麻帆良の小さな戦士たち   作:ハクアルバ

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イナズマイレブン未経験の自分がSwitchで無料体験版をやってみた感想

ダンボール戦機をやってた方が圧倒的に楽しかった……思い出補正ですかね?


ep.12 これが私の力

放課後、茶道部での部活動を終えたエヴァンジェリンとその従者の茶々丸。帰り道、エヴァンジェリンは茶々丸に忠告をする。

 

「ネギの坊やに助っ人がついたかもしれん。いいか茶々丸、おまえに仕込んだあの能力は一般人に見られていいものじゃない。もし使うのであれば、人前は避けることだ」

 

「はい、マスター」

 

「おーい、エヴァ」

 

そこに現れたのは高畑・T・タカミチ。呼ばれたエヴァンジェリンは面倒くさそうに返事をした。

 

「うっ…タカミチ……何か用か?」

 

「学園長がお呼びだ。一人で来いだってさ」

 

「わかった、すぐ行く」

 

タカミチと共に学園長室へと向かうエヴァンジェリン。茶々丸は一人で帰路に着くことになった。

 

「お気をつけて、マスター」

 

「おまえも気をつけろよ。奴らに仕返しされないとは限らんからな」

 

「了解です」

 

「仕返し? 何か悪さでもしたのか?」

 

「うるさい、貴様には関係のないことだ」

 

時期は四月中旬。桜の花弁が降り敷く土手の上を茶々丸はひとり歩く。

 

茶々丸の後方ではネギとアスナ、カモの三人が茶々丸に見つからないように尾行していた。

 

「茶々丸って奴の方が一人になった! 今がチャンスですぜ!」

 

「だ、だめだよ。人目に付くとマズいよ」

 

「なんか辻斬りみたいでイヤね……でもあんたやまきちゃんを襲った悪い奴らなんだし、なんとかしないと……」

 

土手をしばらく歩いていると、女の子の泣き声が聞こえてきた。

 

「えーん。あたしの風船がー」

 

すぐそばの桜の木には女の子がうっかり手放した風船が引っかかっていた。

 

茶々丸は桜の木の真下まで行くと、背中のハッチを開いて内部のスラスターを露出する。スラスターを起動すると茶々丸の体は宙に浮かび上がった。

 

「え……」

 

「飛んだ……」

 

木に引っかかった風船を掴み、地面に降りて女の子に返してあげた。

 

「わー! お姉ちゃんありがとー!」

 

その様子を三人はポカーンと見つめていた。

 

「そ、そういえば茶々丸さんってどんな人ですか?」

 

「え、えーと……なんかおとなしくて変な耳が付いてて……」

 

「見りゃわかるっス。てかどう見てもアンドロイドじゃね?」

 

「ええーー!!?」

 

「茶々丸さんって、人間じゃないのー!?」

 

「気づいてなかったんスかーー!?」

 

「そういや生身で∞ドライブ使ってたっけ…」

 

「その時点で人間じゃないっスよ!?」

 

ネギとアスナの鑑識眼のなさに呆れるカモ。二人とも茶々丸を普通の人間だと思い込んでいた。

 

「フギャーー!!」

 

「な、なんスか!?」

 

引き続き茶々丸を尾行していると、路地裏から猫の叫び声が響いた。

 

「こら、暴れんなって!」

 

「猫吸血鬼って牙が長いらしいぜ? こいつじゃね?」

 

「なによ? 騒がしいわね?」

 

路地裏では二人の男子小学生が虫取り網で野良の黒猫を捕獲していた。

 

「猫吸血鬼……」

 

「エヴァンジェリンのことっスね」

 

「シャーー!!」

 

「こいつ、おとなしくしろ!」

 

虫取り網から脱走しようと暴れまわる黒猫を無理やり押さえつけている。

 

「ひどいことするわね。これだからガキンチョは!」

 

「姐さん待ってくれ! 今飛び出したら茶々丸に見つかりますぜ!?」

 

「で、でも……」

 

黒猫を連れ去ろうとする男子に茶々を入れたのは、偶然通りかかったアンドロイドだった。

 

「猫を放してあげて。おうちに帰りたがってるでしょ?」

 

