ハイスクールD×D ~闇皇の蝙蝠~   作: サドマヨ2世

73 / 266
「乳龍帝おっぱいドラゴン」鑑賞会

ライザー眷属達との甘いひとときを堪能して帰還した数日後、グレモリー眷属+イリナ+アザゼルは兵藤家の地下一階にある大広間でとある作品の観賞会が行われていた

 

『ふはははは!遂に貴様の最後だ!乳龍帝(ちちりゅうてい)よ!』

 

『何を!この乳龍帝(ちちりゅうてい)が貴様ら闇の軍団に負ける筈がない!行くぞ!禁手化(バランス・ブレイク)!』

 

一誠そっくりのヒーローが赤い鎧姿へと変身を遂げた

 

巨大モニターに映る作品は『乳龍帝(ちちりゅうてい)おっぱいドラゴン』と言う特撮作品で、冥界で絶賛放送中の子供向けヒーロー番組らしく、放送開始から視聴率が50%を超えたとか

 

「……始まってすぐに冥界で大人気みたいです。特撮ヒーロー、『乳龍帝(ちちりゅうてい)おっぱいドラゴン』」

 

新の膝に座っている小猫が尻尾を振りながら言う

 

しかも、右には朱乃が腕にしがみつき、左にはゼノヴィアが手を握って作品を観賞している

 

新はライザー眷属達とリゾートに行く際、朱乃達に何でも言う事を聞くと約束していたのでそれを実行している

 

出遅れたリアスは新の近くでプス~ッと頬を膨らませていた

 

「すげぇな……グレモリー家が著作権を仕切ってんだろ?これは稼げるわ」

 

「……見てください。新先輩をモデルにした新番組もあります」

 

「は?」

 

小猫が言うので見てみると、画面の中にいる新そっくりの男が闇皇(やみおう)に変身してマントを(ひるがえ)した

 

『「おっぱい」――――それは無限のエナジーを秘めた神秘の存在。1人の男は、おっぱいへの渇望を力に変えて、世界を制する!Bust(バスト) On(オン) Your(ユア) Hand(ハンド)!!!!その手でおっぱいを掴めッ!』

 

バックがカラフルな爆発に彩られ、タイトルが出てくる

 

その名も『蝙蝠皇帝ダークカイザー』

 

あらすじを簡単に説明すると――――冥界に伝わる伝説の鎧を受け継いだ若手悪魔リューザック・アラタ2世は、冥界を滅ぼそうとする邪悪な敵――――『十二死徒(じゅうにしと)』と戦うヒーローである

 

女性とおっぱいへの愛を守る為、蝙蝠皇帝ダークカイザーとなって十二死徒(じゅうにしと)と戦い続ける特撮作品らしい

 

『ぐっ……!やはり十二死徒(じゅうにしと)の相手はキツいか……ッ!』

 

『ハハハハハッ、ダークカイザーよ。ここまで(あらが)った事は褒めてやろう。だが、もう終わりだ。おとなしく冥界と共に滅びろ』

 

『ダークカイザー!来たわよ!』

 

巨大な幹部怪人が迫り来るピンチの中、ヒロインが登場する

 

登場したのは――――リアスにそっくりの姫だった

 

『き、来てくれたのか!スイッチ姫!』

 

『さあ、私の胸を触って。あなたは無敵のダークカイザーなのよ!負けないで!』

 

蝙蝠皇帝ダークカイザーがスイッチ姫の胸を指で押したり手で撫でる

 

すると……ダークカイザーの全身から赤いオーラが噴出され、力を取り戻し――――そのまま巨大な幹部怪人を真っ赤な波動で倒した

 

『遂に十二死徒(じゅうにしと)の1人を倒した……。だが、これはまだ始まりに過ぎない。残りの十二死徒(じゅうにしと)も倒して、冥界に平和を取り戻す!世界中の女性とおっぱいを守ってみせる!スイッチ姫、この戦いが終わったら……私と結婚してくれますか?』

 

『……ええ、喜んで……』

 

スイッチ姫がダークカイザーの頬に口付けを施したと言う場面で、右下に次回へ続くの文字が表示される

 

新は驚愕の展開に目玉が飛び出しそうになった

 

「なんでお前が部長にキスされてるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!しかも結婚んんんんんんんんんんんんんっ!?ふざけんじゃねぇぇぇぇっ!」

 

「チゲーよ!これ俺じゃねぇから!つーか、落ち着け!」

 

一誠を押さえる新にアザゼルが笑って話す

 

「新は女性悪魔に絶大な人気があるんだよ。大抵はマゾだが、純粋に惚れてるって女もいるみたいだぜ?」

 

「はぁ〜、なんか複雑だな。子供向け番組で認知されるってのは。なぁ、リアス。リアス?」

 

新はリアスを呼び掛けるが、リアスは顔を真っ赤にしてため息混じりに呟いていた

 

「……もう、冥界を歩けないじゃない」

 

「そう気を落とすなよスイッチ姫(笑)」

 

バシンッ!

