お待たせ☆
1万超えたよ過去一長いよ
区切りどころを見失っちまったんだ、許してくれぃ
今回も楽しんでくれると嬉しい
『さぁ続々とゴールインだ!』
カミナたち先頭組の戦いが終わり、1年ステージの障害物競走では生徒たちがゴールして集まってくる
「はぁ、はぁ・・・クッ、せめてベスト10には入りたかったのに・・・!」
「掴まってたオイラが言うのもなんだけど充分だと思うぜ」
「サイッテーですが、一応感謝はします。周りの妨害と何度か地雷の指摘をしてもらったので」
八百万と
第三関門にて八百万の腰付近に貼り付いていた峰田だが、キレた八百万に
『もう掴まったままでいいのでもっと上に来てください!動きにくい!!』
と怒鳴られ背負う形で地雷原を突破してきたのだ
強い女である
その結果、八百万と峰田は12位と13位という高順位を記録していた
『ようやく終了ね。それじゃあ結果をご覧なさい!』
続々と順番が出る中、カミナは自分の名前の位置をじっと見る
《神野神名 4位》
「4位・・・か」
カミナはスクリーンを見ながら呟く
まだ予選であり、しかも上位の成績
本来なら褒められる成績ではある
だがあの3人に負けたことには変わらない
悔しいことには変わらないのだ
(勝つとか倒すって言ったばかりだってのに・・・)
緑谷や選手宣誓で啖呵を切った
その結果がこのざまなのだ
カミナとて人間だ、全てが上手く行くわけではない
ただ、それでも
(次は、負けねぇ・・・!)
カミナは絶対諦めない
『予選通過は上位42名!次からいよいよ本戦よ!気張りなさい!!』
ミッドナイトの声と同時にスクリーンのルーレットが回転し始める
『さーて第二種目よ!私はもう知ってるけど何かしら?・・・って言ってるそばからコレよ!!』
スクリーンには『騎馬戦』と表示される
『参加者は2〜4人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ!基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど一つ違うのが、先程の結果にしたがい各自にポイントが振り当てられること!』
「入試みたいなポイント稼ぎ方式か、分かりやすいぜ」
「つまり組み合わせによって騎馬のポイントが変わってくると!」
『あんた達私が喋ってるのにすぐ言うね!ええそうよ!そして与えられるポイントはしたから5ずつ、42位が5、41位が10といった具合にね。そして1位に与えられるポイントは1000万!』
「・・・1000万!?」
1000万と聞いて全員の目が緑谷に向く
『つまり、上位のほど狙われちゃう下剋上サバイバルよ!』
緑谷はいじめられていた時とは違う周囲の視線にプレッシャーを感じる
(これがトップの・・・こんなに重いのか!)
その後もルール説明がされる
制限時間は15分
振り分けられたポイントの合計のハチマキを取り合うこと
ハチマキを取られても騎馬が崩れても失格にならないこと
個性使用ありだが、あくまで騎馬戦であり悪質な崩し目的の攻撃は一発退場であること
「さぁこれより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!」
合図と同時にカミナは近くにいた男子生徒の肩を掴む
「テツテツ、俺とチームを組んでくれ」
「お、俺か!?」
カミナと鉄哲の関わりは心操の宣戦布告時まで遡る
鉄哲はカミナがA組前に生徒が集まっていた時、小大の後に来た男だった
『ヴィランと戦ったって聞いてよ、どんなもんかと思ってだけど、気合い入った良い男じゃねぇか!気に入った!』
切島と似た価値観を持つ鉄哲にとって、カミナの男らしさは好感が持てたため仲良くなるのに時間はかからなかった
カミナは鉄哲に右手を出す
「テツテツ!俺の特攻作戦には、お前のそのブレねぇ曲がらねぇ硬さが必要だ!俺は俺に勝ったあいつらに、A組に勝ちたいと思ってる!だから頼む!俺に力を貸してくれ!頼む!」
