《3-1 一之瀬帆波の独白①》
「よしっ、やり直すぞ!」
そんな強い意気込みをして私は高度育成高等学校行きのバスに乗り込んだ
のだけど……。
「……」
今、私の心の中には不安な気持ちでいっぱいになっていた。
最初の意気込みはとっくに何処かへと行ってしまっていた。
心を沈めるために、ボーっと外の方を眺める。
……ダメだ、全く効果がない。
「ん?」
そんな時、突然私の左肩に何かが当たった感覚。
窓の景色から目を離し、そっちを見ると……。
「すぅ……すぅ」
右側の髪をサイドテールにしてまとめている、金髪ロングの美少女が私の左肩を枕にして気持ち良さそうにして寝ていた。
入学式の日の朝から寝ているなんて……不思議な子。
「……ふふっ」
これが私と霧ヶ峰さんとの出会いだった。
《3-2 敗北者(?)》
どうやら初日に授業はないようで、入学式が終わった後に教室に戻ると最低限の連絡事項だけ生徒たちに伝えて星之宮先生は教室から出て行った。
よし、やりたい事がまだまだあるからさっさと帰るとしよう。
「ねぇねぇ、これからここのカフェに行かなーい?」
「あー、いいねいいね」
「私もさんせー」
……にしても、周りの生徒たちがめちゃくちゃ仲良くなってるんだけど。
え? 何があったのさ?
思い当たるフシが……いや、あったわ。
入学式前に、先生の話が終わった瞬間、私は教室に後にした。
入学式が始まるまでまだ一時間くらい余裕があったのに。
恐らく、この1時間の間に自己紹介だのなんだの色々したのだろう。
そして、今に至る……と。
いやだって、どこにどんな施設があったか知りたかったから色んなとこ周りながら行きたかったんよ……。
と、心の中で言い訳をした。
……虚しい。
あぁ、やらかした。
完全に友達を作る機会を逃した。
……いや、私には一之瀬さんがいる。
私の友達、今のところ彼女だけだけど。
少数精鋭、良い響きだ。
その一之瀬さんは他の人と既にどっかに行ったけど。
悲しいなぁぁぁ!
ま、まぁ、今からやりたい事は人が居ない方が良いですし?
ま、負け惜しみなんかじゃないんだからね!
さて、脳内一人茶番とかいう誰も幸せにならないものはそろそろ辞めて、用事を済ませに行くとしよう。
さぁ、他クラスの偵察へレッツゴー。
《3-3 偵察》
まずは、将来私が目指したい……というより目指さなければならないAクラスを覗こう。
中から見えないように角から……チラッ。
「誰もいない……」
中には誰にも居なかった。
流石、(多分)優等生クラス。
帰る速度も最優らしい。
はい次。
次は……Cクラス。
チラッとな。
「えぇ……」
私はいつから不良ものドラマを見ていたのだろうか?
いいや、現実に戻ってきなさい、私。
どうやら、現在Cクラスは実写版大乱闘スマッシュブラザーズをしているらしい。
やんちゃも程々にね、手遅れな気がするけど。
さぁ、最後はDクラス……は、中を覗かなくていいや。
外から見ても分かる。
ウチと同じくワイワイと賑やかに下校してますな。
……ただ、ウチのクラスよりハメを外しているような。
ふーむ、まぁ今はいいや。
さて、私も帰るか。