自分でもアカンと思う更新の遅さ……。時間をかけ過ぎた分、濃い内容に仕上がったと思いたいです……っ
「貴様ら、そこに正座しろ」
「あのぉ、もう正座してます……」
「口答えしてる暇があるなら正座しろ」
「いや、だから既に正座してるって―――」
「正座しろ」
「「「「「……はぃ」」」」」
早速異様な光景と共に始まった尋問(?)。仁王立ちするのはご存知、般若面の鬼こと幽神正義。その鬼の前に正座させられているのは、意識を取り戻した暗殺集団(笑)―――『アンサツファイブ』の面々。その隣にはジュビアにボコされた暗殺者『
一誠、アーシア、ジュビアが
「おい、ピエロもどき。貴様は毒以外の手段を講じてないばかりか、やり方が地味過ぎる。無駄に自己アピールを長引かせる暇があるなら技術を磨け。何の技術も無い暗殺など、垢擦り用の紙にも劣るぞ」
まず手始めにオカマピエロことオッカマスを
「次だ。貴様はカエルなのかキノコなのか、どっち付かずで意味が分からん。それにあんな脂ぎった技で標的を仕留められると思っていたのか?」
「で、でもぉ……実際オデはこれで成功してきたんだども―――」
「それは今までの相手が取るに足らないアホだったからだ。火を点ければ一発で大炎上、
痛いところをズバズバ言われたエルゲロッペはションボリと
「……貴様は色仕掛けで相手を腑抜けにしてから仕留めると言った手法だろうが、その手段自体は悪くない。実際にあるからな」
「あ、ありがとうございますぅ……えへへっ」
ご機嫌を
「だが、あからさま過ぎるだろ。あんな
ギクッと気まずそうに目を逸らす一誠。次は四つ目筋肉ことマッチョル・ガチムーティを口撃する。
「貴様がこの中で何よりも論外だ。武器が筋肉しか無いだと? ふざけてるのか?」
「い、いや……今まで我が自慢の筋肉で上手くいってたから……」
「その筋肉とやらも俺の蹴り一発で役立たずに成り果てただろうが。何が筋肉の鎧だ。鋼鉄どころか薄板以下の脆さだぞ。そんな駄肉でよく真っ正面から挑めたな。屈折した自殺志願者か?」
正義はマッチョルの鍛え上げられた筋肉を全否定。情けも容赦も無く彼のプライドをへし折る。しかし、どんなに鍛えられた猛者でも強烈な威力の金的を食らえば一撃でアウトになる……。
その事を指摘しようにも、理不尽の権化となった幽神正義にはどんな言い訳も通用しない。
そして最後は―――。
「貴様は……何か知らん内に倒していた。印象どころか存在感が無さ過ぎる。何回もドリップさせたコーヒーですら少なからず味が付いているのに、貴様は水か
「……ずび、ません……っ」
一応『アンサツファイブ』のリーダー格、ジィミスンギ・テ・キヅガレン(薄)が掠れた声で弱々しく
ある意味、一誠達の虚を突けたのはコイツなのかもしれない。結果には全く繋がっていないが……。次に正義が視線を向けたのは、ジュビアが倒した暗殺者―――『
『無様に倒れているが、こっちの4人の方が暗殺者としては格上だ。ソレをジュビアは1人で相手取ったと言う事か』
ジュビアの方に視線を移す正義。視線に気付いたジュビアは「エッヘンっ」と得意気にアピールし、アーシアが改まって礼を言う。
「ジュビアさん、先程はありがとうございました。でも、またジュビアさんにご迷惑かけちゃいましたね……っ」
「いえいえっ、気に悩む事はありません! それにジュビアは恋する乙女の味方ですっ! 水辺のジュビア、恋する乙女の味方になったジュビアに
「ちなみに聞くが、あそこの4人はどうやって片付けた?」