カミナは頭を下げてお願いする
「いや俺は、けど・・・でも物間が・・・だぁあ〜〜〜〜クソッ!おい、頭上げろ!」
鉄哲は苦悶の表情を浮かべていたが、髪を掻きむしるとカミナに言う
「正直よ、A組とは組まねぇって話してたんだけどよ・・・やっぱお前は別だ!お前と一緒に戦いたいって自分の気持ちにゃ嘘をつけねえ!」
鉄哲は右手を出しカミナの手を握る
「男が頭下げての頼みを断ったら、そりゃもう男じゃねぇだろ!神野!お前の馬の前騎馬!この鉄哲徹鐵が引き受けた!」
「〜〜〜ッありがとよ!任せたぜ、テツテツ!」
カミナもその手をしっかりと握り返す
「んで!他のメンバーどうすんだ?」
「中距離に強い奴が欲しいな・・・後は弱くても良いから手数が多いやつか」
「お!それなら良いやつがいる!えーっと・・・居た!塩崎!」
カミナと鉄哲は同じくB組の女子生徒のもとに行く
「私ですか?」
「塩崎は強いぞ!ツルを伸ばす個性だけどよ、攻防一体だし、リーチがあるんだ!」
「障害物競争で見たやつだな!スゲェ個性じゃねぇか!」
カミナが塩崎を褒めるなか、塩崎と鉄哲は小声で話す
「鉄哲さん、物間さんの作戦はどうするつもりなんですか?」
「すまねぇ、頭下げられたし、俺が一緒に戦いたくなってよ。ちゃんと後で謝るつもりだ!」
「許してくれるでしょうか・・・でも気持ちは分かります」
塩崎はカミナに一歩近づき視線を合わせる
「神野さん。私、貴方の選手宣誓を聞いて感動したんです。あぁこういう人ヒーローなんだろうな、と思いましたから。それに何度倒れても絶対に諦めない姿、私間近で拝見もさせてもらいました」
塩崎の順位は5位、カミナが地雷群に巻き込まれるのも怒涛の追い上げで自分を抜いて行ったのも見ていたのだ
どんなに妨害されようと、ボロボロになろうとも前に進み続ける姿を
「私も貴方と共に戦ってみたいのです」
塩崎は右手を握り返す
「これも神のお導き。私個人の為でもありますが、微力ながらお手伝いさせていただきます」
「微力どころか大戦力だ!よらしく頼むぜシオザキ!」
「さて、あと1人どうすんだよ神野」
「もう殆どの組が揃い始めておりますが・・・」
「いや、最後の1人はもう決まってんだ」
同時に1人の男子生徒がカミナ達の前に現れる
「神野」
「来たな。待ってたぜシンソー」
心操は右手の拳を突き出す
「一時共闘だ」
「おう、頼りにしてるぜ?」
多くの言葉はいらない
カミナはその拳に自分の拳をぶつける
「さて、揃ったな」
カミナは3人を見る
「お前、心操だろ!覚えてるぜ!A組の前での宣戦布告!」
「すまん、俺はお前のこと知らない。教えてくれ」
「では自己紹介から始めましょう。それから作戦を」
前衛の鉄哲、中距離防御及び拘束の塩崎、妨害兼作戦参謀の心操
特攻と迎撃のカミナ
「・・・これが俺の新しい仲間か」
カミナは思う、このチームは強いと
そこから作戦会議を行い、開始時間が迫る
「いよいよ開戦だ!行けるか?」
カミナは笑う
「正面は任せろ!」
「中距離は私が」
「乱発は出来ないが、遠慮なく使え」
3人とも気合い充分である
「勝つぞお前ら!」
「「「おう!(はい!)」」」
「鉄哲と塩崎はA組の神野の口車に乗せられたみたいだ。まるで自分に力を貸すことが当たり前みたいにね。やっぱり調子に乗ってるよA組は」
『さぁ起きろイレイザー!15分のチーム決め兼作戦タイム経てフィールドに12組の騎馬が並び立った』
『なかなか、いや・・・かなり面白い組が揃ったな』
相澤の視線はA組の誰とも組まなかったカミナに向く
(さて、お手並み拝見ってとこか。どこまでやれるかね・・・)
『さぁて上げてけ鬨の声血で血を洗う雄英の合戦が今狼煙をあげる!』
プレゼントマイクのカウントダウンが始まり、選手たちは緊張を高める
「3、2、1、スタート!!」
合図と共に緑谷チームへ殆どの騎馬が集まりだす
「実質1000万の争奪戦よぉ、グェ!」
「落ち着け!クールになれ!」
カミナは鉄哲の頭を掴む
