帰宅するヒナギク。
「おかえりなさい、ヒナギクさん」
そう言うのは、メイドのマリアだ。
「悲しそうな表情ですね。何か遭ったんですか?」
「歩が怪物に殺されたんです……」
「あらま! それで、その怪物は?」
「我に返ったときは既に……」
「そうですか。嫌なこと思い出させてしまったようで、すみませんでした」
「気にしてないんでいいですよ」
ヒナギクは自分の部屋へと向かう。
扉を開け、中に入る。
歩の声を聞くことも、顔も見ることも出来なったヒナギクは、目から涙を溢れさせる。
「歩……」
その時、半透明の歩が現れる。
「ヒナさん、そんなに落ち込まないでほしいかな」
「え?」
ヒナギクは半透明の歩を見た。
「きゃああああ!」
驚いて悲鳴を上げる。
「どうしたんですか!?」
ハヤテが駆け付けた。
「に、西沢さん、その姿は?」
「私、死んじゃったみたい」
「ええ!?」
「私の前でね」
「そうなんですか」
「でもどうして二人には私が見えるのかな?」
「霊能力が開花したんじゃないんですか?」
「ハヤテくんにはあるかもしれないけど、私にそんな力があるわけないわ」
「でも、西沢さんが危ないとか言って、駆け付けたんじゃないんですか?」
「映像が入ってきたのよ」
「それ予知能力ですよ、絶対!」
「そうかしら」
「それじゃ、私そろそろ行くね」
歩はそう言って消えた。
「ところで、ヒナギクさん。お昼は食べないんですか? もう冷めちゃいましたよ」
「チンして食べるわ」
ヒナギクは食堂へ移動して、料理を温めて食べた。
ヒナギクは負犬公園でジョギングをしていた。
「はあ……はあ……ちょっと休憩」
走り疲れたヒナギクは自販機の前にやってきた。
そこへアンノウンが現れる。
「人は人のままでいい」
「……!?」
ヒナギクは振り返った。
アンノウンがヒナギクに襲い掛かる。
「死ね、ギルス」
「ギルス? 私はヒナギクよ。誰かと勘違いしてんじゃない!?」
ヒナギクは攻撃をかわしてカウンターを浴びせる。
「ぐっ!」
蹌踉めくアンノウン。
アンノウンの頭上に光の輪が出現し、ロッドが出て来る。
ヒナギクは木刀・正宗を手に掴む。
「はっ!」
ヒナギクは正宗でアンノウンのロッドを真っ二つにした。
「ツッ」
アンノウンは折れたロッドを投げ捨て、素手で攻撃を浴びせる。
ヒナギクは放たれる攻撃を受け止め、隙を突いて反撃する。
だが、アンノウンは大してダメージを受けなかった。
(強い……!)
「力を与えよう」
その声がヒナギクの頭に聞こえてくると同時に、その姿がギルスへと変わる。
ギルスは踵の爪が伸びたのを確認すると、アンノウンにギルスヒールクロウを浴びせる。
「ぐわああああ!」
爆裂霧散するアンノウン。
ギルスはヒナギクの姿に戻る。
「あら? 私ったら、今何を……?」