お待せして申し訳ない!難産だったのだ!
なんか凄い勢いでお気に入りが増えてる
気が付いたら1600超えてる・・・怖い
ここ好きで「呉越同舟」のやつが評価されて嬉しい
完全に自作のやつだけど人気があって良かった
いよいよ長かった体育祭も大詰めです!
今回も長編で申し訳ない!
では、いざ本編どーぞ!
準決勝第一試合を終えて
轟は舞台を後にし、フラフラと医務室への廊下を一人で歩く
(初めてだ、こんな気分)
轟は胸の中に溜まっていたものが殆どなくなってしまったこと
そして、忌々しい左の炎を何の抵抗もなく使えたことに驚いていた
(楽しかった・・・凄く)
カミナとのぶつかり合い、それは弟妹の居る蛙吹が分かったような
少し幼稚で、けれど本人たちにとってはちょっと過激で、忘れられない思い出になる素敵な遊戯
轟は幼い頃からエンデヴァーによって訓練ばかりやらされ、失敗作と言われた兄姉と関わることすら許さず、窓の向こうからボール遊びを眺めることしか出来なかった
唯一関われた母も入院し、家族や友達と談笑すら出来なかった彼の灰を被っていた人生に、この体育祭で初めて、全てを吹き飛ばしてくれるような風が、螺旋が吹き荒れたのだ
彼にはまだ清算する事もあるだろう、やらなければならない事も多いだろう
けれど、この短い間だけ、どうか今この瞬間だけは
(また・・・やりたいなぁ)
大事なものを抱え込むように胸を握りしめるこの少年を
その光輝く余韻に、浸らせてあげてほしい
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「決勝進出はやっぱりカミナさんでしたか。あの轟さん相手に、やはり凄い方です」
八百万は控え室にて準備をしつつ、先程の戦いを思い出していた
(私も、貴方に続きたい)
自分に色んな初めてをくれた人
背中を任せてもらった人
心身共にとても強い人
心の底から信頼できる人
そして好きになった人
彼との戦いを迎える為にも、越えなければいけない壁がある
「相手はあの爆豪さん・・・」
戦闘訓練、USJ、この体育祭、見せた力は圧倒的
タイマンならば最強クラスだ
常闇を倒したとはいえ、本来は後衛が彼女のフィールドだ
前衛の爆豪に挑むのは本来なら無謀もいい所だろう
しかし
「無茶や無謀と笑われようと、気合いで道を切り開く。それしか私に道はない!」
八百万は自分を叱咤しつつ、修繕が終わったフィールドへ入場する
『会場修復完了!それでは準決勝第二試合!爆豪対八百万!準備はできてるか!?』
「ポニテ、手加減はしねぇぞ」
「こちらこそ、全力でお相手させてもらいます」
2人は舞台で睨み合う
「デクくん、この試合どうなるんかな?」
「とりあえず、八百万さんには時間を与えちゃダメなことはかっちゃんも理解してる。だから速攻は確実だと思う。けど、八百万さんはあの常闇くんの攻撃すら耐え切って、そこからの全弾発射で倒してる。だから準備段階で倒せるか否かで勝敗が決まると思う」
「八百万くんのあの弾幕は脅威だからな。流石の爆豪くんでも厳しい戦いになるだろう」
『それじゃあ行くぞお前ら!第二試合、レディ・・・スタート!』
爆豪は合図と同時に真上に飛ぶ
八百万はマシンガンを創造し、爆豪へ照準を合わせ発射するが、空中で複雑な動きをされ射線がブレる
『八百万の爆豪シューティング!中々撃ち落とせない獲物だぜぇ!』
『ゲーセンかよ』
(捉えきれない・・・ならっ!)
八百万は更にマシンガンを創造し、二丁マシンガンで応戦する
(チッ、避けきれねぇッ・・・!)