「けど出遅れるぜ!」
「安心しろ、あいつなら・・・飛んでくるよな!」
カミナたちは緑谷の回避を予想して着地予想地点に向かい出す
緑谷たちはサポートアイテムにより空中へ飛び出す
「ちょっ、デク君マズイ!カミナくんに読まれとった!」
「流石すぎるっ!発目さん方向転換行くよ!」
「かしこまりました!」
「神野!逃げられた!」
「サポート科のアイテム、厄介だな」
「この距離ならギリギリ届きます!ツルを・・・」
騎馬の3人が上に気を取られた瞬間カミナは叫ぶ
「お前ら!全力で踏ん張れ!」
カミナは死角から迫っていた巨大な影に瞬時に気がついていた
「オラァ!!」
「ヌゥウ!!」
謎の巨腕と、カミナの腕が取っ組み合いを始める
しかし、助走もあったためか、踏ん張りの効かないカミナ達の騎馬は押されはじめる
「俺も、お前に挑戦させてもらうぞ神野!」
「ショージかよ!ハッ!昨日の友は今日の強敵だな!」
カミナは自分のハチマキに迫る腕を捌く
「残念だったな神野!これは一方的な略奪だぜぇ!」
峰田の声が障子の腕の壁の中から響く
「神野さん!ツルを・・・ッ!」
「ケロ、気付かれちゃったわ」
塩崎が峰田へツルを伸ばそうとするも、同じく障子の背にいた蛙吹によって弾かれる
フィジカルが強い障子が小柄な2人を背負うことでハチマキを守り、その上機動力を上げている布陣は強力なのだ
やはり峰田は強運の持ち主かもしれない
障害物競争では八百万に狙いを定めたことで結果上位に入り
この騎馬戦では余ものにも関わらず障子という男を引き当てた
おそらく、この種目において障子という男がどれだけ強いかをカミナ以外理解していなかっただろう
フィジカルは素で増強系並であり、腕を増やす事で更に強化及び応用できる、その上探索能力に優れており不意打ちも難しい
性格も冷静沈着であり、周りをよく見るタイプだ
つまり障子目蔵とは、この1年ステージの中で騎馬としては最強クラスの男なのだ
派手な個性の爆豪や轟に隠れているため人気はあまりなかったが、騎馬にすれば、まず当たり負けはしないという利点がある
緑谷は防御力、轟は機動力とフィジカル、爆豪は自分の個性との相性で前騎馬を選んだ
だが他の生徒たちは考えない、高い順位、強くて派手な個性でしか評価をしない
ただ、派手な個性を集めて勝てるほど、騎馬戦は甘くない
個性や力は使い方、組み合わせ次第で凄まじい結果を呼ぶ
それを理解している者、つまり
『峰田チーム圧倒的体格差を利用した攻防一体の戦車スタイル!神野チーム大苦戦!』
障子のラッシュ、蛙吹の舌をカミナはギリギリで捌き続ける
「ツタが、変な場所で固定されて・・・!」
援護しようとする塩崎のツタのあちこちには峰田のモギモギが張り付いており、縛られたタコのような動きになる
「切り離します!」
「まだするな!精密操作は一時捨てて纏めて使え!防御に専念しろ!」
「しかし!」
「神野を信じろ!」
「・・・分かり、ました」
心操の指示で塩崎はツタを巨大な一本で扱い、舌やモギモギの攻撃を纏めて受ける
「テツテツ!」
「おう!」
カミナの合図で鉄哲は自身を鋼鉄化させる
障子は特攻が来ると思い意識がカミナから逸れる
その瞬間、カミナは螺旋力を溜め、腕から螺旋ジェット放出させて障子を仰け反らせる
「よし!使え、シンソー!」
「了解・・・《おい、そこのデカブツ!》」
「なん、だ・・・」
「え、しょ、障子!?」
障子は脱力状態になり、腕を下げ隙を晒す
「今だ突っ込め!」
「よっしゃあ!」
鉄哲の騎馬ごとによるタックルが障子を襲う
騎馬同士のぶつかり合いは騎馬戦の常識、悪質な崩しにはならない
もちろん怪我はしないよう前方に塩崎のツタを集めてはいるが、衝撃は相当な物だ
騎馬が肉薄した瞬間、カミナは右手を障子の腕の壁に突っ込み、峰田のハチマキをぶんどる
「あぁ!!盗られたぁ!」
「ケロ、障子ちゃんに一体何が?」
「ガフッ、俺は、一体・・・」
障子はタックルの衝撃により動けなくなり片膝をつく