正義がそれとなく訊くと、ジュビアは『水に閉じ込めて溺れさせましたっ♪』とドヤ顔で言う。ジュビアは水の魔力に長けているので、水を自由自在に操れる。襲ってきた暗殺者4人も操った水の中に閉じ込め、制圧したようだ。
事の顛末を聞いた一誠は乾いた愛想笑いで受け流し、正義に耳打ちする。
『ジュビアさんもお前と同じく水責めを敢行してたのか。恐ろしいと言うか、何と言うか……2人とも案外お似合いじゃねぇか?』
『どういう意味だ?』
『拷問カップル、もしくは拷問夫婦って事で』
『よし、貴様に水分補給をさせてやろう。遠慮するな、水は腐る程あるぞ』
『全力で遠慮させてもらいますっ!!?』
正義は一誠の首根っこを掴もうとするが、瞬時に危険を察知した一誠はすっ飛んでいくようにアーシアのもとへ駆け寄る。今の一誠にとってアーシアは、
正義は心中で舌打ちし、そのイライラを他にぶつける事にした。
「……さて、この自称暗殺者どもをどう処理してやろうか」
「まっ、まままっ、待ってください幽神さまぁっ!」
正義が連中の処理を考察しようとした矢先、オッカマスが声を荒らげた。無論、始まったのは命乞い。
「あ、あたしはこう見えて裏の
「気持ちだけでも迷惑極まる。そもそも貴様のような珍獣オカマの手など借りたくもない、気色悪い」
さすがは鬼(笑)、オッカマスの必死な命乞いを僅か1秒で一蹴する正義。しかし、みっともなく命乞いをするオッカマスの態度を見てた他の4人が色めき立って反論、および自身の売り込みを開始する。
「ふざけんじゃねぇど! オメェなんざオデに比べたら手品ぐらいしか勝ってる要素ねぇだろ!? 幽神さまっ、こんな変態オカマよりオデを仕えさせてくだせぇ! オデの方がこんなオカマや他の連中より役に立てますどぉ!」
「汚い脂まみれの貴様は焼かれて喰われる以外に道など無いぞ。まあ、焼こうが煮ようが喰いたくもないがな」
「何ふざけた事言ってんのよ! アンタら揃いも揃ってワンパンでやられたクセに! 幽神さまぁっ、こんな不細工で気持ち悪い奴らよりも見目麗しいアタシを仕えさせてください! アタシのセクシーでエロエロなテクニックでどんなご奉仕でも実現してみせますからぁ!」
「そういう事は兵藤に言ってこい。ヤツは見境無しだから喜んで受け入れそうだ」
「笑止千万っ! 貴様のようなビッチ如きに幽神さまの従僕が務まるわけ無いわぁ! 幽神さま! 我を! 我こそを幽神さまのお傍に仕えさせていただきたい! さすれば我が自慢の筋肉で、あなたを全身全霊お守り致しますぅぅっ!」
「蹴り一発で沈む駄肉が誰を守れるんだ? 寝言は寝てからほざけ」
「……黙れ、三下ども……っ! リーダーの俺を差し置いて、どの口がほざく……! 幽神さまの従僕になるのは俺に決まっているだろう……!」
「貴様は……いつからそこに居た?」
醜く始まった売り込み合戦だが、ジィミスンギの言葉で更にヒートアップしてしまう。
「はぁぁ!? 存在すら認知されてないヤツがリーダーとかほざいてんじゃないわよ! この際だから言っておくけどねっ、アンタなんかをリーダーにしていた事が一生の恥だとずーっと思ってたのよぉ!」
「……何、だと……!?」
「んだんだ! オデよりも個性の薄っぺらいヤヅが偉そうに言うでねぇ!」
「それに知ってんのよ? 自分の存在感の無さを利用して女子更衣室に居座ったり、女湯覗きに行ったりしてるでしょ! いい歳こいてショッボイ犯罪しか出来ないヘタレ根性乙〜!」
「それこそ軟弱極まりない! 何が暗殺者だ! モヤシボディの枯れ枝風情に仲間意識を抱いていた自分が腹立たしいっ! 貴様など植木鉢の隅っこに埋まって枯れ果てるべきだ!」
