にじさんじ×ワールドトリガー   作:Mr.ソロ

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第10話「アルビオ隊」

 

「ふぅ〜…っ!なんとか間に合った〜…!」

 

 

B級ランク戦ROUND2が行われる日の2日前…C級ランク戦に臨んでいたにじさんじ支部所属の隊員:アルス・アルマルは、苦戦を強いられたB級予備軍の隊員達との試合になんとか勝ち抜き、遂にB級隊員への昇格を果たした

 

 

「お疲れ様です、アルスさん!」

 

「これでアルスさんB級昇格。エクスさん達に合流出来ますね。出水先輩も、ご協力ありがとうございました」

 

 

アルスを含むC級ランク戦に臨むにじさんじの隊員達の付き添いで来ていたフレンが駆け寄り労うなか、共に来ていた烏丸はその隣に立つ彼女のB級昇格に助力してくれたボーダーのA級隊員:出水公平に感謝を伝える

 

 

「気にすんなって、京介。そう大したことはしてねぇんだから」

 

「そんなことないですよ!出水さんのレクチャーのおかげで、B級昇格までもう少しのところで足踏みしてた僕や社長、オリバーもB級に上がれたんですから!本当にありがとうございました!」

 

 

と、アルスは謙遜する出水に感謝を伝える

 

入隊から1ヶ月、にじさんじのメンバーは着々とC級ランク戦で勝利を収め、B級昇格に必要なポイントを稼いでいた

 

アタッカーやガンナーの隊員の多くはこの期間で見事B級への昇格を果たしていたが、他のポジションと違ってB級への昇格条件が特殊なスナイパー組を例外とし、シューター組のメンバーのほとんどが3000ポイントを超えた辺りで伸び悩んでいた

 

理由は、シューターがガンナーと異なり、弾丸の射出までに手間がかかることと命中精度がやや粗い欠点があること

 

そして、3000ポイント超えのB級予備軍達にはそれぞれのポジションへの対策も用意している者も少なくなく、戦闘経験の浅い者や身体能力がそれほど秀でていない者は苦戦を強いられることとなった

 

そんな折、入隊前に玉狛でシューター組の指導を請け負っていた烏丸が彼等の相談を受け、元太刀川隊での縁があるボーダーのNo.2シューターである出水に協力をお願いし、今に至る

 

 

「ただ、俺が皆さんに教えたのは、あくまでシューターがC級ランク戦で勝つための立ち回りや戦法です。トリガーをフルセット出来るB級以上の戦いは全くの別物になるんで、気を抜かないでください」

 

「うん!ここからが本番だもんね!帰ったら早速ランク戦に向けて訓練しないと!」

 

 

と、やる気十分といった様子でアルスはグッと拳を握る

 

 

「たしか、アルスさんはアルビオ隊に加わるんでしたよね?俺、次の試合の解説に呼ばれてるんで、楽しみにしてますよ」

 

「えぇ…っ!そうなの…!?な、なんか今から緊張してきたぁ…!仮病でも何でもいいから、何か理由つけて来るの辞めれたりしないですか…?」

 

「どんだけ嫌なんですか…」

 

 

知り合ってまだ日が浅いとは言え、些細ながらもシューターの手解きをしてくれた出水に直接試合を見られることにアルスはプレッシャーを感じ、それを嫌がる彼女の姿に出水は苦笑いする

 

 

「大丈夫ですよ、アルスさん!私も出来る限り力になりますから!」

 

「う、うん…!僕、頑張るよ…!」

 

 

フレンの励ましを受け、気を取り直したアルスはランク戦に向けて気を引き締める

 

 

 

 

そして時は流れ、B級ランク戦ROUND2が行われる6月の第1水曜日…

 

 

「よし。じゃあお前ら、試合前の最終確認するぞ」

 

 

最後のメンバーであるアルスが加わったアルビオ隊の一同は、本部の作戦室にて昼の部中位グループの試合開始前のブリーフィングを行おうとしていた

 

 

「まず、今回MAP選択権のある柿崎隊はスナイパーがいない近中距離戦がメインの部隊。突出して強い奴はいねぇけど、部隊で固まって行動してて、全員の集中攻撃で確実に仕留めてくるスタイルだ」

 

「前の試合の吉里隊以上に部隊としてしっかり仕上がってるから、必ずこっちも人数を揃えて当たらないと全然負けはある。それで、柿崎隊の相手をフレンさんに任せたくて、その援護にヒムかアルスさんのどっちか付く感じで」

 

「いいよ〜!」

 

「でも、何でフレンを指名なの?状況によってはエビ先輩が相手するとかじゃ…?」

 

