麻帆良の小さな戦士たち   作:ハクアルバ

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レベルファイブがダンボール戦機を続けなかった理由?そりゃあ現代の子供にプラモデルが流行らないからだよ。

そもそもコロコロのホビーものなんて殆どが数年で終わるのに、終わってから10年も経ってまだ『新作を作れ』とか正気か?

X民は騒ぎすぎ。もう少し賢くなれないんですかねぇ?


ep.13 忍者の秘奥義

四月の土曜日。休日の早朝。

 

女子寮の一室では双子の鳴滝姉妹がパジャマのままLBXとCCMを持ち、ルームメイトの長瀬楓に駆け寄った。

 

「かえで姉、おはよー」

 

「おはようです」

 

「おはようでござる。今日は二人とも早いでござるな」

 

楓は既に忍装束に着替え、出かける準備を済ませていた。もちろん、LBXも持参している。

 

「かえで姉とバトルするためだよ!」

 

「明日の夜まで帰ってこないんですよね?」

 

「うむ、拙者はこれから山に修行に行くでござる。LBXバトルなら風香殿と史伽殿二人でかかってくるでござるよ。其方の得意なタッグバトル、拙者に見せてほしいでござる」

 

「二対一だね。いくよ、ヴェスパー!」

 

「出番です、ホーネット!」

 

マジックダンボールからはジャングルのジオラマが展開する。

 

風香と史伽はヴェスパーとホーネットを起動した。スタイルは違うものの、二機とも蜂をモチーフにしたLBXである。

 

「ジライヤ、出陣でござる」

 

楓は忍者をモチーフにしたLBX、ジライヤを繰り出した。ジライヤが地面に着地すると、背中から伸びた赤いマフラーが靡く。

 

「ふみか、スナイパー()()()()()よく狙ってよ!」

 

「わかってるです!」

 

ホバータイプの脚部を持ち、スナイパーライフルを構えるホーネット。フィールドの端の高台からスコープを覗き、ジライヤに向けて銃弾を放つ。だが、動き回るジライヤには当たらなかった。

 

「そう簡単には当たらんでござる。念のため、スナイパーから先に排除するでござるよ」

 

「やらせないよ!」

 

ホーネットとは異なり、両足のあるヴェスパー。背中の小型ブースターと腰部のスタビライザーによって高速機動を実現したLBXである。槍と盾を持ち、ジライヤとの距離を詰める。

 

「……あれ?ジライヤどこ行った? 隠れても無駄だよ! ふみかが狙ってるからね!」

 

ジライヤはジャングルの中に隠れ、ヴェスパーからは逃れた。しかし、風香の言うとおり常にホーネットからは狙われている。

 

「お姉ちゃん助けてー!」

 

だが、ジャングルに隠れたはずのジライヤはいつの間にか高台のホーネットを襲撃していた。

 

「至近距離じゃ狙い撃ちできないですー!」

 

ジライヤは得物のクナイでホーネットを何度も斬りつける。ホーネットは逃げようとするが、ジライヤに先回りされ、また斬りつけられる。

 

「え!? もうそっち行ったの!?」

 

(やはり気づいてないでござるな……)

 

「ふみかから離れろー!」

 

ヴェスパーは慌ててジライヤに近づき、後ろから跳び蹴りを放った。既にホーネットの体力は残り10%を切っていた。

 

ここからヴェスパーはホーネットを守るように戦い始めた。ジライヤはホーネットを倒そうとするが、ヴェスパーに文字通り横槍を入れられてしまう。

 

ジライヤがヴェスパーと一騎討ちをしているうちに、ホーネットに攻撃のチャンスを与えてしまった。

 

「今だふみか!」

 

「はいです!」

 

『アタックファンクション アイスレーザーネット』

 

ホーネットのライフルの先端から氷のネットが発生した。ジライヤはネットに触れてしまい、フリーズ状態に陥った。

 

「ほう、やるでござるな」

 

「からの~」

 

『アタックファンクション ソニックランス』

 

槍を突き出したまま音速で突撃するヴェスパー。機体の周囲には衝撃波が発生する。

 

フリーズ状態で回避行動が取れないジライヤはヴェスパーの攻撃をもろにくらい、吹き飛ばされた。

 

片方が相手を状態異常にして行動を封じ、もう片方が必殺ファンクションでとどめを刺す。このコンビネーションこそが鳴滝姉妹の常套手段である。

 

