あんてぃりーねのゆぐどらしる☆だい☆ぼう☆けん☆ ~泣き虫が伝説になるまで~ 作:だいだろすちひろ
前回のあらすじ
悲報、ルベドさん潰される。
♦
「癪に障るヤロォーだぁぁぁ!!ぶっ潰してやるゥゥゥあァァァ!!」
「やってみろ。」
その瞬間―――大地が震えた。
周囲の空気が重く震え、地面が砕け、メシメシと奇怪な音を立てながら、広範囲にひび割れが起きていく。
大きな砂煙が舞い上り周囲を覆っていく。視界が悪くなったこの状況では、ルベドの生死は確認できない。だが、普通に考えれば、少女と
時間が経つにつれ、砂煙は飛散していき、そこにある光景を露わにさせていく。
先に姿を表したのは
そしてそう時間はかからずに
鉄槌が振り下ろされたその先で、押しつぶされたルベドの姿が露わになる―――かに思われたが。
「は…?はうあぁぁぁ!?」
露わになったのは、
そう―――ルベドは潰れてはいなかった。
「残念だったな…本機は強いのだ…。」
―――パン。
ルベドは受けた
ズシンと鈍い音が鳴った後に、訪れるのは静寂。
獣人も
「う~ん…
尻餅をつく
ユグドラシルにも
尻餅をついていた
「ふふん。しかし、その程度のステータスでは本機のボディメタルに傷をつける事は出来ないと断言しておく。本機のボディメタルは『七色鉱』であり、それを最高峰の錬金術師達と最高峰の錬金器具を使用し極限まで強化されている。そして特殊な組み合わせによって、硬度に更にボーナスを付与する事に成功したのだ、その硬さは
ペラペラペラペラと、自らの性能をひけらかすかのように多弁になるルベド。
子は親に似ると言うが、今のルベドの姿を、もしギルメン達が見たならば、タブラが重なって見える事だろう。タブラもまた、気持ちよくなるとこの様に多弁になってしまうからだ。
「キャアァァァイィィィ!!」
ルベドが気持ちよくしゃべっていれば―――奇声が上がる。
気持ちよさそうに喋り続けるルベドへと
「―――ほう…『猿叫』か…聞く者によっては只の奇声に聞こえるだろうが、古武術などではれっきとした発声方法である…と本機のメモリーには―――」
「チェアァァァ!!」
ルベドのうんちくを聞くまでもなく、即座に回し蹴りを
―――メシリ。
「――~~~ッ!!」
ルベドは単に肘で受けただけではない。受けると同時に関節を肘で打ち付けていった。
「ギィィィ!!キャァァァ!!!」
強烈な足の痛みに耐えながら、
しかし、その全てを悉くルベドは受け―――捌く。
「…もうやめろ…命まで取るつもりは無い。」
「――~~~ッ!!」
ぜぇぜぇと息を荒げる
悪夢だ―――こんな矮小な存在に、自分ともあろう者が良い様にあしらわれている。これが悪夢と言わずなんだと言うのだろうか。
「ギギギッ――~~~ッグギギッ…ふぅー。」
「…うん?」
「…能力向上…能力超向上…。」
「…!」
―――ピクリ。
ルベドの眉が動く。
即座に自らのメモリーにアクセスし、目の前の光景をユグドラシルに当てはめ、検索を始める―――が、自らのメモリー内のどの情報にも一致する物はない。
「むむむ…魔法とも違う…スキルとも違う…アイテムの効果?それとも?なるほど―――興味深い。」
「武技!剛撃!!」
瞬間―――
正確には、消えたと見紛う程の速度で踏み込み、拳を打ち抜いていった。
鳴り響く轟音―――手ごたえあり。
対象を打ち抜いた
「…う…うそだろ…。」
「ほんとだぞ。」
本日最大の一撃―――が、それすらもルベドは片手で受け止めている。
余りにも信じがたいその光景を目に、
「…おい。」
「…は…はぁ…う、うそだ…うそだ…なんなんだ、おま―――」
「…おい。」
「―――は?」
「…もっと―――見せて見ろ。」
―――キュイン。
眼球型カメラの瞳孔が狭くなる。先程の未知の能力を前に、ルベドが興味を示したからだ。
ルベドの最高峰のAIが更なる情報を欲している。
未知の力に対する興味であり。
未知の力に対応する為であり。
未知の力に順応する為であり。
未知の力を克服する為であり。
自らが更に先へ進む為に―――更なる進化をする為に。
AIが更なる情報を欲する。
「…おい…聞こえないのか…?」
「…あ…あぁ…。」
声音が変わっていく。冷たく、冷酷な声音だ。
「…おい。」
「ハァ…ハァ…。」
手足が震えだし―――そして。
「…聞いて―――」
「あぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
―――ドスドスドスドスドス。
「―――あ…おい…。」
―――敗走。
一心不乱に脇目も振らず駆け出し、遂には見えなくなってしまった。
「…お…親分…。」
「………。」
獣人の声が虚しく響く。
呆気にとられたルベドがしばらく固まった後に、獣人に振り向く。
ビクリと獣人の肩が浮き上がる。終わりだ、そう思った時だった。
「…ほらな。」
「だからぁぁぁッ!!なにがあぁぁぁッ!?!?!?」
「………。」
「―――あ。」
―――言っちゃった☆
