甘いものは得意じゃないけど、不思議とたまに食べたくなるんですよね
・・・何か補足を入れなきゃならんと思ってたんですけど、忘れました。
素で玉狛の漢字間違えてた。すんません。
ラッド駆除から数日後
《ボーダー本部・如月伸太郎の作戦室》
「で、話ってなんだよ。この後、玲を迎えに行かないといけないんだが」
「相変わらずだな、お前は。すぐ終わるから安心してくれよ」
伸太郎が出したお茶とぼんち揚を食べながら、自称実力派エリートの迅悠一は苦笑いをして早速本題に入った。
「実は、近々俺&嵐山隊対城戸一派でちょいとやり合う未来が見えてな、少し手伝って欲しいんだよ」
「・・・それは遊真と眼鏡くんが関係しているのか?」
「ああ、やっぱりもう出会ってたか」
予想通りだとでも言うようにそう言ってヘラッと笑う。少し腹の立つ顔だがコイツがわざわざオレに頼むと言うことは何かしら利益があるからだろう。
「遊真はともかく、三雲はちゃんとボーダーに利益をもたらすんだろうな?」
「まあ、二人とも遠くない未来にしっかり活躍してくれるよ。俺のサイドエフェクトがそう言っている」
「・・・良いだろう。腐れ縁と遊真に免じて引き受けてやる。だが派閥争いには出来るだけ関わりたくない、摩擦をより減らす為にも通常のトリガーで参加するぞ」
「むしろ、そうしてくれると助かる。今回の作戦によっては《風刃》の価値を城戸一派に示す必要があるからな」
「お前まさか・・・」
伸太郎は作戦に何か心当たりがあるようだが短く頭を振った。
「いや、やっぱり何でもない。話はここまでだな。オレはそろそろ出る」
「おー、那須ちゃんによろしく言っといて」
「覚えてたらな」
微塵も伝える気は無さそうな様子で面倒臭そうに迅を作戦室から押し出して、自分も外へ出る。
「日にちと時間が決まったら教えろ」
「おう、じゃあな」
それだけ言うと時計を見た伸太郎は早足に本部を出て行った。その背が見えなくなるまで手を振り続けていた迅はぼんち揚の袋を片手に何処かへ去っていった。
これが数日前のことである──
──そして現在
「日にちと時間が決まったら教えろとは言ったが・・・!!」
「どうしたの?」
よりによってこのタイミングかよ!伸太郎は心の中で叫んだ。現在、伸太郎は自宅ではなく那須家にいた。二人は4年ほど前に偶然知り合い、その結果今では気軽に家を行き来する間柄となった。なお、両親も認知している仲であり、ボーダー内部では色々な有名なカップルである。
話を戻そう。伸太郎は時々、玲の親に頼まれて夜まで那須家で過ごすことがあった。玲の両親は共働きであり、会社の都合で二人とも休日でも働きに出て帰れないことがあったのだ。そんな時、二人は信頼する伸太郎に体の弱い娘の面倒を見てほしいと頼むことが多々ある。例えば今日がその日だ。
「あぁ、いや何でも──」
「・・・・・・」
「なんでも──」
「・・・・・・・・・」
「話すからその目はやめてくれないか・・・」
「あら、涙目を使う前に折れてくれて良かったわ」
「勘弁してくれ、お前の泣き顔は嘘でも見たくないんだよ・・・」
玲の無言の圧力に屈した伸太郎は素直に悠一との約束について話した。玲は少し考えるような表情をするが、すぐにいつもの表情に戻った。だが、その目はどこか鋭い。
「玉狛支部に行くってことは宇佐美ちゃんと小南ちゃんがいる・・・」
「??」
玲は何かポソポソと呟くが伸太郎には聞こえない。聞き直すべきか迷っていると玲は伸太郎に(いつもと比べると)力強く言った。
「伸太郎、私もついて行くわ」
「え?いやでも・・・」
「玉狛には前の貴方の部屋もあるでしょう?久しぶりに行きたくなったの」
「・・・体調は?」
「大丈夫よ。移動中はトリオン体になればいいし」
「分かった。一応親御さんに許可を取ってくれ」
「それも大丈夫。伸太郎といる時はやりたい事はやりなさいって言われてるから」
「あの人たち、オレのこと信用しすぎじゃないか?」
本当にそれで良いのかと思ってしまうが、それほどまでに信頼されている事実がくすぐったくも感じてしまう。