「今だ塩崎!紫のやつごと騎馬を!」
「なるほど!了解しました!」
障子はモギモギ付きのツタにより完全に捕縛される
勝敗は決した
「神野、次が来るぞ!準備を!」
周囲を警戒していた心操が叫ぶ
漁夫の利を狙う他の組が近付いているのだ
カミナたちは障子たちに背を向け動き出す
「待て・・・カミナ!1つだけ、聞きたいことがある・・・!」
障子は息も絶え絶えで問う
「騎馬戦、もし、A組も含めて、組むんだったら、誰を、選んでいた?」
カミナは振り返らず答える
「俺はその時の自分で考える最強のチームを組むだけだ。変に期待すんなよ」
「まぁ、そうだな。すまん、引きとめ・・・」
「・・・そうだな、A組も含めるんだったら俺との相性や強さを考えて・・・ショージとモモと、あとシンソーで決まりだったな。これなら誰が相手でも負けねぇ。・・・はぁ、ショージお前、自分を誰だと思ってんだ?」
カミナは呆れたように言う
「そうか・・・いや、それだけ聞ければ満足だ。ありがとう」
障子は少しだけ嬉しそうにして、両膝を付いた
カミナ達は他の組を迎え撃つため移動を開始する
「・・・ったく、珍しくゴチャゴチャ考えやがって」
カミナは呟く
「神野ォ、お前、泣かせるじゃねぇか・・・!」
鉄哲は漢同士の友情に感動して
「これが男の友情、というものなのでしょうか?なんだか・・・少し昂ります。これは一体?」
塩崎は少し、入門しかけていて
(俺、入ってたのか)
心操は少しだけ、喜んでいた
「障子!しっかりしろ!オイラこのまま終わりたくねぇよ!まだ戦いは終わってねぇぞ!」
「ケロ、峰田ちゃん、あまり無茶をさせては・・・」
「・・・峰田、蛙吹、俺は大丈夫だ。心配するな。それに、俺はまだ諦めた訳じゃないぞ。今度は1000万、取りに行くぞ!」
「お、おう!その意気だ!行くぞ障子!オイラたちならできる!」
「ケロ、リベンジのチャンスはまだあるもの。とりあえず、これを剥がしましょう」
____________
場所は変わり
緑谷チームは轟チームと交戦していた
この第2種目が始まる前、緑谷は発目にいくつかの注文をしていた
『防弾の盾、ですか?』
『うん、必ず必要になるから』
『モモちゃんの狙撃、警戒しとかないかんもんな』
『この会場は遮蔽物はない。つまり全てがあいつの攻撃範囲内ということだな。要注意だな』
『うん、でも八百万さんの警戒するところは狙撃だけじゃない。行動全部なんだ』
『全部?』
『カミナさんと一緒に戦っているのを見て分かった。八百万さんは誰かと組むことで、更に言えばサポートで無類の強さを発揮するんだ。正直、万能と言っても過言じゃない。轟くん達みたいに火力と機動力が高い個性とは相性が良すぎて脅威だよ。例えば、飯田くんにワイヤー持たせて全員をグルグル巻いてから上鳴くんの電撃とか、純粋に拘束器具を大量に出されただけで詰む可能性もある』
『それ、エグいなぁ』
『八百万が厄介なのは身に染みて理解している。しかし、何故神野と組まなかったのか謎だ。・・・あのコンビなら敵なしだろうに』
『カミナさんと組まなかったのは・・・まぁ正直分かるけど、一旦後にしようか。もう時間がないかも』
『うん?じゃあ動きから決めんとな!』
緑谷は予想通り八百万が銃を持っているのを確認したが、両手銃だと気付く
「ライフルは片手で撃てない!ハッタリd「ダァン!!」うぉっ!?」
緑谷の左耳を弾丸が掠める
緑谷が思わず八百万を見ると、飯田の肩を支えにしてこちらを狙っている八百万がいた
「すまないっ、揺れてしまったか!?」
「いえ問題ありません。片手撃ちの時点で無理があっただけです。やはりハンドガンに切り替えたほうが良かったですね」
「USJでも思ったけどヤオモモパネェ!頼りになりすぎんだろ!」
「八百万、攻撃を当てることにこだわらなくていい。牽制で相手の隙を作ってくれれば飯田で出て俺が決める。上鳴は周囲の警戒と妨害をやってくれ」
「分かった!」
「了解ですわ」
「OK!」