「……ギッ、ギギギギ……貴様らァァァ……ッ!」
まさしく火に油……ただでさえ見苦しい命乞いが蹴落とし合戦にグレードアップ(?)。それも自己保身、自分が助かりたい気持ちが全面に押し出された醜く低レベルな仲間割れ……。
途中から正義も尋問を放棄し、呆れ果てた表情を浮かべる。これ以上は不快な光景を視界に入れたくないので、さっさと本題に入る。
「おい、オカマ。五体満足で助かりたいか?」
「はっ、ハイィ! 助かりたいですっ! どんな要求も呑みますからァァァッ!」
その言葉を聞いた正義はオッカマスに問いただす。
「ならば『
「――――ッ!? そ、それだけは勘弁してもらえないかしら……?」
「そうか」
正義は言葉少なに呟いた直後、蹴り脚を走らせた。
「0、1、2、3、4、5ォッ!」
「ァギュ゙ゥ゙るァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッッッッ!!?!!?」
正義の蹴りがオッカマスの右足6ヶ所に甚大な被害を与えた(笑)。正義のカウント法にすかさず一誠がツッコミを入れる。
「いやいやいやっ、なんでゼロから数えたぁ!?」
「知らんのか? 数字とはゼロから数えるモノだ。そして、俺は拷問に於いて数字は全てゼロからカウントする。拷問の本質は相手の精神を徹底的に痛めつけて追い込む。それは情報を吐かせる際に最も効果的な方法だ。ゆえに―――拷問中は数字を全てゼロから数える。それが常識だ」
「ひでぇ……コイツ本当に理不尽が皮を被った生き物だ……っ」
正義の理不尽な尋問が再開される。
「さっさと吐け。次は3人セットで蹴り砕くぞ」
「ちょっ、ちょっと待ってよぉ!? コレもう尋問じゃなくて拷問―――」
「残念、時間切れだ。3人まとめて蹴り潰す。0、1、2、3ッ!」
「スタァトォッッ!!?」「ゼロカラァッッ!!?」「カゾェテルゥッッ!!?」「ケッキョクヨニンッ!!?」
オッカマス、エルゲロッペ、マッチョル、ジィミスンギの4人が理不尽制裁の犠牲になり、彼らは頭から地面に叩き付けられた。その光景を目の当たりにしたサキュバッチはガタガタと震え、一誠は「アーシア、見ちゃいけません」とアーシアの両目を手で覆い隠していた。
一方でジュビアは目を
「まだ吐かないか、仕方無い。次は1人につき3ヶ所ずつ骨を折るとしよう」
「ちょ、ちょっと待って……ソレ絶対3ヶ所じゃない流れ、よね……?」
「よく分かってるじゃないか。さすが芸人もどき、笑いの
情けも容赦も無い幽神正義《鬼》による拷問―――否、尋問が続く……。このままではガチで死んでしまうと戦慄したオッカマスは『
しかし、
―――ひ で ぶ ぅ―――
もはや
ところが、そんな場面で水を差す人物が突如現れる。
「ど〜も〜っ、廃品回収に来た業者でぇ〜すっ」
ふざけた口調で現れたのは……異様な雰囲気の青年。
一見、何処ぞの漫画で見た事がある闇医者のような風貌だが、纏っている雰囲気は明らかに一般人のオーラでは無かった。青年が左手に持っているのは―――かち割り氷の袋。右手を突っ込んで
室内プールの施設内と言えど、今は寒い季節。そんな中、冷たい氷をそのまま齧るのは明らかに異端。しかも、本人は氷を齧っておきながら「ふぅ〜っ、寒いねぇ」と当たり前の事を呟く。矛盾に満ちた言動に一誠も理解するのが遅れた。
奇異な視線が向けられる中、正義が青年を問い
「貴様、何者だ?」
「あれぇ、さっきも言ったじゃん。廃品回収に来た業者だってぇ」
「くだらん嘘を吐くのも大概にしろ。どの角度から見ても怪しさと胡散臭さしか映ってないだろう」
