ここは世界的な企業の本社である、表向きは。
この会社には一般人には知られていない極秘の地下室が存在する。
この会社の社長が一年前に突如として現れた『仮面ライダー』の怪人への対策として作り出したジャスティサイドウォーリアー、通称『JSW』の本部だ。
ジャスティサイドウォーリアーに任命された私達は、その社長に呼び出され本部まで来ていた。
「今度は何のようだろう」
「また面倒なことにならないといいけど」
「いつもトラブル起こすからな」
社長はいつもトラブルを起こす。
もう慣れたものだがそれでも面倒なものは面倒なのだ。
本部にある社長室の中に入ると、社長が寝袋に入ってぐっすりと眠っていた。
対怪人用の変身アイテムを発明した天才科学者、神戦天光。
彼は天才だが、変人で奇行を繰り返していた。
だから呼び出した癖にすやすや寝ているなんて大したことはない。
「社長!起きてください!」
「ん?ああ、君たちか」
「いい加減にしてください、何度言ったらわかるんですか!ちゃんとしてください」
「はは、悪いね」
彼はそう言って寝袋から出て、思いっきり背伸びをする。
「それで?なんで呼び出したんですか?」
「うむ、実はな、うちの研究データが盗まれた可能性がある。誰もいないはずの深夜の研究室で使用履歴が残っていてな。現在調査中だが監視カメラも止められていて犯人がわからないのだよ」
「えぇっ!それって大事じゃないですか!」
ここで研究しているのはJSWの変身アイテムや仮面ライダー、怪人などの技術。
その研究データが盗まれるということは―――
「相手も同じ技術を使ってくるかもしれないってことか?」
「ああ、そういうことだ」
「そんな………」
今まで私達JSWが怪人相手に勝利することができたのは神戦社長の開発した技術のおかげ、だが敵も同じ技術を使って来たら勝ち目が薄くなる。
ただでさえ最近は怪人が強くなってきたというのに……。
「フッフッフ、心配ぬわぁい!こぉんなこともあろぉうかぁと、研究データを暗号化しておいたのだぁ!いくら奴らの技術が高かろうが後十年は絶対に解けはしないぞぉ!さらぁにぃ!犯人の居場所を逆探知してやっているのだぁ!少し時間はかかるがぁすぐに突き止めてやるぞぉ!私の技術を悪用しようなど、片腹痛いわぁ!」
「「「えぇ………」」」
じゃあさっきまでのシリアスな雰囲気は何だったんだ。
でも、なんとかなりそうならよかった。
流石に対策はきちんとしているみたいだ。
まあ、流石に怪人がこちらの技術を使ってくるなんてことがあったら笑い事じゃない。
こんな変な人だけど、一応は社長として人の上に立てるだけの能力はあるのだ。
たまにシリアスなシーンでも変なこというけど。