次の日、新と一誠のクラスは体育祭の練習に励んでいた
イリナとゼノヴィアがグラウンドを爆走している中、一誠、松田、元浜の3人は躍動する女子達の胸を卑しい目で観察していた
「やっぱ、おっぱいは揺れる時が最高だよな……」
「ああ、あの動きに
「大きい小さいにかかわらず、揺れ動くおっぱいは人類の宝と言えよう……」
新は流石に付き合いきれずに距離を取っていると、体験入学生のダイアンが走り終わったイリナとゼノヴィアに近づいていく
「
「おい一誠、あのダイアンとか言う奴がお前の名前を使ってゼノヴィアとイリナのパンツの色を聞き出そうとしてるんだが」
「なにぃっ!?ダイアン!お前はなんて良い奴なんだ!」
「良いのかよっ!?」
再びイリナ達がいる方向を見てみると、ダイアンがイリナに追い掛けられていた
どうやら失敗したようだ………
逃げ切ったダイアンが一誠達の所に来る
「スマン一誠。失敗しちまっ
「気に病むなダイアン。失敗を乗り越えてこそ、おっぱいもパンツも応えてくれる時が来る筈だ!」
「
「次、
ダイアンの他に松田も呼ばれ、計4人がスタートラインに立つ
「ダイアンくーん!」
「頑張ってーっ!」
「こっち向いてーっ!」
女子達の黄色い声援にダイアンは大きく手を振る
そんな中、同じスタートラインに立っている松田以下3人は闘志を燃やす
「おのれダイアン……!昔は『スカートめくり大使』とか言われてたくせに女子達から好かれやがって……!パンチラ激写で鍛えた走力で恥をかかせてやる!」
パンッ!
スタートの合図が鳴り、松田以下3人は最高のスタートダッシュを決め、ダイアンは少し遅れた
「ハハハハハハ!どうだイケメン野郎!ギターが弾けるだけの能無し男とバカにされるがいい!」
松田が余裕と汚い顔でダイアンをバカにしていると、ダイアンのスピードがグングン上昇していき、あっという間に3人を大きく引き離した
「
「な……っ!?あ、あんな所から一気に……」
「そ、そんな……現役野球部の俺が……っ」
「…………ガク……ッ」
松田以下2人はorzのポーズで沈み、ダイアンのもとに女子達が集まる
一誠もあまりの速さに驚き、訊いてみる事にした
「ダイアン。お前、そんなに足速かったっけ?」
「
この一件から、ダイアンは放課後に体育会系部活に片っ端から勧誘され体験入部し、部員達のプライドをズタズタにしてしまったとか……
その夜、一誠はイリナとダイアンをオカルト研究部の部室に呼び、部員達にダイアンを紹介する事になった
その際ダイアンは近くのファーストフード店で食べ物を買って皆に分けるつもりだったのだが………
「おいおい、ポテトとジュースしかねぇぞ……」
人数分のポテトLサイズとジュースLサイズしか買っていない事に絶句した
「え?なん
「ダイアン、せめてハンバーガーぐらい買えよ……」
新と一誠は呆れながらも歩みを進め、オカルト研究部の部室に到着した
「
「いらっしゃい。あなたがイッセーの言ってたお友達ね?私はリアス・グレモリー。オカルト研究部の部長を務めてるの」
「スッゲー美人さん
ダイアンは興奮の連続で一誠も笑顔になるが、ただ1人―――――祐斗だけは何故か浮かない顔をしていた
「ん?どうした木場?なんか怖い顔になってるけど」
「イッセーくん……聞いて良いかな?彼、名前はなんて言うの?」
「名前?
ザッ!