「酷いねぇ、寒いねぇ、世知辛いご時世になっちまったんだねぇ。俺はただアンタらのお仕事を減らしてあげようと親切心を働かせてきたってのに」
「親切心だと?」
「イエ〜ス♪ 俺はそこの5人組―――アンサツファイブってお笑い集団を殺しに来たんだよ。そいつら大ポカし過ぎて他の組織からも見限られちゃってさぁ。そのまま生かしておくのも地球資源の無駄遣いじゃん? てなわけでぇ、俺がわざわざ
物騒な言葉を並べ立てる青年。つまり、用済みとなったアンサツファイブの連中を殺害しに来たのだ。
だが、正義は意に介さず怪しい青年の要求を一蹴する。
「貴様の都合など知らん。こいつらはこっちで処分する。ゆえに貴様は不要だ、消えろ」
「お〜、怖いねぇ。じゃあ譲るわぁ」
異様な雰囲気の割に物分かりが良いのだろうか、あっさりと連中の身柄を一任した。すると、青年はズボンのポケットから
「まあ、とりあえず一服させてくれよ」
葉巻を咥えて天を仰ぐように瞑目する青年。一見、何の変哲も無い行動だが……正義は逆にソレを疑っていた。
『こいつ……何処か言葉が軽くて違和感があるな』
疑惑が―――確信に変わる。
「何だか今日は口に合わねぇや」
そう言って青年は咥えていた葉巻を指で弾いた。飛んでいく軌道の先に居たのは―――アーシアだった。正義は瞬時に判断し、叫んだ。
「―――ッ! 兵藤ォッ! アーシアを守れェッ!」
「え!? 何―――ッッ」
一誠は言い切る前に正義の言葉に従って駆け出した。正義の目を見て緊急事態を察したのだろう。一誠は素早くアーシアの前に立ち、庇うように両腕を広げた。次の刹那―――。
ドォォォンッッッッ!!!!!
「―――ッ!!? きゃあぁっ!!?」
「アーシアさんッ!!?」
「チッ!」
なんと青年の投げた葉巻が大爆発を起こし、爆炎が噴き上がった。衝撃と爆風によって一誠は身体の前面を焼かれ、アーシアもろとも吹き飛ばされる……ッ!
ジュビアは何が起きたのか理解できず
「ハロ〜っ、こんな単純な手に引っ掛かってくれてありがとさんっ♪」
煙の中から奴が飛び出す。その手には―――いつの間にかナイフが握られていた。奴が狙いをつけたのはジュビアで、右手に持った凶刃を最速の動きで突き出す。
正義は足の機能を総動員させて駆け出し、横から青年のナイフを蹴った。軌道が逸れたナイフは空振り、青年は「あららぁ?」と
しかし、回転を利用して正義の顔面に斬りかかった。正義は瞬時に身を
『ハゥジュビィィッ! こ、これが噂に聞いた「お嬢様、私から離れてはいけません」状態ッ!!? アァ……ッ、ジュビアはこの素晴らしい
安心するのも束の間、正義の左頬には刀傷が刻み付けられ、傷口から血が垂れていた。それを見たジュビアが叫ぶ。
「ジュビっ!? 正義さまのお顔が……っ!!?」
「慌てるな。こんな傷如き問題ではない。問題なのはコイツの方だ。かなりの
正義は目の前に
それもその筈。実はこの男、裏の世界で最も危険なブローカーと称される闇の商売人―――ザミーゴ・バレット。戦闘力は一級品、更に厄介な
正義は左足に
「天地がひっくり返ろうと貴様は五体満足で帰さん」
「堅物くんだねぇ、オマケに何か強いじゃねぇか」
正義の蹴りと青年―――ザミーゴのナイフ捌きが正面から激突。怒涛の攻めが無数の火花を生む。ザミーゴは間合いを侵略すべく、体勢を低くして前に出るが……警戒を高めた正義は即座に対応する。
「フンッッッッ!」
「オォゥッ!!?」
「……貴様、これ以上続けるなら明確な殺し合いになるぞ。それでもやるのか?」
「う〜ん……確かに厳しそうだねぇ」
