帰宅するヒナギク。
「お帰りなさいませ、ヒナギクさん」
と、ハヤテ。
「あ、そうだ! さっきヒナギクさん宛にバイクが届いたんですよ」
「バイク? ああ、注文しておいたXR250ね」
「ヒナギクさん、いつ免許取ったんですか?」
「半月前。合宿でね」
「そうなんですか」
「それより、最近変なのよ」
「何が変なんですか?」
「アンノウンを見ると記憶が飛ぶの」
「それは確かに変ですね。今度アンノウンに遭遇してみましょう」
「ねえ、それ本気で言ってる?」
「本気ですよ」
「貴方は私に死ねと言いたいのね?」
徐に正宗を掴むヒナギク。
「え? ちょっ、タンマ!」
ヒナギクは正宗でハヤテを調教……ではなく、叩き付けた。
その様子を死角から見つめる謎の影。
「人は人のままでいい」
その影、アンノウンがヒナギクたちの前に姿を見せた。
「ギルス! 今日でお前も年貢の納め時!」
振り返る二人。
「アンノウン!?」
ブン!──殴り飛ばされるヒナギク。
「ヒナギクさん!」
ハヤテはアンノウンに拳を一発ぶち込んだが、しかし、大してダメージは受けていなかった。
「邪魔をするならお前も殺す」
アンノウンはそう言ってハヤテの首を掴んでその体を持ち上げた。
「ぐっ……!」
「ワウ!」
奇声と共にギルスがアンノウンに攻撃を仕掛ける。
ハヤテを手放し、吹っ飛んでいくアンノウン。
ハヤテはその姿を見て疑問符を浮かべる。
「貴方は?」
だがギルスは無言のまま、アンノウンに襲い掛かる。
「ウワアアアア!」
ギルスは奇声を発しながらアンノウンにギルスヒールクロウを浴びせ粉砕した。
「グルルルル……!」
喉を鳴らしながら、ハヤテの方を見るギルス。
「……!?」
ギルスがハヤテに襲い掛かった。
「ワウ!」
ギルスの攻撃がハヤテに炸裂する。
「うっ!」
「ハア!」
ギルスの重い蹴りがハヤテを吹っ飛ばす。
(強い……!)
ハヤテは着地すると、ギルスに反撃をする。
「ふっ!……はっ!」
しかし、ギルスは大してダメージを受けない。
「貴方、何なんですか!?」
「ワタシハ、ギルス……」
その口から発せられたのは、ヒナギクの声だった。
「ヒナギクさん?」
「ウッ!」
ギルスは頭を抱え、ヒナギクの姿になると、意識を失って倒れた。
ハヤテはヒナギクを部屋まで運び、介抱した。
「う……うん……?」
「気が付きましたか」
「ハヤテくん。アンノウンは?」
「何も覚えてないんですか?」
「え?」
「ヒナギクさん、緑色の異形に姿を変えてアンノウンを倒したんですよ。おまけに側にいた僕にまで」
「異形?」
心当たりがあった。
ヒナギクの脳裏にあの声が
「なるほど。アンノウンに対抗する力を手に入れて暴走してたのね」