一誠から名前を聞いた途端、祐斗は部室の片隅に置いてあった剣を取り、刃先をダイアンに向けた
突然の行動に部員逹は驚きを見せ、一誠は怒りの形相で詰め寄る
「何してやがんだ木場ァ!いくらお前でも、俺のダチに剣を向けるなんて許さねぇぞ!」
「イッセーくん、落ち着いてよく聞いて。彼は―――――僕達の敵だ」
「どういう事だ祐斗。いきなり言い出すから、それなりの根拠があるのか?」
「ん?お前―――――もしかしてパーティ会場にいた
一誠は耳を疑った
何故初対面である筈の祐斗を知っているのか……
一誠はゆっくりとダイアンの方を向いた
「ダイアン……?お前、なんで木場の事を知ってるんだ……?木場とは初対面なんだろ……?なんで……」
「イッセーくん。ツラい現実を突き付ける様で悪いけど……言うよ?彼は以前、冥界で行われたパーティに襲撃してきた『チェス』の一員、
『――――ッ!』
祐斗の言葉に全員がダイアンから距離を取った
部員の殆どが臨戦態勢を取る中、一誠は信じられない様に呆然とする
「おい、嘘だろ……?嘘だろダイアン……?嘘なんだよな?なぁ、頼むよ。嘘だと言ってくれよ!」
「
一誠の願いは速攻で裏切られた
久々に会った親友が
だが、容赦ない現実が目の前にある事には変わりない
「ここじゃ話が進まないかもしれない。外に出ようか?」
「外?OK!でも、ちょっと待っててく
殺気が立ち込める中、ダイアンは意にも介さずポテトとジュースを
一誠はその場に立ち尽くしたまま、まだ目の前の状況を信じられずに―――――信じたくないと涙を流していた
―――――――――
ポテトとジュースを胃袋に収めたダイアンとオカルト研究部全員は結界を張ったグラウンドの中にいる
祐斗は
「んで、この結界の中で何をするん
「まず質問に答えてくれ。
ドスを効かせた声音でダイアンに訊く祐斗
ダイアンは何故そんな事を聞かれなきゃいけないのか理解出来ないと言った様子で答える
「何をし
「そもそも
「俺は一誠と親友なんだ
「それは君の正体を確かめてから決める事だ」
少しの静寂が包み込み、ダイアンはギターで悲しげなメロディーを奏でる
「OK。どうやら話が通じない相手らしい
ダイアンの体が音を立てて何かに変異していく
少し経って現れたのは、冥界のパーティで見たのと同じ―――――祐斗が戦った『チェス』の『ポーン』だった………
その光景を目にした一誠は首を何度も横に振った
「嘘だよな……?ダイアン、なんで……なんでお前が
「なんでっ
ダイアンはここから自分が
中学卒業後、ギタリストを目指すためにアメリカへ留学
バイトをしながら数多くのオーディションを受けた
しかし、現実はあまりにも厳しく………ダイアンの魂を込めたギターと歌を否定され、オーディションに受かったのはただ上手いだけ、顔が良いだけの連中だった
落とされた回数は100を超え、ダイアンは一時期自殺を考えた……
そこへ『ビショップ』と名乗る少年から「君の夢や欲望を叶えたいなら、ボクらの仲間になってみる?」とスカウトされた
溺れる者は
そこからダイアンの人生は逆転、念願のデビューを果たしてCDも売れるようになり、今まで自分をバカにしていた連中も音楽界から姿を消した
ただし、夢を叶える代わりに『チェス』の『ポーン』となって冥界、天界、人間界の支配に加担するのを条件に出され、拒否をすれば今までの功績を無にすると言われた………
「俺にとってこの力
強い熱意と悔しさを交えて論ずるダイアン
その気持ちは理解出来ないものではなかった……ただ、やり方を間違えてしまっただけ
「一誠、お前なら分かってくれるだ
「同じじゃねぇよ……!例えどうしようもなくても、手を出しちゃいけねぇものだってあるんだよ!ダイアン!お前は自分に負けて、
「―――――ッ!悪魔?一誠が悪魔だ