一歩
「オッケー、分かった。それなら手切れ金くれよ。俺こう見えて商売人だからさ。あと、仲直りの握手も」
自分から非道な攻撃を仕掛けておきながら停戦を申し込み、更には手切れ金まで要求してくる。厚顔無恥も
「握手には応じない。
正義が財布から一万円札を何枚か取り出し、無遠慮に放り投げる。ザミーゴはその金を受け取ろうと手を伸ばす、が……。
「ワ〜オっ、お小遣い貰えて嬉しいねぇ♪ 嬉しいからぁ―――ナイフが出ちゃったぁ」
手を伸ばしたザミーゴの袖からナイフがロケットのように射出される。またしても擬態……っ。飛び出したナイフは正義の顔面に向かって飛来していき、警戒を高めていた正義は投擲ナイフを
ザミーゴは直ぐに別のナイフを取り出し、正義の顔面を突こうとする。
「せっかくだから顔面突かせてくれよぉ」
「どんな理由だ、この嘘吐き野郎」
警戒を解いてなかった正義はザミーゴの突きを寸前で見切り、報復の蹴りを放つ。ザミーゴは上体を反らせて回避し、直ぐに上体を戻す勢いでナイフを振り下ろした。
正義も直ぐに対応。右足での後ろ蹴りでナイフの軌道を逸らし、その勢いを利用して左の
まともに食らったザミーゴは「ぐぅふぅっ!」と体勢を崩して倒れるが、お返しとばかりに
正義は身を
「お前、なかなかやるねぇ。ここまでしぶとく生き延びた奴は久し振りに見たなぁ」
「俺も貴様のような
「何だかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情けってヤツ? 良いぜぇ、出血大サービスで教えてやるよ」
ザミーゴが妖しく笑うと……奴の全身が氷に覆われ始める。巨大な
その中から現れたのは―――異形の怪物に変貌したザミーゴ。
全身に
姿を現した途端に冷えた空気が周りを包み込む……。変貌を遂げたザミーゴは誇示するように両手を広げ、意気揚々と自己紹介する。
「俺の名前は―――ザミーゴ・バレット。自他ともに認めるイヤ〜な奴さ」
「自分から陰険な奴だと認めるのは
「おいおい、酷いねぇ。俺はこう見えてガキの頃はとっても良い子だったんだぜぇ? 周りから常に品行方正、清廉潔白、
ドォンッッッッ!
ザミーゴは全く理解できないタイミングで不意打ちの発砲を見舞う。しかも、それは普通の銃撃ではなく……空気中の水分を凝結させて作った氷の銃によるもの。
製造した氷の銃を右手で握り、
正義は横っ飛び且つ
一瞬で氷漬けにされた木は脆く崩れ、粉々に砕け散る。正義がザミーゴを睨み付ける。
「息をするように嘘を吐き散らかすクズめ……貴様は心底不愉快だ。骨の髄まで、臓腑の底まで腐り切ってると見た」
「酷いねぇ、寒いねぇ。俺の作るかき氷は新鮮一番、味も絶品って
ザミーゴは右手に持っていた銃を無造作に捨てる。その銃はパリンッと
今度は両手に氷の銃を生成、二丁拳銃で正義に向けて発砲する。正義は付近にあったゴミ箱を蹴り飛ばし、更に地面の一部を蹴りで削り取り、二発の氷の弾丸を
ゴミ箱も、蹴り飛ばした破片も一瞬で氷塊と化し……先程の木と同様に砕け散る。ザミーゴは「ヒュゥ〜ッ♪」と口笛を吹きながら氷の銃を投げ捨てた。当然、投げ捨てられた銃は
『……1発撃つ度に投げ捨てている。あの氷の銃は使い捨てなのか? 燃費が良いのか悪いのか分からん武器だな』
正義が思慮を巡らせていると、アーシアから回復を受けた一誠が戦線に復帰。
「あの野郎っ、ふざけた真似しやがって……っ! アーシアの
「兵藤、今まで以上に気を引き締めろ。コイツは平然と卑怯卑劣な戦法を取ってくるクソ外道だ。万が一の時は、貴様を身代わりにしてでもコイツを仕留める」
