麻帆良の小さな戦士たち   作:ハクアルバ

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Q.ダンボール戦機のアニメを知ったきっかけは?

A.元々弟がイナズマイレブンのついでに見てました。一緒に見てたら、いつの間にか弟以上にハマってしまいました(笑)プラモデルも毎月買いに行くほどの常連でしたね。


ep.16 小さな戦士、人から人へ

エヴァンジェリンとの戦いから一夜明け、翌日の放課後。

 

ネギとアスナは学園のカフェに立ち寄っていた。

 

「アスナさん、昨日はありがとうございました」

 

「まったく世話のかかる先生なんだから。寝てるとこ起こされたし、コーヒーでもおごってもらおうかな?」

 

「はい。カモ君も何か頼む?」

 

「寝かせてくれぇ~。こっちは夜中にLBXの修理してたんだよぉ」

 

「ごめんごめん」

 

大きな欠伸をするカモ。ネギのスーツの中に入り、眠りについた。

 

コーヒーを載せたトレーを持ち、席へと向かう二人。

 

「あ……」

 

ネギたちの前に現れたのはエヴァンジェリンと茶々丸。昨夜ネギと刃を交えた二人も偶々同じカフェに来ていた。

 

「こ、こんにちは。エヴァンジェリンさん、茶々丸さん……」

 

「ネギ先生、アスナさん。こんにちは」

 

ネギの挨拶はややぎこちなく、茶々丸のそれは相変わらず事務的で無機質なものだった。

 

「……フン、気安く挨拶を交わす仲になったつもりはないぞ」

 

「なによその態度! 負けたんだから先生の言うこと聞きなさいよ!」

 

「だからこうして学校に来てるだろ。ところでネギ先生、ひとつ言わせてもらう。昨日のLBCSの扱い方、褒められたものではないぞ。まさかあの土壇場でLBCSを解除するなんてな」

 

600年以上生きているエヴァンジェリンだが、昨日のネギのような戦い方を見たのは初めてだった。コーヒーを啜りながら、ネギの問題点を指摘する。

 

「それはあたしも思った。ホントに危なっかしいんだから!」

 

「そんなこと言われても、大技を撃つためには仕方なかったんですよ。僕は適合率54%しかないので」

 

「なんだ、意外と高いじゃないか」

 

「え……?」

 

「男性のLBCS適合率は10%にも満たない場合がほとんどだ。だがおまえは54%もあるし、ましてやまだ10歳だ。もしかしたらこれから伸ばせるかもしれんぞ?」

 

「そうなんですか?」

 

『男性はLBCSを使いこなせない』というのは、魔法使いたちの間では常識である。それを覆せる可能性があると聞いても、ネギはすぐには納得できなかった。

 

「男だからといってLBCSが使えないわけではない。おまえの父親はK・アーサーを完璧に使いこなしてたからな」

 

(そうか、あれはやっぱり父さんだったんだ……)

 

「でも奴は10年前に死んだ……私にかけた呪いも解かずにな。おかげで私はこの15年間、退屈な学園生活だ」

 

「10年前? ちょっと待ってください! 僕、父さんに会ったんです!」

 

「……何だと?」

 

コーヒーを飲もうとしたエヴァンジェリンは手を止め、ネギの話に耳を傾ける。

 

「6年前、僕の故郷が魔物に襲われた時、K・アーサーのLBCSで助けてくれたんです。このK・アーサーはその時父さんがくれた物なんです」

 

ネギはK・アーサーを取り出し、エヴァンジェリンに見せる。昨日の戦いで付いた傷はカモが修理して埋めてあり、機体のあちこちにその痕が残っていた。

 

「そうだったんだ……」

 

「そんな……奴が……サウザンドマスターが生きてるだと?」

 

「実は僕も、あれが本当に父さんだったのか疑ってたんです。LBCSを使いこなせる男性なんてほとんどいませんから」

 

エヴァンジェリンの証言を聞き、ネギは自信の記憶の確証を得ることができた。

 

「フ……フハハハハ! そーか!奴が生きてたか! 殺しても死なんような奴だとは思ってたが!」

 

死んだと思われたサウザンドマスターの消息を聞き、思わず高笑いをするエヴァンジェリン。

 

「なんか…うれしそうね」

 

「ええ。マスターのあんな顔は初めて見ました」

 

