前回に続き放課後、学園長室からの帰り道。
ネギはマジックダンボールの件が気になり、一人で考え事をしていた。
(素材不明の箱が日本中で出回ってるのか……LBXとこの学園を守るために? 魔法の存在がバレるかもしれないのに? 誰が作ったんだ? う~~ん……)
「……考えてもしょうがないか。それより僕の下宿先、あのアスナさんの部屋なんだよなー。どーしよ……」
考え事を続けるネギの近くで、一人の女子生徒が10冊以上の本を抱えながら階段を下りようとしていた。
「…ん? あの人は2-Aの宮崎さん? たくさん本持って、危なっかしいなあ」
「あっ」
段差で足を踏み外し、階段の横から転落してしまう。
「まずい! LBCSコネクト、K・アーサー!」
ネギが叫ぶと、K・アーサーのアーマーフレームがコアスケルトンから外れ、持ち主の体格のサイズに展開する。ネギの体に鎧のように貼り付き、K・アーサーのLBCSとなった。
「きゃあああああ!」
背部のブースターを噴射し、落下するのどかに向かって飛ぶ。のどかが地面に衝突する直前、両腕で抱えるようにして受け止めた。
「な、なんとか間に合った……」
『コネクトエラー 適合率54パーセント パージシテクダサイ』
「はぁ、またこれか……やっぱり男じゃ使いこなせないのかな……」
CCMの吐くエラーメッセージに辟易としながら、ネギは自分が男であることを嘆いた。
「……あれ? 私、ケガしてない……?」
「宮崎さん、大丈夫ですか?」
「……えーっと……誰、ですか……?」
LBCSの正体がわからないのどかが困惑していると、
「あ…あんた……」
「わっ!? ア、アスナさん!?」
「ちょっと来なさい!!」
一部始終を見ていたアスナが、ネギを林の中へ連れて行ってしまった。
「ガキンチョが先生なんておかしいと思ったらあんた、ロボットだったのねーー!!」
「い、いや違いま…」
「じゃその格好はなに!? コスプレ? 改造人間!?」
「魔法使いです!!」
「ま、魔法使いーー!!?」
(しまった! これ言っちゃダメだったのに!)
「その格好のまま来なさい! あんたが魔法使いだってこと、みんなにバラしてやるんだから!」
「勘弁してください! これがバレたら僕、大変なことに……」
「知らないわよそんなこと!」
『コネクトエラー パージシテクダサイ』
「ああ、もう! 武装解除!」
「なっ!? キャーー!!」
ネギは自身に武装解除呪文をかけてLBCSを解いたが、威力が強かったのか、アスナを巻き込んでしまった。
「あはは……脱げちゃいましたね……二人とも」
「なんてことしてくれんのよーー!」
「騒がしいぞ、そこで何してるんだ?」
「た、高畑先生!? いやぁぁぁーーー!!」
教え子の下着姿を見てしまい、タカミチは気まずそうにしていた。
「高畑先生に見られた……」
「ご、ごめんなさい……」
「で、なんで魔法使いがこんな所まで来て先生やってるの?」
「そ、それは修行のためです。
「ふーん……で、さっきのLBXみたいな格好って何なの?」
「あ、それはLBCS(リトルバトラーズカウンターシステム)といって、魔法でLBXを装着する技術です」
「LBXを装着? 何の意味があるのよ?」
「鎧で身を守ったり、武器で敵と戦ったりするのに使うんです。さっきみたいに人を助けるのにも使えます」
「それって誰でもなれるの?」
「魔法使いになるか、魔法使いのパートナーになるとコネクトできます。男性より女性の方が適合率が高いみたいです。僕は男なのでK・アーサーのブースターで飛ぶのが精一杯ですけど……」
「へぇー。魔法使いがいて、エルビーなんとかがいて、世の中広いわねぇ……」
アスナが荷物を取りに中等部の校舎に戻ると、クラッカーの破裂音が鳴り響いた。
ようこそ、ネギ先生ー!
「あっ、そうだ。あんたの歓迎会するんだった!」
「ほらほら、主役は真ん中!」
「あ、ありがとうございます!」
「肉まん作ったアルヨー」
「ネギ君日本語上手だねー」
10歳の外国人が教師ということで、女子生徒たちはネギに興味津々だ。その中でもロボット工学を学んでいる葉加瀬は、ネギではなく彼の持つLBXに興味を持った。
「可変機って珍しいですね。変形機構を見せてもらえますか?」
「はい。背中のパーツを動かしてヘッドパーツに被せると…」
「なるほど、よくできてますね」
(私、助けられたんだよね……? あの人、誰だったんだろー? ちゃんとお礼も言えなかったなー……)
各々が思い思いに話しかける中、のどかは話しかけられずにいた。
(全身が金色の鎧で、冠をかぶってて……ネギせんせーのLBXに似てたようなー……)
「のどか、ボーっとしてどうしたですか」
「え? あ…なんでもないよ……」
「? 具合が悪いなら言うですよ」
(…………そんなわけ、ないよねー)