麻帆良の小さな戦士たち   作:ハクアルバ

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楓→2019年3月発売
あやか→2020年8月発売
まどか→2021年1月発売
暦→2021年4月発売
のどか→2024年5月発売
ツクヨミ→2025年6月発売予定
ユエ→予定あり?

ネギまの人物ではございません。コトブキヤのプラモデルです。


ep.24 疑わしき同伴者

京都駅に到着した修学旅行の一行と花咲ラン。バス乗り場へと向かう途中、ランはCCMでアミに電話をかける。

 

「……あれ? おかしいなー、今朝は電話できたのに……」

 

しかし、いくらコールを鳴らしてもアミは電話に出なかった。CCMに集中するあまり、ランは3-Aの歩調から遅れてしまう。

 

「花咲さん、ながら歩きは危ないですよ?」

 

「あ、ネギ君、悪いけどあたしの友達探すの手伝ってくれる? 清水寺で待ち合わせなんだけど、連絡が取れなくて……」

 

「相手方のバッテリー切れですかね? 花咲さんの友人ってどんな人ですか?」

 

「いつもイヤーマフを着けてる人だよ。川村アミっていうんだ」

 

かつてシーカーとして活動してた頃、仲間と一緒に撮った写真がランのCCMに残っていた。アルバムを開いてそれを画面に表示し、アミの顔を指し示す。

 

「この人ですね。わかりました。境内は広いので、3-Aの皆さんにも協力してもらいましょう」

 

「ありがとー。30人もいれば、誰か見つけてくれるよね?」

 

清水寺でバスを降りた一行は本堂に向かう。テレビや雑誌で何度も見たあの有名な清水の舞台。聳え立つ木組みの舞台の上からは、京都の街が一望できる。

 

「ここが噂の清水の舞台!」

 

「誰か飛び降りれっ!」

 

「では拙者が……」

 

「おやめなさいっ!」

 

テンションが上がり、悪ノリを始める生徒たちを制止する委員長。

 

ランは舞台から身を乗り出し、地上を見回す。

 

「ちょ、花咲さんまで飛び降りるつもりですか!?」

 

「え!? いや、友達を探してるだけだってばー」

 

「ああ、さっき言ってたイヤーマフの人ですか。紛らわしいですわ」

 

集合写真を撮った一行は本堂を下り、境内の散策を始める。

 

「この先は恋占いで女性に人気の地主神社があるです」

 

「恋占いですって!?」

 

「ホラ、ネギ君行こ行こー!」

 

クラスのテンションに振り回されるネギ。

 

占いや運試しに夢中になってる生徒たちをよそに、一人でアミを探すラン。しかし、アミの姿が見当たらない。

 

(おかしいなー。確かに清水寺にいるって言ってたんだけど……)

 

一行は三本の水が流れ落ちる滝に行き着いた。

 

「あれがかの有名な"音羽の滝"です。三本の滝はそれぞれ学業、縁結び、健康にご利益があると言われてるです」

 

恋に恋するお年頃の少女たち。クラスの大半が縁結びの滝に寄り集まる。

 

「せっかくだからあたしもご利益頂戴しますか。あたしはやっぱ健康かなー。格闘家は体が資本だからね」

 

ランは右端の滝の水を柄杓ですくって飲んだ。

 

三本とも源泉は同じであり、どれも同じ味のはずだが、縁結びの滝の水を飲んだ生徒からは何故か違う感想が出た。

 

「何これおいしー!」

 

「美味ですわ。なんでしょう、この未成年が飲んではいけないような味は」

 

「いくらでも飲めそう!」

 

縁結びの水を飲もうとしたのどかだったが、屋根の上から人の気配を感じた。ふとのどかが屋根の上を見ると、そこには酒樽と一人の女性がいた。のどかの視線に気付いた女性は森の中に姿を消した。

 

「あれ? あの人……もしかして……」

 

のどかは自分が見た女性を報告しようとしたが、辺りはそれどころではなかった。

 

「委員長、しっかりしなさいよっ!」

 

