たった一度に全てを掛けて   作:クレナイハルハ

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たった一度に全てを掛けて

232:名無しのスレ民

イッチ、変身やめなよw

 

233:名無しのスレ民

安価は絶対、じゃあなイッチ!

 

234:名無しのスレ民

あいつは良い奴だったよw

 

235:名無しのスレ民

一話で死ぬとかw

 

236:名無しのスレ民

忘れ去られる奴やんw

 

237:名無しのスレ民

ネタキャラ確定で草

 

238:名無しのスレ民

ファーwww

 

239:名無しのスレ民

これでカッコ良く死んだら恨んでやるからな!!死ぬまで!!

 

240:名無しのスレ民

もう死ぬんだよなぁw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あぁ、やってやるさ。」

 

せっかくの生まれ変わって、しかも憧れの力を貰ったんだ。

 

一回の変身、特典に体が耐えられなくて死ぬ?

 

上等だ、そもそも改造されて使えるアレを普通の人間の自分が使えるなんて本来ならばあり得る訳がない。

 

「これが本当の命燃やすぜ、てな」

 

 

 

 

 

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ツヴァイウィングのライブ会場。

 

大きな盛り上りを見せていたその会場は、観客の悲鳴で溢れていた。

 

突如と来て会場現れた沢山のノイズ、そしてノイズに驚愕し恐怖の叫び声を上げる観客達は我先へと会場から逃げようと動いていた。

 

そんな中でツヴァイウィングでありシンフォギア走者でもある天羽 奏(あもう かなで)風鳴 翼(かぜなり つばさ)はシンフォギアを纏い、人を守るため戦った。

 

だが、敵は……ノイズは多すぎた。

 

たった二人の奏者で殲滅できる程の量ではない。それこそシンフォギア最良の技であるエクスドライブを使う事が出来る者がいなければ不可能だった。

 

そんな彼女達の守っていた中でも、幼き命が失われようとしている。

 

幼い少女の胸部には、天羽 奏の持つシンフォギアのアームドギア。ノイズとの戦闘で折れてしまったその破片は、まだ幼い少女の胸部に刺さった。

 

自身が招いたこの光景、それを目にした天羽 奏は少女を死なせぬよう激励を送る。

 

「生きることを諦めるなァッ!!」

 

瞼を閉じた少女を見た奏は、少女をそっと地面から持ち上げた。

 

その時だった。

 

その場では絶対に聞こえることの無いバイクの走行音が聞こえた。段々と近付いていくるその音は、彼女達の立つ会場の入り口から聞こえていた。

 

会場の入り口に視線が向かった次の瞬間、翼は気付いた。音に視線を誘導された奏の背後、今まさに奏へと攻撃しようと構えるノイズに気付いた。

 

「かなでッ!!」

 

翼にはまるでその時がスローモーションの様にゆっくりと動いている様に感じられた。

 

今、奏は傷付いた少女を抱えていて動けない。

 

最悪の未来、恐らく数十秒後の光景であるそれを想像し翼は手を伸ばすが届かない。

 

自身の力不足、注意不足。

 

痛感したのは自身の弱さ。

 

奏は横へと飛びながら、蹴り飛ばし距離を取る。それにより最悪の未来は到来しなかった。

 

だが

 

「グッ!?」

 

奏は、既に限界だった。

 

リンカーを使用しない無理なシンフォギアの使用に加えシンフォギアを纏うことの出来る制限時間が迫っていた。

 

膝を突きながらも少女は庇おうと少女を抱える手に力を込める。

 

状況は絶望的だった。

 

たが、これは定められた未来であり決められた結末。

 

ツヴァイウィングのライブ会場での事件を通し主人公『立花 響』は体にガングニールを宿し天羽 奏は命を落とした。

 

その筈だった、その世界で一人の男が動かなければ。

 

会場の入り口から聞こえたバイク音が突如として消え次の瞬間、彼女達の近くにいたノイズのうち一体が吹き飛んだ。

 

ノイズはシンフォギアでなければ倒せず、またノイズは触れた人間を炭へと変えてしまう。そんなノイズをシンフォギアを持たない何者かが吹き飛ばした。

 

突然の出来事に、その場にいた彼女は驚きながらもそんな事をなしたであろう人物のいる場所へと視線を移す。

 

そこには、異形の存在が立っていた。

 

一言で言い表すのなら黒。

 

全てが黒い体、その顔はまるで蟻やコオロギのようにも見える顔をしている。肩の周りをまるで虫の脚のような物が覆っており、両腕には虫の足のようなトゲがびっしりと生えていた。

 

そしてそんな異形の何より存在感を放っている物、それは腰に着けているベルトだった。機械の配線が見え、中央の円は赤く発行している。

 

「なん、だ………」

 

「こんな状況で、新種かよ」

 