流石の爆豪も2倍に増えた弾幕に、何発が命中や掠り始める
「でもなぁ、そいつはリロードが間に合うのかぁ!?」
両手が塞がる二丁持ちはリロードがしにくいという不利な点がある
爆豪は撃ち終わりを狙い急降下する
「なら、弾が入っているものを創れば良いだけです!」
八百万は空になったマシンガンを爆豪に投げつけて、ショットガンを新たに創造し狙い撃ちする
爆豪は後方に急旋回する事でその射撃を避ける
『ヒュー!人間版の戦闘機VS対空砲撃を見てるみたいだ!お互いの技巧が光るぜぇ!』
『ダメージは爆豪が受けてるが、八百万も少し消耗したか?』
弾丸を受けた爆豪、弾丸や銃で脂肪を消費した八百万
試合の行方はまだ分からないし、どちらが優勢と決めるのも難しい状況だった
「回復は、させません!」
八百万は爆豪にグレードランチャーを構え、〈
「しょぼい爆破だなぁ!本物に効くと思ってんのか!?」
爆豪に直撃し、舞台がピンク色の爆煙に包まれるも"爆破"の個性を持つ爆豪には効果が薄い
八百万はならばと、閃光弾を創造しようとするが爆豪の方が早く動く
「テメェがセコセコ作ってたもんはなぁ・・・」
爆豪は両手を合わせる
「俺にも出来んだよ!"スタングレネード"!!」
「キャア!?」
八百万が創造した物より倍近い光量が八百万を襲う
咄嗟に目を覆ったとしても、多少直接見てしまったため目にダメージは負ってしまう
「ダラァ!!」
「ぐぅっ!」
八百万は勘で出した雑な鉄板で正面からの爆破を守るが、衝撃をモロにくらい後ろに転がる
『攻勢に出た爆豪!八百万を追い詰める!』
(体勢を、立て直さなければ!)
八百万はスモークグレネードを爆発させ、舞台を煙幕に包む
「見えてんだよ!!」
爆豪は一瞬見えた人影に爆破を放ち、その一撃で人影も煙もまとめて吹き飛ばす
「ッ!?人形かっ・・・ガアッ!」
驚く爆豪の背中に紐が繋がった針の様な物が突き刺さり、そこから電気が流される
『テーザーガン!?』
『またレトロなモン出して来やがって』
「はぁああああああ!!!!」
八百万は電気を流したまま、火力を上げたSK弾を爆豪に何発も放つ
「ガッ!この・・・クソがぁあ!!」
爆豪は自分ごと八百万とテーザーガンを爆破で吹き飛ばし、その余波で再び飛び上がる
「クッ・・・!」
「それは、さっき見たぁ!!」
八百万はマシンガンを創造し発射するも、爆豪は爆破の微調整で弾を避け、減速することなく八百万へ肉薄する
「当たれぇええええええ!」
「テメェが、くたばれや!」
「ぐ、カハッ・・・キャア!!」
『爆豪のコンボ!モロ入ったぁ!』
爆豪は爆破でマシンガンを吹き飛ばし、ニ撃目は蹴りで八百万の左肩を強打し、トドメの三撃目の爆破で八百万を場外手前まで吹き飛ばす
「ギィ・・・ま、まだ、負ける訳には・・・!」
八百万は動く右手でハンドガンを構える
「コレで、死ねぇ!!」
爆豪が最後の一撃を食らわせようと接近する
「確かにコレで、終わりですわ!」
八百万は身体から伸ばした棒で前に飛び、すれ違いざまにハンドガンに似た
爆豪は爆破空ぶったのちに八百万へ振り返る
「ペッ!テメェ・・・何しやがった」
「はぁ、はぁ、爆豪さん・・・もうすぐ、夏なんですよ?」
「あぁ!?」
「汗のケアは女性の嗜みでしてよ」
「テメェ、まさか!?」
爆豪は突如ガタガタと震え出す
『どうした爆豪!ヤベェ液でもぶっかけられたか!?』
『あいつにとってはヤバいかもな』
『どゆこと?』
『八百万の奴、事前に今の液体の成分表を持って来ててな。簡単に言うとアレは清涼剤。制汗剤って言えばもっと分かるな』
『せいかん・・・汗か!?』
『そう言う事。しかも原液を顔面や首に浴びたからな、汗なんて一滴も出なくなる』
「水鉄砲!」
「三奈ちゃん、どうしたの?」
「あれ!私の時も作ってたの!お嬢様なのに庶民的で珍しいって思ってた!」
「そんな前から!?あの子どんだけ構えてたの・・・」
(汗、止まりやがった!身体もヤベェ!?)