「よしっ、分かっ―――たらダメだッ! おい、幽神っ! お前なに自然な流れで俺を囮にしようとしてんのっ!!?」
「貴様はたった今から最強の囮として命を散らし、その偉業は後世にまで語り継がれる。貴様が目指しているヒーローとやらに一歩近付けるぞ、良かったじゃないか」
「
「チッ、仕方の無い奴だ。ならば真面目に共闘してやるとしよう」
最初から真面目にやって欲しいとツッコミたいところだが、指摘するとやや面倒な事になりそうなので割愛。正義が1つめの作戦を提案する。
「まずは貴様が奴の銃撃を引き付けろ」
『おっ、案外まともな作戦っぽい』
「俺は貴様が撃たれている間にトドメを刺す」
「やっぱまともじゃなかったっ! その作戦だと俺が死ぬの確定してんじゃんっ! 頼むから少しは真面目に考えてくれっ!」
「チッ、ワガママも大概にしろよ。ならばプランBだ。俺が攻撃を担当する。貴様は後方から援護射撃―――」
「分かった、ドラゴンショットで」
「―――すると見せかけ、盾になって銃撃を防ぎつつ、剣となって奴の脳天を叩き割れ」
「よしっ、分か―――らないっ! もうお前の言ってる事が何1つ分からないッッ! その作戦、要するに俺がボコられるだけじゃねぇかッ!!? 俺を何だと思ってんだよッ!」
「変態の皮を被った
「コイツ本当にヤダッッ! 誰かぁ! この毒舌と罵倒を超え過ぎた鬼に人としてのモラルを教えてあげてぇっ!」
あまりにも酷い作戦内容と正義の毒舌に、一誠は涙目で
「ヒャァッハッハッハッハッ! お前らマジで面白いな! 戦ってる最中に漫才するヤツなんか初めて見たぜ!」
「だろうな。気に入ったならコイツを貸してやろうか? サンドバッグ及び実験台としては優秀だぞ」
「おいっ、俺をレンタルDVDみたく扱う―――ちょっと待て! 今サンドバッグって言ったか!? 実験台って言ったか!!?」
「殴って良し、蹴って良し、刺して良し、斬って良し、撃って良しの
「誰かぁっ、おまわりさん呼んでくれぇっ! 平然と人身売買する
「兵藤、コレの何処が人身売買なんだ? 俺は無償で提供しているに過ぎない」
「余計に
「そう言えば、まだお前らの名前聞いてなかったな。ついでに教えてくれよ」
「……俺は幽神正義。そして、コイツは……変態のヘン・タイだ」
「おいっ、ただ変態って
「兵藤、貴様……日本人だったのか? その事実に驚いたぞ」
「1分1秒経過する
ザミーゴは「いや〜、マジでウケるわぁ」と賞賛しつつ、ポンッと何かを思い付いたように進言する。
「兵藤一誠と幽神正義、ねぇ……。おっ、良いコンビ名が浮かんだぁ。お前ら今日から迷コンビ―――『イッセーギ』ってのはどうだ?」
2人の下の名前……
ザミーゴが命名したコンビ名に、正義が「待て」と声を掛ける。
「なぜ俺の名前が兵藤ごときの後ろに付けられねばならん? 不愉快だ」
「指摘するのはソコじゃないだろっッ!!?」
「え〜、呼びやすいのになぁ。じゃあ、アンタの名前をアタマに付けた『セイッセー』ってのは?」
「……それなら前者の方がマシだな」
「ねぇ、皆さん……? この状況をおかしいと思ってるのは俺だけでしょうか……? なんで俺が終始イジられてる事に疑問1つ浮かばないのデスカ……?」
もはや壊れる寸前の口調になってきた一誠。ひとまず、一誠と
正義は壊れかけた一誠の頭を叩き、無理矢理正気に戻させる。
「兵藤、無駄なお喋りはここまでにするぞ。コイツは思った以上に危険な相手だからな。せいぜい足を
「余計な心配するなよ。俺だって修羅場はそれなりにくぐり抜けて来たんだ。危険な相手とか今更過ぎて、分かりきってるんだよ」