 

柿崎隊の相手を状況に応じてエクスかフレンではなく、最初からフレンに任せる判断にアルスが尋ねる

 

 

「多分、俺じゃないと相手し切れない奴がもう1つの部隊に関係してるからですね」

 

「たしか、鈴鳴第一だっけ?」

 

「そう。アタッカー、ガンナー、スナイパーのバランスが取れた部隊で、その中のアタッカー:村上鋼って奴が要注意人物なんだわ」

 

「聞いたところによると、ここ半年で急激に力をつけてる隊員で、個人の実力だけで言えばA級にも匹敵するらしい。装備が俺と同じ弧月とレイガストで、ここ最近の記録を見た限りでは、攻守ともに隙が無い噂通りの実力者でしたよ」

 

「なるほどね〜。でも、なんだか今の話だとアルビオならその人に勝てて、私じゃ勝てないみたいに聞こえるんだけど?」

 

 

と、エクスとイブラヒムの見解にフレンが不満そうに顔を顰める

 

 

「純粋な剣の腕ならフレンさんが上だけど、この村上って人は特に守りが固い。鈴鳴第一もちゃんと全員で動く部隊だから、村上を落とし切れないと集中攻撃で返り討ちに合う」

 

「つまり…どういうこと…?」

 

「鈴鳴全員を相手にすることになったら、少なからず時間がかかる。そして、持久戦にはフレンさんより俺の方が向いてる。要は俺が適任って話」

 

「あ〜!そういうこと!」

 

 

エクスの話を理解したフレンはポンと手を打つ

 

 

「本当はこっちも全員で相手出来れば楽なんだけど、今回の試合はそうならないだろうからな」

 

「それはどうして?」

 

「自分で言うのもなんだが、前の試合で俺達は結構暴れたからな。おそらく、他の2部隊からはめちゃくちゃ警戒されてると思う」

 

「両方から狙われるってこと…!?」

 

「結託するなんてズルくないの…!?」

 

「んなことねぇよ。バトルロイヤルではよくある戦法だ。それを想定して、俺達は2部隊両方を相手取るために最初から二手に分かれて行動するんだ」

 

「もし、転送直後からの時間で孤立してるところを狙えそうだったら、フレンさんには狙ってほしい。アルスさんとヒムは無理しないで、合流か狙撃地点への移動優先で。メリッサさんは主にアルスさんとフレンさんのサポートを頼みます」

 

「「「「了解!」」」」

 

「よし。あとは柿崎隊がどのMAPを選んでくるかだな…」

 

 

 

 

「今回のMAPは市街地Dだ」

 

 

柿崎隊作戦室…そこでエクス達と同じく、これから始まるB級ランク戦に備えて柿崎達もブリーフィングを行っていた

 

 

「市街地Dということは、鈴鳴とアルビオ隊のスナイパー封じが狙いなんですか?」

 

「それもある。だが、最大の理由は市街地DがどのMAPの中でも1番狭いステージだからだ」

 

 

柿崎隊の隊員:巴虎太郎の問いに、隊長の柿崎国治は堂々と答える

 

 

「前の試合、アルビオ隊のエクスさんは開始から単独で吉里隊に仕掛けていた。今回もそうしてくる可能性は否定出来ない」

 

「つまり、合流までの早さを優先した選択…ということですね?」

 

 

柿崎隊オールラウンダー:照屋文香の指摘に柿崎は頷いて肯定する

 

 

「工業地区も候補にあったが、入り組んでいるあのMAPだと、いざ転送直後の時間に絡まれた時に苦しくなる」

 

「その点、市街地Dは入り組んだ場所は建物が密集しているMAPの端のみ。中央の大通りに出れば、射撃の援護も通る」

 

「ああ。1人増えたアルビオ隊のアルスさんがどのポジションかは分からないが、射撃戦の火力では俺達に分があるはずだ。そして、これは鈴鳴に対しても有効になる」

 

 

柿崎が考える勝ち筋を照屋と巴は理解する

 

アルビオ隊で射撃がメインの隊員は多く見積もってイブラヒムとアルスの2人

 

鈴鳴も同じく来馬と別役の2人だった

 

柿崎隊は3人全員が射撃トリガーを装備しており、そのレベルはB級中位の実力として申し分ない

 

つまり、射撃戦に持ち込めば他の2部隊に勝てる可能性は高いと言える

 

だが、そのためには3人全員が揃っていることが前提であり、1人でも欠ければ勝てる可能性は大きく下がる

 

 

「いつも通り、転送直後は合流を優先する。仕掛けるのは全員が揃ってからだ」

 

「「了解!」」

 