「コレで本当に、トドメですわ!」
八百万は筒が円状に並んだ銃、つまりは機関銃であるミニガンを創りだす
(勝った!コレで・・・カミナさんと・・・!)
勝利への確信、その油断
瞬間、赤い流星が八百万の顎を正確に撃ち抜いた
「え、な・・・」
八百万は膝から地面に崩れ落ち倒れる
『や、八百万ダウン!爆豪!お前今何出した!』
「"APショット"・・・まさかここで使うはめになるとはな」
爆豪は掌に残った最後の爆破を最良のタイミングで使い切ったのだ
立ち上がれない八百万に爆豪は近付く
「・・・テメェは強かった、けどテメェと俺には決定的な違いがある」
八百万は意識を失う前に爆豪の言葉が頭に響く
「テメェのゴールは
(そん、な)
八百万はそのまま意識を失ってしまった
『八百万さんダウン!決勝進出は爆豪くん!!』
「・・・身体動かねぇ、チッ、実力だけは認めてやるよ八百万」
爆豪はボロボロで、痛く、重く、震える体を引き摺って舞台を後にする
『んー惜しかったけど、人間、勝利を確信した時が1番油断しちまうからな。八百万の詰めが甘かったなてハナシだな』
『それも勉強だ。他の奴も今後無いようにしっかり学べよ。しかし、最後まで諦めず、爆液を隠し持ってた爆豪も良かった。やっぱ戦闘では飛び抜けた才能がある』
実況の2人の講評も終わり、会場は次の準備に入る
これで決勝戦、カミナVS爆豪の戦いで雄英体育祭の優勝が決まるのだ
—————
準決勝が終わり会場の修繕がされる中、ミッドナイトのアナウンスが響く
『会場の皆様に連絡します。教師陣からの提案で、予定時間の調整と決勝の2人の消耗具合を考えて、決勝戦は今から45分後とします。2人が全力で戦える為の配慮です。ご協力のほうをお願いいたします』
ミッドナイトの放送に会場の誰も反対はなかった
それもそのはず、二つ準決勝が激闘過ぎたのだ
満身創痍の2人にはとてもありがたかった
『それまでは、今回の一年ステージ、及び他学年のハイライトをご覧になってお待ちくださいな♡』
ミッドナイトのアピールに会場は湧き立っていた
(こっちは何とかしとくから頑張って休みなさいお二人さん!)