冷たいルベドの視線を受けながら、獣人は「へへ…へへへ。」と、引きつった笑みを浮かべるのだった。
♦
―――パチリ。
酷い痛みに苛まれながらも、獣人は目を覚ました。
「…かは…。」
体中に激痛が走る。それと同時に、顔面が特に痛みを発している事に気づいていった。手足が震えながらも、寝そべっていた体を無理やり起こそうとしていた時だった。
「マ、マダラ!大丈夫か!?」
「…チ…チャッピー…か…。」
コヒュー、コヒューと息を上げながら、リーダー格の獣人『マダラ』が目の前の獣人『チャッピー』に向け言葉を放った。
「あぁ…マダラ…顔が…ひでぇ…あんまりだろ。」
「あ…あぁ…?た、確かに…顔が滅茶苦茶…痛ぇ…。」
表情を歪めるチャッピーの言葉を聞き、マダラは冷静に記憶を辿っていく。そうすれば、おぼろげながら記憶が蘇ってきた。そうだ、自分はあの化け物の様な人間のメスと戦っていた筈だ。隙を見て背後から攻撃を仕掛けようとした所までは覚えているが、そこから記憶がバッサリと途切れている。
「―――ッ!?チ、チャッピー!ノリーオはどうなった!?」
「あ、あぁ…ノリーオなら…。」
チャッピーが指を指す。その方向には、白目を剥き、倒れているノリーオの姿が目に入る。そして、その隣で静かに座っているある者の姿も一緒に―――だ。
「―――!!?」
白目を剥くノリーオの隣にいるのは、勿論あの少女―――ルベドだ。
ちょこんと体操座りをしたルベドが倒れているノリーオをずっと見つめていた。
「ま~だかな…ま~だかな…。」
―――つんつん。
体操座りをしたルベドが、「えい…えい…」と言いながら、ノリーオを二回つついた。
いつになったら意識が戻るのだろう?まだか?もう少しかかるか?その様な行動に見えなくもない。
「むむむ…むぅ…おかしい…そんなに強く殴った覚えはない…やはり死んだふりか?そうくるなら…本機にも考えが―――」
「ちょッ!!?ちょっとッ!待って待って!待ってくぅぅぅださぁぁぁい!!」
「…ん?なに?」
「も、もう少ししたら目を覚ます筈なんで!もうちょっと!もうちょっと待ってくだせぇ…へへ…へへへ。」
チャッピーが引きつった笑みを浮かべ、手を揉み揉みしている。「そう?ならもう少し待つ。」と言いながら、ルベドはまた無言でノリーオを見つめた。時折つんつんと確認するかのように指でつつきながらも、静かに目を覚ますのを待っている。
「…な…なにが…どうなって…。」
「あ…あっぶねぇぇぇッ!危うくノリーオの顔面がボッコンボッコンにされる所だったぜッ!!」
「が、顔面を…ボコ…ボコ…?」
「そうだよッ!マダラッ!お前もあいつによぉぉぉやられたんだよぉぉぉ!意識を失ってる間によぉぉぉ!顔面を…ボッコンボッコンにされたんだよぉぉぉ!くうぅぅぅ…良かったなぁマダラッ!殺されなくて!!」
チャッピーが身振り手振りで状況を説明していく。聞けば聞く程に酷い話だ。既に青あざだらけになっているマダラの顔面が更に青くなっていく。
「…ん…んん…?」
「…あ、目を覚ました。」
「…んあ…?はあぁぁぁッ!?」
意識を取り戻したノリーオの目の前にいたのは、先程まで戦っていた人間のメスであった。飛び起きるように立ち上がったノリーオが戦闘体勢に入ろうとするが、チャッピーが全力で静止していく。
チャッピーが身振り手振りでノリーオに状況を説明していけば、マダラと同様に、ノリーオの顔色もどんどん青くなっていった。
「うんしょ」そう可愛く声を上げたルベドが立ち上がれば、三人の肩がビクリと浮いた。
「へ…へへへ…ど、どうしやした…へへへ。」
「うん?うぅん…とりあえず情報が欲しい。」
「じょ…情報…ですかい…?」
「そう…とりあえず情報収集の為に、この町に入りたい…案内を頼む。」
ビクゥっと、肩を跳ね上げたチャッピーをルベドは訝し気に見つめる。何か言いたげな表情に見えるからだ。
「ん?なに?」
「え…いやぁ…あのぉ…。」
「だから…なに?」
ゴクリとチャッピーは息を飲んだ。そして、意を決したかのように言葉を吐く。
「…町には…入らない方がいいかと…へへ…へへへ。」
「…うん?」
どう言う事だ?そう思ったルベドは、可愛く小首を掲げていった。
♦
町の中に足を踏み入れたルベドが周囲を見渡していく。視界に映し出されるのは、我が物顔で歩き回る獣人達と、質素でそれでいて老朽化も進んでいる建造物がポツポツと建っているのみだ。
「うぅむ…文明レベルはかなり低い。」
ルベドがそう評価するのも無理はないだろう。ルベドの基準はユグドラシルであり、あの『ナザリック地下大墳墓』であるからだ。最早この様な物は文明とすら呼んでいいのか?と疑問すら残る程である。
『マダラ』『チャッピー』『ノリーオ』の獣人三人衆の案内の元、町の散策を続けるルベドへと、町の獣人達から怪訝な視線が突き刺さっていく。それもしょうがない事だろう。ここは大陸中央部であり、亜人達の巣窟。人間はここでは権利など持たず、只々搾取されるだけなのだから。
