《6-1 綾小路清隆の独白》
オレは、初めての学校生活に多少浮かれつつも常に一定度の緊張を持っていた。
理由としては簡単。
この高度育成高等学校が何の変哲もない普通の学校と言うことは考えられないからだ。
あの真っ白な部屋から逃げ出した後、オレ……いや、オレ達を匿ってくれたあの人が進めた学校だ。
絶対に何か、普通の学校とは違う場所とか違うはずだ。
……にしても、オレはあの親子からたくさんのモノを得た。
今のオレがあの部屋に帰ることはもう二度とないだろう。
《6-2 弱い心》
「……うーん、どうしよっかなぁ」
私はベッドに飛び込んで、枕を抱きしめながらそう呟く。
先ほど、石崎君という他クラスに介入出来る駒を手に入れた私ではあるのだが……それに関することで悩んでいることがある。
石崎君のスペックが低いとか、そう言うことではない。
むしろ石崎君の能力は思ったより高かった。
あの調子で行けば、恐らくあと数日もすれば成立するのがほぼ確実であるCクラスの龍園政権に対する叛逆を一週間で実行に移せるだろう。
まぁ、それはいいや。
私が今悩んでいることは……私が今後どこまでやるか、だ。
この学校で何らかの形で着たクラス同士が競い合うことは、お父様や星之宮先生の発言からほぼ確実だろう。
そして、クラス同士が争うということは各クラスにクラスの方針を定めて生徒たちを導くクラスリーダーが必要であることを意味する。
Cクラスの"王"を自称する龍園のように。
で、今のところ私が属するBクラスにクラスリーダーは現れていない。
となると、誰かがBクラスのリーダーにならねばならない訳だが……その座に私がつくかつかないかで悩んでいる。
もしBクラスのリーダーに私がなれば、今日手に入れた駒である石崎君を動かしやすくなるし、Bクラスを一年以内にAクラスに出来る自信がある。
お父様に教育された私より優秀なのは……綾小路清隆君くらいだろうし、リーダーとしての能力的には私が圧勝だろう。
ただ……私は……。
……よし、とりあえずどう転んでもいいように色々と準備をしつつ、様子見をしよう。
もし、Bクラスにそれなりに優秀なクラスリーダーが現れたら私が上に立たずとも大丈夫だろう。
もちろんその場合、そのクラスリーダーを陰ながら支えたりはするさ。
これで大丈夫……大丈夫。
「……また、私は逃げたんだ」
そんな呟きが口から漏れたが、それをまるでなかった事にするように私は目を瞑った。
私は……才能も境遇も望んでないのに、どうして皆んな……。
綾小路清隆くん、原作とは境遇が違う……かも?
まぁ、スペックは変わりません。
安心してください、ちゃんと最強です。
そして、ひびきちゃんの様子が……