___________
選手控え室————-
目が覚めて治癒を受けた八百万はカミナのもとを訪ねていた
コンコン
「カミナさん、失礼しま・・・」
「八百万、すまんが静かに入ってきてくれ」
ドアを開けたのは障子だった
八百万が中を確認するとカミナはベンチに横になって寝ていた
「少しだけ寝て回復するそうでな。あと5分で起こす予定になってる」
「そう、なんですね」
「切島は、爆豪も誰か居ないと不公平、と言ってな、向こうの控え室に行ってしまった」
「フフ、彼らしいですね。でも、こっちは2人になってしまいました・・・」
八百万は少しタイミングが悪かったかと思っていると、障子の押し殺した笑い声が聞こえてしまい、障子の顔を見る
「あの、どうされました?」
「いや、寝ているカミナとお前を見ていると、入学日の教室のことを思い出してな」
「入学日・・・あっ!?」
八百万は教室でのカミナへの悪戯を見られていた事を思い出す
「いや、あれは、その、何というか・・・!」
「八百万、静かに」
「〜〜〜ッ!!」
八百万は羞恥に耐えられず、手で顔を覆う
「さて、おい起きろ神野。時間だ、ウォーミングアップをするんだ」
「・・・ん?よし、やるかぁ・・・」
カミナは伸びをして周りを見て、八百万がいるのを確認する
「モモか、試合お疲れ・・・顔赤いぞ?」
「お気になさらず!」
「お、おう」
八百万はカミナは真剣な顔になったため浮かれ気分を抑える
「モモ、さっきは惜しかったな」
「・・・でも、私の油断で負けてしまいました」
「相澤先生が言ってたろ?今回はダメだったが、ちゃんと学んで、次の糧にしろよ」
「・・・はい」
「俺がお前の分の仇もとってきてやるからよ」
「・・・はい」
「はぁ・・・ショージ」
カミナは自分の財布を障子に投げる
「すまん、こいつにジュースでも買ってきてくれ」
「む、なるほど。行ってくる」
何かを察した障子は控え室を後にする
「おい、モモ」
「はい、どうされ・・・え」
カミナは片手で八百万の頭を胸に抱えるように引き寄せていた
「え、あの、カミナさん!?」
「モモ、落ち着いてよく聞け」
「お、落ち着け、ないのですが・・・」
「いいから聞け!お前は今悔しいか?」
「・・・はい、悔しいです」
「情けないか?」
「はい」
「でも誇れ、この敗北をお前は誇れ」
「・・・」
「お前は全力で負けたんだ。なら誇るしかないだろう」
「でも、私が、あの時油断しなければ・・・!」
「モモ、泣いて悔やんで悩んでも、ちゃんと立てればそれでいい。でも振り返ることはしちゃいけねぇ。苦しい物も、胸に抱えて前に行け。それしかねぇし、しちゃダメだ」
カミナは少し手を緩め、八百万と顔を合わせる
「それに、お前はウジウジすんな。その綺麗なツラを自分で汚すなよ」
カミナは八百万の涙を拭いながら、そう言って子供っぽく笑う
(やっぱり、ずるいなぁ・・・)
「さてと、アップでもしようか・・・モモ?」
カミナは手を離そうとすると、八百万がジャージの裾を握っているのが分かった
「まだ、もうちょっとだけ頼ってても、いいですか?」
「ハッ!俺の厚い胸くらい、いくらでも貸してやるよ」
(入りづらいが、仕方ない)
そして、推しカプの逢瀬を聞き耳立てている男もいた
コンコン
「神野、入るぞ」
「ッ!!」
「おぉ、サンキューなショージ」
カミナは障子にお礼を言いつつ飲み物をもらうと、別の手に持つ物体に目がいく
「こいつを廊下で見つけてな」
『ガァン!』
「グレンじゃねぇか!抜け出して来たのか?」
『ガァンガァン!』
「なんだよ、俺の応援たぁ嬉しいじゃねーか!」
カミナは小さいグレンを撫でくりまわす
「グレン・・・グレンか・・・」