怪訝な表情を見せる獣人達であったが、すぐに何かに気づいたかの様に、納得のいった風な表情を作り、ルベドから視線を逸らしていく。理由は簡単だ、ルベド一人なら異常な光景であるが、現在はマダラ達と行動している。つまりは、ルベドはマダラ達に捉えられ、連行されていく只のか弱い人間のメス―――そういう認識なのだろう。
ルベドが歩を進めれば進める程に、何やら値踏みをされるかの様な、ねっちょりとした視線が突き刺さっていくが、当然ルベドがそんなモノを気にする筈もなく、散歩気分で周囲を散策―――もとい情報の収集に勤しんでいた。
―――その時だった。
「…ん?おい、なんだここは?」
そう言葉を発したルベドの視線の先には非常に大きな建物が見える。
本当に大きな建物だ。この質素な街には不釣り合いな程に大きな建物。それがドンっと、町の―――恐らくは中央部であろう場所に建てられている。
妙に重々しい空気を醸し出すその建物を見てしまえば、ルベドでなくとも気にはなるだろう。そんな、建物を気にした素振りを見せたルベドの言葉を聞き、チャッピーはギョッとした様に目を見開く。
何か見られては困る物でもあるのだろうか?そう思わずにはいられない様な仕草を見せながら、チャッピーは「いやぁ~…そこは~…」などと、何やらの賜っている。
明らかに異常だ、何かある―――そう思っていれば。
「そこはここの客人達の『遊び場』さ…。」
「ほう…娯楽場か。」
「お、おいッ!マダラッ!!」
「…ん?」
マダラの言葉を聞いたチャッピーが焦りを隠しもせずに、慌てふためきだす。ルベドは訝し気な視線をチャッピーに送る。先程からコイツの態度は妙な物があると、気にする素振りを見せていく。
「隠したってしょうがねぇだろう…どの道バレる。」
「いや…つってもよう…。」
「…ん~?」
二人の会話を聞いていたルベドに、ネッチョリとした視線がまたも突き刺さってくる。周囲の獣人達が、わざわざ歩いていた足を止めてまで、こちらを見つめているからだ。
ネチョリとした視線と、ニチャリとした下卑た笑みを浮かべながらだ。
冷めた目をしたルベドが視線を変える。建物を見つめながら思い浮かぶ言葉―――なるほど、どうやら『碌でもない』場所なのだろう、この娯楽場は。
「あ…!おい!」
「とりあえず入る。」
チャッピーの静止を聞かず建物に入ったルベドの目にまず飛び込んできたものは、柵で囲われた円形のリングの様な物だった、それも非常に広く、数十人は軽く収まり、中で走り回れるほどの広さだ―――そう、事実そのリングの中には沢山の人影が見えた。
十人程の人間の女性が見える。見た目で判断すれば、とうの昔に成人しているであろう女性達だ。そんな、大人の女性達が、リングの中で走り回っている。
キャッキャキャッキャと、楽しく笑顔で―――そんな筈はなく。
「助けてー!助けてー!」
女性たちは必死で走り回る、何かから逃げるように。そして、その周囲―――リングの外では、ゲラゲラ笑いながらその女性達を見ている獣人達の姿が目に入った。
そして、リングの中からも、同じような下卑た笑い声が聞こえてくる。
「ゲハハハハー!!」
リングの中には、女性達に混ざり、一人の獣人の姿があった。立派な体躯をした獣人が、なぜかは分からないが、目隠しをし、両手を広げリングの中を走り回っている。
「ほぉ~れ、ほ~れ♪どこかな~♪こっちかな~♪ゲハハハハ~!」
「キャアァァァー!!」
何やら楽しそうに走り回る獣人とは裏腹に、女性達は恐怖で引きつった表情のまま走り回っている―――いや。
「…ん~?逃げてる…のかな?」
そう、正にその通りだ。女性達は逃げまどっている。誰から?と聞くまでもない、間違いなく、あの目隠しをした獣人からだ。
楽しそうにはしゃぐ獣人を見つめながら、ルベドが眉を八の字にして「う~ん…う~ん…」と考え込んでいる、
そして、何かに気づいたのか、ポンっと可愛く手を叩いた。
「…おお。なるほど。そうか、これは『鬼ごっこ』だな…少し本機のメモリーの情報とは違うが、恐らくそうだろう。」
腕を組んだルベドが、うんうんと何やら満足げな表情で頷いていれば。
「あ!あぁぁぁ!!いやぁ!いやぁぁぁ!!」
「ゲハハハ~♪ちゅ~かま~えた~♡」
一人の女性が獣人に捕まってしまった。目隠しをした獣人は女性をガッチリと抱きしめる。獣人が人間の女性に欲情しているのか?と興味をそそられたルベドは頷くのをやめて見つめていく。
「ゲッハッハッ~♪」
「…あ…あぁ…。」
―――メシメシ。
歪な音が響きだす。
「…うん?」
―――メシメシ…バキ。
耳を塞ぎたくなる様な音が響く。
「…うぅん?あぁ…そうか…なるほどなるほど。」
―――バキバキバキ。
ゴパっと言う音が混じる。
女性の口から血が噴き出してきた音だ。
「ふむ、なるほどな~…これは鬼ごっこと言う名の―――」
―――グチャリ。
その音と共に―――女性は息絶えた。
「―――虐殺だな。」
ゴトリと女性が地面に倒れ込む音と共に、先程よりも大きな悲鳴が聞こえてくる。女性達はその目で見てしまったからだ―――自分達の未来を。
