あやか→2020年8月発売
まどか→2021年1月発売
暦→2021年4月発売
のどか→2024年5月発売
ツクヨミ→2025年6月発売予定
ユエ→予定あり?
ネギまの人物ではございません。コトブキヤのプラモデルです。
京都駅に到着した修学旅行の一行と花咲ラン。バス乗り場へと向かう途中、ランはCCMでアミに電話をかける。
「……あれ? おかしいなー、今朝は電話できたのに……」
しかし、いくらコールを鳴らしてもアミは電話に出なかった。CCMに集中するあまり、ランは3-Aの歩調から遅れてしまう。
「花咲さん、ながら歩きは危ないですよ?」
「あ、ネギ君、悪いけどあたしの友達探すの手伝ってくれる? 清水寺で待ち合わせなんだけど、連絡が取れなくて……」
「相手方のバッテリー切れですかね? 花咲さんの友人ってどんな人ですか?」
「いつもイヤーマフを着けてる人だよ。川村アミっていうんだ」
かつてシーカーとして活動してた頃、仲間と一緒に撮った写真がランのCCMに残っていた。アルバムを開いてそれを画面に表示し、アミの顔を指し示す。
「この人ですね。わかりました。境内は広いので、3-Aの皆さんにも協力してもらいましょう」
「ありがとー。30人もいれば、誰か見つけてくれるよね?」
清水寺でバスを降りた一行は本堂に向かう。テレビや雑誌で何度も見たあの有名な清水の舞台。聳え立つ木組みの舞台の上からは、京都の街が一望できる。
「ここが噂の清水の舞台!」
「誰か飛び降りれっ!」
「では拙者が……」
「おやめなさいっ!」
テンションが上がり、悪ノリを始める生徒たちを制止する委員長。
ランは舞台から身を乗り出し、地上を見回す。
「ちょ、花咲さんまで飛び降りるつもりですか!?」
「え!? いや、友達を探してるだけだってばー」
「ああ、さっき言ってたイヤーマフの人ですか。紛らわしいですわ」
集合写真を撮った一行は本堂を下り、境内の散策を始める。
「この先は恋占いで女性に人気の地主神社があるです」
「恋占いですって!?」
「ホラ、ネギ君行こ行こー!」
クラスのテンションに振り回されるネギ。
占いや運試しに夢中になってる生徒たちをよそに、一人でアミを探すラン。しかし、アミの姿が見当たらない。
(おかしいなー。確かに清水寺にいるって言ってたんだけど……)
一行は三本の水が流れ落ちる滝に行き着いた。
「あれがかの有名な"音羽の滝"です。三本の滝はそれぞれ学業、縁結び、健康にご利益があると言われてるです」
恋に恋するお年頃の少女たち。クラスの大半が縁結びの滝に寄り集まる。
「せっかくだからあたしもご利益頂戴しますか。あたしはやっぱ健康かなー。格闘家は体が資本だからね」
ランは右端の滝の水を柄杓ですくって飲んだ。
三本とも源泉は同じであり、どれも同じ味のはずだが、縁結びの滝の水を飲んだ生徒からは何故か違う感想が出た。
「何これおいしー!」
「美味ですわ。なんでしょう、この未成年が飲んではいけないような味は」
「いくらでも飲めそう!」
縁結びの水を飲もうとしたのどかだったが、屋根の上から人の気配を感じた。ふとのどかが屋根の上を見ると、そこには酒樽と一人の女性がいた。のどかの視線に気付いた女性は森の中に姿を消した。
「あれ? あの人……もしかして……」
のどかは自分が見た女性を報告しようとしたが、辺りはそれどころではなかった。
「委員長、しっかりしなさいよっ!」
「はひー?」
3-Aの生徒の半数以上が顔を赤くして横たわっている。
「ユ、ユエー? 何があったのー?」
「縁結びの水を飲んだ人だけが、酔いつぶれてしまったみたいです」
「は? 酔いつぶれた!? お酒でも入ってたの!?」
突飛な状況に困惑するラン。
「皆さん起きてください! 他の先生にバレたら修学旅行中止の上、停学ですよ!」
「修学旅行中止!? やばいじゃん! ネギ君、あたしに手伝えることある?」
「とりあえず皆さんをバスに押し込みましょう! アスナさんたちも手伝ってください!」
「しょうがないわねー」
刹那や木乃香たちも協力し、全員をバスへと運んだ。生徒を乗せたバスは清水寺を後にし、旅館へと向かった。
「え、清水寺の参拝は終わり? まだアミに会えてないんだけどー!?」
…………
………
……
…
結局アミと合流できないまま、ランは3-Aの生徒と共にホテル嵐山に着いた。CCMで再び通話を試みたが、アミはやはり電話に出なかった。
(はぁ、こんなはずじゃなかったのに……)
体力のあるランは女子生徒を運んだくらいでは疲れない。だが、その顔からは疲労の色が隠せない。ロビーの自販機でお茶を買い、隣の縁台に座って飲む。
「花咲さん、少しお時間よろしいですか? 話したいことがあるです」
「ん? どうしたの?」
ランに話しかける夕映。隣にのどかを連れている。
「音羽の滝でのお酒の混入事件について、のどかが不審者を見かけたそうです」
「酒樽と、イヤーマフを着けた女の人が滝の上にいたんです……花咲さんに言おうと思ったけど、すぐにいなくなってしまってー……」
「え、そうなの!? アミ、やっぱり清水寺にいたんだ。でも、いなくなったってどういうこと? 今朝電話で待ち合わせの約束したのに」
「ほう、お酒を混入させたのは、あなたが探してるイヤーマフの人というわけですね。悪さをする人があなたのご友人なのですか」
「はあ!? アミはそんなことしないよ! あたしはアミの正義感の強さ知ってるんだから!」
「そもそもあなたは麻帆良の生徒ではないですよね? 私たちの修学旅行にいること自体不自然です。あなた、一体何者ですか? 私たちに何をする気です?」
語気を強め、ランを問い質す夕映。ジト目でランを睨み、彼女の目から視線を外さない。
(この子、あたしを疑ってるの!?)
