はあああああ...単行本買えたらいいんですけどね...
階段を上り切った時、私はふと階段の壁を見る。
私たちは今、8階から9階に向かう階段を登った。だからそこには「9」の数字があるはずだった。
「...あ、れ?」
「ん? どしたの澪ちゃーん?」
「わ、私たちって、8階から9階に上がる階段を登ったんですよね...?」
「そうだね。」
「じ、じゃあ...なんで今8階にいるんですか...?」
「えっ?」
しかし、そこにあったのは「8」だった。
『うーんなるほど。こう言う切り口で攻めてくるのか。あいつらしいや。』
「...っ!」
ここが本当に8階なら、さっき私が殺した悪魔の死体が残っているはずだ。
急いでさっき倒した悪魔のところに戻る。
そこにはすでに悪魔の死体はなく、血痕だけが残されていた。
「...」
『おー、消えてる。分体だったのかな。』
「...一回戻ろう」
『まあそっちの方がいいだろうね。』
少し急ぎ足でアキさんたちのところに戻ると、上に向かう階段で口元に傷がある人...荒井さんが立ち止まっていた。
「...荒井くん、今階段降りて行ったよね。」
「...」
「廊下見てきました。...さっき殺した悪魔の死体がなくなってて...」
『多分あのちっさいの、分体だったんだろうね。あいつを殺したら発動するトラップだった、みたいな。』
「...コベニちゃん! ダブルピースでじっとしてて!」
「はっえっ!? えっ...えっ...」
姫野さんがコベニさんに指示を出し、下り階段を駆け降りていく。
しかし姫野さんが出てきたのは、登り階段の方だった。
「...ありゃりゃ」
「えっええええええっ!? えーーーー!?!?!?」
「アキくん...なんだこりゃ?」
「...悪魔の力、でしょうね。」
『多分永遠の悪魔じゃないかなー。地獄じゃ雑魚だったけど、なるほど人間界じゃ結構強いのかもね。』
「...コベニ、そこに立ってろ。」
アキさんは徐に近くの部屋のドアを開け、中へと入っていった。
『んー、僕の予想だと、多分反対側の部屋から出てくるね。』
「えっええっええええ...?」
少し待っていると、後ろのドアが開き、アキさんが中から出てくる。
「ええええええっえっええええ!?!?!?」
『ほらね? やっぱ永遠のやつだね。時空を歪ませてスマブラの陸続きステージみたいな感じにしてるんだろうね。』
「スマブラって...?」
『えっわかんない? 嘘でしょマム。仕事終わったら後で見せてあげる』
「おい! どの部屋の窓も外には出られねえぞ! 向かいの部屋に通じてやがる!」
...まずい。悪魔の本拠地に閉じ込められた。
♢
私たちは一度、近くの部屋に全員で入ることにした。
「...状況を確認する。おそらく、永遠の悪魔の仕業で、どれだけ8階の階段から登っても降っても8階に着く。エレベーターは何故か使えず、部屋や窓からも外には出られない。」
「...」
「天井を登ってみたが、上も8階だった。」
つまり、どこからも脱出は不可能、と言うことだ。
「澪がさっき悪魔殺しちまったせいなんじゃねー?」
「っ...ご、ごめんなさい...」
『なんだこのクソガキ。殴られたくなかったらマムバカにすんのはやめろや。』
「でもよ、あいつ殺して階段上がったらこれだろ?」
私のせいでこうなったのかな...ここでみんな死んじゃったらどうしよう...私のせいで...
『あーあー泣かないで、大丈夫だよ、最悪僕が永遠の本体見つけ出してとっちめてやるから。ね?