「それでザキさん。3人全員が合流出来たら、どっちの部隊に仕掛けるんですか?」

 

 

柿崎隊オペレーター:宇井真登華の問いに、柿崎は一呼吸挟んで答える

 

 

「決まってる。狙いは当然、アルビオ隊だ」

 

 

 

 

「僕達は事前に決めた作戦通り、柿崎隊と連携してまずはアルビオ隊を倒す…!」

 

「「はい!」」

 

 

鈴鳴第一の作戦室では、その隊長:来馬辰哉がやや緊張した様子で試合前のブリーフィングを行う

 

 

「米屋君が認めてるエクスさんは勿論、フレンさんも相当な実力の持ち主だ…!僕と太一じゃ手も足も出ない…!だからこの2人の相手は…!」

 

「分かってます。エクスさんとフレンさんの相手は俺に任せてください」

 

「ありがとう、鋼…!でも、2人同時に相手することになったら、いくら鋼でも危ういと思う…!だから…!」

 

「柿崎隊と一緒にアルビオ隊を狙う…ですよね!」

 

 

元気よく答える鈴鳴第一のスナイパー:別役太一に来馬はコクリと頷く

 

 

「前の試合を見ているなら、柿崎君達もアルビオ隊を脅威と捉えているはず…!向こうも出来るなら、アルビオ隊の戦力を僕達に分散させたいと思ってるはずだよ…!」

 

 

来馬の推測に村上と別役は首を縦に振り、同意を示す

 

 

「とは言え、作戦通りにアルビオ隊の戦力を分散させられたとしても油断は禁物だよ…!」

 

「分かっています。これだけ情報を与えないようにしているということは、まだ明らかにしたくない何かを隠しているということ」

 

「無難に考えるなら、まだ空いている枠のトリガーの有無だけど…」

 

「前の試合が全力じゃなかった…という可能性もある」

 

「うん…!その辺りもしっかり念頭に入れて戦おう!」

 

 

自分達の作戦、注意するべき点を念入りに再認識し終え、来馬達は試合が開始されるその時を静かに待つ

 

 

 

 

『ボーダーの皆さん、こんにちは!B級ランク戦2日目昼の部中位グループ!実況の武富桜子です!解説には、A級1位:太刀川隊の出水先輩と現在B級暫定7位:諏訪隊の堤先輩にお越し頂きました!』

 

『『どうぞよろしく』』

 

 

B級ランク戦中位グループ…その昼の部の試合を観戦する会場には用意されている座席以上の隊員達が集まり、これから始まる試合を前に賑わっていた

 

そして、まもなく試合が開始されるところで、実況解説席にて今試合の実況を務める桜子と解説役として呼ばれた出水、諏訪隊の堤大地が挨拶をする

 

 

『さあ、会場にお集まりの皆さんも非常に気になるであろうこの一戦!今回の注目はなんと言っても前回の試合で7点をあげたアルビオ隊でしょうか!』

 

『そりゃそうだろう。特にエクスさんは別格、フレンさんも相当な実力だ。ウチの隊長も機会があれば戦ってみたいって言ってたぜ?』

 

 

出水の隊長…それはボーダー隊員なら知らない者はいないA級1位:太刀川隊の太刀川慶

 

No.1アタッカーにして、個人総合1位でもあるボーダー随一の実力者

 

前の試合で解説役に呼ばれていたA級の米屋に続き、そんな大物にまでエクス達が認められていると告げられ、観覧席の隊員達からどよめきが上がる

 

 

『そうですね。それに、今1番注目されてる点はアルビオ隊の隊員が1人増えていることじゃないですか?』

 

 

そんななか、堤はアルビオ隊に増えた新たな隊員…アルスの存在に触れる

 

 

『アルス・アルマルさんですね!駆け出しの魔法使いである彼女の魅力!それは何と言っても、特徴的なもちもちした声が合わさった小動物のような可愛さ!そして、その見た目から時折垣間見える毒舌やキレが非常にギャップもあって…!』

 

『さ、桜子ちゃん…!分かったから、少し落ち着いて…!』

 

 

にじさんじのリスナーである桜子がアルスの魅力について熱く語り始めるが、その勢いに気圧された堤が思わず止めに入り、桜子はハッと我に返る

 

 

『んん…っ!失礼しました…。前情報だと、アルス隊員のポジションはシューターみたいですね』

 

『アルスさんは凄いですよ。試合が始まったら、みんな驚くだろうな〜』

 

『出水は何か知ってるのか?というか、その感じだと既に交流があるのか?』

 

『まあ、色々ありましてね。アルスさんのことは、試合が始まってからのお楽しみってことで』

 