カミナは顔を団扇で仰いでいる八百万に振り返る
「なぁモモ、創ってほしいもんがあるんだが—————」
—————
場所は変わり観客生
「心操〜チームメイト来てるぞ」
「え?」
C組の座席にて、ちょっとした作業をしていた心操にクラスメイトが話しかける
「心操!神野の応援!最前列行くぞ!」
「行きましょう!」
そこには鉄哲と塩崎がC組まで迎えに来ていた
「マジか」
「めっちゃ仲良くなってんじゃん」
「ね、ほら行ってきなよ心操くん」
「おう、ありがとう、行ってくる」
心操達は走って座席まで向かう
「選手控え室には行かないのか?」
「そっちはA組に任せた!俺らは会場からだ!」
「行きたかったのですが・・・集中してるでしょうし、邪魔はいけないかと」
「なるほどな。ならしょうがねぇな」
「俺らはその分大声出すぞ!おー!」
「お、おー!」
「・・・おー」
「ところで、メガホン作ってもらってるんだけどいる?」
「「準備良いな(ですね)!!」」
(・・・実は俺も誘おうと思ってた、なんて言えないな)
—————
「あ、モモちゃん帰ってきた!」
「おっつー!」
「ヤオモモ惜しかったねー!」
「爆豪も容赦ねぇよな〜」
「あれ?それカミナのやつじゃん!」
『ガァン!』
「観客席で皆んなと見た方がいいと思いまして」
「おお、ちっちゃいと可愛い!」
「ケロ、改めてあの時は助けてありがとう。助かったわグレンちゃん」
「ほんとありがとね!」
『ガガァン!!』
「ちょ、俺らにも見せて!」
「男子ってこういうの好きだよねぇ」
「カミナだって男子じゃんかよぉ!」
「グレンさん、大人気ですわね」
「ホントにね。あれ、ヤオモモ髪留め替えた?」
「あ、はい。ちょっと」
「へー、いいじゃん。その
「ありがとうございます。これ実は余った布で作ったんです」
「ふーん、何の余り?」
「それは・・・やっぱり内緒で」
「何それ、気になるんだけどー」
—————-
『刺繍終わりました。これで大丈夫だと思います』
『おう、ありがとよ。これで気合いが入るぜ!』
『勝てますか?爆豪さんに』
『勝てるかじゃねぇ。勝つんだよ』
『そうでしたね、すみません』
『お前の分まで勝ってくる。心配すんな』
『はい、託しますね・・・これ、私も使っても良いですか?』
『ん?いいけど、もう生地少ないぞ?』
『髪留めにするので大丈夫です。それに・・・お揃いがいいんです』
—————-
『お待たせしました!エディバディ!雄英体育祭もいよいよラストバトル!一年の頂点がこの一戦で決まる!』
カミナと爆豪はそれぞれのゲートから舞台へ向かう
「神野さーん!」
「カミナーー!勝てーー!」
「気合いだーー神野ーー!!!」
カミナは騎馬戦のチームメイトに気がつき親指を立てる
カミナが舞台へ歩く途中、プレゼントマイクが何かに気がつく
『おい神野!その背中の何だ?改造ジャージか!?』
カミナのジャージの背中には、"赤く燃えるドクロ"が描かれていた
カミナは舞台に上がるなり仁王立ちで叫ぶ
「この背に背負うはグレン団!例え遠く離れても、繋いだ絆は離れない!その象徴を、リーダーであるこのカミナ様が、今付けないでいつ付ける!」
プレゼントマイクはミッドナイトへ尋ねる
『主審の反応は?』
『許可しまぁす!』
『ダヨネ!知ってた!』
『お前なぁ・・・今回だけだぞ』
カミナと爆豪はそんな放送を聴きつつも、互いに視線は逸らさない
「そういや、お前とこうしてちゃんと真正面から戦うのは初めてだな」
「障害物競争も騎馬戦も奇襲みてぇなもんだったしな」
「だな、で?コンディションは?」
「絶好調、テメェは?」
「最高だよ。良かったな、これで・・・」