「やった! かえで姉に勝った!」

 

「まあ、二対一ですけどね」

 

「油断大敵でござる」

 

風香と史伽が喜んでいると、ホーネットの背後に倒れたはずのジライヤが現れ、瀕死のホーネットにとどめを刺した。

 

「え? そんな! ホーネットがやられたです!」

 

そこにはブレイクオーバーしたジライヤとは別のジライヤがいた。

 

「ジライヤがもう一機!? いつの間に!?」

 

「最初から二機いたでござるよ。CCMのレーダーは見てなかったでござるか?」

 

「ずるいですー!!」

 

「二対一って言ったじゃん!」

 

「拙者は『二人でかかってこい』とは言ったが、『二対一』とは言ってないでござるよ」

 

ジライヤが一機減ったため、楓はもう一機のジライヤの操作に集中する。

 

楓のCCMの入力速度が上がり、ジライヤは縦横無尽に斬撃を仕掛ける。ヴェスパーが盾でガードしようとすれば一瞬で背後に回り、背中に攻撃する。

 

「ちょ、速すぎ! ガードしきれないよー!」

 

「とどめでござる」

 

『アタックファンクション 旋風』

 

斬撃がさらに速くなり、最後は強烈なアッパーでヴェスパーを打ち上げた。

 

「あーん、負けたー。二機同時操作とかずるいよー」

 

「あれどうやったの?」

 

「それは秘密でござる。では、拙者は修行に行ってくるでござるよ」

 

「「行ってらっしゃーい」」

 

 

 

 

 

場所は変わり、学園都市から少し離れた山の中。ネギは学園を飛び出し、一人でLBCSの特訓をしていた。

 

魔法を知ったばかりのアスナが仮契約も無しにLBCSを装着し、茶々丸との戦いでは必殺ファンクションまで使用した。それを見たネギは自身がLBCSを使いこなせないことに強い劣等感を感じていた。

 

「ここなら誰もいないよね……LBCSコネクト、K・アーサー! 必殺ファンクション!」

 

ネギは魔力を集中し、必殺ファンクションを撃とうとする。しかしどれだけ力を込めようが、LBCSからは反応が無い。

 

「……コネクト解除。はぁ、やっぱりダメか。エヴァンジェリンさんが襲って来たらまたアスナさんに頼らなきゃならないのかな……」

 

「……おや? 誰かと思えば、ネギ坊主ではござらんか」

 

「な、長瀬さん!? こんなところで何してるんですか?」

 

現れたのはネギの教え子の長瀬楓。毎週土日はこの山一帯で自身を鍛える修行に励んでいる。

 

「修行でござる。ネギ坊主こそ何してるでござるか?」

 

「僕はその……体力作りの特訓……みたいな?」

 

「拙者と同じでござるな。修行ついでに食料でも獲ってみるでござるか」

 

「食料?」

 

「ここでは自給自足が基本でござる。岩魚でも獲ってみるでござるか」

 

「あ、はい! やってみます!」

 

楓の修行場所に偶然迷い込んだネギ。自身の体力作りも兼ねて修行に付き合うことにした。

 

「岩魚は警戒心の強い魚だから、このクナイで狙い撃ちするでござる」

 

「えいえいっ……あれ? 飛ばないな」

 

「こうやるでござる。ソレッ」

 

「すごい……一気に三匹も……」

 

 

「次は山菜採りでござる」

 

「あ、それなら僕にもできそう」

 

「「「16人に分身して一気に集めるでござる」」」

 

「に、忍者だーー!!」

 

「「「忍者? なんの事でござるか?」」」

 

食材集めに悪戦苦闘するネギ。昼食は自分たちが獲った食料を焚き火で調理して済ませた。

 

「ごちそうさまでした。こういう自給自足の食事も楽しいですね」

 

「そうでござろう? ではネギ坊主、拙者とLBXで対戦するでござるよ。一度そのK・アーサーと戦ってみたかったでござる」

 

「え、LBXバトルですか?」

 

「ダメでござるか?」

 

(エヴァンジェリンさんの事もあるし、今はカモ君もいない。本当はバトルしない方がいいんだけど……ま、いっか。ここ学園の外だし、エヴァンジェリンさんは襲ってこないはず……)

 

この前の事を反省し、ネギは少し考えてから対戦を承諾した。

 

「いえ、構いませんよ。いくよ、K・アーサー!」

 