ライフルを捨て、八百万はいつでも創造ができるように準備しつつ、チーム組み合わせ時を思い出す
八百万は真っ先にカミナと組もうと思い小走りをしていた
『あ、カミナさ・・・』
八百万は見つけたカミナに声をかけようとして止める
カミナは真っ先にB組の男子に協力を頼んでいたからだ
硬化の個性なら仲の良い切島がいるのにである
だから理解した
カミナは自分達全員に挑戦するつもりなんだと
だから、自分もあえてカミナと組まず、轟の手を取ったのだ
カミナの挑戦を受けるため
戦い、倒すために
・・・決して、「少しくらい、というか自分に一言あっても良かったのではないのか」や「なんか自分と少し似たタイプの女子と楽しそうに話してるな」とか「なんで違う組なのにそんなにも信頼してるような態度なんだ」、「ちょっとくらいこっち見てくれても良いじゃないか。葛藤くらいしてくれないのか」などそういう文句がある訳ではないのだ
ないったらないのだ
なんなら轟の誘いにのった時も飯田と上鳴から「え、良いの?」という顔をされてしまったが違うったら違うのだ
違うのだが、うん
(それはそうと、一発は脳天にブチ込みますわ♡)
この令嬢、カミナと関わった事で凄く強かになっていた
・・・親御さんが泣いているであろう
間話休題
この最強レベルの組に相対する緑谷たちも気持ちだけなら負けてはいない
「正直、この組強すぎひん!?けど・・・」
「強敵・・・だが!」
「窮地にこそベイビーが活躍しますよ!」
「キツイかもだけど負けられない!やるぞみんな!」
全く引く気も、負けるつもりもない
戦いは正に佳境を迎える
____________
『さぁ各チームのポイントはどうなっているのか7分を経過した現在のランクを見てみよう!』
スクリーンにポイントのランキングが表示される
『あら?A組緑谷以外パッとしねぇっていうか、2、3、4位全部B組じゃねぇか!』
「・・・っぶねぇ!!」
「うわ、今の避けるんだ。やっぱり野生児というか猿なのかな。君頭悪そうだし」
「・・・あぁ?」
他のチームとの戦闘を終え、移動していたカミナは勘で背後から迫る腕を避けるもいきなりの罵倒に怒る
「んだ、テメェら!?どけや!」
「どかねぇよ。大人しく潰されとけ」
「・・・あぁん!?」
時同じくして爆豪の元にもB組のチームが集まる
物間率いるB組が2名を除きカミナと爆豪に攻撃を仕掛けたのだ
「物間!俺と塩崎は作戦には乗れないって謝ったじゃねーか!」
「気にしてないよ大丈夫さ。まぁ・・・2人はそこの彼の口車に乗せられたってことだろうからね」
物間はカミナを馬鹿にしたような目で見る
「A組って単純だよね。ミッドナイトが第一種目と言った時点で予選段階から極端に数を減らすとは考えにくいと思わない?」
「あ?」
「だからおおよその目安を仮定し、その順位以下にならないよう予選を走ってさ。後方からライバルになる者たちの個性や性格を観察させてもらった。その場限りの優位に執着したって仕方ないだろう?」
「・・・・・」
「まぁそこの鉄哲みたく全員の総意って訳じゃないけど、良い案だろ?人参ぶら下げた馬みたく馬鹿みたいに仮初の頂点を狙うよりさ」
「くっだらねぇ」
それはドスのきいた声だった
「・・・は?」
「くっだらねぇって言ったんだよ。負け犬」
「負け・・・どこがかな?少なくとも今君よりポイントを持っていて4位以内に入っているのは僕らなんだけど?目まで悪くなったのかな?」
「ゴチャゴチャうるせぇ!人を煽ることしか能がねぇのか言い訳野郎!」
カミナは物間を睨みつける
「ハッ!言いてぇことはそれだけか?・・・お前、あいつらの顔見てねぇのか?」
カミナから螺旋力がオーラのように湧き出る
「目の前の勝利を全力で求めて何が悪い!トップになりたい、あいつに勝ちたい、負けられねぇって気持ちがくだらねぇ訳ないだろうが!」
カミナは叫ぶ
「バクゴーの、トドロキの、デクの、全力を尽くしたが届かなかった