茶々丸は無機質ながらも優しめの声色で男子を説得しようとするが、

 

「やだよー! 噂の猫吸血鬼を捕まえたら、賞金がもらえるって話なんだよ!」

 

「茶々丸は邪魔すんな!」

 

二人の男子は茶々丸の言うことを聞かない。

 

男子の態度に失望した茶々丸は無意識のうちに∞ドライブを発動した。

 

顔面が赤熱し、髪の毛からは陽炎が立ちのぼる。表情だけは変えないまま男子に無言の圧力をかけた。普段は見せない茶々丸の怒りの様相に、二人の男子は恐れをなした。

 

「わ、わかったよー」

 

「もうしないってばー!」

 

男子は黒猫を放してその場を去り、黒猫も人気の無い路地裏の奥へと消えて行った。

 

「茶々丸さんって……」

 

「いい人だー」

 

「なに感激してるんスか! 茶々丸の奴をボコるって決めたでしょ!? 人目のない今がチャンスですぜ!」

 

「うっ……しょうがないわねー……」

 

茶々丸の善行を見たばかりのネギとアスナは、葛藤しながらも茶々丸と対峙する決意を固めた。

 

「……こんにちは。ネギ先生、アスナさん。何かご用で?」

 

茶々丸は背後の気配に気付き、二人と相対する。

 

「あの…僕を狙うのはやめていただけませんか?」

 

「申し訳ありません、私にとってマスターの命令は絶対ですので」

 

「そうですか……仕方ありません。LBCSコネクト、K・アーサー!」

 

「アキレス!」

 

LBCSを身に纏い、臨戦態勢を取るネギとアスナ。

 

「LBCSが二人……∞ドライブ発動時の勝率、30%未満……」

 

「へっ、戦う前に負けを認めたっスか?」

 

「マスターの目的のため、ここで倒れる訳にはいきません。LBCSコネクト、ハーデス」

 

茶々丸の全身が漆黒のドレスのような鎧に覆われ、背中からは紫色の煌びやかな翼を生やし、巨大な双鎌『ケルベロス』を構えている。どういう訳か、茶々丸はLBXを取り出すことなくLBCSへの変身を可能としていた。

 

「茶々丸さんも!? あの時本気出してなかったのか!」

 

「なんか…妙にキラキラした翼ね……」

 

「見とれてる場合っスか!? 鎌の攻撃に気をつけるっスよ!」

 

(このまえと同じだ。LBCSを使うと自然に力が湧いてくる!)

 

アスナは槍を前方に向け、茶々丸目がけて突進した。元々体力がある為か、鎧を纏っているにもかかわらずかなりの速度で走ることができている。だが茶々丸には攻撃を見切られ、あっさりと躱されてしまった。

 

「あれ?」

 

「遅いです」

 

「でやぁ!」

 

ネギは背中のブースターを噴かし、茶々丸との距離を一気に詰めて斬りかかった。しかし、斬撃は鎌の刃で止められてしまう。

 

「くっ!このっ!当たれっ!」

 

アスナの槍の乱れ突き。LBXバトルで直したはずの悪い癖が出てしまっている。

 

「姐さん何やってんスか! もっとよく狙うっス!」

 

「隙ありです」

 

「うわっ!!」

 

アスナの背後に回り、双鎌の斬撃を浴びせた。アキレスのマントは横一文字に切り裂かれ、鎧の背部にもダメージを受けてしまった。

 

「あなたの戦い方は普段のLBXバトルから予測できます。馬鹿正直で猪突猛進、それ故カウンターに弱い」

 

「へぇー、エヴァちゃん以外には無関心かと思ったら、意外とよく見てるじゃない」

 

「アスナさん、攻撃を続けてください。躱したところを僕が攻撃しますから」

 

「その手はくらいません。発動、ディメンションΣ(シグマ)

 

「なっ…!」

 

「分裂した!?」

 

三つの暗黒の球体となった茶々丸。分裂体は縦横無尽に飛び回り、それぞれネギとアスナ、そしてカモを執拗につけ狙い、エネルギー弾を連射する。

 

「ちょ、なんなのよこれー!」

 

「いだだだ! 俺っちに撃つなーー!!」

 