「ゲッハッハッハ~♪ちゅ~ぎはだ~れかな~♡」
目隠しをした獣人は、先程よりも勢いよく走り回る。人間を圧死させた感触を得た事により、気が昂っているのだろう。先程よりも大きな声で笑い声を上げながら、涎をまき散らしながら、勢いよく走り続ける。
そうして走り回っていた獣人だが、気が昂ったせいで、速度の調整が効かなかったのだろう、勢いよくリングの柵に衝突したかと思えば、そのまま柵を突き破り、リングの外まで飛び出してきた―――そして、その先にいたのは。
「…うん?」
「ちゅ~かま~えた~♪」
その先にいたのは―――ルベド。
ガシリとルベドを捕まえた獣人が、笑みを作った。
「うぅ~ん♪なんだぁ~?こんなちっこいのいたかな~?なんか…うぅ~ん?なんかゴツゴツしてるな~?」
気になった獣人は目隠しを取る。そうすれば、そこにいたのは、人間の幼いメスだった。こんな奴いたかと、またもや少し考える素振りをしたが、直ぐに笑顔に変わる。どのみち一緒だ、人間を圧し潰せるならそれでいいと、抱き着いた両腕に力を入れていく。
「ん…?んっんっ…ん~?」
おかしい、随分と力を入れているが、目の前のメスはビクともしない。
「…おい。」
「ん~?なんだぁ~?」
目の前のメスは何やらもの言いたげだ。冥土の土産に聞いてやろうとニチャリと下卑た笑いを作る。
「いい余興だった…随分と興味深い物を見せてもらったぞ。」
「ん?あ…あぁ~ん?」
メスの口から飛び出した言葉は、考えていたのとは違う言葉だ。よく分からないまま、獣人が困惑していれば、目の前のメスは、何やら自分に抱き着いてくる。
「褒美だ。」
―――メシメシ。
獣人の体が軋む、目の前のメスが、あろう事か自分の圧し潰そうとしている。
ありえない―――ここにきて危機感を覚えた獣人だが、時既に遅しだ、力づくで引き離そうとするが引き離す事は叶わない。
「お前も楽しめ。」
―――メシメシメシメシ。
「おんぎゃ!!あっぴょッ!!?」
―――バキバキボキボキ。
「どうした?楽しそうな顔をしろ―――外道が。」
「アァァァ!?!?おっぴゃあえェェェエェェェチゼンガニィィィー!?!?」
―――ぐちゃり。
血を口から吹き出し、獣人は圧死していく。
周囲からざわめきが起きる中、ルベドは汚らしい物を払いのけるかのように自らの体をパンパンはたく。
「まったく…いえすろりーた…のーたっちだ…本機に気やすく振れるんじゃない…クズが。」
―――キュイン。
眼球型カメラの瞳孔が狭くなる。珍しく『不快』な感情を抱いたために。
無残に圧死した獣人にそう吐き捨てながら、ルベドは更に奥に進んで行く。なるほど、この町の―――獣人達の娯楽が何なのか、なんとなく理解できてきた。
「…ふん…中々に碌でもない所だな…不愉快だ。」
感情が大波の様に押し寄せてくる。機械である筈の自分にだ。
■■■■■・■■■■■■■の後遺症である、人間的感情が。
「ふふ…後遺症の様なマイナスな言葉は不釣り合いだな…悪くはない…うん…悪くはない。」
独り言を呟きながら進んで行ったその先では、またもや行われている獣人達の遊びが目に入る。
今度の遊び場は、『砂場』だ。さらさらとした砂が砂漠の様に全方位に敷き詰められている。
砂遊びでもするのだろうか?否、その様な幼稚な遊びが行われる筈もなく。砂場の中央には一人の男性が、首だけ飛び出た状態で埋められているのが見える。そしてその周囲にいる複数の獣人達と、正座の状態で座らせられている、複数の成人男性の姿もだ。
埋められ、無防備な男を、今度は一方的に痛ぶるつもりかとルベドは考える―――が、残念ながら、獣人達はその様な優しい心は持ち合わせてはいない。
獣人の一人が、何やら正座している男達を値踏みをするかのようにジロジロ見ている。見られている男達はガタガタ震えている。そんな姿を見ながら、値踏みしていた獣人が一人の男の前に、ある物を投げた―――ギラリと光るある物を。
「へっへっへっへっへ~…お前ぇ…その『ノコギリ』でそのオスの首を切れ。」
ギラリと光るある物とは―――ノコギリ。
それも非常に大きな物だ。人間の首を容易く切断してしまえる程の。
「え…えぇぇッ!!?」
「ひっひぃぃぃぃッ!!」
首を切れと言われた男が、信じられない言葉を聞いたかの様に叫べば、埋められた男が恐怖に引きつった顔で悲鳴を上げる。
「げへへ…さぁッ!はやくしろぉッ!!」
獣人は笑いながら男を蹴り上げる。ガタガタ手を震わせながら、蹴られた男はノコギリを手に持つ。
両手でしっかりと握る―――手を震わせながら。
「な~にグズグズしてやがるゥッ!」
追い打ちをかけるかのような蹴りを食らった男が、埋められた男の前に押し出されていく。
「ハァ…ハッ…ハァ…フッ…フッ…。」
男の息が上がる。鼓動は早まり、目は血走り瞳孔が開いている。ガタガタ震える手と同時に、震えるノコギリの刃を、埋められた男の首に持っていった。
「…フゥ…フゥッ…。」