「あぁ、コレで・・・」
「「負けた時の言い訳は必要ねぇな!!」」
『両者気合い充分!それじゃ行くぜ決勝戦!レディ・・・スタート!!』
「死ねぇえええええ!」
「ぶっ飛べぇえええ!」
その瞬間、加速した両者の拳と掌がスタジアム中央でぶつかり、螺旋力と爆炎が吹き荒れる
『初っ端からぶちかましだぁ!』
2人はそのまま接近戦に入り、拳や掌が交差する
カミナは爆豪の手首を弾くことで爆破の直撃を避けつつ、拳を叩き込むが爆豪も持ち前の反射神経で避ける
「うらぁ!」
爆豪は麗日戦で使った、場面を削るように巻き込んだ爆破を放とうとする
「フッ!」
カミナは爆豪の手首を踵で上から蹴り落とし体勢ごと崩させ、延びた腕をレールの様にして顔面を蹴り上げる
「ぶっ!?」
そして怯んだ爆豪を後ろ回し蹴りで蹴り飛ばす
『初ヒットは神野!なんだ今の!』
『巧い動きだ。身体強化も入ってるから、格闘戦は神野有利だな』
爆豪は油断してなかったとはいえ、直撃を受けたことに驚き戦法を変える
「チッ!なら、コイツだぁ!」
爆豪は空中に飛び上がりカミナに手を合わせて構える
「APショット!!」
爆発する弾丸が上空からカミナに襲いかかる
カミナは強化した腕でガードする
「豆鉄砲でも多けりゃ痛ぇな!」
カミナはガードを解き、爆豪に向かって螺旋ジェットを展開する
「空中戦と洒落込もうじゃねーか!」
「ハッ!来いや青髪!」
爆速ターボと螺旋ジェットのドッグファイトが始まる
「オートカノン!」
「カミナブーメラン!」
2人は互いの遠距離攻撃をぶつけ合う
「砲撃で、俺に勝てるかよ!」
爆豪は、サングラスを生成しなければならないカミナとは連射力が違うため、ここぞとばかりにカミナに弾をぶつける
「グッ、クソ!」
カミナは接近するために爆豪をジェットで追いかけるが、空中で小回りのきく爆豪と一定の距離を保たれてしまう
鬼ごっこが続く中でプレゼントマイクが気づく
『ありゃ?なんか追いかけてる神野の方がダメージ受けてね?』
カミナは空中で確かに攻撃を当ててはいるが、それよりも爆豪の爆破を食らっていたのだ
カミナが爆豪の急旋回などの爆破に巻き込まれる一方、爆豪はカミナの螺旋ジェットを浴びても少し動かされる程度でダメージがない
「そうか、カミナさんの螺旋力そのものには攻撃力は無いんだ!」
「え、でもめっちゃ威力あるやん」
「あれはあくまで強化や衝撃波なんだ。轟くんの炎やかっちゃんの爆破みたいに、触れただけではダメージはないエネルギーの塊なんだ。ハッキングや回復が最たる例だよ」
「なるほど、質量や方向性を持たせることで攻撃性を持つわけか。しかし、あの神野が押されているのは何故だ?」
「・・・多分だけど過程に関係があるんだ」
「過程?」
「カミナさんの螺旋力の使い方は多分だけど、造る、溜める、効果をもたらす、って感じなんだ。一方でかっちゃんは爆破という1アクションで攻撃、移動、妨害、しかも掌だけだから思考に余裕が生まれる」
「実は神野は選択肢の膨大さに本人が付いていけてない、という訳か?」
「うん、それでも今まで勝ってたのはカミナさん自身の強さもあったからだと思う。けど、今回は同じく戦闘能力がずば抜けてるかっちゃんが相手なんだ」
「だから素の力よりも個性の性質で差が出始めたって訳やね」
「うん、カミナさんの適応能力も凄いけど、かっちゃんは戦うほどギアが上がっていくから、長引くと形勢はどっちに傾くか・・・」
「オラ!」
カミナの螺旋力の噴射を利用した蹴りが爆豪を襲うが、爆豪は小さい爆破で身体を回転させ蹴りを避ける
「テメェの慣れより、俺のトップギアの方が早かった、な!」
「ガハッ!」
爆豪カウンターの爆破をカミナは直撃で貰ってしまう
