男は、男達は運命を突き進み始める
(空色デイズを流しながら読むととても良いです)
月光に照らされた男は高らかに言う
「無茶で無謀と笑われようと 意地が支えのケンカ道 壁があったら殴って壊す 道がなければ この手で作る!兄弟合体、『神野カミナ』‼︎俺を!俺たちを誰だと思っていやがる!」
人狼は歯軋りをする
「何が、何がきょうだい合体だ!何がカミノカミナだ!クソガキがぁああああ!」
人狼が爪を振りかぶってくる、だが
「今更効か〜ん‼︎」
「な、ク、クソがなんでこんな強くな「おらぁ!」ぶべらぁ!」
人狼の攻撃は螺旋力のバリアに弾かれ、カミナの拳が人狼の顔面を正面から殴り飛ばす
「なんで強くなったかだって?男子、3日会わざれば刮目してみよってやつだ」
「いや、俺たちは違う。俺たちは1日、いや1分前の自分より進化してんだよ」
人狼は叫ぶ
「仮に強くなったとして、なんでその怪我で動けんだよ⁉︎」
「そんなもん決まってるだろ」
「気合いだ!」
人狼は一瞬ポカンとする
「そんなこと、、、あってたまるかぁあああ!」
人狼は狂うようにカミナに突撃する
「殺す殺す殺すぅ!GAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
対するカミナは一歩も引かず構えを崩さない
「あばよワン公。これで終わりだぁ!」
カミナは螺旋力を集め、右手の掌にドリルを作る。しかしサイズは小さく、螺旋力がドリルの形をしているだけで硬質化もしてない。
これが今の全力。まだまだ未熟。だが今はこれで決める‼︎
「必っ殺!」
「カミナインパクトォ‼︎」
ドリルの掌底が人狼の腹に突き刺さる
「ぐぅおおおおおおおお!」
「覚えておけ!俺の、俺たちのドリルは」
「天を突くドリルだぁ‼︎」
人狼は高速回転しながら、商店街の天井を突き破り吹っ飛んでいく
「はぁ、はぁ、ヤバい体がもう動かねぇ。気合が足りてねぇな」
ちなみにカミナは腹に拳を食らった際に壁にも激突したので、肋骨が複数本折れている。子供が気合いでどうにかなる状態じゃない
「とりあえず、あのワン公を倒したか確認しないと・・・」
カミナは体を引きずるように商店街を出る
その瞬間目の前に黒い影が現れる
「無事、じゃあなさそうだな。無事かガキ⁉︎」
その男は橋であったホームレスもどきだった
「あ、不審者」
「違う」
男はため息をつく
「減らず口を叩くくらい余裕か?」
「いや、まぁ、肋骨は折れてるかなぁ」
「ッ!重症じゃねえか‼︎もう喋るな、大人しくしてろ‼︎」
男は電話をかける
こっちにも応援を頼むなどとカミナの耳に入る
「お前、時原園の神野カミナだな?喋らなくていい、軽く頷くだけでいい」
コクリ
「実は、時原園が
‼︎
「落ち着け、怪我人はほとんどいない。いるのは園長が軽傷を負ったくらいだ」
・・・コクリ
「言い忘れだが俺はヒーローだ。孤児院を襲った敵は捕縛したし、もう応援が来て捕まってる。」
コクリ
「問題は、お前だ」
カクン?
「奴等は孤児院や保育園などの子供の施設を襲撃する敵コンビだ。白と黒の狼の個性が特徴で、黒はヒーローとの戦闘、白は情報収集が担当だった」
カミナは驚く、つまり自分が倒したのは戦闘タイプではなかったのだ。
「だが、白の狼は子供くらい簡単に殺すには十分な個性だった。お前、どれだけ自分が危険な行為をしたか分かってんのか⁉︎」
男は、いやヒーローは怒っていた。一般人が、しかも子供が敵と戦っていたなんて怒らずにはいられなかった。
「今回はたまたま運が良かっただけだ!もし、お前と会っていたのが黒だったらどうする⁉︎お前は死んでいたんだぞ‼︎」
「はぁ、はぁ、イレイザーさん、その辺にしてやってください」
「ん?・・・あんたは」
「園長、、、」
そこに居たのは園長だった。大量の汗をかき走ってここまで来たのが分かる
「カミナ」
「あの、、、園長、俺は」
「ガキ達や皆んなを守りたかったんだろ?」
「ッ⁉︎」
「お前が精神的に不安定になりかけていたのも、個性の練習をしてたのも知っとる。だからワシはお前が道だけは外さんように教育したつもりだった。特に効果がないと知りつつな」
園長はカミナの頭を撫でる
「カミナ、お前は立派だ。ワシの教育なんて必要なかった」
「カミナ、お前はわしの誇りだ。命懸けで皆んなを守ろうとしたんだ」
「よく頑張ったな」
その一言でカミナは船を漕ぎ始める
「お疲れ様だ。ゆっくり休め」
そこでカミナの意識は途絶えてしまった
■■■■■■■■
目の前に男が立っていた
青い髪に、しっかり鍛えられた身体。肩などには特徴的な刺青がある半裸の男だ
「これがアニキの姿か。カッコいいね」