「カモ君まで攻撃するなんて、見損ないました! もう容赦しません!」

 

ネギは分裂体の軌道を読み、一撃で斬り伏せた。

 

「ああもう! 鬱陶しいのよ!」

 

アスナも分裂体に翻弄されながらもどうにか撃破した。残るはカモを射ち続ける1体のみ。

 

「早く助けてくれ~!」

 

「あたしに任せて! 今ならやれそうなの!」

 

アスナが槍を振り回すと、槍の先端に青白い電気エネルギーが発生する。

 

「これって『ライトニングランス』……アスナさん、必殺ファンクションも撃てるんですか!?」

 

「エロおこじょ、早く逃げなさい! 巻き込まれるわよ!?」

 

「ひええーーっ!!」

 

狙いはカモをつけ狙う分裂体。アスナが力を込めて槍を突き出すと、エネルギーの閃光が一直線に放たれた。

 

分裂体の茶々丸に高電圧のエネルギー波が直撃した。LBCSが解除され元の姿に戻った茶々丸は地面に膝をついたまま立ち上がることができない。電圧で全身の回路を乱され、茶々丸は呻き声をあげて苦しむ。

 

「ぐぁぁっ…!」

 

「よっしゃあ!ブレイクオーバーだ! ついでに痺れて動けねぇっス!」

 

「今よ、ネギ!」

 

「魔法の射手、連弾・光の11矢!」

 

ネギは攻撃魔法を詠唱する。11本の光の矢が茶々丸に射られた。

 

「すいませんマスター……もし私が動かなくなったら猫のエサを……」

 

「……やっぱり戻れーー!!」

 

茶々丸に向けて放たれたはずの光の矢は進路を変え、ネギに襲いかかった。

 

「うわぁーっ!!」

 

「ネ…ネギ!?」

 

ネギは自分が放った光の矢に被弾した。K・アーサーの鎧が身を守ったため、ネギ自身はほぼ無傷ではあったが。

 

「……」

 

茶々丸は呆気に取られていたが、スタン状態が解けるとすぐに背中のスラスターを展開し、飛び去ってしまった。

 

「あーあ、逃げちゃった……」

 

「兄貴!? 自分に撃ってどうするんスか!? LBCSで軽減できるからって無茶苦茶っスよ!」

 

「や、やっぱり僕の生徒なので怪我させたくなくて……」

 

「もう、なにやってんのよ!」

 

 

夕方、エヴァンジェリンは学園長室からの帰りに偶然ハカセと会い、茶々丸のことについて話をしていた。

 

「この前茶々丸が野良猫にエサやってたぞ。AIの成長は問題なさそうだな」

 

「もっとユーモアがあってもいいですよね。私のこと『お母さん』って呼んだりしないかなー」

 

「おいおい、同級生でお母さんはないだろ」

 

「それを言ったらエヴァさんだって『マスター』じゃないですか」

 

エヴァンジェリンとハカセが談笑していると、上空を茶々丸が通り過ぎた。

 

「おっと、噂をすれば」

 

「おーい、茶々丸ー」

 

「あ、マスター、ハカセ……」

 

茶々丸はスラスターの出力を落とし、二人の目の前に着地した。

 

「おかえり。随分汚れてるけどどこ行ってたの?」

 

「野良猫を助けてきました」

 

「またか。すっかり動物好きになっちまって」

 

ハカセはその場で茶々丸のメンテナンスを始めた。関節周辺の汚れを落とし、詰まった泥を取り除く。

 

「あ!ショートした跡がある。あんまり無茶なことしちゃダメだよ?」

 

「申し訳ありません」

 

「では、私は帰りますね。明日は研究室にいますから、何かあったら連絡くださいね」

 

「おう」

 

 

「……茶々丸、LBCSを使ったのなら記録(ログ)を改竄しておけ。ハカセはLBCSのことは何も知らないんだからな」

 

「了解です、マスター」

 

 

To be continued




LBCSハーデスはアンドロイドでしかコネクトできないという設定を引っ張り出して茶々丸に使わせました。茶々丸と装甲娘のハーデス(P・E・R・U)は成長するAIを持つアンドロイド、動物好きという点が共通してます。
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