「テメェが強いのは地面だけなんだよ!」
爆豪は噴き出す螺旋力を無視して、カミナの足首を握りばくはの勢いで振り回す
「"エクスカタパルトォ"!!」
カミナはそのまま地面に投げ飛ばされる
「なめ、んな!"カミナインパクト"!!」
カミナは落ちながら衝撃波を爆豪にぶつけるが、距離がありそこまでのダメージを与えられない
落下の勢いは螺旋ジェットで殺して無くしたものの、カミナの方が爆豪よりもダメージを受けているのは誰が見ても明らかだった
「嘘、あの神野が押されてる!?」
「轟の時でさえ少し余裕がありそうだったのに・・・」
観客席がザワザワと騒がしくなる
「どうした!その程度じゃねぇだろ!」
インパクトを受けた爆豪が地面に着地しながら叫ぶ
「うるせぇ!押されっぱなしの俺じゃねぇぞ!」
カミナが螺旋力を足に集めようとした瞬間
「"スタングレネード"!」
「ッ!?」
低空飛行していた爆豪の目眩しによってカミナは動きを止めてしまう
爆豪はカミナの背後に回り込む
「んでもって!地上でも捻じ伏せる!」
「カハッ・・・!」
爆豪の蹴りがカミナの背中に刺さり、カミナは息ができないまま前に転がる
「ゲホッ!ゲホッ!」
(微妙に威力殺されてやがる、しぶてぇ)
爆豪はカミナが攻撃を受ける反対側に僅かに動いているの気がついていた
(見えてるわけじゃねぇ、野生の勘ってやつか)
爆豪は距離を取り、カミナの動きを見る
『神野大ダメージ!かなり一方的になってきたぞ!?』
『爆豪のセンスは戦えば戦うほど磨きがかかる。先の八百万との試合があいつを一段階成長させたな』
爆豪にとっては完全敗北まで行きかけた八百万との戦い
そこで得た立ち回りや戦い方で、爆豪は進化していたのだ
(何やってんだ俺は!)
カミナは自分を叱咤する
「どうしたカミナ!気合いが足りねぇぞ!!」
カミナは立ち上がりながら叫ぶ
「例え地中に落ちようと、天を目指して這い上がる!敵に囲まれ襲われようと、ダチを増やして切り抜ける!託した想いをこの背と胸に、背負って燃えるが我が魂!!」
カミナはこの怒涛の体育祭を思い出しながら自身に指を差す
「俺を誰だと思ってやがる!泣く子も黙る、グレン団のカミナ様だぞ!喧嘩にゃ死んでも負けねぇぜ!」
この世界にグレン団のメンバーは居ない
しかし、この背中に燃えるドクロを背負ったならば、たとえ世界が違ってもシモンたちに情けない姿は見せられない!
「モモが、デクが、ショートだって前に進んだってのに、俺だけ止まってどうすんだ!」
仁王立ちしたカミナはさらに叫ぶ
「あいつらに追いつかれたままで、終わってたまるかってんだ!!」
「!!」
爆豪は見る、カミナの瞳が螺旋に輝くのを
「回れ、俺のコアドリル!!」
カミナの胸から螺旋力が溢れ出し、カミナを中心に渦を巻く
「うぉらあああああああああああああ!!!!!!!!!!」
そしてそれらを全て集め、カミナは焔の様に全身に纏う
(強化、バリア、加速、チマチマ考えるのは俺らしくねぇ!いっぺんに全部やる!!)
「せっかくのグレンラガンに
この世界ではカミナがグレンと合体することで変身するグレンラガン
そこにラガンの要素は何処にもなかった
強いていうならカミナがラガンと同じような能力を持っていたのだ
つまり
「コイツの名前はラガンモードだ!」
カミナ自身が完全にラガンになってしまえば良いのだ!
「そうか、これだ!」
「デクくん?」
「簡単なことだったんだ・・・全身に流す、何で思いつかなかったんだ・・・!僕も、同じじゃないか・・・!」
「コレは・・・!?」
「オールマイト?」
「いや、なんでもないんだ」
(驚いた、まるでOFAじゃないか・・・!)