「お、おいぃッ!じょ、冗談だろうッ!?」
「フゥッフゥッフゥッ…!」
「ひぃ…ひィやぁぁッ…あぁぁぁぁッ…!!」
「おぉぉぉいッ!さっさと引かんかぁぁぁッ!!」
「ひっ!ひやぁぁぁッ!!助けてくれぇぇぇッ!!」
ノコギリの刃が、埋められた男の首に当てられる。その瞬間、ぷくぅと首筋から血が滲み、時間と共にたらりと滴り落ちていく。
―――ガチガチガチ。
ノコギリを持った男は歯を鳴らす。
「ふぅ…ふぅ…あ…あぁぁぁ…アァァァぁぁッ!!」
叫び声を上げ、男はノコギリを投げ捨てていく、男は蹲り、獣人の足元に這いつくばった。
「あぁぁぁ!いやだぁぁぁ!できねぇぇぇ!できねぇよぉぉぉ!!あぁぁぁ!!!たすけてくれぇぇぇ!!!もうやめてくれぇぇぇッ!!!」
半狂乱になって叫ぶ男を見ていた獣人の笑みが瞬時に消えていく。叫びまわっている男の髪がガシリと掴まれ、無理やりに、力任せに持ち上げられていく。
ブチブチと髪の抜ける音を聞きながら、男は苦悶の表情を作りながら尚も叫ぶ、そして、開いた瞳に飛び込んできたのは、冷たく暗い、獣人の瞳だった。
「どうして引かんのだ?」
「む、むりだぁぁぁ!おれにはぁぁぁおれにはできねぇぇぇ!できねぇよぉぉぉ!!」
「なんだと…引けねぇだとぉぉぉッ!!!」
―――ゴンッ。
怒りに任せて、獣人は男を蹴り上げる。只の人間と獣人―――フィジカルの差は歴然としている。吹き飛んで行った男は、口から血を垂らし、倒れ込む。
ピクピク痙攣する男を見下ろす獣人だが、怒りは治まらない。楽しい気分を台無しにしてくれたゴミクズの頭蓋を踏みつぶしてやろうと、歩を進めようとする。
「…おい。」
―――ドッ。
獣人が前方に倒れていく。何が起こった?そう思い振り向けば、そこにいたのは人間の幼いメスだ。
獣人の額に青筋が浮かぶ。考えなくても分かる。このメスはこともあろうに自分を後ろから蹴飛ばしたのだ。
「リーネならこう言う―――ちょいと後ろ姿がムカついたもんでね。」
「てんめぇ…いい度胸じゃ…ねぇ…か?」
獣人には目もくれず、ルベドは落ちていたノコギリを拾う。幼げな少女が持つには、正に不釣り合いな禍々しいノコギリを見つめていれば、獣人がニチャリと下卑た笑みを作った。
「へっへっへっ…そうだなぁ…お前に引かせてやるよ…そのノコをよぉぉぉ!」
「うん?ほう…そうか…それは良い案だ。」
「ひ!ひぃぃぃ!!たすけてくれぇぇぇ!!」
「物分かりがいいじゃねぇかぁ!ゲハハハ―――」
―――ピトリ。
「―――ハハハ…あ?」
気づけば、ノコギリの刃は獣人の首元につきつけられている。
見えなかった。何が起きたかも理解できない。音すら聞こえぬ程の速度で振られたノコの刃が首元で禍々しい光を帯びていた。
「…これで引けばいいんだな?」
「そ…そうだけどぉ~…俺じゃな―――」
―――ストン。
獣人の言葉を待たずにノコは引かれた。
「―――ぁぁぁいィィィガッチョォォォン!?!?」
血しぶきが吹き上がり、赤い雨が降りそそぐ。
「ふん…なんだ、違うのか…そうならそうと早く言え―――ゴミが。」
首を切り落とされた獣人の体が糸の切れた人形の様に力なく倒れていく。ルベドはそれに目もくれない。外道の死に様など見る価値もないからだ。そんな物より、もっと重要な事象を確認できたからだ。
「ほう…こちらの武器も問題なく装備できる様だ。本機は『全ての武器が装備可能』ではあるが、それはユグドラシルでのこと…こちらの武器も装備可能であると確認できたのは収穫である…『
そう言いながら、手に持ったノコギリを放り投げる。もうこれは必要ない。続いて周囲を見渡す。そうすれば、武器を持った獣人達が自分を取り囲んでいるのが見える。
わらわらと集まってくる獣人達。あれだけ派手な事をすれば、こうなるのは必然である。
「…はぁ。」
わざとらしく一つ溜息を吐いた。その溜息の音を聞いた瞬間に、びくりと肩を浮かす獣人の姿を発見する。チャッピーだ。どうやら、チャッピーもこの場に付いてきていたらしい。見るからに顔を青くし、焦っているチャッピーとは裏腹に、他の獣人達は怒り心頭と言った所か。
「はん…まったく―――度し難い馬鹿共だな。」
力を見せつけてやったと言うのにこの有様。どうやら、もっと派手に見せつけなければならない様だと思っていれば、頭上から何かが降ってきた。その何かはルベドを越え、少し離れた場所に墜落していく。
生々しい音が鳴った。グチャリと言う肉が無造作に叩きつけられ破裂していく音だ。そう、降ってきたのは人間だ。血を吹き出し、首があらぬ方向に曲がってしまった人間が、ビクンビクンと痙攣している。
細められた目で、ルベドがチラリとその人間を一瞥すれば。
「ゲッハハハッ!記録はどうだ?」
「へへへ、新記録だなぁ~。」
「おっ?どうしたお前ら?」
三人の獣人達がニヤケヅラで歩いてくる。どうやら、あちらの遊びは、人間を放り投げどれだけ飛んだかを競う遊びの様だ。放り投げたであろう獣人がルベドに気づき、ニヤケながら近づく。正面までやってきた獣人はルベドの顔を覗き込む。