「ほう、貴様にしては随分と強気な啖呵だ。ならば集中しろ」
そう言うと正義も
「良いねぇ、面白くなってきたじゃねぇかぁ。こりゃ、邪魔が入らないように予防線を張っといて正解だったかもしれないなぁ」
「「予防線?」」
意味深な言葉を吐いた直後、遠くから爆発めいた轟音が鳴り響いてきた! その方角はユキノ達がいるエリアだった……。一誠は即座にザミーゴに向かって怒声を飛ばす。
「テメェっ! 何をしやがった!!?」
「別にぃ? ただ邪魔が入らねぇように、向こうにも
嫌味タップリの笑みを浮かべるザミーゴに対し、正義は大きく舌打ちする。
「……貴様、最初から裏で手引きしていたのか? 俺達の戦力を分散させる為に、貴様がコイツらを扇動したのか?」
正義は“ザミーゴが今回の襲撃を画策した”と予想し、核心を突くように問い詰める。しかし、当のザミーゴは「ハァ?」と言った感じで両手を広げ、肩を
「俺が? こんな奴らを? なんで? そこまで暇人じゃねぇし、コスパ悪い連中に仕事を任せる程バカでもねぇもん」
ザミーゴは
ザミーゴは飲み干したフラッペの容器を自身の冷気で凍らせていき、1つの
撃ち抜かれた氷塊は粉々に砕け、地上へ散布される。使い終わった氷の銃も捨てたザミーゴは嘲笑するように吐き捨てる。
「ここの限定販売のフラッペを飲もうとプライベートで来てみれば、大ポカやらかした役立たずのバカどもと、三大勢力で有名な戦力の
「……俺達に吹っ掛けてきたのは、あくまでついで―――と言いたいのか」
「そんな薄っぺらい理由で、しかも公共施設の中で……ッ! ふざけやがって……ッッ!」
話を要約すれば、ザミーゴは当初から狙うつもりなど無かったが―――『たまたま発見したからやってみよっか』的な感覚で一誠達の前に現れ、現状に至っている。あまりにも短絡的な理由に正義は顔を
そんな視線など意に介さず、ザミーゴは嫌味タップリの笑みを浮かべた。
「だから言っただろぉ? 俺はザミーゴ・バレット、自他ともに認めるイヤ〜な奴だって♪」
そう言った直後、ザミーゴは
野球ボール程のサイズしかない2つの球体をその場に落とすザミーゴ。次にプールサイドへ歩み寄り、手で水を
水を被った球体は次第に
一方は青と銀色が混ざり合ったような細身の異形で、まるで液体の如く掴み所を感じさせない様相だった。
もう一方は逆に緑一色に染まり、全身の筋肉を
2体の怪物を召喚したザミーゴが説明に入る。
「どーよ? コイツらは“とある
『ジャバジャバ、バシャ゙ァ゙ァ゙ァ゙ンッ』
『モリモリモリィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ッ』
ザミーゴは新しく生成した氷の銃を向けて、宣戦布告してくる。
「んじゃっ、始めましょーやぁ」
――――――――――――――
その頃、爆発が起こった方角―――ユキノ達の方でも危機的状況に見舞われていた。一誠達と同じように、ザミーゴが予め派遣しておいた戦闘特化型の疑似生命体―――『
敵の数は3体、ユキノ、ソラノ、チェルシー、ディマリアはその内の2体を相手取っているが……いずれも強敵揃いだった。
『ドロドロォ゙ォ゙ォ゙ッッ』
1体目は灰色の甲殻―――土の鎧で覆われた騎士のような異形。右手が棘付きの鉄球と一体化し、右肩に砲門らしき物が突き出している。更に鎧の表面は粘着性に富んだ泥でコーティングされ、軟質ゆえに並大抵の攻撃を吸収し無力化する。
コードネームは『