「それで、良いでしょ?」
「分かった。途中で買い物しようと思うんだけどいいか?」
「もちろん」
いそいそと戸締りをして、伸太郎はトリオン体となった玲と共に家を離れた。玉狛に行く途中、二人は買い物をして正午になる少し前に到着した。
「それにしても久々だな」
「3、4ヶ月前にも来てなかったかしら?」
「たしかにそうか、忙しいと時間の感覚が狂うんだよな」
川の上に建っている三階建ての基地が玉狛支部だ。ここには旧ボーダー時代からいる隊員も多く、ここに所属している全員が伸太郎とかなり仲がいい。
伸太郎は買い物袋を持って玄関の扉を開き、先に玲を入れる。
「ただいまー」「お邪魔します」
「あれ誰だろ、って伸太郎さん!しかも那須ちゃんも!」
出迎えてくれたのは黒髪ロングで眼鏡の似合う女子隊員《
「よ、飯は食ったか?」
「これ、伸太郎がお土産にって」
「おお!洋菓子店のスイーツ!あ、ちなみにご飯はまだです」
「なら良かったわ、悠一の奴に呼ばれてきたんだけどついでに飯作るわ」
「手伝う」
スタスタと歩いて迷いなくキッチンへ向かう伸太郎とそれに追従する玲。本部の二人がここにいるのを見る人が見れば仰天することだろう。リビングに併設されているキッチンへ行く途中仲良く騒ぐ玉狛メンバーがいた。ただその顔ぶれはいつもとは違う。
「あれ、シンタローさんじゃん。もうひとりは誰だ・・・?」
「えっ!伸太郎と那須ちゃんだ!って遊真はなんで伸太郎のこと知ってんのよ」
「いやー、いろいろありまして」
最初に反応したのは遊真と長い茶髪の少女《
「あなたは・・・」
「伸太郎さん、那須さん、お久しぶりです」
「久しぶりね、烏丸くん」
「久しぶり、京介。弟妹たちは元気か?」
「お陰様で元気です。また顔を見せに来てやってください」
「暇な時間が出来たらな。それで、三雲はなんで玉駒に?」
「あ、はい。昨日転属届を・・・」
「玉狛に所属するなら関わる機会も増えそうだな。よろしく」
「よろしくお願いします・・・」
相変わらず黒髪をモサモサとさせた無表情イケメンが《
「伸太郎と那須か、久しぶりだな」
「レイジさん、ご無沙汰してます。ところで、そっちの子は?」
「今、迅の頼みで修行を付けている子だ」
「あ、雨取千佳です。はじめまして」
少し目を逸らし気味に自己紹介をする少女。遊真と同じかそれよりも小柄な体躯をしている。横にいる筋肉の化身が《
「よろしく、てことはボーダーに入隊するのか、オレは如月伸太郎だ。オレも一応万能手だから聞きたいことがあれば遠慮なく聞いてくれ。で、遊真も知らないから紹介するがこっちが・・・」
「本部所属のB級隊員の那須玲。よろしく」
「ちなみに玲はオレの彼女だ」
補足を入れると驚いたような顔をする四人・・・。四人??
「なんでお前も驚いてんだよ小南」
「流れ?」
「流れってお前なぁ・・・」
こういう雑なところが本当に妹と似ている、頭は良いのにアホなんだよなぁ・・・。ノリが良いといったらそうだけど、身内の話は全部信じちゃうのがなぁ・・・。
「シンタローさん、後で戦ってよ」
「あっ、ズルい!あたしもやる!」
「血気盛んだな・・・」
「伸太郎、そろそろ作ろう」
「おう」
どうやら遊真もボーダーに入ることにしたらしく、小南と修行をしていたようだ。オレが万能手ってことを聞いて戦いたくなったらしい、便乗するように小南まで。夜の戦闘の体力は残しときたいからご飯とお菓子で誤魔化すとしよう。
戦闘狂たちのあしらい方を考えていると袖を小さく引っ張られた。伸太郎が玲の提案を断るわけもなく早速調理は開始した。
その後、結局伸太郎は夕方まで玉狛の隊員たちに付き合い、夕食を食べてから悠一に呼ばれて戦闘予定地となる場所へ赴いた。
那須さん初出演!
伸太郎は那須さんの両親にめっちゃ信頼されてます。
ここの那須さんは原作の那須さんより元気かもしれん。伸太郎に対してかなり遠慮なくわがままとか言ってくれてたら良いなぁ。
精神的な健康って意外と馬鹿にならないんですよね。