『当たり前だ、俺を誰だと思ってやがる』
アニキと2人で笑い合う
『終わったな、兄弟』
「そうだねアニキ。あれ?合体が終わったから話せてんの?」
『・・・いや、違う。多分もうずっと合体したままだ。多分一つに戻るってやつなんだろ』
「そうか、じゃあこれが最後の会話なんだね」
『神名』
「ん?」
『いいか忘れんな。お前を信じろ。おれが信じるお前でもない。お前が信じる俺でもない。お前が信じる、お前を信じろ』
「・・・あぁ、分かったよアニキ」
視界が光に包まれていく。だんだん見えなくなってしまう
もう終わりが近づいていた
『"またな"、兄弟!』
だが、最後のアニキの笑顔だけはしっかりと、鮮明に見えていた
■■■■■■■
「・・・アニキ」
カミナの目が覚めた場所、そこは病院だった
やはりカミナは入院してたようだ
「・・・やっぱり泣いてんな」
カミナの頬は濡れていた
だがいつもと同じじゃない。心は晴れていた
カミナは窓越しに同じように晴れた空を眺める
「"またな"、アニキ!」
ーーーーーーーーーー
落ち着いたカミナは行動を起こす
「なんか喉乾いた」
訳はなかった
カミナは台の上の水を取ろうとするが、上半身には包帯が巻いてあり上手く動けない
仕方ないのでカミナは助けを呼ぶ
「お〜い、誰か〜。誰か居ないのか〜〜?」
声が届いたのか看護婦が入ってくる
「カミナ君、起きたのね!先生をよんでくるから!」
「いや、俺水を飲みたくて、っておい!待てってばーーーーー!」
看護婦は走って何処かに行ってしまった
カミナはしばらく待てばいいかと思っていたところで、
「おう、起きたみたいだな」
例のヒーローが居た
「あ、不審者ヒーロー」
「違う、不審者は余計だ」
「でも、入口で止められただろ?」
「それは、、、そんな事はない」
止められたようだった
「それより、目が覚めてよかったな。心配してたんだ」
「ありがとよ」
「おう。・・・お前なんかキャラ変わった?」
「気のせいだろ」
「そうでもないが、、、まぁいいか。それとだが・・あ〜」
「?」
「俺も合理的じゃねぇな」と男はガジガジと頭をかく
「助かった。ありがとう」
「は?」
カミナの驚きはもっともだった
あれだけ怒られたのにお礼を言われたのだ
「ここだけの話、俺は黒に苦戦していた。お前が白を引き付けてくれなかったらおそらく俺は負けていた。そして、あの孤児院は血の海に染まっていただろう」
俺を含めてな、と男はいう
「神野、いやカミナ君。君、ヒーローになる気はないか?」
「⁉︎」
「いや怒った俺が言うのもなんだがな、敵相手に捨て身で挑むってのは普通じゃできない。だから向いてると思ったのさ」
もちろん男が、ヒーロー『イレイザーヘッド』こと相澤消太のこの言葉は本音である。
だがこの言葉には隠れた思惑がある
それは"監視"だ。7歳にして大の大人を、変身系の個性を倒す力。命を懸ける精神性。良くも悪くも見張りを立てておきたかったのだ。
「まぁ強制はしない。お前の人生だか「なぁ」ん?どうした」
「水とってくれよ」
「?ああ」
カミナは喉を潤し、相澤に向き直る
「なるぜ、ヒーローに」
「・・・いいのか?危険な仕事だぞ、俺が言ったから選んだなんて理由なら・・・」
「そんなんじゃねぇよ。ただ、仲間についた嘘が本当になっただけさ」
カミナは強くなろうと思っていた。孤児院が襲われた事、白に苦戦したこと、目の前のヒーローがもっと強い奴を大怪我なく倒していたこと、そして、、、
アニキとして、グレン団のリーダーとして、違う世界でもシモンに笑われないように生きてやろうと思ったのだ。
「そうか、、、うん、お前いいヒーローになれるかもな」
「なれるかもとかじゃなくて、なるんだよ」
「俺を誰だと思ってやがる」
「そうだな。頑張れよ神野」
「おい、あんた」
「ん?」
「名前、教えてくれよ」
「イレイザーヘッド。ヒーローだ」
「そうか、ありがとうよ。イレイザーさん」
相澤は、イレイザーは手を軽く振りながら病室を出て行く
「・・・・・お話おわりました?」
その後、外で待機していた先生方が病室に入って行った
ーーーーーー
相澤は病院の外に出て、ふとカミナの病室の窓を見上げる
相澤は思い出す。戦闘音が聞こえる商店街へ走っていると轟音と共に天井を突き破った白の姿。そしてこの瞬間聞こえたカミナの叫びを
「俺のドリルは天を突く、ねぇ。お前ならほんとに出来そうだな」
タクシーに乗る前にそんな事を考えていた
読了感謝ですぞ!
今の段階ではカミナインパクトは螺旋丸みたいなもんです。形が球か円錐かの違いです。螺旋つながりダネ!
序章は後一二話やって本編入ろうかな
意見と感想、評価おなしゃす!
天元突破ァァァァ!