ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

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ユナイト・キリヒコとの戦闘回です!


ユナイト・キリヒコ

老神父に成り済まし、正体を現した謎の青年ユナイト・キリヒコ

 

彼の登場に教会内が緊迫した空気となる……

 

「許せない!神父さまを手に掛けたその罪、ミカエルさまに代わって成敗してあげるわ!それに私達を魚みたいに言うなんて失礼よ!」

 

しかし、ここでトラップ発動―――『転生天使(イリナ)の天然ボケ』

 

先程の『ça va(サバ)』を魚の(さば)と勘違いしたのだろう……

 

イリナの間違った指摘に新は額に手を当てて嘆息、キリヒコはクスクスと笑う

 

「……イリナ、さっきあいつが言った『ça va(サバ)』は“調子どう?”って意味のフランス語だ」

 

「え……っ?…………し、知ってるわよ!わざと間違えただけだもんっ」

 

「嘘つけ!知らないなら知らないって言え!」

 

一向に認めようとしないイリナは頬をプクーッと膨らませる

 

そんな中、キリヒコはコートの内側から武器らしき物を取り出し―――右手に装着した

 

ゲームパッドの形をした装置(デバイス)だが毒々しい色合いをしており、先端には2門の赤い銃口がある

 

その武器を見た途端、新は直ぐに察した

 

「シスター達の胸にあった傷痕はそいつの刺し傷か」

 

Oui(ウィ)Mademoiselle(マドモアゼル)には気の毒な事をしましたが、データ収集の為にはやむを得ません。あなた方からも取らせていただきますよ?S'il vous plâit(シルブプレ)

 

紳士的に一礼した直後、キリヒコは右手に装備した装置(デバイス)から光弾(こうだん)を発射した

 

赤い光弾は高速で直進してくるが、新とイリナは間一髪で(かわ)

 

標的を失った光弾は壁に着弾して焼け跡を残す

 

その後もキリヒコは連続で光弾を放っていく

 

新は直ぐ様『闇皇(やみおう)の鎧』を展開

 

光弾を剣で弾き返し、イリナも光の槍や光輪(こうりん)を投げて応戦する

 

ミラナはガブリエルを護衛する為、前方に光力で作った防御壁を張る

 

キリヒコは光弾を放ちながら次なる攻撃手段に移った

 

左手の袖から黒い触手を伸ばし、先端を刃物状に変形させ―――新の頭上へ勢い良く振り下ろした

 

頭上から迫り来る凶刃(きょうじん)に気付いた新は刀身で受け止めるが……

 

待ってましたとばかりにキリヒコが装置(デバイス)の銃口を向け、光弾を撃ち放つ

 

隙を突かれた新に赤い光弾が直撃―――かと思いきや、新の前方に光力の防御壁が出現

 

「……危ないところでした」

 

防御壁の発生源―――ミラナが左手を新の方に向けていた

 

新は「助かったぜ」と一言だけ礼を言うと、ミラナは恐縮そうに頭を下げる

 

新は受け止めていた触手を横へ弾き返し、距離を詰めていく

 

イリナも白い両翼を広げ、空中からキリヒコの背後へ回り込む

 

キリヒコはそれを見て右手の装置(デバイス)の向きを反転させた

 

装置(デバイス)の向きが変わった瞬間―――ノコギリの様な刃が飛び出してくる

 

先程の触手も左腕の袖口に戻ると再び刃物状に変化

 

新の剣を装置(デバイス)から飛び出した刃で、イリナの光の剣を左手のブレードで受け止める

 

「なかなかやりますね。とても良いデータが取れそうですよ」

 

ギュイイイイッ、ギュガガガガガガガガッ!