「ユエー、そういうのやめようよー……イヤーマフの人はともかく、花咲さんが関わった証拠はないよねー?」
「……そうですね。花咲さんに尋問してもしょうがないです。客間に戻りましょう」
ランの元を離れる夕映。のどかもランに背を向ける。
(アミが悪さなんてするわけないのに。……でも、音羽の滝にいたのならなんで会ってくれなかったんだろ? 他の人とは相変わらず連絡取れないし、これからどうしたらいいの?)
思い悩むラン。いつの間にか自販機で買ったお茶を飲み干していた。
「…………」
のどかはまだロビーにいた。ランに向き直り、話しかける。
「は、花咲さん……」
「なに? あんたまだいたの?」
「その……ユエのこと、嫌いにならないでください。修学旅行楽しみにしてたから、予定が狂って機嫌を損ねたみたいでー……」
「別に夕映ちゃんのことは気にしてないよ。あたしも友達とバカンスに行く約束があったのに、それどころじゃなくなったから、悔しいのはよくわかる」
「そ、そうだったんですかー……花咲さん、京都旅行を楽しめてないんですか……?」
「そんなわけないじゃん。京都なんて馴染みがないから、結構楽しめてるよ?」
笑顔でそう答えるラン。
過去の世界に飛ばされ、友達とはぐれ、保護される身となり、落ち合うはずの友達はいなくなる……ランにとって理不尽の連続だった。夕映以上に不満を抱えているランだが、修学旅行生の気分を害さまいと、気丈に振る舞っている。
「花咲さんってどこの生徒ですかー? 麻帆良じゃないんですよねー?」
「神威大門装甲学園って知ってる? 自慢じゃないけど、そこの特待生なんだ」
「カムイダイモン? 聞いたことないですー……」
(有名校の神威大門を知らないんだ。過去の世界って、これまでの常識が通用しないってことか。LBCSも人前で使っちゃダメって言われたし、なんかめんどくさいなぁ)
「みんな酔い潰れてるから静かでござるな。このか殿、暇潰しにLBXで対戦するでござる」
「ええよー。でも分身はやめてな?」
ホテルのロビーにはマジックダンボール製のバトルフィールドが設置されていた。旅行客にもLBXバトルを楽しんでもらおうというホテル側の計らいである。
「のどか、あたしたちも気晴らしにバトルしようよ。ここでも流行ってるんでしょ?」
「私はLBX持ってないんです。自分のLBXは欲しいんですが、"これ"というのが見つからなくてー」
「ふーん、考えて決めるタイプなんだね」
「はい……」
引き続き談笑するランとのどか。そこに夕映がのどかを呼びに来た。
「のどか、そろそろお風呂の時間です。ハルナたちはまだ動けないので、私たちだけで入るです」
「あっ、もうそんな時間?」
「花咲さん、あなたも一緒に入るです」
「え? あたしも?」
「ネギ先生は男性なので、女湯には入れません。代わりに私があなたを監視するです。怪しい人物を放置すると、何をしでかすかわかりませんので」
「はぁ……あたしのこと疑っても無駄だからね?」
ホテル嵐山自慢の露天風呂。星空を眺めながらの入浴という、普段味わうことのない解放感が日頃の疲れを癒してくれる。
ランと夕映は一糸まとわず岩風呂に浸かるが、のどかだけはまだタオルで体を隠していた。
「タオルなんて取っちゃいなよー」
「そ、外で裸になるのって初めてで……覗かれたり、しないよねー……?」
「どうしたの?」
「のどかは恥ずかしがり屋なのです。特に男性が苦手みたいで」
「男嫌いってこと? あたしだって男に裸を見られるのは嫌だけど」
脱衣所でも露天風呂でも常にランを監視する夕映。ランの体を隈なく観察する。
「じーーっ」
「女同士でも、ジロジロ見られるのは恥ずかしいんだけど……」
「ユエー、失礼だよー?」
「全身に程よく筋肉がついてるです。花咲さん、格闘技を習ってますね?」
「うん、実家が空手の道場なんだ」
「格闘家とは予想外でした。ここで何かされたら、武術経験ゼロの私とのどかではひとたまりもないです。体力バカのアスナさんと一緒に入るべきでした」
夕映はランからあからさまに距離を取った。
「なんで逃げるの? 技かける気なんかないってばー」
「……ねえユエー、あれなんだろー?」
「LBX……でしょうか?」
露天風呂の木の上には一機の黒いLBXがいた。脱衣所の方に顔を向けている。
(黒いクノイチ……鬼クノイチだったっけ? なんで露天風呂に? まさか盗撮!?)
「ひゃあああーー!」
不審なLBXに注視していると、今度は脱衣所から悲鳴があがる。
「な、なんなの!?」
「今の声、このかさんです」
「とにかくミネルバを取らなきゃ!」
自分のLBXを取りに脱衣所に向かうラン。その時、一機のLBXが彼女の横を通り過ぎた。
To be continued
ホテルのロビーって飲食禁止の所が多いですが、原作29時間目には自販機のすぐ横に縁台が確認できるので、ここでは飲食OKと解釈してます。