ダイアンは一誠が悪魔になっている事を知り、額を押さえて首を振る
「ゴメン、俺も騙すつもりはなかったんだ……。ただ、これだけは分かってくれ!俺はお前を親友だと思ってる!だから、その親友のお前と戦いたくない!頼む!もう誰かを苦しめて、自分の夢を汚さないでくれ!」
一誠は必死でダイアンを説得する
ダイアンは金色の目から流れる涙を拭い、一誠の顔を見る
「一誠、お前って
ダイアンは仕込み剣を右手で抜き、左手に持った三ツ又槍と共に構えを取る
一誠は考え直す様に言おうとするが、新に止められる
「一誠。ツラいだろうが、あいつはもう引き下がるつもりはねぇだろうよ……。覚悟を決めろ。ゼノヴィアにもいずれ……
一誠は涙を拳で拭い、祐斗の所に歩みを進める
覚悟を決めた顔でこう言った
「木場、下がってくれ。ダイアンは俺が止める」
「……彼、相当強いよ?」
「関係ねぇよ。あいつは俺のダチだ。ダチが横道に逸れたら殴ってでも連れ戻す。それが親友の俺がやらなきゃいけない事だ」
一誠の決意に祐斗は剣を鞘に収めて後ろへ下がる
「ダイアン。
「俺は今、ようやくお前と並べたかもしれ
一誠はブーステッド・ギアを起動させ、パワーを充電する
対するダイアンは構えたまま動かず、攻撃を仕掛けてこない
一誠はその姿勢にダイアンの心境が予想出来た
『全力でお前を倒したいから、お前も全力を出してくれ』と………
時間が経つ毎にパワーが溜まり、一誠は準備を整えた
「いくぞダイアァァァァァァァァァンッ!」
『
音声と共に一誠の全身が赤いオーラに包まれ、『
「……ッ!スゲェ……!スゲー
ダイアンは剣と三ツ又槍から鋭い魔力の波動を一誠に飛ばす
一誠は堅牢な鎧で弾き返しながら距離を詰め、右拳打を振るう
ダイアンはそれを槍先で防御し、逆手に持ち替えた剣で突き刺す
一誠はギリギリで回避し、腹に拳を放つ
「ガハッ……!や、やるじゃねぇ
ダイアンは剣を順手に持ち替え、
下を向いた頭を蹴り上げ、2本の武器を合わせたエレキギターから魔力の塊を放ち、一誠を吹き飛ばした
「ぐっ……!ゲホゲホッ!すげぇパワーだ……!あんな細い剣で、中にまで衝撃を与えやがった……」
「『
ダイアンの剣と槍の突きによる斬撃が無数に飛ぶ
一誠は回避出来ず、両腕を交差して防御した
「まだま
エレキギターの音波が長い蛇の様な形となって地面を抉りながら突き進み、大爆発を引き起こす
しかし、一誠はその爆発を耐え抜いた
「俺だって、まだまだこんなもんじゃ倒れねぇぞ!」
「やっぱり強い
ダイアンは刀をギターに収め、居合いの構えを取り静止する
一誠は静寂な迫力に気圧され、なかなか前に出れない
離れ技のドラゴンショットを撃とうとした瞬間――――――
シュッ!ズドドドドドドドドドドドドッ!
「ぐあぁぁぁぁぁぁああああああああっ!」
一誠の鎧に無数の何かが突き刺さり、傷口から血が流れ出てくる
「イッセー!」
「イッセーさん!」
直ぐ様アーシアが一誠に駆け寄る
何が起こったのか、一誠は全く理解出来なかった
「な、何だ……!?今、全身を何かで貫かれたかの様な痛みが……!」
勝負ありと判断したのか、新と祐斗が止めに入る
「今日はここまでにしてくれ。今のでとりあえず勝負は着いた。一誠、さっきくらった技は今のお前には―――――いや、俺達でも避けれねぇかもしれない」
「え?どういう事だ?」
「僕でも
“剣先が飛んできた”
その言葉を聞いても一誠は分からず、ダイアンが前に来て説明をする
「そいつの言う通り、俺の仕込み剣は魔力を形成させたもの
ダイアンが仕込み剣をギターに収め、
「一誠。今日は俺の勝ちだったけ
「勿論だ!ダイアン、俺達は親友、だよな?」
「
親友の2人はお互いの強さを称え握手を交わす
悪魔の道に入った一誠と、
2人が行く道は違えど、絆だけは失っていない