 

面白半分でスイッチ姫と呼んだ新が頭を叩かれた

 

「元は新のせいじゃない!あなたがあんな名前を付けるから!」

 

「いや確かにそうだけどよ、『スイッチ』は俺で『姫』を付けたのはあの孫悟空モドキだぜ?」

 

「『スイッチ』の方が酷いのよ!」

 

「そんな事言ったら俺の方がヒデェだろ?エッチ蝙蝠とかエロ蝙蝠とか呼ばれてんだぞ。公衆の面前でこんな名前呼ばれたら恥ずいっつーの」

 

新は首を振って形だけ嘆く

 

「でも、イッセーさんが有名になるなんて自慢です」

 

「そうだな。私達眷属の良い宣伝になる」

 

アーシアとゼノヴィアは楽しそうにしており、イリナもはしゃいで変身ポーズを取りながら言ってくる

 

「幼馴染みがこうやって有名になるって鼻高々でもあるわよね。そういえばイッセーくんって小さい頃は特撮ヒーローが大好きだったよね。私も付き合ってヒーローごっこしたわ」

 

「確かにやったなぁ。あの頃のイリナは男の子っぽくて、やんちゃばかりしてた記憶があるよ」

 

「やんちゃ娘が今や美少女様か。そりゃ一誠もビックリするわな。よくよく見たら最近可愛らしく見え――――」

 

感心するかの様に瞑目した刹那、ある記憶がフラッシュバックされる

 

目の前にいる誰か……その誰かに手を伸ばす顔の見えない誰か……

 

『何だ……?今の記憶……』

 

何故、急にこんな記憶が自分の脳裏を(よぎ)るのか……?

 

そんな事を考えている最中、イリナが顔を真っ赤にしている

 

「もう!新くんったら、そんな風に口説くんだから!そ、そういう風に女の子を口説いていったのね……?怖い潜在能力だわ!堕ちちゃう!私、堕天使に堕ちちゃうぅぅぅっ!」

 

イリナの翼が白と黒に点滅し始める

 

これが天使が堕天使になる前兆らしい

 

それを見たアザゼルは豪快に笑う

 

「ハハハハ、安心しろ。堕天歓迎だぜ。ミカエル直属の部下だ。VIP待遇で席を用意してやる」

 

「いやぁぁぁぁぁっ!堕天使のボスが私を勧誘してくるぅぅぅぅっ!ミカエル様、お助けくださぁぁぁぁいっ!」

 

イリナが涙目で天に祈りを捧げていると、アザゼルが今度は新に何かを言おうとしていた

 

「そういえばよ、新は天使の女とヤった事あるか?」

 

「いや、流石にそれはねぇけど……」

 

「お前を天界に送り込んだら女堕天使を大量生産出来るかもしれねぇなぁ……」

 

「そのヤバい目で俺を見るな!俺は堕天使製造工場じゃねぇし、大体そんな事したら協定が崩壊すんだろーが!」

 

「いやいや、女天使達も満更じゃないみたいだぜ?ミカエルから聞いたところじゃ、毎日堕天しそうになってるってよ。だからさ、その縛りを解いちまえ♪」

 

「いやぁぁぁぁぁっ!助けてミカエル様ぁぁぁっ!天界は最大の危機を迎えようとしていますぅぅぅぅぅっ!」

 

イリナが自分の体を守る様な姿勢で天に助けを請う

 

新はアザゼルの話についていけず、話を戻そうとする

 

「とにもかくにも、リアスが有名になるのに遺憾なんざねぇだろ?『(キング)』ってのは実力だけじゃねぇ。カリスマ性も重視されるんだから」

 

そう言った新の首をリアスは後ろから絞める

 

「変な意味でのカリスマ性なんて冗談じゃないわよ!」

 

「く、首首っ!魔力を込めて絞めるなぁぁぁ……!」

 

とか言いつつも、新は背中に伝わるリアスの胸の感触を味わう

 

すると、朱乃が首を絞められている新の腕を掴んで胸に引き寄せる

 

新は柔らかなクッションに顔を埋めた

 

「新さん。部長と仲良くするのも良いですけれど、約束を果たしてもらわないと困りますわ」

 