「おぉ?投げやすそうなのがいるじゃねぇか!次はテメェを放り投げて―――」
顔を近づけ、喋り掛けてきた獣人の顔を、ガシリと右手で鷲掴みにしていく。
「だまれ―――お前が飛べ。」
「―――ェェェいやぁぁぁうぅぅぅわッッッべシぃぃぃッ!?!?」
顔面を鷲掴みにした獣人を、ルベドはオーバースローで投げ飛ばした。獣人は建物の天井を貫通し、外まで吹き飛んで行く。
パラパラと天井の残骸が降り注いでいくのを、獣人達は放心状態で見つめる。理解が追いつかない。自分達の想像を、常識を遥かに超えた出来事が、今目の前では起こっているからだ。
「…おい。」
「…へ?」
「本機の記録はどれほどだ?」
「…えっと~…新記録―――べはぁッ!!」
言葉を言い終わる前に、獣人の頬にルベドのビンタが炸裂していった。叩かれた獣人はライナーで一直線に飛んでいく。建物の壁を貫通し、外まで吹き飛んで見えなくなった。
「…うわぁ~…また新記録だ~…ははは…。」
一人の獣人が顔を引きつらせながら笑っている。だが、目はマジだ。欠片も笑ってはいない。恐怖を滲ませた目で穴の開いた壁を見つめている。
そして聞こえてくる―――恐怖の声が。
「おい、ゴミクズ共―――」
―――死にたい奴からかかってこい。
♦
「う~ん…う~ん…う~ん…。」
眉をハの字にし、腕を組んだルベドが可愛く唸る。
最早どこかの『カタリナ騎士』張りにう~んう~ん悩んでいるルベドの周囲は瓦礫の山になっていた。
あの後は言うまでもない。建物の外から異変に気付き集まってきた獣人達を、ばったばったとルベドが張っ倒していったのは、この現状をみればよく分かる。
結果的に建物どころか、町は半壊し、恐怖に支配された獣人達は皆逃げ出していってしまった。今現在、この町には獣人は殆ど居ない。
そう―――殆ど。
「…おい、お前達は逃げなくて良かったのか?」
そう言葉を投げ掛けられたのは、『マダラ』『チャッピー』『ノリーオ』の獣人三人衆だ。なぜかこの三人だけは、逃げずに、未だこの町に留まっている。
「逃げるったって…なぁ?」
「行くとこねぇし…親分もいねぇしな。」
「俺達もそれなりに悪事を働いてきたんだ…親分無き今、新天地を目指した所で恨みを買った連中に殺されるのがオチだ…ここしか居場所がなかったのさ。」
なるほど―――と、ルベドは思う。
なぜこんな辺鄙な所に町があったのか理解しがたかったが。ここは単純に町でも何でもなく、悪党達の根城だったわけだ。ボスは言うまでもなく、あの
「そうか…なんか…ごめんな。」
ルベドの言葉を聞いたマダラはきょとんとする。先程まで暴れ回っていた化け物から出てくる言葉とは到底思えなかったからだ。
「は?なんでお前が謝るんだ?」
「…居場所がなくなるのは悲しいものだ。だから謝った。」
「そ…そうか…?さっきも言ったが、俺達は悪党だ、こういう時がくる覚悟くらいはできてた…まぁなんだ…気にするな。」
「う~ん…悪党か…お前に聞く…お前達もああやって遊んでたのか?」
瞬間、ルベドの瞳が冷たい物に変貌する。マダラの後ろではチャッピーとノリーオがゴクリと喉を鳴らす音が聞こえてきた。
「あん…するわけねぇだろ…あの遊びが俺達の商売だからな…商売道具を壊す商人がいるのかい?」
「うぅん?商売?―――あぁ、なるほど…お前達の商売は殺しの提供という事か…納得した。そう言えば、あの
「そうだ、人間は俺達獣人の『大事な食料』だからな。『快楽目的』で無駄に消費する事は獣人の国家間では認められてはいない…国に収める大事な食料だからな。でもな、それでも殺傷欲を抑えるのは俺達獣人には難しい…ここはそんな欲を最大限発散できる楽園だった…ってわけさ。」
「そっかぁ…確かにあの時、住人ではなく客人と言っていたな…違和感があったがそういうことか。」
「そういうこった…で、俺達を殺さないのか?」
「ん?なんでだ?」
「あの現状を見て怒り狂ってたじゃねぇか…。」
「別に怒り狂ってはない…ちょっと気に食わなかっただけだ。あのような行為は、本機の…いや、『アインズ・ウール・ゴウン』の信条に反するから…悪事は許すが、弱い者いじめは趣味じゃない。」
そうだ。自分達アインズ・ウール・ゴウンも、押しも押されぬ大悪党だ。悪事は死ぬほど働いてきた。その所為であのような大規模な侵攻が起きたのだから。だが、自分達は大悪党だが、品性までは捨てたつもりは無い。やるならとことん、カッコよく、でっかい悪事を働く。弱い者を力づくで虐げる様な、品のない事が嫌いなだけだ。アインズ・ウール・ゴウンの発端は―――『弱者救済』から始まったのだから。
「…う~ん…まぁでもなぁ~…人間を救ってやる義理も無い訳だが…別に無視しても良かったのか?人間達はナザリックを破壊しかけたわけだし…うん?いや…破壊しかけたのは本機か―――いや、よそう…いまこの考えをする理由がない…うん、そうだ…理由がない…うん。」
「なにを一人でぶつぶつ言ってんだ?」
―――ビクゥッ!