そう、42位まで届かなかった選手たちの中にだって1位を目指していた者たちはいたのだ
カミナはその皆を乗り越えて今、この場に立っている
それを態と手を抜いたなど、例え一時的なものだとしても1位を狙うことを愚かなど言わせない
カミナは拳を構える
「かかってこいよ、負け犬言い訳野郎!その根性叩き直してやる!」
「本当に・・・イラつくなA組!」
________
一方、爆豪はB組から飛んでくる鱗や粘着液などの攻撃を切島たちと連携しながら捌く
「クッソ、こっちは複数人がかりだぞ!何で押し切れない!」
「テメェらやっぱ舐めてんな!俺を止めたきゃこの3倍は持って来いや!」
「俺ら、な!俺らを止められると思うなってんだ!」
爆豪の叫びに切島が続く
「しっかし、神野のチーム、何となく俺らに似てんな!」
「もしかして真似?」
「カミナの奴も飛んでたもんな!ハハッ爆豪、お前もダダ被りか?」
「ざっけんな!アイツが俺の真似しとんだ殺すぞ!」
瀬呂と芦戸、切島の質問に爆豪がキレる
確かに飛ぶ事のできるカミナと爆豪、硬質化の切島と鉄哲、中距離にロープ状の物を伸ばす瀬呂と塩崎は個性などが似ているため真似と言われても仕方のないのだが、爆豪が認める訳がない
爆豪達が言い合う中でもB組による包囲は続き、爆豪たちは気を引き締め直す
「チッ!こいつら速攻で仕留めてさっさと1000万行くぞ!気張れやテメェら!」
「「「おう!」」」
________
場所は戻りカミナと物間の戦い
物間は自身の騎馬のメンバーや、隙をついて触れた鉄哲の個性をコピーしカミナを攻撃する
「オラオラオラどうした!!」
「・・・グゥ!」
物間はコピーした回原の個性"旋回"により腕をドリルのようにして攻撃するも内心はとても焦っていた
(コイツ、個性を使ってないのに・・・!)
カミナは回転する腕を避け、場合によっては回転していない場所を弾くことで起動を変え、隙をつくようにハチマキを取ろうと攻めてくる
その際、カミナの個性と思われる緑色のオーラをカミナは纏っていないのだ
「・・・クッ!なんだか個性を使ってないみたいじゃないか!もしかしてガス欠かな?」
「使うべき時を見極めるようになったのさ!こんな風に、な!」
カミナは爆豪のように騎馬から飛び出し物間に急接近する
「円場!ガード!」
「っしゃあ!」
カミナの接近を透明な壁が阻む
「ハハ!見えない壁だ!ざまぁみ・・・」
「フンッ!」
カミナの拳は容易く壁をブチ破り物間のハチマキの1つを奪う
「はぁ!?」
「薄い!弱い!効かぁああん!」
円場が続けざまに何枚も壁を展開するが全て叩き割られる
物間は鉄哲の個性を使い両腕を硬化させる
「あいにく手が鋼鉄の奴との戦いはな、文字通り吐くほど慣れてんだよ!」
カミナは鉄爪園長を思い出しながら物間の攻撃を捌きカウンターを決め、また1本ハチマキを奪う
「塩崎!」
「回収します!」
心操の指示で塩崎が飛んでいたカミナを回収する
「ずいぶんと仲が良さそうじゃないか」
「ハッ!俺はコイツらを信用してるからな!」
物間は笑う
「自分のクラスでもなくて会って数十分の相手を信用出来るなんて、人を疑うことを知らない世間知らずなのかな?」
「はぁ?何言ってやがる仲間やダチを信じないバカがどこにいんだよ」
カミナは心底分からないという顔をする
「ダチ?浅い関係でよく友達ズラできるね?その顔で頭がお花畑なのかい?呉越同舟って言葉を知らないのかい?知らなそうだよねぇ、君頭悪そうだからさぁ!!」
物開はゲラゲラと笑う
「ハッ!お前こそ俺を誰だと思ってやがる!」
カミナは天に指を刺す
「呉越同舟なんのその!一度船乗りゃ皆仲間!荒波越えりゃ更にダチ!拳を交えりゃライバルに!船頭1人でも山すら越える、鬼船長のカミナ様たぁ俺のことだ!!」
「・・・は?いや、何を」
「ダチとチーム組んでる俺は、俺たちは負けねぇんだよ!」
螺旋力を纏った拳を物間はなんとか防御する
(馬鹿力め!・・・だが、コイツの個性は分かった!ならコピーして倒す!)