「俺の気合いは全てを超える!かっかって来やがれってだ!」
「テメェも殻を破ったってのか?いいぜ来いよ!俺はそいつをぶっ殺したらぁ!」
爆豪は加速してカミナに爆破を浴びせる
「俺だって進化するんだよパァァンチ!!」
カミナは爆破に正面から突き破り爆豪を殴り飛ばす
爆豪はすぐさま体勢を起こすが、想像以上の威力でたたらを踏む
「ぐぅ・・・テメェ、それ長持ちすんのか?」
「しねぇだろうな」
カミナのこのラガンモードは螺旋力を放出し続けるような物なのだ
蛇口を全開にしたタンクから水が無くなるのは時間の問題ではあるのだが
「けどな、螺旋力は気合いの力!つまり、俺の螺旋力は無限ってことだ!俺が止まると思うなよ!!」
カミナは気合いで乗り越える
それは今も昔も、世界が変わろうと変わらない
「チッ!"APショット"!!」
爆豪はカミナの苦手とする空中砲撃に切り替える
だが、カミナはその弾幕すら突き破り爆豪に肉薄する
「もう俺は、誰にも止められねぇぞ!!」
カミナは爆豪を空中で加速する
「必っ殺!ラガン・イナズマキック!!」
飯田戦よりも速度と威力が増した技が爆豪を地面に蹴り落とす
「負けて、たまるかぁああ!!」
爆豪は地面スレスレで爆速ターボを使い、低空飛行から上空に回転しながら上がっていく
「俺はNo.1になんだよ!勝つためにここに居んだ!だから、ぶつけ合おうじゃねぇか!!」
「!!」
爆豪はカミナを挑発し、それに応じるように地面に降り立ったカミナも笑う
「コレで最後だぁああああ!!」
爆豪は最大火力に回転と勢いをつけた正しく奥義を繰り出す
「ハウザーインパクト!!」
対するカミナは、左腕を構え、防御の姿勢を取った
「ッ!?」
爆豪の奥義は会場を爆煙に包む
それが晴れ、現れたのは
「テメェ、謀ったな・・・!」
「あぁ、
左腕を犠牲にしたカミナだった
「右の大振り、確かにそうだったぜ!!」
「ッ!?ク、クソがぁああああああ!!」
反動で動けない爆豪に向かって、カミナは全ての螺旋力を込めた拳を振りかぶる
「必っ殺!」
カミナの拳が最後のあがきのガードごと爆豪を殴り上げる
「バースト・スピニングパァァァァァンチ!!!!」
エネルギーの奔流は螺旋を描きながら爆豪を天空へ吹き飛ばす
セメントスは空中で爆豪の意識がなくなっていることに気付きセメントを伸ばす
ミッドナイトが判定を下す直前にカミナが叫ぶ
「テメェら耳かっぽじってよく聞きやがれ!!」
カミナは掲げた拳をそのまま真上に伸ばし、指で天を差す
その姿に、会場、その中継を観ていた者達、全てが沸き立つ
「この激闘の燃える体育祭!全ての猛者を薙ぎ倒し、テッペンに立ったのはこの俺、カミナ様だ!よぉく覚えておきやがれ!!」
大歓声の中、もう一度アナウンスが響く
『雄英体育祭1年の優勝は、ヒーロー科、神野神名ァ!!』
本来なら戦闘訓練であったはずのデクの腕犠牲スマッシュ
兄貴分ならできて当然
螺旋力とバーニッシュフレアって似てるよね、色とか自由なところとか
ラガンモードはリオの炎を纏ったガロを想像してください
リアルで銃撃った経験ある身からしたら、空中で変則的に動いて近付いてくる的なんて狙えるもんじゃない
相当訓練されてなきゃ無理よ
難産だったから正直面白くないかも、ごめんなさい
なお、今回の話を読んだ友人の感想
「パフェの後に麻婆豆腐食った気分」
すまん