ルベドの肩が跳ねた。
両手をマダラに突きつけたルベドは、ふるふると首を横に振っていく。
「いや…待て…違う…そうじゃないんだ…悪いのは本機ではない…悪いのは侵入者である。うん、そうだ侵入者のクソ共が悪いんだ…当時の本機はまだVersionアップ前…侵入がなければ本機が出撃する事もなかった…そう…つまりは本機を出撃させてしまうような事態を引き起こした侵入者達が悪いのだ…そうだろう?」
細めた目で、じろりとマダラを見つめていく。マダラは少し表情を――ズタボロの顔を――引きつらせ、一歩後ずさった。
マダラ達獣人にとっては、人間の表情は見分けが付きづらい、しかし、それでも何となく分かった。そう分かってしまったのだ―――目が笑ってはいない。
「い、いや…そうだろうって…内容が理解―――」
―――ガシリ。
ルベドの手がマダラの肩を掴んで行く。それからズズズと言う効果音でも聞こえてきそうな動きで、ルベドは顔をマダラの顔まで近づけていく。
「なぁ~…そうだろう?なぁ~…お前もそう思うだろう?な?」
「―――あ、あぁ…そ、そうだな。」
マダラのその言葉を聞いたルベドは、肩から手を離し、天を仰いだ。そして、何やら「うんうん」と頷きながら、マダラへとちらりと視線を移す。
「ふふふ…ほらな?本機は悪くないのだ…お前は良く分かっている。」
ぐっと小さく握りこぶしを作ったルベドの目がキラキラ輝いている。そんなルベドを見ながら、マダラは思う。なにやらこいつにも色々と事情があるのだろうと。その様に考えていた時だった。
「…
ルベドの体が一瞬眩い光を放った。何が起きたと驚愕に彩られるマダラへとルベドの右手がかざされていく。
なるほど、そう言う事か。どうやら自分の命はここまでの様だとマダラが諦めの感情を抱いた―――その時だった。
「
マダラを眩い光が包み込む。そうすればどうだろうか、ルベドにズタボロにされた傷が一瞬にして全快していく。
信じられない―――只々信じられない。
マダラは自らの体を隅々まで調べる―――が、傷はどこにもない。全快している。自分の後ろでは残りの二人も同じ様に驚いている声が聞こえてくる。
「お、おまえ…神官だったのか?」
「…魔法の発動確認…効果確認…こちらでも問題なく魔法は使用できる模様…
「す…すげぇ…。」
―――ピクリ。
ルベドの眉が動き、その後フンスと胸を張る。
「ふふふ…そうだろう…本機は凄いだろう。」
「いや…マジですげぇ…本当に…なんなんだよ…お前は?」
「…本機か?本機は『自立稼働型超高機動人型決戦兵器・ルベド』だ。えっへんである。」
「ちょ…ちょ…こ…よく分かんねぇけど…どれが名前なんだ?」
「ルベドが名前だ。正確には名前ではなく、機体名だがな。えっへんである。」
ルベド―――マダラがそう呟けば、後ろの二人も同じ様に言葉を漏らした。
「本機は理由は不明だが、この様な見知らぬ土地に飛ばされてしまった。ナザリック地下大墳墓に帰還する為に、情報を集める必要がある。マダラ、チャッピー、ノリーオ、お前達に本機の情報収集を手伝ってもらう。」
「…はんッ!なんだ?お前が俺達の新しい親分になるってか?」
「親分かどうかはどうでも良いが、そう呼びたければ呼べばいい。今まで悪事を働いた分…死ぬほどこき使ってやる…。」
ルベドがフンスと偉そうに胸を張り、それを見たマダラがにたりと笑みを作った。交渉成立と言った所だろう。
「そうかいそうかい、そいつはおっかねぇな…そんじゃよ、親分、まず最初の仕事といこうか。」
「ふふふ…ん?仕事?仕事とは何なのだ?」
くいくいとマダラはある場所を指さす。そこには大量の人間達が一か所に集められていた。遊びの為に捉えられた人間達―――商品がそこにはいた。
「どうすんだあれ?命令さえくれれば売っぱらってくるぞ。」
「…う~ん。」
ルベドは考える。弱者をいたぶる行為に腹を立て人暴れしてしまった為に、結果的にこの様な状況になってしまっただけで、別に助けた訳でもない。先程も言ったが、別に人間を助けてやる義理もルベドには無い。本来ならマダラの言う様に売っぱらって、報酬に何か目ぼしい情報でも貰うのが一番いいのではあろうが、それをしてしまえば、自分達の悪党としての美学に傷がついてしまう。
「うん…よし。」
一しきり考えたルベドは集められた人間達の元まで歩いていった。そして両手を広げ喋り出す。
「…本機はお前達をどうするつもりもない。お前達は今から自由だ…どこへでも行けばいい…。」