 

新の剣を止めているノコギリ状の刃が突如回転を始め、火花を散布させる

 

「クソッ!チェーンソーだと⁉」

 

通常の刃物同士なら鍔迫り合いでも互角の勝負が出来るのだが―――チェーンソーの回転力が相手ではそうもいかない……

 

新の剣が火花と共に弾き飛ばされ、後方の床に転がり落ちる

 

キリヒコは好機と見てイリナを蹴り飛ばし、装置(デバイス)のチェーンソーで新に斬りかかった

 

先程と同じ様にミラナの防御壁が出現する……しかし、キリヒコは構う事無く回転する刃を突き立てた

 

その威力は凄まじく……僅か数秒で回転刃が防御壁に切り込みを入れ―――防御に転じた新の腕ごと切り刻む

 

金属を削り、肉を(えぐ)り、血の噴き出す音が教会内に響き渡る……っ

 

「―――ッ!新くんっ⁉」

 

Oh(オー) la() la()。少し切り過ぎてしまいましたか?」

 

手を広げて余裕そうな態度で首を僅かに(かし)げるキリヒコ

 

新は抉り切られた腕を押さえるが、流れ出てくる血は止まる事を知らない……

 

(いきどお)ったイリナは再び宙へ飛び、光の槍を複数投擲する

 

キリヒコは装置(デバイス)のチェーンソーで難無く切り裂き、光の槍を霧散させた

 

更に装置(デバイス)の向きを反転させ、赤い銃口をイリナに向ける

 

再び光弾の銃撃を準備する……ただし、今度は一回り巨大な光弾

 

赤い光弾が真っ直ぐに突き進み、直撃と同時に爆発する

 

撃ち落とされたイリナは苦痛に満ちた表情で起き上がる

 

「この人、強い……っ」

 

「強いだけじゃねぇ……得体の知れない感じがしてならねぇんだ……。この異質な雰囲気、何かが根本的に違う……っ」

 

キリヒコの不気味な雰囲気と圧倒的な強さに思わずたじろぐ2人

 

しかし、これはまだ序の口に過ぎないのだろう……

 

キリヒコが不敵な笑みを浮かべながら再度装置(デバイス)の銃口を向けた―――その時、彼の足元から大質量の光が放出される

 

まばゆく強い光に包まれたキリヒコ

 

彼を呑み込んだ光の発生源は―――ミラナだった

 

「……これ以上、お二人を傷付けさせませんっ」

 

「あ、ありがとうっ、ミラナさん!」

 

「スゲェ光力(こうりょく)だな……。見てるだけで熱い」

 

「ミラナちゃんの光力は強いですよぉ?まともに受けたら最上級悪魔さんでも溶けちゃいますから」

 

ミラナの意外な実力に舌を巻く新

 

流石はガブリエルのA(エース)だけあって規格外の光力だった

 

足元からの放出は続くが……1拍置いて光の帯が縦に両断される

 

霧散した光の中から装置(デバイス)のチェーンソーを振り抜いたキリヒコの姿が見え、驚愕する

 

最上級悪魔すら消し去る威力を持つミラナの光力を退(しりぞ)けたキリヒコは装置(デバイス)の向きを戻す

 

「……Trés bien(トレビアン)。素晴らしい威力ですね。今まで遭遇したどの天使よりも濃密なモノでしたよ。しかし、悪魔は滅ぼせても私を滅ぼすには至らない。その上―――良いデータを取らせていただきますよ?」

 

ドスッ

 

何をトチ狂ったのか……キリヒコは自分自身に装置(デバイス)の銃口を刺し込んだ

 

突然の自傷行為に戦慄する一同

 

装置(デバイス)から不気味な吸収音が聞こえ、吸収が終わると引き抜く

 

自身の腹にポッカリと銃口の傷痕が残るが……それも黒いモヤによって修復されていく

 

キリヒコは装置(デバイス)を見て何かを見定めると、フムフムと小さく(うなず)いた

 

「思った以上に良質なデータが取れました。今日はここまでにしておきましょう。こちらも少し準備を整えてきますので」

 

「……ナメられたもんだな」

 

「今あなた方を殺すのは得策ではありません。それでは、また明日お会いしましょう。―――Ma puce(マピュース)

 

キリヒコは装置(デバイス)の銃口から黒い霧を散布して新達の視界を(さえぎ)

 

霧を振り払うと……既にキリヒコはその場から姿を消していた

 

「チッ、敵の気紛(きまぐ)れに救われた様だな……。“また明日来る”って事は、このまま帰る訳にもいかなくなっちまったよ」

 

「そうね……。ところで新くん。最後にあの人が言ってたマピュースって……どういう意味?」

 

「あぁ。アレは侮蔑の1種だ。確か日本語に直訳すると―――『私の可愛いノミちゃん』だったかな」

 