「約束って、デートの事だったよな?勿論OKだ」

 

新の答えに朱乃はより一層強く抱き締める

 

「嬉しい!じゃあ、今度の休日にデートね。うふふ、新さんとデート♪新さんとデート♪」

 

新が朱乃の胸から脱出した時、ゼノヴィアや小猫から鋭い視線が送られ、リアスも若干頬を膨らませているのが見えた……

 

 

―――――――――

 

 

昼休み、新は一誠の他、松田(ハゲ)元浜(メガネ)、アーシア、ゼノヴィア、イリナと共に弁当を食べていた

 

「そういや、もうすぐ修学旅行だぜ。班を決めないとな」

 

元浜が卵焼きをつまみながら言う

 

新達2年生は修学旅行シーズン間近、行き先は京都

 

ここ最近『禍の団(カオス・ブリゲード)』や闇人(やみびと)関連の事件でゴタゴタが繰り返されているので新と一誠はすっかり忘れがちになっていた

 

「えっと、3、4名で組むんだっけ?」

 

一誠が言うと松田が頷く

 

「そうそう。泊まるとこが4人部屋らしいからな。ま、俺ら3人は嫌われ者で竜崎がストッパーだからな」

 

「一誠はともかく、ハゲとメガネのストッパーかよ。不愉快極まりないぜ」

 

新は唐揚げを頬張りながら不服そうに愚痴ると、松田と元浜も新への不満をぶつける

 

「俺達もその点は同感だ。こんなリア充と相部屋だなんてよ。妬まし過ぎて唐揚げと塩鮭じゃあ足りないぐらいだ」

 

「その通り。肉じゃがとふりかけご飯、加えてガールフレンドを10人程紹介してもらわなければ割に合わん。竜崎には梅干しの種とキャベツの切れ端で充分だ」

 

松田と元浜はしれっと新の弁当のオカズを横取りした挙げ句、腹の足しにもならない具材を放り込む

 

これに対して新は冷静なドS対応をする

 

「喉が渇いたな。一誠、悪いがちょっとだけ机を離してくれるか?このバカ2人の鼻から鼻血(ジュース)を出させる。30~40発シバくだけでお手頃な鼻血(レッドジュース)の完成だ」

 

「落ち着け新、貴重な昼休みを流血沙汰で潰すのは良くない!それに殴る回数も多過ぎる!」

 

「分かった、じゃあ放課後に作るとして。シバくのは80発でチャラにしてやるか」

 

「結局殴る上に回数が2倍に増えてんじゃねぇか!ハゲにメガネ、命がある内に頭下げとけ!」

 

「「だが断る!」」

 

パキ……ッ

 

意地でも謝らない宣言をした結果、バカ2人は見事に手首の関節を外された……

 

のたうち回るハゲとメガネを他所に新は財布を開き、「後でパンでも買うか」と席に着いた

 

「エロ3人組と竜崎。修学旅行の時、うちらと組まない?美少女4名でウッハウハよ?」

 

ここでメガネを掛けた女子が話し掛けてきた

 

彼女の名は桐生藍華(きりゅうあいか)、アーシア達以外で新達と気軽に話せる数少ない女子でアーシア達とも仲が良く、「男子の尊厳」に関わるものを数値化出来ると言うスキルを持っているらしい

 

彼女独自の調査によると、新の数値は「(インフィニティ)」で測定不能だとか……

 

「いてて……ああ、お前以外美少女3人組な」

 

外された手首を(さす)りながら松田がウンウンと頷くが、すかさず桐生に頭を叩かれた

 

「うっさい!まあ、こいつは置いといて。兵藤、アーシアがさ。ね?」

 

「イッセーさん、ご一緒してくれますか?」

 

笑顔でアーシアが訊いてくると一誠は「勿論。OKに決まってるだろ!」と元気良く返事をした

 

更には弁当そっちのけで抱き合う一誠とアーシア

 

「あ、あんたら、体育祭終わってから更に仲良くなったわね……。四六時中ラブラブ光線出しながら話しているし」

 

「ふふふ。俺とアーシアは一心同体!常に共にあるのさ。な?」

 

「はい。イッセーさんとずっと一緒です」

 

アーシアから貰ったウインナーを頬張り、更にラブラブな雰囲気を見せる一誠だった

 

ディオドラからの奪還以降、2人の仲は一気に進展したようだ

 

「まあ、そう言う事だから、あんたらと組むわ。純情で基本申し出が断れないアーシアを兵藤や竜崎以外の男子に任せられそうに無いし。それにゼノヴィアっちとイリナさんもその方が良いでしょ?」