「はひー?」

 

3-Aの生徒の半数以上が顔を赤くして横たわっている。

 

「ユ、ユエー? 何があったのー?」

 

「縁結びの水を飲んだ人だけが、酔いつぶれてしまったみたいです」

 

「は? 酔いつぶれた!? お酒でも入ってたの!?」

 

突飛な状況に困惑するラン。

 

「皆さん起きてください! 他の先生にバレたら修学旅行中止の上、停学ですよ!」

 

「修学旅行中止!? やばいじゃん! ネギ君、あたしに手伝えることある?」

 

「とりあえず皆さんをバスに押し込みましょう! アスナさんたちも手伝ってください!」

 

「しょうがないわねー」

 

刹那や木乃香たちも協力し、全員をバスへと運んだ。生徒を乗せたバスは清水寺を後にし、旅館へと向かった。

 

「え、清水寺の参拝は終わり? まだアミに会えてないんだけどー!?」

 

…………

 

………

 

……

 

 

結局アミと合流できないまま、ランは3-Aの生徒と共にホテル嵐山に着いた。CCMで再び通話を試みたが、アミはやはり電話に出なかった。

 

(はぁ、こんなはずじゃなかったのに……)

 

体力のあるランは女子生徒を運んだくらいでは疲れない。だが、その顔からは疲労の色が隠せない。ロビーの自販機でお茶を買い、隣の縁台に座って飲む。

 

「花咲さん、少しお時間よろしいですか? 話したいことがあるです」

 

「ん? どうしたの?」

 

ランに話しかける夕映。隣にのどかを連れている。

 

「音羽の滝でのお酒の混入事件について、のどかが不審者を見かけたそうです」

 

「酒樽と、イヤーマフを着けた女の人が滝の上にいたんです……花咲さんに言おうと思ったけど、すぐにいなくなってしまってー……」

 

「え、そうなの!? アミ、やっぱり清水寺にいたんだ。でも、いなくなったってどういうこと? 今朝電話で待ち合わせの約束したのに」

 

「ほう、お酒を混入させたのは、あなたが探してるイヤーマフの人というわけですね。悪さをする人があなたのご友人なのですか」

 

「はあ!? アミはそんなことしないよ! あたしはアミの正義感の強さ知ってるんだから!」

 

「そもそもあなたは麻帆良の生徒ではないですよね? 私たちの修学旅行にいること自体不自然です。あなた、一体何者ですか? 私たちに何をする気です?」

 

語気を強め、ランを問い質す夕映。ジト目でランを睨み、彼女の目から視線を外さない。

 

(この子、あたしを疑ってるの!?)

 

「ユエー、そういうのやめようよー……イヤーマフの人はともかく、花咲さんが関わった証拠はないよねー?」

 

「……そうですね。花咲さんに尋問してもしょうがないです。客間に戻りましょう」

 

ランの元を離れる夕映。のどかもランに背を向ける。

 

(アミが悪さなんてするわけないのに。……でも、音羽の滝にいたのならなんで会ってくれなかったんだろ? 他の人とは相変わらず連絡取れないし、これからどうしたらいいの?)

 

思い悩むラン。いつの間にか自販機で買ったお茶を飲み干していた。

 

「…………」

 

のどかはまだロビーにいた。ランに向き直り、話しかける。

 

「は、花咲さん……」

 

「なに? あんたまだいたの?」

 

「その……ユエのこと、嫌いにならないでください。修学旅行楽しみにしてたから、予定が狂って機嫌を損ねたみたいでー……」

 

「別に夕映ちゃんのことは気にしてないよ。あたしも友達とバカンスに行く約束があったのに、それどころじゃなくなったから、悔しいのはよくわかる」

 

「そ、そうだったんですかー……花咲さん、京都旅行を楽しめてないんですか……?」

 

「そんなわけないじゃん。京都なんて馴染みがないから、結構楽しめてるよ?」

 

笑顔でそう答えるラン。

 