「ノッ、ノミ⁉なんで私達がノミなのっ⁉」

 

「知らね。イリナが飛び回るからじゃないか?」

 

「もうっ、サバって言ったりノミって言ったり!あの人、最後まで失礼よ!」

 

 

―――――――――――――――

 

 

謎めいた敵―――ユナイト・キリヒコが自発的に退散してから約1時間

 

新は持参してきた回復のポーションを飲んで自分達の傷を治し、ゴミ箱に捨てられていた本物の神父の死体を丁重に埋葬した

 

あまりにも無惨な状態だったのでイリナ達に手伝わせる訳にもいかず、単独で処理を施したようだ

 

一仕事終えた新はこれからの動向を考察する

 

「奴がまた来る以上、この国に少しばかり滞在しなきゃならねぇんだよな。まずはホテルでも探すか」

 

「そ、そうね!着替えをたくさん持ってきて良かったわ!」

 

「あ、そうだ。ミラナとガブリエルさんはどうするんだ?」

 

「わ、私達ですか……?えっと、滞在の予定が無かったので……何も用意してないんです……」

 

「ミラナちゃん、でしたらお二人とご一緒するのはどうでしょうか~」

 

ガブリエルの提案に新とイリナは“へっ?”と間の抜けた表情になる

 

「私も四大セラフとして先程の殿方は見過ごせません。被害の拡大を止める為にも、一緒にいる方が安全だと思いますぅ」

 

「ええっ⁉ダ、ダメですよっ、ガブリエルさま!天使と悪魔が一緒のホテルに泊まるなんて!そっちの方が危険です!」

 

「どうしてもダメですかぁ?」

 

「あの……私からもお願いします……っ」

 

ガブリエルが軽く会釈、ミラナが深々と頭を下げて懇願してくる

 

その際に2人のおっぱいが大きく揺れ、新は「良いっすよ」と迷わず承諾した

 

「新くん⁉今ガブリエルさまとミラナさんの胸を見て判断したでしょ⁉」

 

「あぁ、悪いか?」

 

「開き直らないでっ!さっきも言ったけど、ガブリエルさまは四大セラフなの!もし、新くんがエッチなハプニングを起こしたり、エッチな事をしてガブリエルさまが堕天したら……天界勢力の基盤が大きく崩れるかもしれないのよ⁉」

 

「そこまで大それた事はしねぇよ―――多分」

 

「多分⁉する気だったの⁉」

 

「とりあえずホテルを探すか」

 

「お願いだから私の話を聞いて!」

 

イリナの説教をスルーしながら新は宿泊可能なホテルを捜索

 

しかし、運の悪い事にどのホテルも満室で選択肢が(ことごと)(せば)まっていく

 

やっと宿泊可能なホテルを見つけたものの、ツインルーム1つしか空いておらず……そこに泊まるしかなかった

 

ツインルームとは言え4人で宿泊するには(いささ)か狭い上に若い男女同伴

 

イリナは多少(アラタ)危険(エロハプニング)を心配するが、ガブリエルとミラナは初めてのホテル宿泊に興味津々の様子だった

 

「じゃあ、これから何か買ってくるから適当に(くつろ)いでて良いぞ。ついでに何か欲しい物があったら買ってきてやる。それにリアスにも連絡しておかないとな」

 

「え、新くん、スマホは?」

 

「バッテリーが切れちまったから、今充電してる」

 

そう言って下のロビーで電話を借りて、リアスに今回の経緯と今後の予定を報告

 

連絡を終えた後は一旦ホテルを出て、近くのコンビニで飲食物を買う

 

次にイリナから頼まれた物を買いに雑貨店へ向かった

 

買う物はガブリエルとミラナの着替えと歯ブラシ

 

イリナが持ってきた着替えで事足りるのではないかと思ったのだが……2人のおっぱいがデカ過ぎてサイズが合わないらしい……

 

仕方無くLLサイズの寝間着2着と歯ブラシを買い込み、両手に抱えてホテルへ戻る

 

器用にドアの鍵を開けて中に入ると―――

 

「あらぁ?」

 

「……っ?……っ」

 

そこで見たのはこの世の楽園

 