 

「うん。私も新と一緒が良いな」

 

「新くんとイッセーくんの2人が一緒だと面白いしね!」

 

特大サイズの弁当を食べるゼノヴィア、

パンを食べているイリナも桐生の意見に賛成する

 

「クソォォォォオオオッ!何故こうもイッセーや竜崎ばかりモテるのか!?ああ、神様は無慈悲だぜ!俺だって美少女にだきつかれてぇよぉぉぉぉっ!」

 

涙を流して慟哭(どうこく)する松田に新は「お前らには無理な話だな」と一蹴する

 

「うーむ、周りの女子に竜崎フラグ、最近はイッセーにもフラグが建ち始めているように思えてならない……。そんなもの視認出来たら全力を用いてハンマーで叩き壊すんだけどな……」

 

元浜は呪詛のように呟き、メガネをくいっと上げる

 

モテない男の(ひが)みほど見苦しいモノは無い(笑)

 

「ま、お前らはモテない顔の方が()える運命(さだめ)なんだよ。例えるなら俺は月9(げつく)ドラマの主役顔、一誠はバラエティでも活躍出来る熱血学園番組のセンターポジションに進化したのさ。諦めな」

 

「納得出来るか!それを言うなら俺達だって進化する筈だ!ゴールデン番組顔にな!」

 

「そうだ!何百回めのプロポーズ顔にもなれる筈だ!」

 

「ハッ、無理無理。お前らはどう足掻(あが)いたって火曜サスペンスの死体顔止まりだ(笑)」

 

残酷な一撃に松田(ハゲ)元浜(メガネ)は机に突っ伏して泣く

 

桐生がメガネをキラリと光らせながら宣言した

 

「てなわけで、修学旅行はこの8人で行動しましょう。清水寺!そして金閣寺銀閣寺が私達を待っているわ!」

 

 

―――――――――――

 

 

放課後の部室にて、下校時間を間近にした新達はお茶をしながら修学旅行の話をしていた

 

ところが、一誠の親友であるダイアンは体験入学期間が終了してしまったので既にクラスからいなくなってしまっていた……

 

闇人(やみびと)、しかも『チェス』の幹部であっても親友

 

せめて修学旅行を一緒に満喫したかったと一誠は言っていた

 

「そういえば2年生は修学旅行の時期だったわね」

 

「部長と朱乃さんは去年何処に行ったんですか?」

 

「私達も京都ですわよ。部長と一緒に金閣寺、銀閣寺と名所を回ったものですわ」

 

リアスが頷きながら続ける

 

「そうね。けれど、意外に3泊4日でも行ける場所は限られてしまうわ。あなた達も高望みせず、詳細な時間設定を先に決めてから行動した方が良いわよ?日程に見学内容と食事の時間をキチンと入れておかないと痛い目に遭うわね」

 

「するてぇと、リアスは時間を計算せずにあちこち見て回ってたのか?」

 

「そうですわね。部長ったら、これも見るあれも見るとやっていたら、最後に訪れる予定だった二条城に行く時間が無くなってしまって、駅のホームで悔しそうに地団駄踏んでいましたわ」

 

朱乃が小さく笑い、新が大きく笑うとリアスは頬を赤らめた

 

「もう、それは言わない約束でしょう?」

 

「いやいや、気持ちは分かるぜ。初めて訪れた場所は見たい所とか一杯あるからな。俺もバウンティハンターの仕事とかで各地を回ったぜ。札幌、名古屋、徳島、淡路、ロンドン、中国にブラジルまで。世界各国を飛んで行ったっけ」

 

新はバウンティハンター時代を思い出し余韻に浸る

 

そこでふと、ある事を思い出した

 

「各地で作った女達は元気にしてっかな……?」

 

「新、あなたは仕事でも女性と関係を作ったの?」

 

「いや〜、依頼内容をこなしたら報酬金を貰う手筈だったんだけど、足りない事が分かったら体で払うって言ってきた女もいたんだよ。まぁ当然ゴチになった。その半分が女子高生や女子中学生だったな」

 

「チクショオォォォォォォォォォォッ!なんで、なんでお前だけがそんな美味しい思いをしてんだァァァァァァァァァァッ!その有り余った幸せを寄越せェェェェェェェェッ!」

 

怒り狂った一誠が新を殴ろうとしたが、ヒョイヒョイと回避される

 

リアスが苦笑したところで全員の携帯が同時に鳴った

 

全員はそれが何を意味しているのか知っているため、顔を見合わせる

 

リアスが息を整えた後、真剣な声音で言った

 

「――――行きましょう」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。