カロリーメイトはチョコレートが好きです(唐突)
伸太郎たちの方で今にも戦闘が始まりそうになっている頃、玉狛では宇佐美によるトリガー教室が始まっていた。対象は遊真、修、千佳の新参ボーダー隊員だ。
宇佐美は早速専用の道具でトリガーホルダーを開き、三人に中を見せる。中には上下に四つずつ並ぶ小さなチップが並んでいる。
「見ての通りチップが8個あるよね?このチップがトリガーなの。トリガーは8種類までセットできて、攻撃用とか防御用に切り替えながら戦うんだ。上側のチップが利き手用の
例えば、主トリガーで武器を出して、副トリガーでシールドを出したりして戦うんだ」
「ほうほう、中々奥が深そうだ」
遊真はボーダーのトリガーを興味深そうに眺めている。ここの外で扱ってきたトリガーとはかなり勝手が違うのかもしれない。
「じゃあまずは遊真くんが使いそうな
該当のトリガーが入ってるらしいトリガーホルダーを掲げながら宇佐美は解説をしていく。
「まずは《スコーピオン》、スピード型の攻撃手がよく使う軽量ブレードだね。いつでもブレードが出し入れできて重さもほぼゼロ。体のどこからでもにょんって出せるし、トリオンを調節すればブレードのカタチや長さも変えられるんだ。その代わり、耐久性がかなり低くて受け太刀をすると結構簡単に折れちゃうのが注意点だね。しかもブレードを伸ばすほど脆くなるから、守備度外視の攻撃特化トリガーだと思っちゃっていいかも」
「ふむふむ」
遊真は実際に起動してうにょうにょとブレードの形を色々と変形させている。遊真の反応を見る限り感触は悪くなさそうだ。
「次は1番人気の万能ブレード《
「これはこれは・・・」
弧月の柄部分を持ってしげしげとスコーピオンと見比べる遊真。かなり迷っているが、ふとあることに気づく。
「ん?でも、たしか攻撃手用のトリガーってもう一本あるよね?オサムが使ってた剣」
「ああ《レイガスト》ね」
宇佐美はもうひとつトリガーホルダーを手に取って、遊真の質問に答えるべく説明を始める。
「レイガストは他の二つとは違ってガッツリ攻撃!って感じじゃなくてむしろ守備的なトリガーなんだ。スコーピオンみたいにブレード部分を変形できて、攻撃力が下がる代わりに耐久力が上がる
「んー、この二つと比べるとかなり重いな」
「その通り、レイガストは三つある攻撃手用トリガーの中で1番重いんだ。このトリガーを使って身軽に動くのは難しいし、
「おお、レイジさんが」
遊真はレイガストにスコーピオン、弧月ほどは興味を持っていなさそうだった。悩む遊真を横に、修はこれまでの話の中で気になったことがあるようだ。
「・・・・・・あの、弧月が1番人気ってことは本部で1番強い人も弧月を使っているんですか?」
「そうだよ、本部のトップは《弧月》使いの太刀川さん。迅さんのライバルだった人で、伸太郎さんによくレポートの手伝いをお願いしてる人だよ」
「へぇ、シンタローさんも関わりある人なのか」
「迅さんのライバル・・・・・・!って、レポート?」
「うん、レポート。二人とも同じ大学で太刀川さんは伸太郎さんの先輩なんだけど、単位が相当やばいらしくてね。それで年下だけど昔から優秀な成績を持つ伸太郎さんにレポートの作成を手伝って貰ってるらしいの」
「伸太郎さんが優秀とは言っても、一つ上の内容ですよね?」
「んー、普通はそうなんだけどね。伸太郎さんは俗に言う天才だから・・・。話によるともう既に大学の履修範囲は全て理解しているらしいよ」
「えぇ・・・」
これに関してはかなり有名な話であり、そして間違いのない情報だ。年下組はテスト前になるとよく伸太郎のもとへ訪れては勉強を見てもらうし、年上組は年上組でレポートの手伝いやアドバイスを依頼する場面が多く見られる。
「おれも困ったら助けてもらおう」
「じゃんじゃん頼っていいと思うよ。伸太郎さんは無理だったらしっかり断る人だし、前に教えてもらったけど丁寧で分かりやすかったよ」
なんと宇佐美の太鼓判つきだ。伸太郎の預かり知らぬところでまたひとつ評価が上がる。遊真と千佳は純粋に尊敬の念を深めたが、修はそんな完璧な人はいるのかと少々懐疑的だ。
「あの・・・、さっきの話に戻ってもいいですか?」
「うん、勿論だよ。話を逸らしちゃってごめんね」
「いえ、大丈夫です。えっと、それで太刀川さんと迅さんってどっちが強かったんですか?」
