仮面ライダーアギト〜ヒナギクはギルス〜   作:桂ヒナギク

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第03話:暴走する力

 帰宅するヒナギク。

「お帰りなさいませ、ヒナギクさん」

 と、ハヤテ。

「あ、そうだ! さっきヒナギクさん宛にバイクが届いたんですよ」

「バイク? ああ、注文しておいたXR250ね」

「ヒナギクさん、いつ免許取ったんですか?」

「半月前。合宿でね」

「そうなんですか」

「それより、最近変なのよ」

「何が変なんですか?」

「アンノウンを見ると記憶が飛ぶの」

「それは確かに変ですね。今度アンノウンに遭遇してみましょう」

「ねえ、それ本気で言ってる?」

「本気ですよ」

「貴方は私に死ねと言いたいのね?」

 徐に正宗を掴むヒナギク。

「え? ちょっ、タンマ!」

 ヒナギクは正宗でハヤテを調教……ではなく、叩き付けた。

 その様子を死角から見つめる謎の影。

「人は人のままでいい」

 その影、アンノウンがヒナギクたちの前に姿を見せた。

「ギルス! 今日でお前も年貢の納め時!」

 振り返る二人。

「アンノウン!?」

ブン!──殴り飛ばされるヒナギク。

「ヒナギクさん!」

 ハヤテはアンノウンに拳を一発ぶち込んだが、しかし、大してダメージは受けていなかった。

「邪魔をするならお前も殺す」

 アンノウンはそう言ってハヤテの首を掴んでその体を持ち上げた。

「ぐっ……!」

「ワウ!」

 奇声と共にギルスがアンノウンに攻撃を仕掛ける。

 ハヤテを手放し、吹っ飛んでいくアンノウン。

 ハヤテはその姿を見て疑問符を浮かべる。

「貴方は?」

 だがギルスは無言のまま、アンノウンに襲い掛かる。

「ウワアアアア!」

 ギルスは奇声を発しながらアンノウンにギルスヒールクロウを浴びせ粉砕した。

「グルルルル……!」

 喉を鳴らしながら、ハヤテの方を見るギルス。

「……!?」

 ギルスがハヤテに襲い掛かった。

「ワウ!」

 ギルスの攻撃がハヤテに炸裂する。

「うっ!」

 蹌踉(よろ)めくハヤテ。

「ハア!」

 ギルスの重い蹴りがハヤテを吹っ飛ばす。

(強い……!)

 ハヤテは着地すると、ギルスに反撃をする。

「ふっ!……はっ!」

 しかし、ギルスは大してダメージを受けない。

「貴方、何なんですか!?」

「ワタシハ、ギルス……」

 その口から発せられたのは、ヒナギクの声だった。

「ヒナギクさん?」

「ウッ!」

 ギルスは頭を抱え、ヒナギクの姿になると、意識を失って倒れた。

 ハヤテはヒナギクを部屋まで運び、介抱した。

「う……うん……?」

「気が付きましたか」

「ハヤテくん。アンノウンは?」

「何も覚えてないんですか?」

「え?」

「ヒナギクさん、緑色の異形に姿を変えてアンノウンを倒したんですよ。おまけに側にいた僕にまで」

「異形?」

 心当たりがあった。

 ヒナギクの脳裏にあの声が(よぎ)る。

「なるほど。アンノウンに対抗する力を手に入れて暴走してたのね」

 

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