「父さんを探したいんですけど、このK・アーサー以外に手がかりが無いんです。CPUやメモリの中身も調べてもらったんですけど、記録は何もありませんでした……」

 

「京都だな」

 

「え?」

 

「京都に行ってみろ。どこかに奴が住んでた家があるはずだ。奴の死が嘘だというのなら、そこに何か手がかりがあるかもしれん」

 

「京都かー。でも困ったなー、夏休みまで長期休暇なんて無いし」

 

「ネギ、修学旅行先まだ決めてなかったでしょ? 京都方面に行くってのはどう?」

 

「そうか、その手がありました! って、噛まないでくださいよー」

 

「いいじゃないか、情報代として」

 

ネギの右腕に噛みつき血を吸うエヴァンジェリン。解呪のため執念深くネギの血液を狙う。

 

「おーい、エヴァちゃーん! あ、ネギ先生にアスナも」

 

そこにやってきたのは佐々木まき絵。エヴァンジェリンに駆け寄ると一機のLBXを取り出した。

 

「なんだ? 私に用か?」

 

「ねえねえ、このLBXってもしかしてエヴァちゃんの?」

 

「ああ、それか。確かに私のヴァンパイアキャットだ」

 

「やっぱり! 昨日ぶつかった時に私の袋に入ってたんだ……ごめんね、返すよ」

 

まき絵はLBXを返そうとするが、エヴァンジェリンはそれを受け取ろうとはしなかった。

 

「いや、いい。私も昔LBXをやってたんだが……飽きた。それはおまえにやる」

 

「え、いいの!?」

 

「ああ、おまえの好きなように使えばいい」

 

「ありがとー! 私もLBX欲しかったんだー」

 

エヴァンジェリンに利用されていたことなど知る由もなく、無邪気に喜ぶまき絵であった。

 

「よーし、じゃあ早速練習しよっと。誰かマジックダンボール持ってない?」

 

「あたしの使っていいわよ」

 

まき絵の手に渡ったヴァンパイアキャットはアスナが展げたジオラマの中に入れられ、初心者のぎこちない操作に振り回される。

 

「あ~、また転んじゃった。意外と難しいね」

 

「まき絵さん頑張ってください! 練習を重ねればきっと上手くなりますよ!」

 

「…………」

 

その様子をカフェの席から眺めるエヴァンジェリン。彼女の脳裏にはかつての記憶がよみがえる。

 

《なにやってんだ? 両足を同時に出したら転ぶに決まってんだろ》

 

《うるさいな、私は機械が苦手なんだ。CCMの操作に指がついていかん》

 

CCMの操作方法をサウザンドマスターから教わるエヴァンジェリン。これは15年前の彼女の記憶である。

 

《武器に振り回されてんじゃねーか。LBXの重心を意識しろよ》

 

《ああもう! わかっとるわ! なぜ私がCCMなんかを使わなきゃならんのだ!》

 

《今までLBXを魔法で操ってきただろ? 俺がおまえの魔力を封じ込めちまったから、もう魔法で操るのは無理。CCM使うしかねーだろ?》

 

《貴様~~!!》

 

ヴァンパイアキャットの操作に手こずるまき絵は、まるで15年前のエヴァンジェリンを再現しているかのようだった。

 

 

(あのバカ……生きてるんだったら、さっさと帰ってこい……)

 

 

サウザンドマスターとの思い出に浸り、まき絵のLBXを凝視するエヴァンジェリン。その眼には僅かに涙が湧き出ていた。

 

「エヴァちゃんさっきからずっとこっち見てない?」

 

「エヴァンジェリンさん、僕たちとバトルしませんか? 自分のLBXならまだ持ってるんですよね?」

 

「飽きたと言っただろうが! この辺の連中は弱いからつまらん!」




LBCSの設定について補足(一部独自設定)

LBCSは20歳を過ぎると適合率が落ち、そのうち装着すらできなくなります。基本的にLBCSの使用者に大人はいません。

例外として、エヴァンジェリンは肉体年齢が10歳のままなので、魔力を縛られていなければ使用可能。

ナギは1968年生まれ、エヴァンジェリンに登校地獄の呪いをかけたのが1988年なので、エヴァンジェリンは20歳までのナギしか知りません。ネギの証言から、1996年(28歳)の時点でLBCSが使える模様。あれれー?おかしいぞー?

次回はオリジナルの話になります。
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