過去の世界に飛ばされ、友達とはぐれ、保護される身となり、落ち合うはずの友達はいなくなる……ランにとって理不尽の連続だった。夕映以上に不満を抱えているランだが、修学旅行生の気分を害さまいと、気丈に振る舞っている。

 

「花咲さんってどこの生徒ですかー? 麻帆良じゃないんですよねー?」

 

「神威大門装甲学園って知ってる? 自慢じゃないけど、そこの特待生なんだ」

 

「カムイダイモン? 聞いたことないですー……」

 

(有名校の神威大門を知らないんだ。過去の世界って、これまでの常識が通用しないってことか。LBCSも人前で使っちゃダメって言われたし、なんかめんどくさいなぁ)

 

「みんな酔い潰れてるから静かでござるな。このか殿、暇潰しにLBXで対戦するでござる」

 

「ええよー。でも分身はやめてな?」

 

ホテルのロビーにはマジックダンボール製のバトルフィールドが設置されていた。旅行客にもLBXバトルを楽しんでもらおうというホテル側の計らいである。

 

「のどか、あたしたちも気晴らしにバトルしようよ。ここでも流行ってるんでしょ?」

 

「私はLBX持ってないんです。自分のLBXは欲しいんですが、"これ"というのが見つからなくてー」

 

「ふーん、考えて決めるタイプなんだね」

 

「はい……」

 

引き続き談笑するランとのどか。そこに夕映がのどかを呼びに来た。

 

「のどか、そろそろお風呂の時間です。ハルナたちはまだ動けないので、私たちだけで入るです」

 

「あっ、もうそんな時間?」

 

「花咲さん、あなたも一緒に入るです」

 

「え? あたしも?」

 

「ネギ先生は男性なので、女湯には入れません。代わりに私があなたを監視するです。怪しい人物を放置すると、何をしでかすかわかりませんので」

 

「はぁ……あたしのこと疑っても無駄だからね?」

 

ホテル嵐山自慢の露天風呂。星空を眺めながらの入浴という、普段味わうことのない解放感が日頃の疲れを癒してくれる。

 

ランと夕映は一糸まとわず岩風呂に浸かるが、のどかだけはまだタオルで体を隠していた。

 

「タオルなんて取っちゃいなよー」

 

「そ、外で裸になるのって初めてで……覗かれたり、しないよねー……?」

 

「どうしたの?」

 

「のどかは恥ずかしがり屋なのです。特に男性が苦手みたいで」

 

「男嫌いってこと? あたしだって男に裸を見られるのは嫌だけど」

 

脱衣所でも露天風呂でも常にランを監視する夕映。ランの体を隈なく観察する。

 

「じーーっ」

 

「女同士でも、ジロジロ見られるのは恥ずかしいんだけど……」

 

「ユエー、失礼だよー?」

 

「全身に程よく筋肉がついてるです。花咲さん、格闘技を習ってますね?」

 

「うん、実家が空手の道場なんだ」

 

「格闘家とは予想外でした。ここで何かされたら、武術経験ゼロの私とのどかではひとたまりもないです。体力バカのアスナさんと一緒に入るべきでした」

 

夕映はランからあからさまに距離を取った。

 

「なんで逃げるの? 技かける気なんかないってばー」

 

「……ねえユエー、あれなんだろー?」

 

「LBX……でしょうか?」

 

露天風呂の木の上には一機の黒いLBXがいた。脱衣所の方に顔を向けている。

 

(黒いクノイチ……鬼クノイチだったっけ? なんで露天風呂に? まさか盗撮!?)

 

「ひゃあああーー!」

 

不審なLBXに注視していると、今度は脱衣所から悲鳴があがる。

 

「な、なんなの!?」

 

「今の声、このかさんです」

 

「とにかくミネルバを取らなきゃ!」

 

自分のLBXを取りに脱衣所に向かうラン。その時、一機のLBXが彼女の横を通り過ぎた。

 

 

To be continued




ホテルのロビーって飲食禁止の所が多いですが、原作29時間目には自販機のすぐ横に縁台が確認できるので、ここでは飲食OKと解釈してます。
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