「それは多分太刀川さんだね」
軌道修正でもするかのように修は太刀川と迅の話に戻す。宇佐美も元の話の流れを思い出したのか特に何も言わずに修の質問に即答した。
「何年か前まで攻撃手用のトリガーって弧月しかなかったんだ。その時の個人ランク戦の一位と二位が太刀川さんと迅さんだったんだけど、迅さんが『弧月じゃ太刀川さんに勝ち越せない』って言って技術者の人と一緒に作ったのがさっき紹介したスコーピオンなの」
「おお、迅さんが作ったのかコレ・・・」
「迅さんがそこまで・・・・・・!?」
遊真はスコーピオンを手に感心したように眺める。逆に修は悠一すら勝率の危うい相手と聞き信じられないとばかりに声を上げる。
宇佐美はそんな二人を見ながら昔の記憶を探るように顎に手を当てて、続きを話す。
「迅さんがスコーピオンを使い始めてからは互角の戦いだったんだけど、トータルの戦績は太刀川さんの方が上なんじゃないかな」
「ライバルだった、ってことは今はちがうんですか?」
「うん、途中で迅さんが黒トリガー使いになっちゃったからね。黒トリガーはふつうは相性のいい人にしか起動できないんだけど、迅さんが今使っているトリガーはビックリするくらい適合者が多くて、本部が候補者たちに争奪戦をさせたんだけど迅さんがあっという間に全員倒して圧勝したんだ」
「じゃあ、決着もそのときに?」
「ううん、太刀川さんは黒トリガーに選ばれなかったの。だから今でも決着はついていないんじゃないかな」
宇佐美の解説はそこでひと通り終わった。修もそれ以上は特に疑問もないらしく、ひと言も喋らない。その中でマイペースに遊真が未だに悩み続けていた。
「スコーピオン、弧月、レイガストか・・・」
「迅さんや太刀川さんについてはさっき言った通りだよ。他に聞きたいことはある?」
「ぼくは特には・・・」
「わたしも今のところは・・・」
「しおりちゃん、質問いい?」
「なんだね?遊真くん」
眼鏡を光らせながら宇佐美は質問者である遊真の方に振り向く。
「シンタローさんは弧月使ってたけど、他のトリガーとか使ってなかったの?」
「伸太郎さんか・・・、まず先に言っておくとあの人は迅さんと同じS級隊員なの」
「「「S級!?」」」
千佳はともかく、遊真と修はイルガー討伐の時に自己紹介で聞いたはずだったのだがすっかり忘れているらしく、千佳とともに驚いた。
「迅さんと同じって事はシンタローさんも黒トリガー使いなのか・・・」
「その通り、S級隊員は黒トリガーを扱う隊員のことなの。伸太郎さんは4年半前からずっと黒トリガーを使って三門市を守ってる」
「そんなに昔から・・・」
「ふむ、シンタローさんはかなりのせんぱいだったのか」
「そういえば、見たことあるような・・・」
「大先輩と言っても過言じゃないと思うよ。迅さんもだけど二人とも旧ボーダー時代からいるからね。それに迅さんと違ってたまに表にも出るから世間でもそこそこ知られてる人だよ」
三人の知らない話がぽんぽん出てくる。伸太郎のメディア露出については修も少し心当たりがあるのか何かを思い出すような表情をしている。
「おっと、話がズレたね。伸太郎さんの黒トリガーは《柑夕の記憶》っていう弧月型の黒トリガーなの。風刃と違ってかなり好き嫌いが激しいトリガーでね、適合者は後にも先にも伸太郎さん1人」
「これまた両極端ですな」
「後にも先にもってなんで分かるんですか・・・?たまたまこれまで見つからなかったっていう可能性は・・・?」
遊真は口を3の字にしてふむふむと頷いているが、修は宇佐美の遠回しな『今後絶対に適合者は出てこない』という言い切りが気になったらしい。千佳は今はただ、話を聞くことに専念しているようだ。
「んー、それはね・・・」
「伸太郎の黒トリガーは伸太郎のお父さんが作ったものだからよ」
「「「え?」」」
上から静かに降りてきた玲が、口籠もっていた宇佐美の後を継いでその先を紡いだ。
「那須ちゃん、それって話して大丈夫なの?」
「問題ないわ。伸太郎は空閑くんを信用しているようだし、この話自体はボーダーに入れば遅かれ早かれ伝わることだから」
「そういえば、本部で伸太郎さんの話は有名だったね・・・」
「ええ。本人もそれに関しては別に気にしてないわ」
話しながら玲はしれっとお茶を注いで飲み始める。女性らしい服装の上には真っ黒なパーカーを羽織っている。かなりサイズの大きいそれは、恐らく伸太郎のものだろう。