「吹き飛べぇ!!」
物間はカミナの個性を纏いカミナを殴る
だが拳からは薄く、すぐに消えてしまう程度の螺旋力しか出ない
「は?」
「・・・あぁなるほど」
カミナはそれを見て確信する
「テメェ、さては自分を信じてねぇな」
「ッ!?」
カミナは拳に螺旋力を集め始める
「教えといてやる!俺の力は気合いが全て!ぐだぐだうるせぇお前に、使いこなせてたまるかってんだぁ!!」
カミナは螺旋力を大きく纏った右手を突き出し、物間の最後のハチマキを奪う
ハチマキを奪うと同時にカミナたちの騎馬はその場を離れるが物間チームも追跡しようとする
「行かせるかよ!待ちやが・・・」
「《こっち来るなよ、ギョロ目野郎》」
「はぁ!?んだ・・・」
「おい円場!?急に止まんな!騎馬が崩れてッ・・・うわっ!」
去り際に心操が個性を使う
攻撃を受け不安定だった騎手と前騎馬が急停止した事により物間の騎馬は完全に崩れ潰れてしまう
「よし」
「やるな!」
「お見事」
心操のプレーを騎馬2人が褒める
『神野チーム!物間チームを完全撃破!さぁさぁ時間ももう1分もねぇぞ!』
カミナ達はスクリーンに映る順位が3位であることを確認する
「神野、この順位なら・・・」
「お前ら、"アレ"をやるぞ」
カミナはメンバーに告げる
「"アレ"ですか!?今からでは無理です!」
塩崎が否定し、残りの2人も苦い顔で頷く
「そうだぜ、このままでも通過は出来る・・・」
「馬鹿野郎!無理を通して道理をけっとばすんだよ!やる前から諦めて、一体何を掴めるってんだ!」
その言葉に3人は息を呑む
「くぅう・・・漢じゃねぇかっ!!うし!俺はやるぜぇ!」
「私も・・・やります!」
「俺もやる。前に進むために!」
カミナ達は事前に決めていた最終作戦を開始する
「まずは、アンカー!!」
鉄哲は地面に自分の右足を突き刺す
「飛ばします!鉄哲さん、固定を!」
「応よ!バッチ来い!」
塩崎はツタを2つに割けて伸ばし、1つはカミナと心操を絡めるつつ、もう1つは鉄哲と自身を絡めて体を固定する
塩崎はカミナ達をツタで振り回し始め、鉄哲も鋼鉄化した腕で補助に入る
『なんだぁ!?神野チーム、騎手を絡めてぶん回し始めたぞ!?』
『一体何を・・・あぁなるほど、アイツが考えそうな作戦だ』
「神野ォ!」
「心操さん!」
「「後を頼んだぜ(頼みました)!!」」
「「任せろ!!」」
『おいイレイザー!さっさと教えろよ!何するつもりなんだ?あのまま他の組のハチマキをぶんどるのか?』
『何言ってんだ、決まってんだろ・・・』
塩崎はツタからカミナたちを離す
『飛ぶんだよ』
「行くぜ必殺!"呉越同舟大上等スイング"!!」
「何なんだその名前はぁああ!?」
1000万を取る際の敵までの距離、螺旋力の溜め、残り時間、敵の妨害をどうするか
全ての問題を解決するための一手
『神野が飛んだぁ!ぶっ飛んだぁ!回れば何とかなると言うやつなのか!?』
『本当に何言ってんだお前』
飛行中目の前に氷山が迫る中、カミナと心操は足の裏を合わせる様な体勢になる
「勝てよ!神野!!」
「ハッ!当然!」
3人に勝利を託されたカミナのボルテージはMAXまで引き上がっている
負けるつもりなど毛頭ない!