丁度風呂上がりであろうガブリエルとミラナが自分達のパンツを穿こうとしていた所だった……

 

特にミラナは新の入室に驚いて体を震わせた為か―――シスター服の下に潜んでいた爆乳がぶるんっと揺れる

 

見事な爆乳と肢体に新は目を奪われた

 

裸を見られたミラナは「……ぁう……っ」とまたまた可愛らしい悲鳴を発して自分の手でおっぱいを隠す

 

だが、彼女の隣には真打ちが控えていた

 

そう……ガブリエル

 

彼女の裸体は一目で老若男女全てが魅了されるのではないかと言うぐらい見事過ぎるモノだった……っ

 

おっぱいの大きさは勿論、色艶(いろつや)、張り、瑞々(みずみず)しさ、神々(こうごう)しさ―――どれを取ってもパーフェクト

 

その神秘的な衝撃に新は心身の底から打ち震えた

 

「……っ。ダ、ダメです……っ。ガブリエルさまのお肌を……そんなに見ちゃぁ……っ」

 

ミラナが顔を赤くしながらガブリエルの前に立ち、新の視界からガブリエルの裸体を死守

 

しかし、ガブリエルの裸は死守出来ても自分自身が無防備だった……

 

「い、良いのか?ミラナ……乳首も丸見えなんだけど……」

 

「……ぁうっ。……で、でも、ガブリエルさまのお肌を守れるなら……わ、私の胸でよろしければ差し出します……っ」

 

『ゴハァッ!な、何だこの健気過ぎる自己犠牲の精神は……ッ!まさかの自分から差し出し⁉ヤバい、ヤバ過ぎる……ッ!これ以上何か言われたら理性が吹っ飛びそうだ……ッ!』

 

最大のピンチを迎える新

 

このままでは理性が飛んで2人に襲い掛かってしまう……

 

そんな時、この危機的状況を打開してくれる天使が浴室のドアを開けて参上した

 

「ミラナさん、さっきから何を………………………………あ、新くんッ⁉ガブリエルさまとミラナさんに何を⁉」

 

彼女達と同じく風呂上がりで全裸のイリナが素っ頓狂な声を上げた

 

新は即座に着替えが入ったレジ袋をガブリエルとミラナに投げ渡し、イリナを引き寄せてからの壁ドンコンボを(おこな)

 

軽く悲鳴を上げるイリナを逃がすまいと新は顔を近付けた

 

「イリナ、このまま……お前の体を見させてくれ」

 

「え……えぇっ……⁉そ、そんな……こんな状況で……?ま、待って!私……心の準備だって出来てないのに……っ」

 

「良いから見させてくれ……ッ!今この場を凌げるのはお前しかいないんだ……ッ!」

 

「は、はい……っ」

 

新の鬼気迫る顔付きにイリナは何も考えられないまま承諾してしまい、その間にガブリエルとミラナは寝間着を取り出す

 

僅かに水滴が付着したイリナの裸を凝視し続ける新

 

イリナは熟れた苺の如く顔を赤面させる

 

『あ、新くん……そんなに私の裸を見たかったの……?ど、どうしよう……っ。このままじゃ私、襲われちゃう……⁉ガブリエルさまとミラナさんが見てる前で……ダメだよ、こんなの……っ。確かに新くんはエッチなのがたまに傷だけど……何もこんな状況で……っ。顔が近い……っ、呼吸も荒い……っ、足が太ももに当たってるぅ……っ。ダ、ダメぇ……私、堕ちちゃうぅぅ……っ』

 

もはや天使としての人生はこれまでと瞑目するイリナ

 

その直後、「着替えましたぁ」と間延びしたガブリエルの声が聞こえてくる

 

買ってきた寝間着姿のガブリエルとミラナを確認し、新はホッと一息入れた

 

「ふぅ、助かったぜ。お前のお陰で―――あれ?イリナ?イリナさーん?」

 

真っ赤に染まって湯気を噴き出しているイリナに新の呼び掛けは一切届かなかった……

 

 




まだまだ謎に満ちているキリヒコ……

今回の話で彼が使用したデバイスのイメージ元はガシャコンバグヴァイザーです。

次回はイッセー側の話を書きます!
またドッグデイズ編みたくローテーションするかもです
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