やっとの思いで地球に帰還したらウマ耳美少女がレースしてる件   作:ウマ娘を宇宙に!

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いやぁ~かなりの難産でした。まさかこんなにも遅れるとは思わなかった。


第五話

 トレセン学園にあるグラウンド、そこには沢山の人々で溢れかえっており、観客席ではあまたのトレーナーやウマ娘でひしめき合っていた。

 あのシンボリルドルフが走るとなれば当たり前であるし、その相手がウマ娘ではなく宇宙人となれば尚更である。

 

「シンボリルドルフさん、大人気だねぇ」

 

「君も地元では大人気だったのだろう?変わらないさ」

 

 シンボリルドルフの相手であるサブトレーナーはスーツを脱ぎシャツ姿になり、観客席を見ながら感心したように言うと、彼女はそう返した。

 確かに俺は母星で惑星中から強者が集まるレースで頂点に立った事があった、その時の熱狂はすごいのなんの。そんな母星はもう破壊されてないけれど。

 そしてこの地球でまた走るとは思っても見なかった、それも相手があの伝説的な馬……ウマ娘シンボリルドルフだなんてな。

 

「あんなに人が居るなら今更やらないとは言えないな…コースはどうするんだ?」

 

 メガネを外しながら問いかける。

 ちなみにこれはオシャレ用の伊達メガネである、トリリオンユニオンでは目が悪かったら眼球をいじれば万事OKなため、メガネを掛けている者はだいたいオシャレ目的だったりする。

 

「ここのスタートラインからあそこに居るヒシアマゾンのところまでだ、君も短距離よりは長い方が良いだろう?」

 

 ヒシアマゾンまでいるのか…スタート係はエアグルーヴだし本当に名馬の集まりじゃないか。こりゃ競馬好きの元日本人どもに教えたら是が非でも地球に来たがるだろうなぁ。

 

 さて、準備運動も終わったし

 

「やろうか」

 

「ああ」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「オハナさん」

 

「きたのね」

 

「そりゃ、あの皇帝が走るとなれば誰だって来るさ」

 

 観客席の後ろの方に座っていたチームリギルとそのトレーナーであるハナ。そこへいつも飴を口に入れており、いつもウマ娘の脚を触るという一風変わったチームスピカのトレーナーである沖野が双眼鏡を持ってやってきた。

 彼女らは双眼鏡を除き、シンボリルドルフのレース相手を見る。

 

「本当に狼男だ…宇宙人ってのはすげぇな」

「ええ、獣人族って種族らしいけど…宇宙って何でもありね」

「何を今更」

 

 準備体操を終えた二人はスタートラインに立った。

 ラインの端に待機していたエアグルーヴが旗を振り上げ、声をあげる。

 

「よーい、スタート!!」

 

 走り出す二人。

 その瞬間観客席に居る人間は衝撃を受ける。

 

「四足歩行で走ってる!?」

 

 快調なスタートを切った、二人。

 だがサブトレーナーのほうは人間やウマ娘では考えられないような走り方をしているのだ。

 

 四足歩行。

 野生の獣がするそれは、二足歩行で走る人間とウマ娘には出来ない走りである、、赤子の時ははいはいで四足歩行に似たことをするが、自然と二足歩行になる、無理矢理やろうとすれば骨格が歪む可能性すらあるし。だが当人はそれが最良のフォームであるかのように走っている。まるで本物のオオカミが走っていると見間違うような走り方、素人目にも完璧なフォームであることは分かった。

 

「物凄い安定感ね」

「四足歩行の利点って奴か」

 

 二本脚で走るウマ娘と四本脚で走っている獣人族のサブトレーナー、どちらがバランスがいいかは火を見るよりも明らかだ。

 ハナと沖野が話していると、ルドルフ達はコーナーに差し掛かっていた。

 

 

 強い、とサブトレーナーは笑う。

 故郷の惑星でもこのレベルの強者は多くはなかった、ライバル達と切磋琢磨した日々を思い出し思わず笑みが出そうになる。

 獣人族特有の闘争本能が心の底から湧き上がってくるようだ。

 

「(この威圧感!さすがはシンボリルドルフ…!日本馬最強と謳われる馬のウマ娘と争えるとは…!)

 

 ラッキーだと俺は思う、地球の発見に続いて、どこで歴史が捻じ曲がったかは分からないがウマ娘の存在、日本人だったころ好きだった競馬の、競走馬の名前を継いだ子達と走れるなんて思わなかった。

 コーナーを曲がると、最後の直線に入る。遠くに旗を持ったヒシアマゾンの姿が見えてきた。

 

 俺達は加速し、最後の直線を走り抜ける。

 

「勝者!シンボリルドルフ!!」

 

 ヒシアマゾンの声に数秒遅れて、観客席から歓声が沸き上がる。

 

 

「はぁ…ふぅ…」

 

「いやぁ強い強い、届かなかったよ」

 

 そういって俺は笑いながら、近くで息を整えているシンボリルドルフに笑いかけた。

 今の俺にあるのは、あのシンボリルドルフと走れたという高揚感だった。最後の直線で伸びなかったのは自分でも驚いたが、そもそも俺がレースをやっていたのは随分前だし、衰えたのだろう。が、しかしそれを抜きにしても今回のレースは良いものだった。

 

「そう謙遜しないでくれ、見た所、君の適性距離は超長距離だろう?」

「やっぱり分かるか」

「ああ、息も上がってないし汗一つ掻いてないない。余裕綽綽というべきか?今走った距離は私達基準では長距離なのだ」

「ああ…詳しい種族によって身体能力はガラッと変わるが俺のようなオオカミ種の獣人族は最高速度を20分は維持できるんだ」

「なるほど…狼もそれくらいの身体能力を持っていると聞く、姿が似ている貴方達も同じということか」

「…」

「す、すまない!」

 

 オオカミ男ような獣人族であるサブトレーナーの身体能力の理由を聞き、シンボリルドルフは納得する。彼女がサブトレーナーに振り返ってみると、彼は微妙な顔をしていた。しまった、とシンボリルドルフは思った。いくら姿形、身体能力が似通っているとはいえ、動物と同じ扱いされるのは気分が悪いだろう、人間を見てあなたは猿に似てますね、と言っているようなものだ。

 

「いや気にしなくていいよ、自分に似た生物がいる事なんて宇宙では珍しくないからね」

 

「そうなのか?フフッ…もしかするとウマ娘と似たような動物が居るのかもしれないな」

 

「(それが馬なんだよなぁ…)」

 

 そういえば、地球を発見した暁には馬主になりたいって言ってた元日本人が居たな…馬がいなくてガッカリしてるんだろうか?久しぶりに会ってみるのも面白いかもしれない。と考えているとシンボリルドルフが手を差し出してきた。

 

「今日は滾るレースをありがとう、これからサブトレーナーとして是非頑張ってほしい」

 

「もちろんさ、地球と俺達の永い友好と繁栄のためにも」

 

 二人は手を取り合い、固く握手した。

 




元地球人共

 もちろん決裁委員会以外にも地球人は沢山居る。昔はかなりの数が居たが、トリリオンユニオンを確立させるために散ってしまった者たちも居る。
 地球人特有のロマンと根性でトンデモ発明をすることで有名。






レース描写がね…
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