『メラァァァッッ、メラァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッッ』
雄叫びを上げる2体目は―――炎を噴き出す異形。見た目は『
コードネームは『
2体の異形にユキノ達は苦戦を
「はぁ……はぁ……。いきなり襲ってきたと思えば、
「そう考えた方が良さそうだゾ、ユキノ。せっかくの親睦会が台無しにされて気分最悪だゾ」
「ならば、私達の怒りを思い知らせてやるまでね。チェルシー、いけるか?」
「ええ、あのメラメラくんには私の攻撃が効かないから、そっちのドロドロくんを片付けましょう」
ディマリアとチェルシーは『
一方、幽神弟―――
『ツキィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ニカワッテェ゙ッ、オシオキィ゙ィ゙ィ゙ッッ』
何処かで聞いた事のある台詞を発する3体目は―――金色の装甲に覆われ、頭部や両腕、両足に三日月のような刃を生やした騎士の如き異形。堅牢な装甲に加え、鋭い斬撃や光線を飛ばす事も出来る。
コードネームは『
1体だけなら対処し
「あ、悪堵さん……っ」
彼の後ろでウェンディが弱々しい声音で呼びかける。恐らく、ウェンディを庇ったせいで敵の攻撃をまともにくらってしまったのだろう……。
ウェンディが自責するように呟く。
「悪堵さんっ、ごめんなさい……っ。私のせいでこんな……っ」
「ウェンディ、アンタのせいじゃないわ」
そこへウェンディの姉、シャルルが歩み寄る。
「一番の原因はアイツよ。アイツが―――ウェンディをトップレスにしたからよ」
「ひゃぅぅっ! い、言わないでぇぇっ!」
シャルルの言う通り、現在ウェンディは―――トップレスの手ブラ状態だった……。トマトのように顔を真っ赤に染め、
何故こうなったのかを説明しよう。
一誠達が代わりのボールを取ってくるという名目でその場を離れ、
完全な不意討ちに面を食らった一同だが、何とか反応して攻撃を回避。だが、ウェンディだけ反応が遅れてしまい、『
その時、
初撃は防いだものの、矢継ぎ早に斬撃の乱舞と光線の乱れ撃ちが繰り出され、悪堵はウェンディを庇いながら全ての攻撃を拳で弾き、砕き、捌いていった。
敵が両腕の刃を大きく振り下ろそうとしたタイミングでウェンディを
救出直後に安否を確かめようとした悪堵は運悪く(?)ウェンディのおっぱいを直視、ウェンディも違和感に気付いて自分の胸に視線を移し―――結果、顔から火が出るほど真っ赤っ赤になりました(笑)。
直ぐに顔を逸らした悪堵だったが、
『俺も兄貴みたいに、抑制剤を貰ってくれば良かった……っ』
悪堵は兄・正義が常備している抑制剤を羨んだが、アレはアザゼルが面白半分で渡してきた単なる栄養剤。なので、仮に持っていたとしても鼻血等を抑制する効果など皆無。この事実が知られれば……アザゼルは間違い無く、怒り狂った
その際は皆さんで合掌してあげましょう(笑)。
鼻血消費で弱った悪堵に刃を向ける『
今回の話で新たに登場してきた敵、ザミーゴ・バレット! 元ネタは言うまでもなく、ルパンレンジャーのラスボスにして怨敵、ザミーゴ・デルマです!
何としても出したかった敵なので、今回このような形で登場させてみました。外道キャラを多々出している本作、ザミーゴもキリヒコに負けず劣らずの外道に仕上げていきます!
【挿絵表示】
それとザミーゴが使役している複数の『
ゴーカイジャーでは曜日モチーフにちなんで7体出ましたが、今作では何体かオリジナルで『◯◯ロイド』の◯◯と言った感じで出していきます。どんな奴が出るか、お楽しみください♪