「やっぱさっきのやつがなんちゃらの悪魔じゃねえの? さっきのやつが閉じ込める力持っててよ、その力を使ったまま死んだとかじゃね?」
『クソガキめ...マムのOK降りたらぶっ殺すからな...それに、悪魔の力は基本的にそいつがくたばったら消えるもんなの。さっきのあいつが永遠の悪魔だとしたらもう外に出れてるよ。そもそもあいつ力弱かったし。』
つまりまだこの場所を作った悪魔は生きていると言うことだ。そいつを見つけて殺せれば脱出ができる。
「...アキくん。肉片の反応は?」
「それが...全く反応がなくなりました。」
「さっきのやつを囮にまんまと嵌められたってわけか。...こんなトリッキーなことしてくる悪魔、初めてだね。」
「...でも、俺たちがここからずっと帰ってこなかったら、他のデビルハンターが助けに来てくれるんじゃ...」
『うーん、難しそうだけどね。』
「...どう言う意味だ?」
エンティティが私の影から手を伸ばし、ホテル備え付けの時計を指差す。
『ほら。あれ、時間動いてないでしょ? 多分あいつ、ここの時間捻じ曲げて空間内の時間止めてるんじゃないかな。だから外のデビルハンターにとって僕らがここでどれだけ過ごそうが時間は経ってないんじゃない?』
全員が壁につけられている時計を見上げると、確かに秒針も分針も動いていなかった。
「...本当に動いてないですね...」
「私たち...みんなここで死んじゃうんだ...お腹ぺこぺこで死んじゃうんだ...」
「こ、コベニちゃん! 気張れ! デビルハンターやって、兄を大学に行かせたいんだろ!?」
弱音を言うコベニさんに、荒井さんが駆け寄って宥める。
「...半分、無理矢理なんです...」
「えっ」
「...親が...優秀な兄だけは大学に行かせたいからって...私に働かせたんです...風俗かデビルハンターしか選択肢がなかったんです...!」
『...うっわ。なかなかな人生歩んでんね...。マムよりはマシだけどさ!』
「エンティティ...なんでそう言う余計なこと言うの...」
『不幸自慢とかムカつくしぃ!?』
「...」
『あっ待ってごめん許して契約破棄だけはやめて』
誰にだって不幸はあるんだから自慢とか言って否定するのは良くないと思う。
「私だって大学行きたかったんですうううう〜〜〜! でもみんなぁ...ここで死んじゃうんですうううう〜〜〜!」
「くくくっ...ダハハははははははは! その顔!! だーはっハハハハハ!」
「...貴様ああああ! 笑うなああああ!」
『...あー、あんなこと言った僕から言うのなんだけど。割と泣くのはやめろ?
「そうそう、悪魔は恐怖が大好物だからね。怖がってたら相手の思う壺だよ。」
そう言いつつ、姫野さんがコベニさんを宥める。
「でもぉ...怖いんですうううううう!」
「..うるっせえな...寝させろよ...」
『この状況で眠れるって随分図太いねー、さすがチェンソー。』
「無限に寝れるんだろ? だったら寝とかなきゃ損じゃねえか!」
そのデンジさんの一言に、周りが静まり返る。
「...馬鹿か貴様は...俺たちは永遠にここに閉じ込められるかもしれないんだぞ...!」
「そうなるかもしれねえし、ならねえかもしれねえだろ?...出る方法わかったら起こしてくれー。」
そういうとデンジさんは再び布団に潜り込んでいく。
「こんないいベッドがあるんだ...寝なきゃ損だね...俺は悪魔に感謝して眠るぜ...」
そう言うとデンジさんは再び眠ってしまった。
『いやー、やっぱ面白いね彼。マムも寝とく? 今まで布団でしか寝たことないでしょ。』
「えっ、いや、でも...」
『ほらほら、ちょっと一回寝てみようぜー?』
そう言ったエンティティに持ち上げられ、偶然置かれていた簡易ベッドに寝かされ、上から布団を掛けられる。
「だ、だめだよ...仕事中だし...」
『だってそこのデンジ少年めっちゃ寝てるじゃん。それにデンジ少年の言うとおり、時間無限だし。後最近寝不足でしょ? ハントレスもつけようか?』
「う、うう...」
『ま、あとは僕ら大人に任せてさ、そこで寝てなさいな。おやすみー。』
「うう...」
初めてのベッドは布団とはまた違った良さがあり、私はすぐ眠気に襲われてしまう。
「で...も...お仕...事」
『意外と強情だなあ。...いけ! ハントレス! 子守唄!』
その声と同時に始まった子守唄で、私は抗えず、眠ってしまった。
♢
「ん...んん...」
『お、マムおはよー。早速だけど、外ちょーっと面白いことになってるからいこー?』
「え...うん...?」
まだ眠気が残る体を無理に起こし、エンティティについていく。
するとそこには、コベニさんと荒井さん以外の全員が揃っていた。そして目の前には、大きな肉塊のような悪魔もいる。
少し経って、その肉塊のような悪魔が喋り出す。
『...人間...人間たちよ....愚かな人間たちよ...私は契約を交渉する。』
「お、おっきい...」
『うーん、やっぱ永遠だねこいつ。』
ホテルの廊下という狭い空間にいるからか、その悪魔がとても大きく感じ、思わず感想が漏れてしまう。
「...契約だと?」
『そこのデンジという人間と、隣のミオという人間、そしてそのミオの影にいる悪魔。そいつらを私に食わせろ。そうしたら他のデビルハンターは無事に出してやろう。』
『は? なんだこいつ。ムカつくな。 マムを食っていいのは僕だけなんだが?』
永遠の悪魔の言葉と共に、後ろからドアが開く音がする。
そこにはコベニさんが包丁を持って立っていた。
「お前らが死ねば...ここから...」
彼女はそのままふらりと廊下に出てきて、そして。
「ふええぇぇええええええええ!」
奇声を上げながら、私に向かってきた。
「っ!?」
しかし走り出した瞬間に、彼女は...