「黒トリガーは作る人の命とその人の全てのトリオンを込める事で生まれる。伸太郎のお父さんが伸太郎の為だけに作ったからこそ、他に適合者はいないの」
「そっか、シンタローさんも・・・」
「空閑・・・」「遊真くん・・・」
遊真は何かを思い出し、少し表情を暗くさせる。伸太郎と遊真の境遇が似ていることに気付き修と千佳も言葉を失う。三人とも、常に誰かと楽しそうに話す伸太郎からは予想も付かなかったのだ。
その変化に気づいた宇佐美はどうにか雰囲気を変えられないかと話題を探すが特には思い浮かばず、助けを求めるように玲の方を見ると玄関へ繋がる扉を開けようとしていることに気づいた。
「え、えっと・・・、ってあれ?那須ちゃん、お出かけ?」
「ええ。少し夜風に当たってくる」
「そっか、伸太郎さんが心配するから早めに戻ってきてね」
「分かってる・・・」
部屋から出る時には既にトリオン体になっていた玲はパーカーのチャックを上げて、玉狛支部を出た。どこか確信を持った足取りで、玉狛支部に近い警戒区域へ走り出した。
残された宇佐美は気を取り直して、伸太郎に関する解説を再開する。
「・・・とにかく、そういうわけで伸太郎さん以外に適合する人がいないんだ」
「栞さん、わたしからもいいですか?」
「お、なんだい?」
「えっと、遊真くんと似たような感じになるんですけど、伸太郎さんって黒トリガーの前は元々どんな武器を使ってたんですか?」
「基本は遊真くんがさっき言った弧月をメインに使ってたよ。サブトリガーはイーグレットだね」
「近、遠距離対応できるのか・・・!」
「ふふん、伸太郎さんはそれだけじゃないよ!」
驚く三人を見て宇佐美は何故か得意気に眼鏡のツルを軽く持ち上げてレンズ部分を光らせる。
「伸太郎さんは
「・・・あの人、出来ないことってあるんですか?」
呆気に取られた表情で修は思わずと言った様子で呟く。学力といい、ボーダー隊員としての実力といい、聞いた限りではその能力は万物に通じている。
「私の知ってる限りはないかな」
「えぇ・・・」
関心を通り越して少し引き気味になった修とは対照的に遊真たちはワクワクとした表情をしている。
「今度、伸太郎さんにも狙撃手のこと聞いてみよう・・・!」
「迅さんに、こなみ先輩にシンタローさん、その上、太刀川さんか・・・。ボーダーには強い相手が沢山だな」
やる気と闘志を漲らせる二人の向上心ある後輩たちに宇佐美は満足そうに腕を組むのであった。
トリガーて凸砂できるのかね?個人的にど近距離に敵が近づいてきてもスナイパーライフルで処理できる伸太郎が見たい。
大規模侵攻でドカンと活躍してくれ、伸太郎。黒トリガーを得る前に、ひと通りトリガーを使えるように鍛えた伸太郎。
最近本当にやばい。伸太郎をメインでめちゃくちゃ色々なものを書きたい。私が知ってる男の子キャラで唯一推しだと断言出来そうなところまできてる如月伸太郎という男の万能感。
伸太郎のクロスオーバー書きすぎて、コイツやべぇと思われても仕方のないレベル。まだ踏みとどまって出さずにメモ帳で書き殴ってます。
ただワンシーンを書きたい(見たい)がために最初から書こうとしている私はアホなのかもしれない。供給が足りないから自給自足するしかないんですよ・・・、しかも私が好きになるキャラサブヒロインとか、途中で死んだりするキャラばかりだし、『そっち!?』みたいなキャラも好きになるから本当に自給自足しないと足りないんです。よしんばあったとしてもシチュの解釈が不一致だったりするから本当に自給自足しなければ・・・。一応補足しとくと、原作ちゃんとリスペクトしてます。出したキャラも不憫にしちゃったキャラも、よほど胸糞なキャラ以外は好きです。二次小説で利益得ようとか思ってないし、そんなことしてる奴がいたらウィングマンで撃ち抜いて落とし穴の種使って落とし穴に落としたところを鼻にワサビとからしチューブ突っ込んで草元素と雷元素と水元素使って激花開花させてやりますよ。食事は抹茶ソーダとおしるこーらを差し出して百味ビーンズのハズレだけをくれてやがりますわ。リトルネペントの種子も嗅がせてやるわ。そしてオブリビエイトかけて潜在的な恐怖だけを残すのです。流石にディメンターは可哀想だよね!
ちなみに元ネタ全部分かる人がいたらきっと友達になれますね(適当)