 

アルスについての話に区切りが着き、次に試合全体に関する話題へ移る

 

 

『さて、そんな大注目のアルビオ隊の今日の相手はB級暫定12位:鈴鳴第一と15位:柿崎隊!MAPは市街地Dが選択されました!』

 

『市街地Dか…。中央の大型ショッピングモールに大通り、それに面した大きな建物が周囲に続く狭めのMAPだ。特にモールは中央にあることと中が広いことから、他のMAPよりも屋内戦が起きやすい』

 

『アルビオ隊と鈴鳴には最低でも1人ずつスナイパー持ちがいますから、モールでの戦闘でその有利を封じる狙いですね』

 

 

と、まずは地形戦の手本とも言えるスナイパーを封じる狙いに堤は言及する

 

 

『あとは戦闘が起こりやすいモール周辺が入り組んだ地形じゃないのもあるだろうな。この3部隊の中だと、全員が射撃トリガーを持ってる柿崎隊が射撃戦で分がある』

 

『遮蔽の少ないところ場所ほど、射撃は有効ですからね』

 

『それに入り組んでいないからこそ、相手の動きも読みやすい。縦に広いモールでバッグワームを使われると相手が何階にいるか分からないが、階層を移動する道も身を潜められる場所も限定されてる。つまり、奇襲の起こる箇所が簡単に絞れる』

 

 

市街地Dのショッピングモールは屋上を含めた7階の構造となっており、周囲のビルや高い建物に比べて中が倍近く広い

 

そして、ボーダーが隊員に常備させているレーダーは平面上での敵の位置こそ捉えられるが、その上下までの正確さは有していない

 

このため、ショッピングモールでバッグワームを使われれば、相手が何処にいるのかより分からなくなる

 

だが、基本的に建物内の階層を上り下りする方法は階段やエレベーター等に限られている

 

ジャンプ台トリガーであるグラスホッパーがあればモール内の吹き抜けから自由に移動出来るが、今回試合する3部隊にその使い手はいない

 

また、身を隠せる場所もモール内であれば幾つかある店内に限られる

 

つまり、同じ階層に敵が見られないなら、そこからの接敵や奇襲の警戒は階段やエレベーター等の移動場所か身を隠せる店内にのみ絞られる

 

これが複雑に入り組んだ地形であれば、警戒すべき点はより多くなる

 

まとめると、モール周辺における戦闘においては奇襲方法も限られているため、そこに割ける意識が極めて少なくなるということである

 

 

『アルスさんのことも含めて、アルビオ隊に関しては情報が少ないから、鈴鳴も柿崎隊もアルビオ隊を最も警戒して立ち回る試合になりそうですね』

 

『あと気になるのはやっぱ、エクスさんと鋼の対決だろ』

 

 

出水の指摘に桜子は勿論、観覧席の隊員の多くが大きく頷く

 

 

『現在、急激にその実力を伸ばしている注目のアタッカー:村上隊員!そして、A級隊員もその実力を認めるエクス隊長!未だ個人ランク戦でも実現されない対決が今日見られるのかと、私も大いに期待しています!』

 

 

と、そうこうしている内に試合開始時間まで残り30秒を切り、桜子は意識を切り替える

 

 

『さあ、スタートまであと僅か!全部隊…転送!』

 

 

 

 

仮想戦場の市街地D…その上空から飛来した10の光がMAPの各地へ降り落ちる

 

その南…中央のショッピングモールから大通りを含んだ2本先の大きな建物に挟まれた道路上に転送されたエクスはレーダーを確認すると共に、メリッサへ通信を入れる

 

 

「メリッサさん、アルスさん達以外に1人バッグワームで消えてるんだけど!」

 

『モールにあった反応が1つ消えてました!』

 

「なら、それが鈴鳴のスナイパーだな!他の部隊の動きはどうですか!」

 

『エビオ先輩とイブラヒムの近く…南西の人が真っ直ぐ北に進んでます!その先に1人いて、同じ場所に北東の人が向かってます!』

 

「バッグワームを着けてないってことはその3人が柿崎隊だな!ということは…!」

 

 

メリッサからの情報で敵部隊の位置を把握したエクスはモール内に1人転送されているフレンへ呼び掛ける

 

 

「フレンさん!レーダーに映ってる相手が誰が見つけられないですか!?」

 

 

 

 

「えっと…!ちょっと待ってて…!」

 

 

MAP中央のショッピングモール…その中の3階に転送されたフレンはエクスの指示を受けて、吹き抜けから顔を覗かせて周囲を見渡す

 

 

「…っ!」

 

タタタタタタッ!