『...』
『お、仕事早いね、新人のくせにやるじゃん。評価ポイントあげちゃう。』
西洋の鎧を着た騎士によって捕えられていた。
『...』
「がっ!?」
その騎士はコベニさんを気絶させ、近くの部屋に放り込んだ後消えてしまった。
「...今のって誰? エンティティ?」
『んー? うちの期待の新人、ナイト*1君だよ。やっぱ騎士だけあって身のこなしがなかなかだね。後僕の命令でもきっちり聞いてくれる。いいね、優秀だ。』
「...そっか。」
昔からそうだが、エンティティは私の知らないところで新しい人を作っているらしい。ウェスカーもそうだったけど、あの人たち、どこから生まれているんだろう。
そして、気絶させられるコベニさんを見た永遠の悪魔は、先ほどからずっとやかましく笑っていた。
「んもー、うるっさいな...アキ君、狐で飲み込めば終わるんじゃないの?」
「...『コン』」
アキさんがすかさず狐の悪魔を呼び出そうとする。だが、それは失敗に終わった。
「...やっぱり狐は来ませんね。ここは外と断絶されてるんだ。」
「狐の体は京都にあるからねー...」
『...あ、あいつ地獄で見なくなったなと思ったらこっち来てたんだ。なるほど。』
「...じゃ、私のゴーストでやるか。」
そういうと姫野さんは右手を前に出す。
そして、その直線上の永遠の悪魔の体の一部が、手形にえぐられ、そのまま肉体全体に亀裂が入る。
『おっと危ないよマム。』
「ひゃっ!?」
エンティティに後ろに引っ張られた瞬間、永遠の悪魔が前に突進してきた。
『ふー、セーフセーフ。』
「あ、ありがとう...」
「げー! で、デカくなったぁ?」
その姫野さんの声に思わず永遠の悪魔を見る。
確かにさっきよりも大きくなっていた。...あれはこちらに突進してきたわけじゃなかったのか。
『無駄だ! これは私の本体ではない! ...ここに私の心臓はない。ここは胃の中。私の弱点は、8階にはない。私と契約する以外、生きては帰れない。』
「...はっ、どうせ俺たちを殺しても外には出さねえくせによ!」
「...それはないよ。契約って、あの悪魔は言ったでしょ? 悪魔が使う契約って言葉には強い力があるの。契約を片方が守れば、もう片方も絶対に守らなければいけない。守れず破った方は、死ぬ。」
『うん。悪魔の僕が保証するよー。』
「...だから、デンジ君と澪ちゃんを殺せば出られるのは本当だよ。」
「えー...」
...私が、死ねば...
私、死んだ方が...いいの?
『あー、マム! 大丈夫! 落ち着こ! 悪い方に考えちゃだめだよ! 僕がついてるんだから!』
う...う...あ...う、ん...
『よーしよしよしよし、いいこいいこ。大丈夫だからねー。』
「...姫野先輩。澪はともかく、デンジとそこの悪魔は殺すべきです。」
『うーん、マムを殺すべきだって言ってないのでギリ生かしてやろう。だが後で覚えとけよ。』
「っ...一度、そいつらを殺して外に出た後に対策を練ればいい。このままじゃみんな、ホテルで餓死ですよ。デビルハンターが悪魔と契約することは法律でも認められている。その悪魔の契約を受けるべきです...!」
いつの間にか部屋から出てきた荒井さんがそういった。...確かに私たちが死ねば...間違いなくここから出られるのだろう。
「...悪魔はデンジを殺したがっている。デンジの死が、悪魔側の利益になるんだろう。...だから契約は受けない。」
「じゃ、私も〜。...澪ちゃん食わせるのは流石にね〜?」
「わっ」
アキさんが受けないと言い切ると、姫野さんが私に抱きつきつつ、そういった。
「そ...そんな...」
「わしは殺す派じゃぁ!」
『は? おい血の悪魔。今すぐ死にたくなかったら撤回しろ。』
「て、撤回する...」
『おk。』
パワーさんが賛成しそうになったけど、エンティティが脅すとすんなり反対派になった。...何かあったのかな。
「...そもそも、魔人と悪魔は契約を結べない。だからお前がデンジたちを殺したとしても、悪魔は外に出す義理はない。...とにかくデンジたちは殺さない。俺たちはデビルハンター。殺すのは悪魔だけだ。」
「チッ...」
『なんか言ったか血の悪魔?』
「な、ナンデモナイデス...」
♢
「...腹減ったぁ...」
「アキくーん、実際なんか外に出る作戦あるー?」
「...悪魔の言葉を信じるなら、奴を殺すことはできない。でもデンジを殺すつもりもない。」
