー!!」

 

 

ねこにゃんが雄たけびを上げ激闘が幕を開ける―――

 

 

―――ケット・シーは驚き目を覚ました

 

 

 

 

 

 

 

 

まさしく”激闘”いや―――”死闘”であった

 

 

―――死の支配者の魔法が絶望を称え飛び交い

 

 

―――神への信仰が大地を照らした

 

 

―――そして血濡れの刃が”血の斬撃”をまき散らす

 

 

「もういいだろ?流石のお前も二対一じゃ勝てんって。」

 

 

―――大いなる神の御業を振るう信徒が神のお告げを告げる

 

 

「またデスペナ食らうよ?もうやめよう。」

 

 

―――生者に久遠の絶望を齎す死の支配者が黄泉への旅路を知らせる

 

 

「ぶっ...ぶるぅぅわ!」

 

 

―――血濡れの修羅がそれをことごとく否定した

 

 

―――退かぬと

 

 

―――媚びぬと

 

 

―――顧みぬと

 

 

―――後退は”ない”と

 

 

―――そして決着の時がやってきた

 

 

―――【隕石落下<メテオ・フォール>】

 

 

「あっ」

 

 

「あっ」

 

 

 

ぷちっ...―――ねこにゃんが潰れた

 

 

放ったのはケット・シー、いつの間にか起きて周りが騒がしい事を煩わしく思ったのか一番近かった人物”ねこにゃん”に向かい特大級の魔法を放つ。

 

 

HPゲージが0となったねこにゃんが光の粒子になり消えていっている。完全に消え去る瞬間に微かに声が聞こえてきた。

 

 

へっ...悔いはねぇぜ―――っと

 

 

そう聞こえてきた...それを聞いた二人の気持ちが”今”一つになる。

 

 

「「ねこにゃん...」」

 

 

―――悔いて下さい...その言葉は非常に悲しげで”祈り”の様にも聞こえた

 

 

――――――――

 

 

―――――

 

 

―――

 

 

 

 

「アーラ・アラフ...どうする?」

 

隣の人物に話しかける。もう何が何だかと言った風だ。眼前にはケット・シーが暇そうに自分の顔をかいているのが見える。

 

 

「どうするったって...そりゃぁ―――」

 

 

―――狩るだろ?

 

 

―――ケット・シーは討伐された

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~悪い悪い。なんか猫みてテンション上がってよ~馬鹿しちまった!」

 

 

余り悪びれる様子もないねこにゃんにたいしまたもや怒りのボルテージが上がってくるのを感じる。あのスルシャーナですらだ。

 

 

「おんやぁ~?帰ってたんッスか~?どうだったッス?」

 

 

情報を齎した人物クシリンが三人を見つけひょこひょこ歩いてきた。

 

 

「お前か...情報は間違っていなかった。一応礼は言っておくぞ。」

 

 

―――ありがとよっと

 

 

「ぷぷぷ。その様子じゃあ”やっぱり”大変だったみたいッスねぇ~。」

 

 

―――あ?やっぱり?

 

 

「そぉ~なんだよクシリン、”やっぱ”俺”猫”見ると駄目だわ。嬉しすぎて変なテンションになっちまう。」

 

 

―――なんだそれは?

 

 

「やっぱりッスかぁ~!ねこちんマジワロスッス!」

 

 

―――なんだそれは?

 

 

「しかし...流石に”今回”は行き過ぎっしょ~。ぷぷぷ。」

 

 

―――なんだそれは?

 

 

アーラ・アラフの体がぷるぷる震えだす。それに気づきスルシャーナが慌ててなだめようとした―――が

 

 

「ぶうううぅぅるぅうぅぅわぁぁぁぁ!!!」

 

 

狂気の雄たけびを上げる。その姿を見ながらセイセイセーイっと叫びクシリンは酒場を走り去る。それを追いかけアーラ・アラフも走り去っていった...

 

 

残された二人は一瞬ポカンとし―――そういえばという風にスルシャーナがねこにゃんに一つの疑問を問いかける。ぶるぅわぁってなに?っと―――そして

 

 

―――んあ?あれか?”アニメの台詞”っと...

 

 

 

 

 

 

 

 

コッコッコッと足音が”豪華”な廊下に響き渡る。それに続いて”シュババ”っと”何か”が高速で動く音が聞こえる。

 

 

「いんやぁ~マジであの三人おもろいッス。私大好きッス。」

 

 

ねぇ?と甲高い女性の声が室内に響き渡る。反応はない、ただただ”シュババ”っという音だけが木霊している。

 

 

「いっつも思うけどそれ凄いッスねぇ。そんな”指”の動き私できないっすよ。」

 

 

そういう女の目の前では両の手と指を高速で動かしている人物が歩いている。

 

 

その指はまるで印を結んで―――高速で―――いるかの様だ。

 

 

ピタリ...女の足音が止まり。続いて指の音も止まった。

 

 

”ギィ”―――扉が開き

 

 

―――そして

 

 

「おっ!”皆”いるじゃないッスか!珍しい!」

 

 

女が開けた扉のその先―――部屋の中には”五人の人影”

 

 

「ほら。皆いるッス。早く行くッスよ”ギルバート”。」

 

 

―――ニィィィィィィーーーン!!!

 

 

―――忍びの魂が木霊する――――。

 

 

 

 

 

 

→ To Be continued...

 

 

 




ぶぅるぅわにゃん「ぶうううぅぅるぅうぅぅわぁぁぁぁ!」

アーラ・アラフ「ちひろさん。なんかコイツどんどん馬鹿っぽくなってくぜ?」

白金の鎧を着たちひろ「私が!世界を作る!」

アーラ・アラフ「駄目だこいつ。いっちまってる。」


どうもちひろです。

今回の話はあれです。なんというか、この世界(このSSでは)ではオーバーロードを除く色々な現実の作品が存在していますよ。という説明回です。

こいつらこのアニメ。漫画見てんじゃんみたいに思ってくれたらうれしいです。

オリジナル魔法・武器・モンスター

【フルムーン】 はいでました!適当です。なんか月でます。満月が。ユグドラシルならなんか満月みたら強くなる種族特性とかありそうですよね。月みたら巨大化して大猿になるような。ないかな?多分弾けて混ざります。

【ラーナルータ】 某国民的RPGに出てくる魔法です。昼と夜とが入れ替わります。知ってる人がみたらいやいやほぼまんまじゃんってなります。

【フレンドリィ・キャンセラー】 なんですか?これ?レイドボス戦とかやられたらブチギレ案件になりそうですね。超位魔法とか使えなさそう。

【屍の血河】 言葉はいらないと思います。そういう事です。なんか血の斬撃を五連撃で放ったりできます。

【ケット・シー】 原作に居ましたっけ?記憶にありません。いたら名前を変えます。ねこまるくんとかいいかもしれませんね。多分討伐報酬は良かったと思います。多分。

今回も読んでくれてありがとうございます。また読んでくださいね。
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