 

 

フレンが上に目を向けたその時、向こうも同じくレーダーに映る相手の1人を探そうとしていたのか、5階から顔を覗かせていた来馬と目が合い、直後に彼が持つ突撃銃が火を吹いた

 

 

「アルビオ、見つけたよ!鈴鳴のガンナーの人だった!」

 

『モール内はその2人か…!ありがとう、その情報めっちゃ助かる!ヒム、近くで北上してる相手は無視して南側で狙撃位置に着いてくれ!アルスさんはそのまま南側を迂回してモール内のフレンと合流してください!』

 

『『了解!』』

 

『フレンさんは相手を逃さないようにしてくれ!もし、スナイパーに合流されたら無理はしないでアルスさんの合流を待ってて!』

 

「分かった!」

 

 

 

 

『各隊員、転送完了!各隊員は一定以上の距離をおいて、ランダムな地点からのスタートになります!』

 

 

全隊員の転送の完了に伴ってランク戦が開始され、桜子もハキハキとした口調で実況を始める

 

 

『バッグワームを起動したのはアルビオ隊のイブラヒム隊員とアルス隊員、そして鈴鳴第一の別役隊員の3人!各部隊、まずは味方との合流を目指す動き!』

 

『今回は近くに柿崎隊の照屋ちゃんが孤立していますが、アルビオ隊のエクス隊長は獲りに様子が無いですね。照屋ちゃんのすぐ西側にはイブラヒムさんもいるから、合流も兼ねて仕掛けてもおかしくないですが…』

 

 

堤は前の試合で開始から吉里隊に単独で仕掛けたエクスが今回その動きをしないことに疑問を抱く

 

 

『何か意図があるってことでしょう。それと、MAPが狭いだけあって早速始まるみたいですよ』

 

 

出水がモニターへの注目を促すと、そこには来馬がフレンと交戦し始めたところが映されていた

 

 

『おっと…!早くも来馬隊長とフレン隊員がモール内で接敵!フレン隊員は真っ直ぐ来馬隊長のいる5階を目指します!』

 

『モールの1階には太一がいるから、合流まで持ち堪えられれば鈴鳴の有利だ』

 

『ええ。それに、MAPの東からは村上も…!?』

 

 

と、突然に堤が声を詰まらせる

 

 

『堤先輩…?どうかしましたか…?』

 

『桜子ちゃん、モニターモニター』

 

 

何事かと思った桜子だったが、声を詰まらせた堤の隣で楽しそうな笑みを浮かべる出水にモニターを見るよう促される

 

 

『こ、これはまさか…っ!?』

 

 

そして、モニターに映されたある人物の行動を目にした桜子は堤と同様に驚愕を露わにする

 

 

 

 

『太一…!モールの3階にアルビオ隊のフレンさんだ…!今、階段を使ってこっちへ上って来てる…!急いで合流に来てくれ…!』

 

『うひぃ〜…!鋼さんが合流してない内に接敵なんて…!』

 

 

MAPの東側…来馬達が転送されたモールへと真っ直ぐ進んでいた村上は2人の状況を知って足を速める

 

 

「ちょっと待ってろ、太一。すぐにそっちへ合流…」

 

『みんな!1人レーダーから消えてる!多分…!』

 

「…っ!」

 

 

不安そうな太一を安心させようと、村上が通信越しに声を掛けたその時、鈴鳴第一のオペレーター:今結花からの警告が入り、直後にモール手前の大通りに出た村上はその目の前にある人物を捉えて足を止める

 

 

「…まさか、こんなにも早くそちらから来るとは思っていませんでした」

 

「僕達から見て1番厄介な相手は貴方なんですから、部隊との合流を阻止するためにも、孤立してるこの状況を逃す手は無いでしょ」

 

 

村上の前に現れた男…エクスは緊張感のない様子で問答に応じる

 

 

「…そう都合良くはいかせてもらえませんか」

 

「そりゃね。僕達も本気で勝ちに来てるんで」

 

「あなたとは是非一度戦ってみたいと思っていましたが、今は急いでいるので、そこを通してもらいます」

 

「通りたいなら、僕を倒すことですね。それ以前に、あなたが僕に倒されなければの話ですけど」

 

 

その言葉を最後に、互いに弧月とレイガストを構えたエクスと村上は地を蹴った

 





フレン・E・ルスタリオ

部隊:アルビオ隊
ポジション:アタッカー

トリオン6、攻撃9、防御援護6、機動8
技術9、射程3、指揮2、特殊戦術2
合計45

メイントリガー:弧月、旋空、シールド
サブトリガー:???、???、シールド、バッグワーム
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