そんな彼女達の会話を聞きもせず、異形の存在は走りだし付近のノイズを殴り飛ばすと近くにいたノイズには回し蹴りを叩き込み、ノイズを炭にした。

 

「なっ!?あいつノイズを素手で……」

 

その会場にいるノイズを殴り、時には蹴りつける事で炭にする事を繰り返す異形の存在は奏達に興味を示さず、ただひたすらにノイズを殺戮していた。

 

まるでそれしか興味がないように、ひたすらにノイズへと襲いかかる姿に、少女達はその力が自分達に振るわれることを想像し恐れた。

 

「まて!貴様の目的はなんだッ」

 

翼がそう言葉を発すると、異形の存在はその赤い複眼で奏達の方を見据えるが無言のまま構える。

 

すると、異形の存在が構えた少し先でノイズが集まり始めていた。

 

「なんだ…」

 

軈てノイズは1つとなり会場であるスタジアムすらも越える程に強大な大きさへと変容した。

 

そんな巨体のノイズに思わず後退りする奏と翼だったが、その異形は巨体のノイズを見ると両腕を右へと持っていき、拳を作る。

 

両腕の握り拳からギリギリと音が聞こえてきた、どれ程の力を込めればこのような音が聞こえるのだろうか?

 

そんな疑問が浮かぶ中、異形の存在が地面を両足で蹴って跳躍する。よっぽど力が籠っていたのか異形の存在が立っていた場所にはクレーターが出来上がっていた。

 

普通の人間、それこそシンフォギア奏者ですらあり得ないあの巨体のノイズより高く跳躍したソイツは、空中で体勢を変え片足を突き出した状態で巨大なノイズへと急降下していく。

 

「──────」

 

一瞬だが、何かが聞こえた気がした。その次の瞬間、ノイズと奴がぶつかりあい軈てノイズを貫いた。

 

ノイズが炭となり、異形の存在は飛び蹴りの体制のまま、此方へと向かってくる。そして少し先で着地すると、着地した時の勢いで地面を削りながら少女達の元へと向かって来る。

 

地面を削りながら失速していき、少女達の目の前でその異形は停止する。

 

お前は一体何者だ、異形の存在へとそう問い掛けようとした時だった。

 

異形の存在が身に着けたベルトにゆっくりと皹が入り亀裂が大きくなり、砕け散った。

 

それと同時に異形の存在の身体が大きく変化していく、まるで砂のように黒い身体が地面へと溢れ落ち、軈て現れたのは若い男だった。

 

それも、未成年。本来ならば高校生であろう容姿を持った男だった。

 

「嘘だろ、人間……だったのか」

 

異形の正体が人間だと言う事に驚愕を隠しきれない翼と奏。そんな二人を他所に、男の握る拳がゆっくりと砂のように崩れ始めた。

 

まるでノイズに触れられた人が炭になるように、腕からゆっくりと身体へ変化していく。

 

男はそれを穏やかな笑みを浮かべて見詰めていた。

 

「お前、何で……そうなる事を知ってて」

 

奏の問いに男は何も答えない、ただ穏やかな笑みを浮かべているだけだ。

 

「何で命をそんな簡単にッ………!?」

 

何でそんな簡単に命を捨てるのだと、そう問い掛けようとした瞬間に奏は言葉を紡ぐことを止めた。いや、止めざるを得なかった。

 

もしコイツが現れなければ、そんな想像をしてゾッとした。

 

そうだ、コイツが現れなければアタシは絶唱を使おうとしていた。

 

もし、もしもだ。

 

コイツが現れなければ、こうなっていたのは()()()だったのか?と。

 

砂となり崩れていく男の姿に奏は言葉に詰まった。だが、すぐに口を開いた。

 

「お前は一体何なんだ………」

 

身体が砂へと変わっていく中で、男はゆっくりと口を開き言った。

 

「仮面ライダー」

 

そう言うと満足したように笑みを浮かべて、男は全身が砂となり崩れ、死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの事件の後、胸に破片の刺さった少女は息を吹き返しツヴァイウィングの二人も命に別状はなかった。

 

奏と翼はあの戦闘の後、即座に風鳴 弦十郎(かぜなり げんじゅろう)にあの男について調べるよう依頼した。

 

分かったのは彼の名前と所属していた孤児院の名前のみだった。

 

何故あのような姿になる事が出来るのか、何故あの場所にいたのか。

 

全ては謎のままだが、分かることが1つある。

 

彼によって救われた命がここにあると言う事だ

 

恐らく、少女達は忘れる事は無いだろう。

 

自身の命を引き換えにでも、三人の少女を救った

 

そんな彼の名は、南 幸太郎(みなみ こうたろう)

 

そして、もう1つの名は仮面ライダー。

 

 

 






書いてしまいました

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