そう、これでいい。自分達は大悪党だ、その懐は広い。人間達を開放し、自由にしてやる。それぐらい許容の範囲内だ。
ルベドの言葉を聞き、人間達の顔が明るくなっていく―――かに思われたが。
「ふふふ…ん?え?あれ?」
集められた人間達の顔が一瞬で曇っていく。正に絶望と言った様な表情だ。明るい顔をしている者など一人もいない。
「いやいや親分よぉ…そりゃそうだろうよ。こいつらを自由にした所で生きて行けるわけねぇだろ。」
「ぬぬ?…むむむ…確かに。」
人間達が俯いていく―――悲壮感が漂う。
腕を組み、眉をハの字にしたルベドがしばし考え込む。
―――そして。
「うん。まぁどうにかなるだろう。本機は凄いのだ、安寧の地を見つけるまで面倒をみてやろうじゃないか。」
その言葉を聞いた人間達は笑顔を作った。
フンスと胸を張るルベドの後ろでは、獣人三人衆『マダラ』『チャッピー』『ノリーオ』が顔を見合わせ、やれやれと首を振るのだった。
朗報!
ルベドさん、潰れていなかった!
どうもちひろです(ΦωΦ)
Finalルベドさんは、フィジカルスペックは
防衛戦時とそれほど変わりませんが
(ちょっと上昇はしている)
代わりに、様々な性能が追加されています
この『
ルベドさんは
対象をトレースできます
ギルメンだけではなく、NPCも、はたまた
ナザリックの同盟者達『アロビ達』とかもです
チート過ぎない?と思うかも知れませんが
最終章まで読めば、なんでこうなったのか
なんでここまでの事ができたのか
だからここまでの事ができたんだ
と思って貰えると思います
だけではなく、動きもトレースします
極端な話、アロビとかだと、突きを主体にした
戦法とその技術を引き継ぎます
ルベドを相手にするという事は
群がる達人達と交互に立ち会う事と同義です
傍から見たら何でもあり見たいに見えます
そして当然、できない事もあります
大抵の事はできますが…
そして、フィジカルスペックは変わりません
ここが非常に重要です
つまり、弐式に
フィジカル、ワールド・チャンピオンの
弐式が爆誕します
すごく強いと思います
フィジカルスペックは、基本誰よりも上なので
誰に
ルビアスになれば、エインヘリアルで
ルベドが二人になります
アラフになれば、ルベドがセラフを召喚してきます
デミウルゴスになれば、ルベドがゲヘナを使ってきます
残念ながら、頭脳はそのままです
アルベドや茶釜になれば、ゴリゴリのタンクスキル
を持った、ワールド・チャンピオンが爆誕します
ニグレドになれば、探知特化の
ワールド・チャンピオンが爆誕します
これが、
そう、基本性能です…
真の力はもっとやばいです
ルベド強すぎじゃない!?って思うかも知れませんが
いいんです
ルベドは強くていいんです
だってルベドは『劇場版のボス』なんですから
劇場版のボスが、物語の最後にもう一度出てきたら
そりゃあ、半端じゃないくらい強くなってても
いいじゃないですか
フリーザ様だって、金ぴかになったでしょ?
それに、ハーメルンのオバロ愛好家なら
分かってくれると思います
ルベドは『どの作品でも強い』です
全貌が明らかになっていないから
どの作品でも、ハチャメチャに強いでしょう?
そうです、うちだけではないんです
オバロ二次界隈では、ルベドは強くて当たり前
チートで当たり前なんです
もしかしたら、こんなの強い内に入らないかも…
だから、これでいいんです
ルベドは強くてなんぼなんですから…
という事で、
純粋なパワーアップと言う説明でした
それと、ルベドは『全ての武器を装備できます』
武器だけです、防具は装備できません
(衣装は除く)
ルベドが装備できる防具は一つだけです…
しかし、あれは防具になるのだろうか…?
最大性能値を越えて使用できると言う効果を持ちます
なので、基本接続して、最大限活用します
それ以外の武器は、基本『握り』ます
手が完全に武器と一体化してしまうと言う
デメリットがあります
細かい事ができなくなってしまうんですね
アロビが野太刀を巧みに扱う様な
弐式やフラットが、手首のスナップも視野に入れて
小太刀を扱う様な
その様な柔軟性ができなくなってしまいます
自分の手が、一本の剣になったと想像してみてください
使い辛そうでしょう?
なので、専用武器『
基本は握ります
ちひろ(ΦωΦ)「それでは―――次回!」
キィィィングックリムゾォォォンッ!
時は消し飛ぶゥゥゥッ!!
でお会いしましょう!
シュババババ!!
千葉セバス「……じ…じ…か…」ピクピク