「行って、こい!!」
心操の蹴り上げと同時にカミナも飛び、氷山を飛び越える
心操はあらかじめ渡されていた少量の螺旋力を使い着地する
氷山に囲まれ、乱戦中の轟、爆豪、緑谷チームにとっては最悪の相手が乱入してきた
「カミナさん!?」
「ゲェ!?うっそやろ!?」
「ここに来てか・・・!」
「ルチア先輩の担当の方!」
「真似しとんじゃねーぞ青髪!!」
「うぉカミナ!?」
「マジ!?」
「ちょヤバいでしょ!このタイミングで!」
「ウェイ!?」
「ここで神野くんはマズイぞ!」
「チッ、お前はいつも嫌な時に・・・」
しかし、1人だけこの展開を予想していた者がいた
ダンダンダンダンダンッ!!
「ッ!」
ハンドガンの銃声が響きカミナを弾丸が襲う、が全て片手で叩き落とされる
「やるな!モモ!」
「あなたなら来ると思ってましたから。当然ですわ」
『神野!この土壇場で多段式ロケットで1000万争奪戦へ乱入!しかしもう10秒を切ったぞ!』
「あいつは騎馬がない!叩き落とせば終わりだ!それよりハチマキを守るぞ!」
轟が自チームへ指示を出す
カミナは確かに単騎で乗り込んでいるうえ空中を飛び続けなければならない
唯一のアドバンテージは彼らより高い位置にいる事だが、あと10秒という短い時間でできることは少ないだろう
「だから、こうすんだよ!」
カミナは自身の首にかかっていたハチマキを
「「「「「「「「「『はぁあ!?』」」」」」」」」
ハチマキを捨てたカミナの所持ポイントは現在0ポイント、つまり今自分から全てを投げ捨てるような真似をしたのだ
しかし、ハチマキは管理するのなら首の上に装着しなければならないが、自ら捨てることはルール違反ではない
そしてそれらを見た他チームのメンバーは考える
「何故こんな事を?」「目的は?」「これはチャンスだ」「あのポイントを取れば通過できる」などだ
ハチマキの争奪戦なのだから注意は当然それらに向いてしまう
故の隙
カミナによるハチマキという自身の命を懸けた陽動
全員の・・・轟の注意が一瞬逸れた隙を、この男が逃す訳がない
「・・・・・そこぉだぁあああああああああ!!!!!」
「なっ、しまっ!」
それはまるで鷹の如く
螺旋ジェットの加速で轟の横を一瞬で通り過ぎる
そのカミナの手には1000万のハチマキが握られていた
「今度は、獲らせてもらったぜ」
それは誰に対して言ったのか
ハチマキの持ち主の轟なのか、第一種目で1位を獲った緑谷なのか不明だ
ただ、このタイミングでブザーが鳴り響く
『タイムアッッッップ!!!!』
『最後の最後に1000万を手にしたのは、神野チーーーーーーム!!』
「しゃあああああああ!!!!!!!!!」
着地したカミナは、ハチマキを握りしめた右手を上に掲げ、天を指差していた
アナウンスを聞いた鉄哲と塩崎はハイタッチをし、心操は1人ガッツポーズを取る
カミナは叫ぶ
「俺たちの勝ちだぁ!!」
私の読者は宇宙一スゥイング!!
何気に好きなのよこの技
嫁さん達が呆れて笑うとこも含めて
騎馬戦で書きたいことが多すぎた
良い感じで区切ろうと思ったけど15分の戦いって区切らない方が臨場感出るんじゃ?って思いこうなりました
後悔はしていない
ちなみに爆豪の乱戦参加が早まったのは物間による絡め手のような妨害がなかったことが原因です
それでも取れなかったんだけどね!ドンマイ☆