「ジライヤ!」

 

楓の持参したマジックダンボールに小さな戦士が放たれる。

 

バトル開始早々、ジライヤは一瞬でK・アーサーに接近し、すれ違いざまにクナイで斬りつける。ネギは反応が遅れ、K・アーサーへのダメージを許してしまった。

 

「なっ!? 速い!」

 

K・アーサーは剣を体の前で構え、ジライヤの攻撃に備える。だが、防ぐことはできてもジライヤにダメージを与えられず、剣は毎回空を斬ってしまう。楓のジライヤは肉抜きを施すことで軽量化しており、楓自身の反射神経の早さも相まって驚異的な攻撃速度を実現していた。

 

(だったら、カウンターだ)

 

K・アーサーの眼前から攻撃を仕掛けるジライヤ。ネギはタイミングを見計らい、ジライヤの胴体に斬撃を入れた。

 

だが手応えは無く、攻撃を受けたジライヤは跡形も無く消滅してしまった。まるで蜃気楼を斬ったかのような感覚だった。

 

「え? 消えた!?」

 

「そいつは残像でござるよ」

 

K・アーサーの周りには三体のジライヤが走りながら取り囲んでいた。

 

「ジライヤが……増えてる!? 機体を増やすなんてフェアじゃないですよ!?」

 

「おっと、LBX自体は増やしてないでござるよ。これぞ『分身の術』でござる」

 

「やっぱり忍者じゃないですか!」

 

高速戦闘を可能にしたジライヤと、楓の研ぎ澄まされた反射神経が合わさることで、残像を生み出していた。

 

分身したジライヤは一斉にK・アーサーを斬りつける。だが、本体以外の二体は質量を持っておらず、K・アーサーをすり抜ける。

 

「ど、どうしよう……」

 

防御姿勢のまま耐え続けるK・アーサー。どれが本体なのかわからず、ネギはひたすらジライヤの動きを観察している。

 

「そう警戒しなくても、ただの残像に攻撃力は無いでござるよ」

 

(でも本体の高速攻撃が怖いな……カウンターアタック……はダメだ、残像だったらダメージにならないし、チャンスゲージがもったいない……)

 

考えた末に、ネギはひとつの答えを見つけた。

 

「そうだ、残像ごと吹っ飛ばせばいいんだ! 必殺ファンク…」

 

「もう遅いでござる!」

 

ネギが必殺ファンクションの入力をしている間に、K・アーサーの背後から紫色の電気を帯びた手裏剣が飛んできた。無防備なK・アーサーの背中に手裏剣が突き刺さり、全身に電気が流れる。コアスケルトンの四肢への電気信号が急に止まり、K・アーサーは剣を構えたまま力尽きた。

 

「あっ! そんな!?」

 

「『紫電手裏剣』でござる。拙者の勝ちでござるな」

 

「参りました。長瀬さん強いですね」

 

「これでもまだまだでござる。拙者より強い者などたくさんいるでござるよ」

 

 

 

 

 

その日の夜、ネギは楓のテントに泊まることにした。就寝前に応急処置としてK・アーサーの背中の傷をパテで埋めておく。

 

翌朝……

 

ネギは楓が目を覚ます前に下山することにした。

 

(長瀬さんすごいなー。普通の人ができないやり方を一人でこなしてるんだもんな。僕も一人で強くならないと!)

 

去り際に楓の枕元に手紙を残しておく。

 

『おフロとごはん、ありがとうございました。ネギ』

 

(これでよし。LBCSコネクト、K・アーサー)

 

テントを離れ、LBCSを装着する。少しダメージが残ってはいるが、K・アーサーのブースターは問題なく稼働した。

 

「行ったでござるか。それにしても、LBCSって実在するんでござるな。てっきり都市伝説かと思ってたでござる。ま、拙者も人のコトは言えんでござるが」

 

 

To be continued




風香と史伽はネギま!?でのスカカードが蜂の格好なので、LBXも蜂にしてみました。

片方はストライダーフレームのヴェスパー。武器はハニカムスピアとハニカムシールドです。

もう片方はホバータイプのホーネット。武器はスナイプアーバレストです。


忍者のLBXといえばクノイチやバル・スパロスがいますが、楓のはジライヤを選びました。楓と装甲娘のジライヤは二人ともござる口調の忍者ですので。ちなみに武器はクナイのミコトノコダチです。
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