練馬区の
そのキッチンで、童顔で水色短髪の執事、
「ハヤテくん」
と、そこへやって来る金の髪留めを着けた端正な顔立ちをした桃色長髪の
「今、昼食作ってるところなので、少し待ってて下さい」
「それより、歩知らない?」
「西沢さんですか? 今日は見てないですね。携帯にでもかけてみたらどうですか?」
「それが、いくらかけても出ないのよ。私、捜してくるわ」
ヒナギクはそう言って、ムラサキノヤカタを出て心当たりを捜すが、しかし、どこを捜しても見付からない。
負犬公園にやってきた。
一本の木に何かが埋まってるのが見える。
ヒナギクは近付いて確認した。
「なっ……!」
その木から人の下半身が飛び出していた。上半身は埋まっている。
ヒナギクは警察を呼んだ。
警察がやってきて捜査が始まる。
被害者は
「一樹くんじゃない」
「知ってるんですか?」
「はい。親友の弟です」
「そうですか。その親友の名前は?」
「歩です、
「連絡は取れますか?」
「それが、いくら電話しても出なくて、それで捜してたんです。まさか、歩が一樹くんを殺して逃亡?」
「それはないと思いますよ」
「どうしてですか?」
「この木に死体を埋めるなんて芸当、人間には真似出来ません。最近、世間を賑わせてる不可能犯罪だと思います。アンノウンの仕業か……」
「アンノウン?」
「いえ、何でもないです」
引き上げるぞ──と、遺体を運んで去って行く警察。
(一体、誰が一樹くんを?)
ヒナギクは一樹の埋まっていた木を見上げる。
その様子を見つめるタイガーに似た容姿の人型をした怪物タイガーロード。
「人は人のままでいい」
その声に気付いたヒナギクが振り向くが、そこには既に誰もいなかった。
疑問符を浮かべながらも、ヒナギクはその場を立ち去る。
「ただいま」
ムラサキノヤカタに戻り、食堂へやって来る。
「おかえりなさいませ、ヒナギクさん。西沢さんは見付かりましたか?」
「いいえ。それより、歩の弟の一樹くんが殺されたわ。どうやら不可能犯罪らしいんだけど……」
「アンノウン?」
「その、アンノウンって何なの?」
「最近、世間を賑わしてる怪物ですよ」
「怪物……。
「それとは違った種族の怪物ですね」
「そう言えば、一樹くんが殺された現場で、『人は人のまま』とか言う声を聞いたわ」
「一樹くんには超能力があったんですか?」
「知らない」
と、その時だ。
「うっ!」
ヒナギクの頭に痛みがはしる。
「どうしたんですか?」
「ちょっと頭痛が……」
更にヒナギクの脳裏に、歩がタイガーロードに襲われている映像が飛び込んで来る。
「歩が危ない!」
ヒナギクは歩の下へ駆け付けた。
「はっ!」
歩にトドメを刺そうとしたタイガーロードに飛び蹴りを浴びせるヒナギク。
「歩、大丈夫?」
「ヒナさん、ありがとう」
「邪魔をするな」
ブン!──ヒナギクは殴り飛ばされた。
「死ね」
タイガーロードが歩の首を折ってしまう。
ボキッと骨が折れる音がして歩は絶命した。
「歩──っ!」
ヒナギクは怒りを
「よくも歩を!」
だが返り討ちに遭い、吹っ飛んだ。
「うっ!」
地面に叩き付けられるヒナギク。
(歩の仇、取りたいな……)
彼女がそう思った刹那、意識が精神世界へ
「ここは……?」
ヒナギクの前に、白いズボンと服を身にまとったセミロングの男が現れる。
「貴方は?」
「私はお前自身。お前に力を授けよう」
男はヒナギクに重なるように、その中へと入り込んだ。
現実に引き戻されたヒナギクが立ち上がり、緑色の異形へと変わる。
仮面ライダーギルス、見参。
「アギトか? いや、違う……アギトのなり損ない。ギルスだな?」
ギルスは無言でタイガーロードに怒濤の攻撃を浴びせる。
タイガーロードは圧倒され、ギルスヒールクロウを受けて爆発した。
ギルスはヒナギクの姿に戻る。
「あれ? 私、何を……?」