これは運命の流転から外れ、また回り始めた男の物語
はじまり
夢を見る
「俺を誰だと思ってやがる!」
「いいかシモン、自分を信じるな。俺を信じろ、お前を信じる俺を信じろ‼︎」
何度みても見覚えのない夢を見る
「お前のドリルは天を突くドリルだ!」
これは誰の思い出だろう?
分からない
でもこの誰かの最後は分かる
「あばよ・・・ダチ公」
痛みも苦しみも本当のように感じる夢だ
なんでこんな夢を見るんだろう
でも途中に目を離せないことがある
笑顔のゴーグルの少年が笑いかける
『やったねアニキ!』
なんでこんなにも、この少年を見ると悲しくて寂しくなるんだろう
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「・・・・・またあの夢か」
また良いとも悪いとも言えない夢を見てうんざりする。
毎日は見ないが1ヶ月に1回は見るのでもううんざりだ
そして、うんざりする理由がもう一つ
「・・・・・やっぱり、また泣いてる」
寝起きの目を擦るついでに頬に流れる涙を拭う。
そうこの夢を見るといつも涙を流すのだ
一度この姿を見られて仲間に心配されたことがある
仲間とは一緒に住んでいる奴らのことだが・・・
突如ドスドスと廊下の方から足音が聞こえてくる
バタンッ!「起きやがれガキ共!飯の準備だ!」
「やっべ早く起きなきゃ!」
「まだ眠いよ〜」
「いいから行くよ、園長が怖いんだから!ほらカミナも早く!」
「・・・あぁ、今行く」
ここは『時原園』《じはらえん》という施設。行き場のない子供たちに衣食住の提供や学校に行かせてくれるありがたい所だ。市やヒーロー事務所の援助でこの施設は成り立っている
園長含む職員15人でこの施設は回っている。
ちなみに園長は顔も声も怖いし口も少し悪いが、意外と子供好きで優しい所が多いので皆んなに慕われている。
そう優しいのだ
「早く行かんか、カミナァ‼︎」
「分かったから怒鳴るんじゃねぇよ園長!」
カミナ以外にだが・・・
カミナは駆け足で食堂に向かう
さて、何故カミナがこの施設に居るかというと、カミナの父がカミナが3歳になるかならないかという時にこの施設に預けたからだ
園長はもともとはカミナの親父とは腐れ縁で、正直半ば押し付けるかの如くカミナを預けたらしい
『お前の親父はいつもいつも、碌なことをしないな!』
園長はよくカミナの親父の悪口を言っていた
正直、カミナは父の記憶は曖昧でほとんど記憶がないのだ
そしてここで4年以上過ごしたカミナは、もう7歳になっていた。
ーーーーー
園長から離れ、カミナは食堂に着いた
食堂では仲間がもう配膳を半分くらい終わらせかけていた。仕事が早いのだ
「おはようカミナ、今日はお前もちゃんと働けよ」
「おはよーございます。分かってんよ先生」
カミナは食堂に居た先生に軽く挨拶をする
昨日は働いてるふりをしたが、やはりバレていた
面倒だがやることはやる
準備が終わり、女の先生が前に出る
「それでは、いただきます!」
『いただきます!』
この施設には下が1歳近くの赤ん坊から上が中学生まで子供いる。義務教育は受けさせてもらえる
「なぁ、みんなここを出たら何になりたい?」
仲間の1人が食べながらそんなことを聞いてくる
カミナ含む4人の仲間達は早くこの施設を出たいのだ
「俺はヒーロー」
「俺も!」
「だよねー」
「カミナは?」
「そういえば、気になる」
「いやカミナもヒーローでしょ?」
カミナはこの問いに正直戸惑う
なぜなら、夢のせいで自分が何者なのかも分かっていないのだから
「・・・・あぁ、ヒーローだよ」
『だよな〜』
カミナは仲間に嘘をついた
この時のカミナはヒーローなんてよく分からないし、目指してもなかったのだ。
そう、あの時までは
「おい、何してんだガキ」
読んで頂き感謝を
このカミナは最初は原作のカミナとかけ離れています。
幼少期から誰かの記憶を見せ続けられたらこんな風に捻くれるのでは?と思いこんなキャラにしました。
もうすぐ熱くなるのでお楽しみに!
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