「...だけどこのままじゃ餓死しちゃいますよ...?」
私を殺した方が、みんな助かるんじゃないか。そう思いつつ、私はアキさんに言う。
「...どうしようもなくなったら、刀を使います。」
「それはだめ。」
「刀使えば解決できんならよぉ、使えばいいじゃん。」
『デンジ少年地雷めっちゃ踏み抜くじゃん。...おおかた、呪いだか飢餓だか戦争だかの代償クソデカ組の力でも使うんじゃないのー? だから簡単には抜けないんでしょ。』
「...だからどうしようもなくなっても刀は使わない。その時は悪いけど...デンジ君と澪ちゃんが死んで?」
その目はどこまでも本気だった。思わず体が震えてしまうほどに。
『...デンジ少年はまだしも、マムを生贄にしたら君を殺すからね?』
「...別にいいよ。アキ君が死なないならそれで。」
『...マジかよお前。イカれてるな。さすがデビルハンター。』
「お褒めに預かり光栄です、と言っておこうかな。」
『...言っとけば。』
そんな会話をしていると、後ろの方から悲鳴が聞こえてくる。
「...悲鳴?」
『...あっ、これやばいね。崋山よろしく。』
「えっ、ちょっ、エンティティ!?」
突然エンティティが崋山さんを呼び出し、私を担がせて華山さんを走らせた。
「なっ...なんで!? 悪ふざけでもたちが悪いよ!?」
『後ろ見てみ!』
「後ろ...っ!?」
言われて後ろを見ると、私を追いかけてくるアキさんたち三人と、さらに肥大化している永遠の悪魔の姿だった。
『ね? そう言うことなんだよ。』
「う、うん...ありがとう。」
『ん...? ...おっとこれはちょっと予想外だよ永遠!?』
「な、なんだか傾いてきてる!?」
『崋山! 部屋の方にとべ!』
永遠の悪魔から逃げていると、突然廊下が傾き出していた。
それを見たエンティティが華山さんを思いっきり跳躍させ、ホテルの部屋の方に飛ばさせる。
『な、なんとか間に合ったかな...』
「あ、危なかったね...」
「誰かああああ! 誰かあああああ! デンジ君と澪ちゃんを殺してええええ!」
『は? なんだあいつ殺そうかな?』
「だ、だめだって... こんな状況だし仕方ないよ...」
私たちのいる扉と反対側にはコベニさんと荒井さんがいたが、二人は錯乱しているようだった。
「いよいよまずいですよ! そいつらを悪魔に食わせましょう!?」
「...刀を使う。いいですよね、姫野せんぱ...いっ!?」
『うわ。ヤンデレかよ。』
私からは見えないが、どうやらアキさんは幽霊の悪魔に捕まっているようだった。
「おいあんたっ! 何してんだっ!」
「...その刀を使えば外には出られるだろうけど、使うと契約でアキ君の寿命がかなり減るの。...アキ君にはまだやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ。...だからごめんね、二人とも。」
その言葉と共に、デンジさんが後ろからやってきた荒井さんに落とされそうになる。
「っすまん!」
「ああ!? さわんなっおい!」
...あれ? 待って、コベニさんがいない?
「...死んでええええええ!」
『なっ、マム!』
エンティティが私を守ろうと腕を伸ばしてコベニさんを捕まえようとする。けどコベニさんはそれを掻い潜り、私に向かってくる。
私に避ける術はなく。
「うっ...」
「...あっ...?」
...痛い。お腹が熱い。
『...おい。お前マジでやったな。』
「あっ...えっ...わた、私...」
『だから嫌いなんだよ、人間。もうお前死んでいいよ。』
あっ...だ、め
「待っ...て」
『...マム。庇う必要ないでしょ。こいつ君を刺したんだよ?』
「だ...め...」
『...でもさあ。』
「だめ...だか...ら...」
あっ
何にも
見えない
アキ君よりちょっと後ろにいたせいでアキ君が庇えませんでした。まずいですよ!(エンティティが暴れる的な意味で)
1部アニメ、流石に原作全部までは今年中に出ないと思うので、先に2部のストーリーで書こうと思うのですがどうでしょうか
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ええやん
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1部から順番に書けカス